牡丹の芽 1       200句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雨脚の見えず牡丹の芽に雫 橘沙希 花浄土 198608
移されてすでに一景牡丹の芽 山田弘子 春節 199503
紅の葉をしかと纏いて牡丹の芽 笠原美雪 ひまわり 199806
明るさの頼りになりぬ牡丹の芽 稲畑汀子 ホトトギス 199903
牡丹の花芽はつきり現はれし 稲畑汀子 ホトトギス 199903
一寸にして火のこころ牡丹の芽 鷹羽狩行 199904
針を置き自愛ひと刻牡丹の芽 岡田和子 馬醉木 199905
本堂に墨書展あり牡丹の芽 関根洋子 風土 199906
牡丹の芽を突き上ぐるいのち紅 稲岡長 ホトトギス 199910
暁光や力充ちたる牡丹の芽 田中藤穂 水瓶座 200002
牡丹の芽幼子うまく筆つかふ 田中藤穂 水瓶座 200002
牡丹の強き冬芽のなか通る 武久昭子 風土 200003
老いの身に力をもらふ牡丹の芽 矢島みつ江 遠嶺 200004
牡丹の芽魚鼓を叩けと気配なし 朝妻力 俳句通信 200004
虚子像に添ふ牡丹の芽ちから満つ 山本喜朗 雨月 200005
青空のままの一日牡丹の芽 環順子 遠嶺 200005
くれなゐは鬱なるいろよ牡丹の芽 瀬戸悠 風土 200005
縄飛びの一二三四牡丹の芽 長井ヒサ子 春耕 200005
勤行の百声渡る牡丹の芽 禅京子 風土 200006
契約の破れて後の牡丹の芽 市川伊團次 六花 200006
菩提樹の僧の一声牡丹の芽 小島とよ子 遠嶺 200006
父逝きてよりの窓辺や牡丹の芽 稲辺美津 夏椿 200007
牡丹の芽小さき影の翔ちにけり 小澤克己 遠嶺 200007
牡丹の芽に一とひらの雪がのり 鬼頭桐葉 春蘭 200010
一寸にして火のこころ牡丹の芽 鷹羽狩行 十三星 200105
指先の熱くなりさう牡丹の芽 環順子 遠嶺 200106
差しのべて千手さながら牡丹の芽 梶田敬子 200106
牡丹の芽ぐうちょきぱあとゆるびけり 池田かよ ぐろっけ 200106
子の丈に屈みて写す牡丹の芽 岡本幸枝 ぐろっけ 200107
牡丹の芽一途の恋の危ぶまる 木村公子 200107
ゆつくりと光が通る牡丹の芽 能村登四郎 200108
討入の日の牡丹の冬芽かな 三村純也 円虹 200202
舞殿に風ひと筋や牡丹の芽 平田紀美子 風土 200202
吉報が来るはずの日の牡丹の芽 鷹羽狩行 200203
高殿の跡にくれなゐ牡丹の芽 神蔵器 風土 200203
吹く風も降る日もゆかし牡丹の芽 朝妻力 雲の峰 200204
濁る世へ朱をひたむきに牡丹の芽 羽根嘉津 200204
良寛の母の里あり牡丹の芽 神蔵器 風土 200204
名苑の一隅点す牡丹の芽 石渡芳枝 200204
唐門を潜り牡丹の芽の庭に 岡田万壽美 雲の峰 200205
庭石の中に白臼牡丹の芽 辻のぶ子 雲の峰 200205
牡丹の芽森の匂の身体かな 加藤みき 200205
包丁は妻のリズムで牡丹の芽 川端実 遠嶺 200205
研修や施設の庭の牡丹の芽 松井治美 遠嶺 200205
父の鉢二男が守り牡丹の芽 代田青鳥 風土 200205
牡丹の芽「慧玄が這裏に生死なし」 藤倉冬陽 風土 200205
思ひ出は徐徐に窓辺の牡丹の芽 稲辺美津 遠嶺 200205
大甕に水満々と牡丹の芽 曷川克 遠嶺 200206
祖師堂に詣る芽牡丹日溜りに 門屋大樹 春耕 200206
