盆の月 1     101句

故里を発つ汽車に在り盆の月    竹下しづの女

作品
作者
掲載誌
掲載年月
渡りゆく空に育ちて盆の月 稲畑汀子 ホトトギス 199908
盆の月満ちて近づく阿波の旅 稲畑汀子 ホトトギス 199908
忘れゐし都心の夜空盆の月 稲畑汀子 ホトトギス 199908
盆の月見上げて終る阿波の旅 稲畑汀子 ホトトギス 199908
てつぺんの途方にくれる盆の月 竹貫示虹 京鹿子 199908
墓のあるかぎりふるさと盆の月 大橋櫻坡子 雨月 199908
盆の月厨の裏の草の丈 池田幸子 春耕 199910
国東の御払巡り盆の月 野口みどり 酸漿 199911
人に似し影もつ大樹盆の月 遠藤タミ子 京鹿子 199911
本音述べ後悔もあり盆の月 後藤とみ子 ぐろっけ 199911
盆の月ほしいと走り出す児かな 稲辺美津 夏椿 200007
明日旅へ晴るる期待や盆の月 稲畑汀子 ホトトギス 200008
大屋根に傾く盆の月なりけり 沖倉好秋 酸漿 200009
ぬきん出し峠の一樹盆の月 川島真砂夫 200009
苦楽果つ旅の衣に盆の月 門屋大樹 春耕 200009
高台に累代の墓碑盆の月 朝妻力 俳句通信 200010
もう会えぬ人ばかり増え盆の月 西山胡鬼 京鹿子 200010
秘め事を娘に明かし盆の月 中野辰子 いろり 200010
盆の月亡き姉涙多かりき 林翔 200010
苦瓜の採り残されて盆の月 大東二三枝 200011
ぼてじゃこの跳ねゐる盆の月夜かな 水野邦夫 俳句通信 200011
皆既食東都の盆の月にして 安陪青人 雨月 200011
盆の月貰ひ子も逝き家の絶え 岸本久栄 雨月 200011
左富士名残りの松に盆の月 川村紫陽 200011
蚊奴らにほどこす血ある盆の月 竹村悦子 銀化 200011
ダム底に一村沈む盆の月 荒川優子 春耕 200011
盆の月ほとけがほしておはしけり 粟津松彩子 ホトトギス 200012
盆の月懸る雲にも情あり 稲岡長 ホトトギス 200012
しみじみと対する祖霊盆の月 大谷茂 遠嶺 200012
ちいさい足群れて飛びます盆の月 依田昌也 海程 200012
俄なる身のおとろへや盆の月 和田敏子 雨月 200012
甥っ子の訪ねて来る盆の月 二瓶洋子 六花 200012
死に後れたる夫の逝き盆の月 河村八重 円虹 200101
町中の闇は城山盆の月 上崎暮潮 ホトトギス 200103
すこし軽い男とおもふ盆の月 奥田筆子 京鹿子 200106
パスカルのデスマスクなる盆の月 中原幸子 船団 200106
盆の月阿波の夜風に吹かれつゝ 稲畑汀子 ホトトギス 200108
仰ぐこと多き旅路の盆の月 稲畑汀子 ホトトギス 200108
その後の消息聞かず盆の月 稲畑汀子 ホトトギス 200108
盆の月大きな空でありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200108
今ならば話せる話盆の月 浅井千鶴子 いろり 200109
盆の月余熱のごとく赭きかな 渡邊千枝子 馬醉木 200110
浄土よりかへりし妻や盆の月 木下玉葉子 酸漿 200110
山風をはらむ揚幕盆の月 岡田万壽美 俳句通信 200110
曲家に地酒のにほふ盆の月 児島千枝 春耕 200110
父母のなき里遠くして盆の月 中村公代 雨月 200110
踊の輪人の輪照らす盆の月 赤座典子 あを 200110
東京へ帰る子送る盆の月 鈴木ゆき子 風土 200111
膝の上に赤子を立たす盆の月 小島和子 百鳥 200111
木星の隠れる盆の月であり 中村昭義 百鳥 200111
盆の月母の袖口ぬれてをり 城孝子 火星 200111
