盆の月 3     81句

盆の月遥けきことは子にも云わず    松村蒼石

作品
作者
掲載誌
掲載年月
莫逆の友に献杯盆の月 鈴木齊夫 201510
法話済み人帰りゆく盆の月 秋川泉 あを 201510
話したきことの溢るる盆の月 一民江 馬醉木 201511
ひとすぢの懐旧いまも盆の月 安立公彦 春燈 201511
思ひ出は良きことばかり盆の月 高村令子 風土 201511
山襞の切込み深し盆の月 吉田順子 201511
瀬戸の海うるみて上る盆の月 大石喜美子 雨月 201511
盆の月妣の面輪のかさなり来 佐藤貞子 雨月 201511
黙し来て帰る仏や盆の月 吉田政江 201511
還らざる者を覗くか盆の月 鴨下昭 201512
盆の月噴火止まざる山とあり 須藤常央 ホトトギス 201602
千体の仏晒して盆の月 兼久ちわき 馬醉木 201610
前山は仏と暮るる盆の月 水井千鶴子 風土 201610
纜の張りては緩ぶ盆の月 荒井千佐代 201611
うぶすなの大河を渡り盆の月 宮内とし子 201611
父逝きし比島は遠し盆の月 大崎ナツミ 雨月 201611
山の端に稚き齢の盆の月 浜福惠 風土 201611
盆の月揃うて母の部屋に居り 笹村政子 六花 201611
島影を離るる舟や盆の月 笹村政子 六花 201611
山裾に潮の満ち来る盆の月 高倉和子 201611
空襲を耐へし玻璃戸や盆の月 片山博介 春燈 201611
盆の月うすもの纏ひゆらめけり 犬塚李里子 201612
誰もゐない島の岬や盆の月 沼田巴字 京鹿子 201707
盆の月忌心分ち合ふことも 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
かかる夜は突堤に出づ盆の月 千田百里 201710
仰ぎみる松の葉越しの盆の月 服部珠子 雨月 201711
ざりがにの畦に出てゐる盆の月 南うみを 風土 201711
遠富士の稜線顕たす盆の月 山本雅子 馬醉木 201711
花火果て静寂に盆の月明り 数長藤代 201711
もろもろの雲を脱ぎすて盆の月 山崎靖子 201711
いつまでも読める眼を盆の月 高橋道子 201711
高齢の名医を懐く盆の月 今井充子 201711
盆の月さ迷う雲にかくされし 犬塚芳子 201711
韋駄天の刻かけめぐる盆の月 中田禎子 201711
はるけくも近くにありて盆の月 雨村敏子 201711
草も木も華やいでゐる盆の月 中山皓雪 201712
灯さずに暫しの暮色盆の月 佐藤喬風 末黒野 201712
盆の月人と生まれて人かしら 中原幸子 船団 201806
阿波の旅思ひ出したる盆の月 稲畑汀子 ホトトギス 201808
津田塾の友の消息盆の月 柴崎富子 春燈 201810
孟蘭盆の月は太白従へて 山田天 雨月 201810
介護せるよき日は遠く盆の月 秋友昌子 雨月 201811
寺じまひしたる族や盆の月 水谷保子 雨月 201811
盆の月聞き忘れたること多し 近藤紀子 201811
故郷の陰暦ぐらし盆の月 水谷保子 雨月 201811
盆の月故里近付きては離れ 足立典子 雨月 201811
もう逢へぬ人の数多や盆の月 山崎刀水 春燈 201811
盆の月繋ぐ思ひ出友と囲碁 伊吹之博 京鹿子 201812
盆の月何も挿さざる壺ひとつ 能村研三 201812
盆の月故郷の駅乗り過す 井上和子 201902
盆の月一秒半の夢を見て 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
皓々と玻璃を広げる盆の月 赤座典子 あを 201910
削られし秩父の山や盆の月 宮内とし子 201910
地名また変りし故郷盆の月 斉藤マキ子 末黒野 201911
悩んだり寄り道したり盆の月 寺川すず江 201911
盆の月盗人猫をつかまえろ 瀬川公馨 201911
息遣ひ今も残りし盆の月 前田美恵子 201911
ちちははよ令和初なる盆の月 廣瀬克子 春燈 201911
七十四年かへらぬ遺骨盆の月 石橋邦子 春燈 201911
遠く鳴る太鼓の音や盆の月 中村紀美子 春燈 201911
裏木戸に手を掛けしまま盆の月 藤生不二男 六花 201911
盆の月夫にちちはは二人づつ 下田奉枝 雨月 201911
夫逝きて三十年過ぎ盆の月 片山喜久子 雨月 201911
二度三度外に出てみる盆の月 村田武 やぶれ傘 201912
復興の町に上がれる盆の月 赤川誓城 ホトトギス 202001
盆の月心みちのくへと馳せる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202008
約束はことごとく反古盆の月 山田六甲 六花 202009
盆の月ゴルフネットにかかりたる 大島英昭 やぶれ傘 202010
盆の月川に落ちゐるところかな 白石正躬 やぶれ傘 202010
浄土へと妻戻りけり盆の月 瀬島洒望 やぶれ傘 202010
回廊のタイル剥げゐる盆の月 天野美登里 やぶれ傘 202010
地表から生えのぼりたる盆の月 秋川泉 あを 202010
懐かしき面影たぐる盆の月 佐渡谷秀一 春燈 202011
盆の月仰ぎて母の歳数へ 門伝史会 風土 202011
舟長屋みな舟揚げて盆の月 岩木茂 風土 202011
木地小屋に夫の居さうや盆の月 小林輝子 風土 202011
盆の月聞き役たりし猫偲ぶ 小笠原妙子 202011
こんなにも大きかりしか盆の月 志方章子 六花 202012
湯浴みして待てば雲間に盆の月 浜田久美子 六花 202012
しみじみと一人で仰ぐ盆の月 黒川悦子 ホトトギス 202101
友二人送りし盆の月仰ぐ 稲畑汀子 ホトトギス 202108
盆の月→ 1

 

2016年8月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
2016年8月27日 16/08/27 2016年8月27日 2016年8月27日