万 緑 7     142句

万緑や柔道場に青畳    両角平

作品
作者
掲載誌
掲載年月
万緑の育つ六甲よりの風 稲畑廣太郎 ホトトギス 200806
萬緑や畑の真中に鍬を打つ 滝沢伊代次 万象 200806
万緑の中産声は男の子たり 柴崎英子 絹の波 200806
万緑や野山に力漲れる 塩路五郎 200807
雨の糸万緑光り止まざりし 稲畑汀子 ホトトギス 200807
万緑や二重念珠のゆるみをり 栗栖恵通子 200807
萬緑や声をかぎりに泣く赤子 滝沢伊代次 万象 200807
万緑の真つ只中に涅槃かな 神蔵器 風土 200807
万緑や仏師に禅書文学書 田中佐知子 風土 200807
万緑をうち被りたる閻魔堂 岡本まち子 馬醉木 200808
万緑の峡に母あり忌を修す 三嶋隆英 馬醉木 200808
万緑の山もこもことブロッコリー 宮崎左智子 200808
来世には鳥になりたし万緑裡 塩路五郎 200808
山頂に四方の山々万緑下 渡辺安酔 200808
万緑や桂馬は金となりにける 栗栖恵通子 200808
秘境失ふ万緑は密なれど 能村研三 200808
万緑に埋れて魚の眼になつて 千田百里 200808
万緑の風の匂ひの峠茶屋 沖倉好秋