盆の月おわらの町の雨上がる 中川晴美 俳句通信 200111
引けば草鳴つてお盆の月赤し 野路斉子 200111
波頭礁こえゐる盆の月 山本田津子 200111
篝能果てたる島の盆の月 今井千鶴子 ホトトギス 200112
鳴くものの声の澄み来し盆の月 岩瀬操舟 円虹 200112
盆の月おもかげありと言われけり 小田さやか 船団 200112
束の間の帰国果てたり盆の月 山田弘子 ホトトギス 200201
盆の月父の浮みて南無阿弥陀 猪子青芽 ホトトギス 200201
海底にあまたの兵士盆の月 森田旅舟 200208
母の顔見てゐるやうな盆の月 大谷茂 飛白 200208
池舐めて猫の振り向く盆の月 山田六甲 六花 200209
明日ありと思うては生き盆の月 大橋敦子 雨月 200210
盆の月鴟尾煌々と朱雀門 鶴田武子 雲の峰 200210
酒蔵の町に酒の香盆の月 泉田政子 雲の峰 200210
団欒の軒先に来し盆の月 八條凛子 銀化 200210
西門に傾ぎてかかる盆の月 谷村祐治 雨月 200211
寝ぬること惜しみごころに盆の月 滝川あい子 雨月 200211
盆の月仰げば何か通りけり 稲畑汀子 ホトトギス 200308
盆の月仰ぎて言葉なかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200308
冷酒を手酌の夫や盆の月 中村公代 雨月 200310
盆の月獣の声が遠くより 岡田万壽美 雲の峰 200310
盆の月水嵩増えし川照らす 大関とし子 築港 200310
子の逝きし歳月重し盆の月 大関とし子 築港 200310
思はずも合掌なせり盆の月 本荘初枝 築港 200310
曲り家の馬の睫も盆月夜 男波弘志 200310
盆の月重ぬる面輪ひとつならず 窪田佳津子 雨月 200311
盆の月明るし我に幾ほとけ 岡淑子 雨月 200311
巡回の警士の仰ぐ盆の月 出口賀律子 雨月 200311
亡き夫の齢超えたる盆の月 細川コマヱ 雨月 200311
水口の水の動かぬ盆の月 戸栗末廣 火星 200311
遺影まだ孫より若し盆の月 岩尾みち子 京鹿子 200312
湿原に何見てをるや盆の月 北嶋美都里 200312
盆の月父の桐下駄鳴らし出る 山元志津香 八千草 200402
観音も阿修羅も涼し盆の月 中野英歩 八千草 200402
盆の月母の忌日をねんごろに 西島みね子 八千草 200402
盆の月欠けたりうからまた欠けて 橘澄男 「山景」 200408
出て見よと妻がわれ呼ぶ盆の月 伊藤賢三 春燈 200410
皿重ねる音のしてゐる盆の月 吉田康子 火星 200410
暮れてなほ大地の火照り盆の月 宮本啓子 200410
大陸へ兄征きしまま盆の月 杉山喜代子 帆船 200410
一丁目一番地なり盆の月 坂本フジ 帆船 200410
蒸風呂のアンペラ熱し盆の月 森山のりこ あを 200410
盆の月背中あはせの駅の椅子 永嶋みね子 火星 200411
縫ひ合はす形見の端切れ盆の月 久保久子 春燈 200411
盆の月来し方照らす鏡欲し 徳永辰雄 春燈 200411
盆の月揚げ船にある溜り水 大山里 200411
大藪となりし城址や盆の月 朝妻力 雲の峰 200411
追悼の夫と師とあり盆の月 佐野布娑 雨月 200411
たたみ来る波音のあり盆の月 吉田眞弓 雨月 200411
出雲和紙展きて偲ぶ盆の月 落合絹代 風土 200411
盆の月2      

 

2021年8月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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