牡丹の芽風すこしづつ磨かれて 小林あつ子 火星 200206
楊貴妃か西太后か牡丹の芽 山路紀子 風土 200206
牡丹の芽森の匂の身体かな 加藤みき 200207
牡丹の芽としてあたり払ふなり 鹿野佳子 200207
牡丹の芽玻璃越しに見る嬰三人 谷口蔦子 ぐろっけ 200209
牡丹の芽あしたの命抱くかに 水井千鶴子 風土 200303
牡丹の芽見に出でて知る雨すこし 阿部ひろし 酸漿 200303
掃苔や火のしたたりに牡丹の芽 神蔵器 風土 200304
朝の日の逸れしところに牡丹の芽 阿部ひろし 酸漿 200304
牡丹の芽思ひあふるるもののいろ 坂本京子 200305
傷口を吸へば塩味牡丹の芽 加藤峰子 200305
須賀川の薬草園や牡丹の芽 今井久良子 酸漿 200306
風荒し牡丹の芽ぶく漁師宿 古林田鶴子 ぐろっけ 200306
園丁の膝はや汚れ牡丹の芽 真塩実 200308
雪呼びしごとくに立てり牡丹の芽 阿部ひろし 酸漿 200404
天日のほかは動かず牡丹の芽 吉田順子 200404
六十路まだ明日へ炎えゐる牡丹の芽 田所節子 200404
骨組みの整ひてきし牡丹の芽 鹿志村正子 対岸 200404
牡丹の芽マントの父の影の中 山尾玉藻 火星 200404
一寸に意志ありありと牡丹の芽 田所節子 200404
吹き抜けの月見櫓や牡丹の芽 川井政子 風土 200405
太陽にほぐるる気配牡丹の芽 塩川雄三 築港 200405
大屋根の卍の一字牡丹の芽 川井政子 風土 200405
牡丹の芽空にのび行く飛行雲 田口愛子 栴檀 200405
石庭に波音はるか牡丹の芽 門伝史会 風土 200405
会ふ度に「明るいわね」と牡丹の芽 加藤京子 遠嶺 200405
堂奥に揺らぐ火のあり牡丹の芽 浜田はるみ 遠嶺 200405
ゆふぐれの刻はなやげり牡丹の芽 林裕子 風土 200405
まだすこし此の世にゐたき牡丹の芽 石井悦子 風土 200405
女生徒の声の弾けて牡丹の芽 高卯石男 200406
こゑ洩るるやうや噛めく牡丹の芽 菅谷たけし 200406
音もなく鳶の影あり牡丹の芽 藤田輝枝 対岸 200406
東山の峰が借景牡丹の芽 池田加代子 風土 200406
この蔵に百の能面牡丹の芽 鳴海清美 六花 200406
目瞑れば光をまとふ牡丹の芽 阿部ひろし 酸漿 200410
長靴の禰宜の通りし牡丹の芽 山尾玉藻 火星 200502
夢中とは夢の中なり牡丹の芽 山田六甲 六花 200503
つくづくと見つ見られつつ牡丹の芽 阿部ひろし 酸漿 200504
露座仏の燈明のごと牡丹の芽 矢澤壽美 200504
この道のほかに道なし牡丹の芽 小澤克己 遠嶺 200505
あかあかと牡丹の芽も子の声も 植松安子 200505
ほぐれむと白王獅子の牡丹の芽 布施まさ子 風土 200505
殉教の碑の高台に牡丹の芽 三輪洋子 200506
掃き寄せしものよく燃えて牡丹の芽 五十嵐暢子 対岸 200506
堂奥に揺らぐ火のあり牡丹の芽 浜田はるみ 遠嶺 200506
牡丹の芽弥陀来迎を待ちゐたり 河内桜人 京鹿子 200506
牡丹の芽栖鳳一門の記念館 林日圓 京鹿子 200506
牡丹の芽ときどき嚥みて養命酒 鈴木榮子 春燈 200506
鳶の影地を擦りゆけり牡丹の芽 西屋敷峰水 河鹿 200506
ピアノデュオ姉妹息合ふ牡丹の芽 南敦子 200506
牡丹の冬芽に未来托されし 稲畑汀子 ホトトギス 200511