酸漿

200808
萬緑や溺れきるとは楽しきこと 岡本眸 200807
万緑や金の成る木はいづこなる 亀田虎童子 200808
万緑の森来て厩の藁匂ふ 樺山翠 雨月 200808
万緑や母に合はせし童歌 府川房江 母の空 200808
幸せの鐘鳴る堂宇万緑裡 竹内悦子 200809
万緑の闇や義経ひらと出で 坂上香菜 200809
万緑に骨まで染まり疲れたり 泉田秋硯 200809
万緑に染みて鞍馬寺くらまは妖気満つ 横井明子 200809
万緑や神慮を宿す森の黙 佐山苑子 遠嶺 200809
六郷満山万緑にからうじて道 北川英子 200809
萬緑の中に雄雄しき句碑建立 天野正子 200809
萬緑の深さと古き運河かな 天野正子 200809
万緑や木々を映して湖平ら 米山喜久子 200809
万緑のふるさとの山われ癒す 佐藤健伍 200809
万緑にて元気のみでは恥しい 丸山佳子 京鹿子 200809
万緑や目に入るものの瑞々し 加地芳女 雨月 200809
万緑やダム湖の赤き鉄の橋 塩見治郎 雨月 200809
万緑の松下村塾開け放つ 岸崎華堂 炎環 200809
僧一人見ず万緑の成田山 大坪景章 万象 200809
万緑の野に石地蔵立ちたまふ 村越化石 200809
萬緑の峡や方位を見失ふ 安武晨子 200809
トンネルを出て万緑の雨に逢ふ 薗田英治 遠嶺 200810
万緑の池を濁らす白き鯉 大坪景章 万象 200810
万緑をつなぐ吊橋渡りけり 吉川隆 春燈 200810
万緑へ吟行の列呑み込まる 奥田妙子 ぐろっけ 200810
手こぎ舟いま万緑の橋に消ゆ 早稲嘉代子 ぐろっけ 200810
万緑の土新しき墳墓かな 奥山絢子 風土 200810
ゆるやかに坐し万緑に浸りゐる 杉山瑞恵 雨月 200810
万緑やダム放水に谷ゆらぎ 塩見治郎 雨月 200810
万緑も奥の奥なる山家かな 小峯雅子 酸漿 200810
万緑の底に水音浴びてをり 今橋眞理子 ホトトギス 200811
万緑や師系たどりの旅に出づ 遠藤和彦 彩雲 200901
万緑や水より始む進化論 常盤優 炎環 200902
神杉といふ万緑の守る古刹 稲畑廣太郎 ホトトギス 200906
点々と白鷺沈め万緑裡 稲畑廣太郎 ホトトギス 200906
万緑を配して鏡板の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 200906
武田菱四方万緑に囲まれて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200906
万緑の奥の万緑人拒み 稲畑廣太郎 ホトトギス 200906
万緑を抜けて万緑抜けてビル 稲畑廣太郎 ホトトギス 200906
万緑にちよつとスピード落とさへん 稲畑廣太郎 ホトトギス 200906
万緑を映すあなたの瞳かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200906
万緑の入浴剤の中にをり 吉田希望 200907
万緑の帷を開く深山かな 宮田香 200907
山陰といふ万緑の濃き方へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200907
万緑を突き抜けてくる鳶の笛 稲畑廣太郎 ホトトギス 200907
万緑に突き刺さりたるジャンプ台 稲畑廣太郎 ホトトギス 200907
里山を出づる万緑湿りして 千田百里 200907
万緑の中の師の忌や師のことば 吉田陽代 200907
万緑や砂場に子らの未来都市 藤原はる美 200907
万緑も宇宙の意思でありしかな 高橋将夫 200907
万緑の滴りあつむ九頭龍川 伊藤敬子 200907
万緑のすべり落ちたる棚田かな 中村房子 馬醉木 200908
万緑や声高に鳴く牧の牛 仁平則子 200908
万緑を揺さぶつてゐる一指かな 小澤克己 遠嶺 200908
万緑の丘耳札のなき仔牛 川口襄 遠嶺 200908
万緑に明るさといふ暗さあり 安居正浩 200908
万緑や手で操れる一輪車 岩井ひろこ 火星 200908
万緑の四方に法螺の音響きをり 梅田秀子 酸漿 200908
万緑に在す観音乙女かな 田野倉和世 酸漿 200908
万緑や楼に撞木の括られて 菅原末野 風土 200908
セ氏二十五度北上山系万緑中 金森涼 春燈 200908
万緑を万緑に染め永平寺 小林武弘 200908
万緑の森どよめかせ歩射神事 鈴木圭子 200908
万緑や思ひ思ひに牛遊ぶ 森美代子 200908
万緑の中の蔵王の露天風呂 須賀敏子 あを 200908
万緑の蠢く襞でありにけり 湯川雅 ホトトギス 200909
万緑に涯なければ眩し見つ 泉田秋硯 200909
万緑や躍動の子ら風となれ 吉田裕志 200909
万緑やアスレチックの声こだま 高橋秋子 200909
万緑や一期一会の将棋盤 林友次郎 遠嶺 200909
万緑や泥の好きなる幼の手 田山彰子 遠嶺 200909
万緑の洗礼受けし朝の弥撒 塩路隆子 200909
万緑は闇を抱へてをりにけり 高橋将夫 200909
万緑をかけのぼりくる豆剣士 近藤きくえ 200909
万緑にしづめる水を汲みあげる 中山純子 万象 200909
音たてて万緑うねる雲洞庵 森山暁湖 万象 200909
千の鳥容れて万緑うごくなし 安立公彦 春燈 200909
万緑や仏には無き土踏まず 岩井泉樹 春燈 200909
万緑やマリア像より鳩の発ち 佐藤博重 春燈 200909
万緑の中やつるぎを奉りたる 小沢吉野 200909
晴れわたり万緑を被る伊吹山 橋本ふさ子 200909
万緑の一緑なんぢゃもんぢゃの木 杉山瑞恵 雨月 200909
万緑山境内裏に神輿倉 桐島教子 風土 200909
万緑を来りて立てり花令法 阿部ひろし 酸漿 200909
万緑や笑をふくめる六地蔵 中里カヨ 酸漿 200909
万緑の嶺目覚めさす法螺の音 佐田昭子 ぐろっけ 200909
万緑や箸よりかるき骨納む 川崎かずえ ろんど 200909
万緑や卒寿の指の紅珊瑚 岩本セツ女 ろんど 200909
万緑をぼかす靄湧きロープウェイ 森清堯 末黒野 200910
万緑に腰を据ゑたる金閣寺 村上絢子 馬醉木 200910
万緑の弓極限に引きしかな 片岡啓子 遠嶺 200910
一山の万緑の黙怖れけり 上原恒子 雨月 200910
万緑や徒渉の水の盛りあがり 成田美代 200910
目を閉ぢて万緑の中に立ち尽す 北島上巳 酸漿 200910
万緑へ古りし山門潜りけり 大西裕 酸漿 200910
終焉の白きベッドや万緑す 細野みすず 炎環 200910
万緑の沁むる里曲に芝居小屋 小澤淳子 200910
万緑や岩魚の太る禁漁区 伊藤紫都子 200910
萬緑や孝子の鐘の一つ鳴る 市橋敬子 200910
独りなるとき万緑の怖しき 岩垣子鹿 ホトトギス 200911
万緑や無人駅また無人駅 桑島啓司 200911
万緑や水分け石をひとつ置き 館容子 200911
万緑にふかぶか沈み天狗寺 黒滝志麻子 末黒野 200911
万緑を沖へと伸ばす佐田岬 三浦如水 はらから 200911
万緑や木曾路は空を狭めたる 佐藤喜仙 壁炉 200911
万緑の迫りて細る釧路川 山内なつみ 万象 200911
万緑を一気に下り国境 田島洋子 200911
番匠の槌音ひゞく万緑裡 加藤千津 ろんど 200911
万緑や福知山市は植物園 大久保白村 ホトトギス 200912
万緑の包める丘の上のホテル 安原葉 ホトトギス 200912
万緑を抜け万緑へ古都の道 安原葉 ホトトギス 200912
邂逅の万緑に坐す師のかほり 土居通子 ろんど 201001
万緑や私の好きな勝手口 佐藤弘香 ろんど 201001
万緑裡気が付けば百四十キロ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201006
万緑を一直線に抜けて街 稲畑汀子 ホトトギス 201007
万緑にとらはれしより蝦夷の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201007
迷ひしやただ万緑を抜ける道 稲畑汀子 ホトトギス 201007
一幹となる万緑の中に立ち 鷹羽狩行 201007
万緑や奈良墨で書く千字文 清水美子 春燈 201007
万緑や両手に握る山の杖 和田政子 201007
万緑の高尾の味よ酒饅頭 和田政子 201007
万緑や山襞白き八ヶ岳 小松渓水 酸漿 201007
万緑の空ぽっかりと気球かな 清水侑久子 201008
裏山の万緑背戸に迫りけり 宇治重郎 201008
万緑→ 8      

 

2021年8月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。