牡丹の芽 2       131句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
耳門より入る静寂や牡丹の芽 林いづみ 風土 201205
緋のしづく蔵して堅し牡丹の芽 田村園子 201205
牡丹や今年も花芽二つ三つ 早崎泰江 あを 201205
天指して威を競ひをり牡丹の芽 柴崎富子 春燈 201205
鬼瓦見上げて育つ牡丹の芽 鷹崎由未子 春燈 201206
牡丹の芽赤子の両手形して 勝俣芙美子 ろんど 201206
宝籤に当たること無し牡丹の芽 藤井久仁子 ぐろっけ 201206
侍史と書く指に力や牡丹の芽 小谷延子 万象 201206
牡丹の赤き芽立ちや風木舎 宇野慂子 万象 201206
牡丹の芽長鳴き鳥のとさかかな 加藤みき 201206
牡丹の芽ほぐるる日ざし風木舎 野上智恵子 万象 201206
わなわなと火焔開きの牡丹の芽 細川洋子 201206
赤珊瑚かと禅寺の牡丹の芽 鳥居美智子 ろんど 201207
違(たが)うことなく天に向ひ牡丹の芽 柴田靖子 201207
牡丹の芽ながめつつ日を重ねゐる 松林順子 雨月 201208
時を待つ深紅ひそめし牡丹の芽 宮崎正 ホトトギス 201209
蕪村さん追伸牡丹の芽が三つ 火箱ひろ 船団 201212
ひと思ふ牡丹冬芽を手囲ひに 浜福惠 風土 201302
端正な牡丹の芽でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201303
牡丹の芽競ひゐるかに十株ほど 稲畑汀子 ホトトギス 201303
水音の身に添ふくらし牡丹の芽 鈴木千恵子 万象 201304
此の朝も一ト葉ほぐれぬ牡丹の芽 小山ほ子 末黒野 201304
太陽に精気をもらふ牡丹の芽 高久正 201305
杖の母と庭ひとめぐり牡丹の芽 森清信子 末黒野 201305
そのなかに玉座格納牡丹の芽 布川直幸 201305
牡丹の芽水音堂のほとりより 藤井君江 馬醉木 201305
嬰生れる頃には咲けよ牡丹の芽 竹内悦子 201305
牡丹の芽反りて矜恃の兆しをり 細川洋子 201402
本尊は秘仏牡丹の冬芽立つ 林いづみ 風土 201403
ゆつくりと湯につかりをり牡丹の芽 竹内悦子 201404
きのふより今日より明日牡丹の芽 須藤美智子 風土 201405
牡丹の芽鎌倉五山第一位 松本三千夫 末黒野 201405
今日の日を溜めて大志や牡丹の芽 茂木なつ 春燈 201405
牡丹の芽ゆつくり開く赤子の手 塩千恵子 201405
再生の兆しと思ふ牡丹の芽 山本無蓋 201405
牡丹の芽よけて雪降り積み ぬ田部井幸枝 201405
朝よりの雨に色ます牡丹の芽 礒貝尚孝 201406
我が胸の内にもありぬ牡丹の芽 江島照美 201406
不揃ひの音する機や牡丹の芽 林八重子 馬醉木 201406
咲く隙間残してゐたる牡丹の芽 有本南陵 ろんど 201406
骨のやうな枝に牡丹の芽の確か 丑久保勲 やぶれ傘 201406
一薬に今日もことなし牡丹の芽 黒滝志麻子 末黒野 201406
衣擦れの音のよぎりぬ牡丹の芽 多田文子 201406
気まぐれな雨となりけり牡丹の芽 和田紀夫 201407
牡丹の芽庭の春秋はじまりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201503
たしかなる牡丹の冬芽頼朝忌 森一枝 末黒野 201503
指先に残る記.憶や牡丹の芽 高橋将夫 201505
牡丹の芽屋根からラジオ家が建つ 森理和 あを 201506
鐘一つ文殊に撞きぬ牡丹の芽 黒滝志麻子 末黒野 201506
みどり児のこぶしに力牡丹の芽 森清信子 末黒野 201506
新しく力湧き出る牡丹の芽 吉村光子 万象 201507
ごぶさたの続いてばかり牡丹の芽 坪内稔典 船団 201508
鐘楼を小僧おりくる牡丹の芽 大崎紀夫 虻の昼 201510
炎抱く狂ほしきひと牡丹の芽 津川かほる 風土 201512
石打つて火のとびつくや牡丹の芽 神蔵器 風土 201602
松籟を遠く牡丹の冬芽かな 中根美保 風土 201602
しかとある牡丹の冬芽時頼忌 黒滝志麻子 末黒野 201602
牡丹の芽触れてみたがるツアー客 大日向幸江 あを 201604
牡丹の芽後翅を出して飛び立ちさう 升田ヤス子 玫瑰 201604
牡丹の芽先師に従きし長谷詣 渡辺輝子 201605
待つといふ充実のとき牡丹の芽 佐々木よし子 201605
生いたちは秘めしままなり牡丹の芽 高村令子 風土 201605
禅林の鎮もりの芯牡丹の芽 間島あきら 風土 201605
波音も風も暮れ来し牡丹の芽 深川淑枝 201605
禅林の風やや粗し牡丹の芽 松本三千夫 末黒野 201605
たたずめば隠り世めきて牡丹の芽 高橋道子 201606