一寸に意志ありありと牡丹の芽 田所節子 涼しき嵩 200511
牡丹の芽百花の長として朱し 島谷征良 風土 200602
鳥止まるそこは大事な牡丹の芽 小林朱夏 200604
牡丹の芽ほつほつ風のあまき日よ 外川玲子 風土 200604
日の射して影の浮き立つ牡丹の芽 石平周蛙 対岸 200604
母の五十年忌を迎ふ牡丹の芽 安陪青人 雨月 200604
牡丹の冬芽大きく育ちけり 二村蘭秋 雨月 200605
牡丹の芽大輪約す力見ゆ 大畠政子 雨月 200605
牡丹の芽ほぐれんとしてつぶらなり 鎌倉喜久恵 あを 200605
兜太先生破顔一笑牡丹の芽 奥田弦鬼 風土 200606
本尊は一寸八分牡丹の芽 中村洋子 風土 200606
牡丹の芽夜はむらさきだちしかな 松村多美 四葩 200606
スケツチの力もらひぬ牡丹の芽 内田エミコ 四葩 200606
回覧板ここに置きます牡丹の芽 筏愛子 200607
七曜の雨をたくはへ牡丹の芽 戸栗末廣 火星 200607
ゐる筈の庭師の湯呑牡丹の芽 深澤鱶 火星 200607
ゆつくりと歩いてをれば牡丹の芽 青山丈 200608
おくびにも出さぬ色香や牡丹の芽 真木早苗 八千草 200610
牡丹の芽蕾つつむが揃ひたり 阿部ひろし 酸漿 200704
脹れる生命は確と牡丹の芽 木村幸 200705
繚乱の夢を束ねし牡丹の芽 林日圓 京鹿子 200705
出てみれば雨になりたる牡丹の芽 助口弘子 火星 200705
灘よりの風やはらかき牡丹の芽 松本幹雄 馬醉木 200705
豆腐屋の湯気のはけぐち牡丹の芽 吉田明子 200705
大輪を夢みてをりし牡丹の芽 藁谷文枝 遠嶺 200706
門標は篆書体なり牡丹の芽 屋野道子 遠嶺 200706
方丈に風入れてゐて牡丹の芽 平田紀美子 風土 200706
母へ子の刻みし祈り牡丹の芽 浜田はるみ 遠嶺 200706
参道の風まだ荒し牡丹の芽 石橋萬里 ぐろっけ 200706
八十路てふこの長き道牡丹の芽 筏愛子 200707
ケーブルカー降り立ちて凛牡丹の芽 荒木甫 200707
先人の遺徳の館牡丹の芽 邑橋節夫 遠嶺 200708
ややが五指延べるがごとし牡丹の芽 内山弘幸 八千草 200708
目瞑れば光まとへり牡丹の芽 阿部ひろし 二の杉 200710
くれなゐに疑心はあらず牡丹の芽 神蔵器 風土 200802
冬芽立つ牡丹孫文曽遊の地 角直指 京鹿子 200804
雪片のぶつかつてくる牡丹の芽 南うみを 風土 200805
逞しく地の面に一つ牡丹の芽 森温子 酸漿 200805
周りの目気にしてゐたる牡丹の芽 高橋将夫 200805
産院のしづかに暮るる牡丹の芽 大山文子 火星 200805
香煙の日向薬師や牡丹の芽 渡辺玄子 酸漿 200806
艶やかに溜めゐる力牡丹の芽 林八重子 馬醉木 200806
雨の日の色目立つなる牡丹の芽 宮津昭彦 200806
偏愛になるやも知れず牡丹の芽 小泉貴弘 筑波の道 200811
忘れずに寒肥をせし牡丹の芽 阿部ひろし 酸漿 200903
牡丹の芽ほのほゆらめくごとほぐれ 片山由美子 200903
「森林太郎」の不折の文字や牡丹の芽 小熊幸 炎環 200904
牡丹の芽赤し綾子のあるごとく 斉藤敬子 火星 200904
良き日和牡丹の冬芽膨めり 石井邦子 酸漿 200904
藁覆ひとれて燃え出る牡丹の芽 鈴木阿久 200905
老成の枝に炎の牡丹の芽 吉田順子 200905
眉太き男の愛す牡丹の芽 三上程子 春燈 200905
