大 寒 3     100句

大寒の街に無数の拳ゆく   西東三鬼   夜の桃

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大寒の紙破れたる糸電話 川瀬さとゑ 雲の峰 200404
くわんおんの御手に大寒横たはる 飯塚ゑ子 火星 200404
大寒や林間つめることもなく 豊田都峰 京鹿子 200404
大寒より涅槃へ灸つづけけり 松崎鉄之介 200404
大寒や葉書一枚出しに出る 雨村敏子 200404
大寒の百合根はがしてをりにけり 谷村幸子 200404
大寒や洗濯日和続きけり 名取富子 帆船 200404
大寒の今朝を温しと思ひけり 東芳子 酸漿 200404
大寒や墨を磨る音静かなる 北島上已 酸漿 200404
大寒や声のもどりし声をきく 田宮勝代 酸漿 200404
大寒の湧水鉄の色をなす 鍬形幸子 百鳥 200404
大寒や大師詣の飴を買ふ 大角麻理子 百鳥 200404
大寒の店の大粒いちごかな 小林和子 対岸 200404
大寒や鍵差し込めばきんと鳴り 中田寿子 ぐろっけ 200404
映画館出て大寒の風に向く 梁瀬照恵 ぐろっけ 200404
大寒の壁にわが影くきと折れ 清水明子 遠嶺 200405
大寒やビルの谷間の易者の灯 沼口蓬風 河鹿 200405
大寒の始発電車の硬き音 中村重雄 百鳥 200405
大寒や乾びし畝を土こぼれ 若林杜紀子 百鳥 200405
大寒や鞭を鳴らして馬馴らす 館容子 200405
大寒や観音堂に灯がともり 首藤知茂 200405
大寒や四角に張りし牛の貌 柴田佐知子 200405
大寒の背筋伸ばしぬ自ら 稲岡長 ホトトギス 200406
ささくれし大寒の雲街を行く 五十嵐暢子 対岸 200406
大寒を待ちゐしごとき訃の一つ 野沢しの武 風土 200410
大寒や泡の中からカプチーノ 杉良介 200501
大寒の朝の家路となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200501
大寒のびつくり水を注ぎたる 高橋将夫 200502
大寒や火を焚いて土おどろかす 鷹羽狩行 200502
大寒の鎌倉に来てあたたかし 鈴木幾子 酸漿 200503
大寒の濤かぶさつて重なつて 塩川雄三 築港 200503
大寒を鉢の貝母の芽吹きけり 松崎鉄之介 200503
大寒の公園隅の金縷梅咲く 松崎鉄之介 200503
大寒や納屋に先祖の鉈刀 土肥屯蕪里 雲の峰 200503
大寒や微笑観音膝を立て 田中藤穂 あを 200503
大寒や枯山水の砂真白 芝尚子 あを 200503
大寒や海豚は芸を磨きをり 早崎泰江 あを 200503
大寒波ロック生誕五十年 小川えいいち 遠嶺 200503
大寒や交りを絶つ死仕度 宮津昭彦 200504
大寒の清水に墓の花器洗ふ 島崎勇作 酸漿 200504
大寒の気圧配置のよろけ縞 高橋将夫 200504
大寒やくちばし鳴らす勝烏 真角多賀子 対岸 200504
大寒の着物平らに重ねおく 杉浦典子 火星 200504
大寒の畳に嬰のものあふれ 城孝子 火星 200504
大寒の磨けば細りゆく柱 平居澪子 六花 200504
大寒や鏡くもらせ紅をひく 川井政子 風土 200504
大寒やわが生れし日も母の忌も 栗原公子 200504
大寒の影踏み整列乗車かな 高木嘉久 200504
大寒の濤の牙むくオホーツク 工藤進 200504
大寒や陶窯に火のきほひ立ち 佐々木よし子 200504
大寒のものの一つに鳩だまり 中尾公彦 200504
きんきんと晴れ大寒の日なりけり 石川笙児 200504
大寒の墓に遊べる雀かな 高倉恵美子 200504
大寒や父直筆の経を誦す 狹川青史 馬醉木 200504
大寒のとつてつけたる骨の音 加藤峰子 200504
大寒の梢やいよよ尖りけり 濱田萬里子 河鹿 200504
大寒のこゑを聞きたるごと目覚む 青山丈 200504
餓鬼大将逝く大寒の日本晴 石川笙児 200505
大寒の太子の像は凛々しくて 荒幡美津恵 遠嶺 200505
大寒の相模の海の入り日かな 石塚ゆみ子 遠嶺 200505
大寒の金輪際の風ならむ 伊東恵美子 馬醉木 200505
大寒や携帯酸素凍りつく 保田英太郎 風土 200505
大寒の日に干されたるうどんかな 大東由美子 火星 200505
大寒の軋みて黒き生家かな 小林朱夏 200505
大寒の水いちまいの照り翳り 秋田庫 200506
大寒を笑うがごとき朝の雨 佐藤利夫 200507
まづ出でて大寒の気を身に充たす 服部早苗 200507
大寒の夕空青く暮れむとす 阿部ひろし 酸漿 200602
大寒の水無きごとき流れかな 山田六甲 六花 200602
大寒の切れつよく句を詠まむかな 山田六甲 六花 200602
大寒の鳥啼くごとく雨戸繰る 山田六甲 六花 200602
大寒の赤飯むすび分かちあふ 山田六甲 六花 200602
大寒やめらめらけぶる滝の壷 中村房枝 六花 200602
大寒や妹は散骨ふだらくへ 長澤健子 酸漿 200603
大寒やメタセコイアの炎立つ 神蔵器 風土 200603
大寒の沼や一舟だに往かず 藤井昌治 200603
大寒や父母の墓ゆくお留守かも 安部里子 あを 200603
大寒や深夜のシグナル待つ女 淵脇護 河鹿 200604
大寒の星火の山に雪を呼ぶ 沼口蓬風 河鹿 200604
喉仏痩せ大寒の水を飲む 沼口蓬風 河鹿 200604
大寒の空突き上げてクレーン車 白石紀子 200604
大寒のあららぎの実と雀かな 竹内悦子 200604
大寒の首ぎくしやくと気難し 沼田桂子 春燈 200604
大寒の寺床の間に般若面 宮原利代 ぐろっけ 200604
毎日を来て大寒の事務机 宮津昭彦 200604
大寒や客足遠き刃物店 矢野律子 200604
相槌を打つ大寒の波頭 吉田明子 200604
大寒のオムレツの出来自画自賛 山本無蓋 200604
大寒の稽古場にをくトーシューズ 遠山みち子 200604
大寒の夜明の月の暈広し 中川悦子 酸漿 200604
大寒の海へ出船の水尾分かれ 大竹淑子 風土 200604
大寒の厨に赤きうがひ薬 池田加代子 風土 200604
大和ごころに大寒の富士見てや佇つ 落合絹代 雨月 200604
大寒の怒濤見てゐる女かな 落合絹代 雨月 200604
大寒や留守番電話はばかれり 池崎るり子 六花 200604
大寒の寒の一字を飲み込まむ 市川伊團次 六花 200604
大寒や童謡流す灯油売り 山元海郎 河鹿 200605
大寒や色鉛筆の絵画展 菊池育子 遠嶺 200605
大寒の富士に真向かふ決意かな 村田文一 遠嶺 200605
大寒の樹相きびしき朝かな 酒井美津 遠嶺 200605
大寒 →4      

 

2021年1月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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