寝ても覚めても牡丹の芽思ふ 安住敦 春燈 201606
墓石へ影の伸びきし牡丹の芽 加藤季代 万象 201606
普段着の宮司と見入る牡丹の芽 谷口直樹 万象 201606
やはらかき陽差しの中に牡丹の芽 増田みな子 やぶれ傘 201608
牡丹の冬芽蔵せし力あり 稲畑汀子 ホトトギス 201612
試歩の庭朝よりゆるむ牡丹の芽 芦田しずく 京鹿子 201701
盆地より風抜けてゆく牡丹の芽 大崎紀夫 やぶれ傘 201705
決心は夢を見てより牡丹の芽 宮井知英 201705
暁光に力溜めゐる牡丹の芽 林八重子 馬醉木 201707
寄せ付けぬ力満ちたり牡丹の芽 柴田靖子 201707
菰の中火種の如き牡丹の芽 久保東海司 201708
銀の枝太く牡丹の芽の赤き 今井肖子 ホトトギス 201804
日溜りに力抜きゐる牡丹の芽 山浦紀子 春燈 201805
燃ゆるもの初めは固し牡丹の芽 下村たつゑ 201805
飛石の千鳥足めき牡丹の芽 黒滝志麻子 末黒野 201805
箒目の雨に崩れし牡丹の芽 齋藤朋子 やぶれ傘 201806
五山一の格にほぐるる牡丹の芽 落合絹代 風土 201806
それぞれの遺品にこゑや牡丹の芽 橋添やよひ 風土 201806
すでにして大器の気配牡丹の芽 飯田久美子 末黒野 201806
太陽に向けし炎や牡丹の芽 湯川雅 ホトトギス 201808
祖母のもの母より我へ牡丹の芽 河原敬子 201808
五山一の格にほぐるる牡丹の芽 落合絹代 風土 201901
まだ色を明かすことなき牡丹の芽 稲畑汀子 ホトトギス 201903
眠る間もをしいと思ふ牡丹の芽 高橋将夫 201905
荒行の寺に育ちぬ牡丹の芽 谷口摩耶 201905
客殿の庭の静寂や牡丹の芽 饗庭恵子 末黒野 201905
芽吹き初む弟国の空牡丹寺 鈴鹿呂仁 京鹿子 201905
ふくらみを風の促す牡丹の芽 遠藤清子 末黒野 201906
牡丹の芽群立ち燃ゆる太湖かな 農野憲一郎 春燈 201906
牡丹の芽先は小町か楊貴妃か 岩月優美子 201906
学舎と別るる日なり牡丹の芽 鈴木鳳来 春燈 201906
雨空を押し上げ牡丹の芽の二百 吉田万喜子 雨月 201907
今生きるいのちを秘めて牡丹の芽 北村梢 京鹿子 202001
忘れては思ひだしては牡丹の芽 亀田虎童子 202003
柔らかき風に解るる牡丹の芽 礒貝尚孝 黄落 202003
大輪を約束したる牡丹の芽 稲畑汀子 ホトトギス 202003
菰外し牡丹の芽立促せる 稲畑汀子 ホトトギス 202003
牡丹の芽大小勢ひありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202003
ふくらみを風の促す牡丹の芽 遠藤清子 末黒野 202004
牡丹の胎を思はす花芽なる 沼田巴字 京鹿子 202005
牡丹の芽待つてゐたよと風立ちぬ 加藤みき 202005
あんパンがあって牡丹の芽があって 坪内稔典 船団 202006
雨弾きくれなゐ宿す牡丹の芽 森清信子 末黒野 202006
直情を彩る旭牡丹の芽 松本鷹根 京鹿子 202006
大輪になる魁や牡丹の芽 鈴木石花 風土 202006
身ほとりに友ひとり在り牡丹の芽 中里よし子 京鹿子 202008
地に下ろしたる牡丹の芽たくましく 稲畑汀子 ホトトギス 202103
花の色未だ明かさぬ牡丹の芽 稲畑汀子 ホトトギス 202103
尼僧らの足首細し牡丹の芽 武藤節子 やぶれ傘 202103
牡丹の芽膨らんでくる雨のあと 山口民子 202104
声明の高む牡丹の芽のほぐれ 柴ア英子 202105
くれなゐの息吹整ふ牡丹の芽 五十畑悦雄 202105
友の忌が近し燃えたつ牡丹の芽 中里よし子 春燈 202106
反骨の隠れてをりぬ牡丹の芽 松下道臣 202107
乙訓の華の助走や牡丹の芽 鈴鹿呂仁 京鹿子 202204
古井戸の堅く閉ざされ牡丹の芽 岡野里子 末黒野 202205
つややかに日照雨に濡れて牡丹の芽 小原芙美子 風土 202205
待つといふ恋の美学や牡丹の芽 三上程子 春燈 202206
庭先にやうやく赤き牡丹の芽 高橋詩 202206
昨日雨や紅映ゆる牡丹の芽 佐々木永子 末黒野 202206
こめかみに触れたる風や牡丹の芽 真如和子 春燈 202305
博文邸の浜の細波牡丹の芽 上月智子 末黒野 202307
たましひの凍りたる炎よ牡丹の芽 池之端モルト 202305
牡丹の芽やはき葉先に日を集む 岸本順子 京鹿子 202306
しつかりと数へ牡丹の芽の五つ 大崎紀夫 やぶれ傘 202308
牡丹の芽→ 1

 

2024年3月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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