大 寒 2     100句

大寒と敵のごとく対ひたり   富安風生   松籟

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大寒の素手素足もて墨を練る 岸本久栄 雨月 200106
大寒の大阪駅に潜り込む 東莎逍 船団 200108
大寒を待たずに都心厳しかり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200201
大寒の富士うすうすとありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200201
うすうすと大寒の日のありどころ 稲畑汀子 ホトトギス 200201
大寒や庭木移せば土に穴 鷹羽狩行 200202
大寒やからくれなゐに蟹を茹で 鷹羽狩行 200202
大寒や己励ます白衣着て 西川五郎 馬醉木 200202
大寒の目出し帽子を怪しまる 山田六甲 六花 200202
大寒の深夜放送つけて寝る 山田六甲 六花 200202
家売つて大寒の京さやうなら 本山卓日子 京鹿子 200202
大寒のなまじ窓うつ雨の音 坂本京子 200203
大寒の絵馬からからと海鳴りす 菊池育子 遠嶺 200204
大寒の瀧壺瀧を呑みこめり 三嶋隆英 馬醉木 200204
大寒の両膝におく拳かな 村越化石 200204
筆太に書きし大寒墨匂ふ 土田祈久男 200204
大寒の天に鉄骨火花とぶ 降矢郊二 百鳥 200204
大寒の神鈴一振り振りにけり 松永晃芳 百鳥 200204
大寒や再発を告げられてゐる 羽根田和子 百鳥 200204
大寒や杉葉の沈む手水鉢 川野喜代子 雲の峰 200204
大寒の一句とどめて山仰ぐ 福井鳳水 円虹 200204
雑木山温み大寒らしからず 門伝史会 風土 200204
大寒の土より葱の真白なる 柿沼盟子 風土 200204
大寒の水撒けば水けむり立つ 武井美代子 風土 200204
大寒や鹿の肛門さんご色 石原歌織 銀化 200204
大寒の鳶の一笛降りきたる 宮本道子 酸漿 200204
大寒の山に曝せる猪の皮 石鍋みさ代 春耕 200204
大寒の水飲み干して山仰ぐ 荒川優子 春耕 200204
大寒の本堂仕切り能を舞ふ 阿部月山子 春耕 200204
大寒の産土神の松美しき 吉田三保 200204
大寒の後めたさの喪に籠り 藤田百合子 200204
大寒や最中の中に母の風 市川伊團次 六花 200205
大寒やマラソンテレビよりの息 市川伊團次 六花 200205
大寒の産毛つきたる卵かな 竹内悦子 200205
大寒の渦潮船を寄せつけず 高木良多 春耕 200205
大寒や星みがかれて響き合ふ 飯塚やす子 200206
大寒の富士をやさしと詠む汀子 阿部慧月 ホトトギス 200207
大寒やしばらくおかき舌に乗せ 市川伊團次 六花 200207
大寒のメモの中にて遊びをり 市川伊團次 六花 200207
大寒の日を転がして千曲川 宮原みさを 花月亭 200208
大寒小寒山から小僧が戻り寒 宮原みさを 花月亭 200208
君逝くや大寒暗き爆心地 竹下陶子 ホトトギス 200209
君逝きて大寒ゆるむことのなき 竹下陶子 ホトトギス 200209
大寒の水族館に回遊魚 中村洋子 風土 200301
大寒といふ一枚の落し蓋 鷹羽狩行 200301
大寒や折り畳まれて蟹の脚 鷹羽狩行 200301
大寒の息の綾なす誕生日 山仲英子 200301
大寒や星に神の座獣の座 小林呼溪 200301
大寒の晴れし洛中洛外図 山尾玉藻 火星 200302
大寒の二人猩々立ちにけり 中島陽華 200302
大寒に近づく若き月のあり 阿部ひろし 酸漿 200302
大寒や翼を削るごとく鷹 神蔵器 風土 200303
大寒や釜に滾るる目薬茶 春田淳子 雲の峰 200303
大寒やけもののごとき波頭 佐久間由子 200303
大寒の空呆気なく昏れゆけり 篠崎荘市 酸漿 200303
大寒の風にちぎるる発車ベル 那須淳男 馬醉木 200303
大寒や踏み出す一歩軋みける 一瀬昭子 馬醉木 200304
大寒や櫂揃へ和す仕込唄 名取袿子 200304
玉葱を剥く大寒の雲垂るに 大山文子 火星 200304
大寒の熊野権現詣かな 石脇みはる 200304
大寒の馬に跨がる背筋かな 岩月優美子 200304
大寒の空透明に牧の馬 三崎由紀子 遠嶺 200304
大寒の浮雲にある裏おもて 柴田久子 風土 200304
大寒の帯新しき広辞苑 川井政子 風土 200304
大寒の風をまともに鷺一羽 渡辺政子 雲の峰 200304
大寒の紅濃き千手観世音 天野れい子 雲の峰 200304
大寒や小僧も泣いて来る夜か 関戸国子 酸漿 200304
大寒や声しぼり鳴く矮鶏一羽 関戸国子 酸漿 200304
大寒や青鷺の影くつきりと 清水和子 酸漿 200304
大寒の水ひたひたと池平 板倉幸子 築港 200304
大寒をものともせざる若さあり 多田節子 雨月 200304
大寒や南の島のウェディング 江坂衣代 百鳥 200304
大寒の石に躓き激怒せり 佐藤喜孝 青寫眞 200304
大寒や天井低き杜氏部屋 徳永亜希 馬醉木 200305
身の箍を締め大寒の磯に立つ 安達実生子 200305
大寒を詣でて神の名を知らず 岩上とし子 200305
大寒や古伊万里弾き鑑定す 山遊亭金太郎 百鳥 200305
大寒の玻璃戸を鵯の鋭声刺す 池田倶子 雨月 200305
墳に歯も腕輪も残り大寒なり 柴田佐知子 200305
大寒の空の無疵を称へけり 青山悠 200305
大寒の海見て何を得むとせる 真保喜代子 200305
大寒や極楽鳥のゆたかな尾 館容子 200312
大寒の地卵の殻硬かりし 秋千晴 200312
大寒やジャズの匂ひのする句集 山田六甲 六花 200402
大寒やメール届いたかと電話 山田六甲 六花 200402
大寒や琅玗節をきはやかに 朝妻力 雲の峰 200402
大寒や生駒にかかる牡羊座 朝妻力 雲の峰 200402
大寒の燦々の日を前にせり 阿部ひろし 酸漿 200402
大寒のチューブを終いまで絞る 高橋将夫 200403
大寒の屋根に三日月引掛り 水谷ひさ江 六花 200403
大寒の水飲んでからビンに詰め 安部里子 あを 200403
音高く大寒の菜を刻みけり 浅川正 雲の峰 200403
大寒や多摩川渡る列車の灯 中村克久 雲の峰 200403
大寒や龍の尾跳ねし天井画 恒川絢子 対岸 200403
大寒や覚めて頓悟に至らざり 伊藤白潮 200403
大寒や黒眼しろ眼に力入れ 仙入麻紀江 草の花 200403
大寒の紙縒すつくと立ちにけり 木戸朝子 草の花 200403
地境は崖となりけり大寒波 里中章子 200403
大寒のつるりと真白茹卵 長谷川春 200404
大寒の素足で詣る御陵かな 木村てる代 雲の峰 200404
大寒 →3      

 

2021年1月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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