万 緑 8       123句

万緑や緋鯉は泳ぐ跡残し   大平節弥

作品
作者
掲載誌
掲載年月
万緑を這ひ昇りけりロープウエイ 井口淳子 201009
万緑や独り立ちする嬰となれる 大松一枝 201009
万緑やひとかたまりの嵐山 市村健夫 馬醉木 201009
万緑に子猫尾を立て歩みけり 穂苅照子 万象 201009
万緑や田の神の持つ大杓文字 赤瀬川恵実 万象 201009
山頂や四方万緑の大自然 渡辺安酔 201009
万緑やまづ踏み出してみることに 栗原公子 201009
万緑の当麻双塔相呼べり 豊田都峰 京鹿子 201009
万緑の金剛一方位占む 豊田都峰 京鹿子 201009
正成の砦址なる丘万緑 豊田都峰 京鹿子 201009
万緑を貫ぬく列車ガタゴトン 丹生をだまき 京鹿子 201009
深々と万緑映す湖の蒼 西川みほ 末黒野 201009
万緑や裳階もこしの木組み細やかに 森清信子 末黒野 201009
万緑や少年のみ干す炭酸水 栗原完爾 春燈 201009
万緑の只中白き美術館 宮沢治子 春燈 201009
万緑や濁る長江けものめく 中山皓雪 201009
万緑に埋み人声遠く聞く 折橋綾子 201009
万緑や海に影置く厳島神杜 竹田ひろ子 ろんど 201009
万緑やプラットホームに県境 有本恵美子 ろんど 201009
夥しき著書万緑の館にあり 大橋晄 雨月 201009
万緑や父祖の名のこりゐる城址 柴田良二 雨月 201009
万緑や日々の暮しは平凡に 坂本幸子 酸奬 201009
万緑や篠山城址大書院 井関祥子 酸奬 201009
万緑の奈落は日本海の青 古賀しぐれ ホトトギス 201010
万緑のちらばつて島伸びて岬 古賀しぐれ ホトトギス 201010
万緑のオープンカフェに夫といて 雨宮しをん 201010
万緑に染み四阿の小暗がり 吉田きみえ 末黒野 201010
万緑や乗り継ぐサドル生ぬくし 栗栖恵通子 201010
万緑や一枚岩の顕彰碑 樋口みのぶ 201010
万緑の射し込む児童文学書 すずき巴里 ろんど 201010
万緑の中の教会灯の点り 和田崎増美 雨月 201010
四世紀経し万緑の古戦場 西出しず子 雨月 201010
万緑の中伊賀越のつづくなり 小浦遊月 酸奬 201010
万緑や端然とある五重塔 多田容子 酸奬 201010
万緑を腹一杯に山歩き 小澤正信 201011
万緑の高野の襞やむらさきに 橋添やよひ 風土 201011
万緑を揺さぶり滝の落下せる 密門令子 雨月 201011
万緑をわが目力の糧となす 杉本光 201101
万緑の庭に面影追ふばかり 稲畑汀子 ホトトギス 201105
雨音を聞き万緑の庭に出ず 稲畑汀子 ホトトギス 201105
万緑を競ひ合ひたる館の庭 稲畑廣太郎 ホトトギス 201106
土器の万緑に吸ひ込まれゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201106
万緑に息をつなぎてゆく旅路 稲畑汀子 ホトトギス 201106
雨多き島万緑の中に在り 赤座典子 あを 201106
万緑の生気全山動かせる 塩路五郎 201107
万緑の底に吸ひ込まれし事故車 稲畑廣太郎 ホトトギス 201107
万緑の桂は城の要とも 稲畑廣太郎 ホトトギス 201107
万緑の貫く蝦夷の大地かな 稲畑汀子 ホトトギス 201107
万緑の中に押し出す車椅子 高倉和子 201107
万緑を擦つて過ぎる狐雨 上原 重一 201107
万緑やパワーショベルの咆哮す 川崎真樹子 春燈 201107
万緑の真ん中に居て余震なほ 田山登喜子 201107
安息は万緑のこの静寂こそ 内藤静 風土 201107
万緑の宙みすがたに仏たつ 豊田都峰 京鹿子 201107
万緑や大きなガラス運びすぐ 天谷翔子 火星 201107
万緑やわれにも未来あるごとし 田中藤穂 あを 201107
万緑に戯るるものの皆小さき 宮崎左智子 201108
万緑の映ゆる古刹の床鏡 坂根宏子 201108
万緑の中や笹文字やはらかし 外川玲子 風土 201108
万緑の岩殿観音鶏謡ふ 鈴木石花 風土 201108
万緑や放射線禍に山怒る 羽賀恭子 201108
万緑や土偶豊かな腰まはり 安居正浩 201108
万緑叢中カーナビに逆らへり 菅谷たけし 201108
万緑の山彦きつと若き声 宮内とし子 201108
山頂の社へ万緑迫りたる 井山幸子 万象 201108
万緑の中のさみどり風の筋 山本無蓋 201108