加へたきけふの一善牡丹の芽 川口襄 遠嶺 200905
ゆるやかな母の時間よ牡丹の芽 こがわけんじ 炎環 200905
雨のあとゆるみ見えたり牡丹の芽 花岡豊香 酸漿 200905
献血のバスのうしろに牡丹の芽 井上静子 200906
くれなゐに力みなぎる牡丹の芽 吉野さと 酸漿 200906
赤髭の待たるる時ぞ牡丹の芽 桑田忠男 遠嶺 200906
新しき土寄せてあり牡丹の芽 吉村光子 万象 200906
肖柏の碑に傳かれ牡丹の芽 丸尾和子 雨月 200906
文字勁き円朝墓碑や牡丹の芽 佐藤いね子 馬醉木 200906
六甲山の没日まぶしも牡丹の芽 山下青坡 200906
かじられし枝にも確と牡丹の芽 前田玲子 ぐろっけ 200906
牡丹の芽予習嫌ひな児のひとり 毛利すみえ 炎環 200906
牡丹の芽短かく天と向かひあふ 生田作 風土 200906
強気にて骨董買へり牡丹の芽 櫻木道代 ぐろっけ 200906
菰とればはやも芯炎え牡丹の芽 野沢しの武 風土 201002
石打つて火のとびつくや牡丹の芽 神蔵器 風土 201003
菰の中火種が程の牡丹の芽 久保東海司 201004
天界は役者揃ひぞ牡丹の芽 加藤みき 201004
天日の金輪際に牡丹の芽 神蔵器 風土 201004
花芽見ゆ母の遺せし牡丹に 早崎泰江 あを 201005
一心に句集読む妻牡丹の芽 安田久太朗 遠嶺 201005
雨粒の膨らんで落つ牡丹の芽 廣畑忠明 火星 201005
笙ひちりきにさそひだされし牡丹の芽 萩原すみ 春燈 201006
二上の山より暮るる牡丹の芽 雨宮桂子 風土 201006
待つといふ幸せにあり牡丹の芽 松永房子 201006
をんな誰も老にさとくて牡丹の芽 ほんだゆき 馬醉木 201006
色させる牡丹の芽に霙あり 花岡豊香 酸漿 201007
牡丹の芽山のあなたに黄泉の国 間島あきら 風土 201011
曼荼羅のひとつひとつに牡丹の芽 雨宮桂子 風土 201101
あてにされ期待をもされ牡丹の芽 中島玉五郎 201105
何事もなきがごとくに牡丹の芽 鈴木阿久 201105
禁色のくれなゐかくす牡丹の芽 神蔵器 風土 201105
紅深しころを待ちをる牡丹の芽 永見博子 酸漿 201105
安穏な日々楽します牡丹の芽 竹内悦子 201105
牡丹の芽はや風格の片鱗を 尾崎みつ子 雨月 201106
名を掛けて膨らむ遅速牡丹の芽 田野倉和世 酸漿 201106
百年の隣の牡丹芽の開く 鈴木とおる 風土 201106
牡丹の芽波乱を秘めてをりにけり 高橋将夫 201106
昨日よりしかとふくらむ牡丹の芽 鈴木良戈 201106
神南備の雨あがりたる牡丹の芽 武井美代子 万象 201110
牡丹の冬芽マニキュアほどの朱 小林輝子 風土 201202
冬牡丹の芽吹き数多や時頼忌 占部美弥子 末黒野 201203
牡丹の芽風をいなして芯光る 坂上じゅん かさね 201204
足利のやぐら牡丹の冬芽立つ 内藤静 風土 201204
朝日得て牡丹の冬芽紅締まる 新保ふじ子 万象 201205
吉報のあるやも知れぬ牡丹の芽 石垣幸子 雨月 201205
回廊の緇衣の足音牡丹の芽 雨宮桂子 風土 201205
友垣のいくたり淡し牡丹の芽 風間史子 201205
牡丹の芽→ 2      

 

2021年3月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。