万緑に体内音叉ひびきあひ 近藤公子 201108
万緑に声明のこゑ聞え来る 古田考鵬 雨月 201108
万緑にみなぎる力頂きぬ 上原恒子 雨月 201108
万緑の底より届く水谺 乙坂きみ子 末黒野 201108
万緑に包まれてゐてふと淋し 能勢栄子 201109
万緑の包むロマンの南朝址 坂上香菜 201109
万緑の黙ゴンドラをふっと吐き 小澤菜美 201109
万緑の水を亀の背わけゆけり 服部早苗 201109
万緑を行きて吾が身を充電す 泉田秋硯 201109
万緑や良辮杉は天に入る 岩木茂 風土 201109
万緑やダム放水の合図ベル 雲所誠子 風土 201109
万緑を直線截ちにケーブルカー 久染康子 201109
万緑やのぼつてくだるフリーパス 清水佑実子 201109
萬緑の中より双子乳母車 栗栖恵通子 201109
万緑の内なる闇の弾けけり 中野京子 201109
万緑のあはひにカリヨンの響き 岩月優美子 201109
万緑の底より聞こゆ瀬音あり 上原恒子 雨月 201109
万緑に沈みて白き我が母校 博多永楽 雨月 201109
名水を汲み万緑に顔を上ぐ 川崎良平 雨月 201109
万緑や薄くれないの吾子の爪 中田寿子 ぐろっけ 201109
万緑や炭鉱町の滑車銹び 片岡久美子 201110
万緑発万緑行や山のバス 古賀しぐれ ホトトギス 201110
万緑や声をひとつに修験僧 野坂民子 馬醉木 201110
万緑にくつきさうな絵の具持つ 池田光子 201110
万緑に添ふ渓谷や水吠ゆる 城戸緑 末黒野 201110
万緑の山門に巨き額の文字 犬塚李里子 201110
万緑や仏の山に身を鎮め 竹田ひろ子 ろんど 201110
万緑の真只中にゐてひとり 上原恒子 雨月 201110
朝稽古の太鼓打ち込む万緑裡 宮平静子 雨月 201110
むさし野の万緑の底深大寺 三枝正子 万象 201110
万緑に占領されて村百戸 黒川悦子 ホトトギス 201111
一瀑の落つ万緑を絞り込み 古賀しぐれ ホトトギス 201111
人違ひして万緑の外に出る 井尻妙子 京鹿子 201111
万緑を縫ひ合はすかに長城這ふ 竹田ひろ子 ろんど 201111
万緑や底をひとすぢ利根運河 大木さつき ホトトギス 201112
万緑の底に水脈曳く手漕舟 岡崎伸 遠眼鏡 201203
万緑へふはつと発車ロープウェイ 福島茂 201205
この雨を脱ぎ捨てて万緑となる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201206
万緑に城攻められてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201206
日差得て屋根万緑の一部分 稲畑廣太郎 ホトトギス 201206
万緑の塊として山を見る 稻畑汀子 ホトトギス 201206
万緑をつなぐ万緑たたなづく 稻畑汀子 ホトトギス 201206
万緑や地球いよよに力満つ 岩本セツ女 万華鏡 201206
万緑の要に寂し百済寺 塩路隆子 201207
万緑に一願成就朱の鳥居 川崎利子 201207
万緑を叡山電車潜り抜け 山崎里美 201207
万緑の濃さが本州とは違ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
皆違ふ色して同じ万緑裡 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
万緑をくりぬいてゐる鳶の笛 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
万緑の奏でる地球交響詩 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
万緑や墳に副室主室あり 田中佐知子 風土 201207
万緑や弘法大師修行像 小林共代 風土 201207
万緑や真白き地熱発電所 柴田志津子 201207
万緑に坐せば水音滔々と 丹生をだまき 京鹿子 201207
万緑に聞く濤声や御影堂 笠井清佑 201208
万緑や大きく動く表情筋 近藤喜子 201208
万緑や更なる明日へ五百号 座古稔子 201208
万緑→ 9      

 

2021年8月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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