万 緑 6     100句

万緑の空に湧史の句を放つ    小倉湧史

作品
作者
掲載誌
掲載年月
万緑や抱へて重き子のいのち 生方ふよう 200609
万緑を引き寄せ放ち太極拳 桑島啓司 200610
万緑の上をケーブルカー行き来 渡辺康男 200610
万緑の中や鉱山社宅跡 山火律子 200610
万緑の奥の一吹き魑魅かな 中野京子 200610
万緑やいささかはある恋心 廣畑忠明 火星 200610
万緑や出で湯の宿は川に沿ひ 木暮剛平 万象 200610
万緑裡心もみどり濃く淡く 林翔 200610
万緑や棚田を区切る野面積 松澤秀昭 200610
万緑や結社の気運高まれり 今井松子 遠嶺 200610
万緑やファウルボールの遊び来し 府川房江 遠嶺 200610
万緑や配流の里の箱枕 横松しげる 遠嶺 200610
万緑をひと盛りあげて皇子の陵 豊田都峰 京鹿子 200610
万緑や木綿を絹に変へし風 松田都青 京鹿子 200610
万緑や赤子の頬のなみだあと 竹内久子 京鹿子 200610
万緑や宝塔を守る一角獣 柿沼盟子 風土 200610
武蔵野の万緑の中蘆花眠る 井上あい 風土 200610
万緑に吸ひこまれゆくレトロ・バス 安田とし子 ぐろっけ 200610
万緑を来て霊水の燭つげる 長沼三津夫 200610
万緑の深山に発し水の旅 塩路隆子 200611
万緑の裾に舟屋の暮しあり 川口利夫 ホトトギス 200611
万緑や寺より稚児の現れし 邑橋節夫 遠嶺 200611
万緑やどこにふれても淋しい手 直江裕子 京鹿子 200701
万緑やかつて朱塗りの仁王門 ことり 六花 200705
万緑にビル沈みゆく都心かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200706
万緑の色を違へて御薬園 稲畑汀子 ホトトギス 200707
万緑の芯まで透ける久慈の川 鴨下 昭 200707
万緑の中に聳える延暦寺 佐藤健伍 200707
万緑や顱頂ずんずん沈みくる 水野恒彦 200707
万緑のあふる英治の眼鏡かな 神蔵器 風土 200707
万緑や水煙天にそびえ立つ 阿部ひろし 酸漿 200707
雨光る除幕の像も万緑も 浜田南風 200708
万緑や夜もみどりを滴らす 竹内悦子 200708
万緑やシフォンケーキのできあがる 天野きく江 200708
万緑の福島空港離陸音 渡辺安酔 200708
広大な万緑に絶すゴルフ場 佐藤健伍 200708
万緑へ一緑加へ芽落葉松 伊藤白潮 200708
万緑や男の子初子を差し上ぐる 藤重良昭 万象 200708
万緑の起伏に沈む湖二つ 岸川素粒子 万象 200708
石投げて万緑音を返さざる 寺坂近子 風土 200708
万緑や黒光りする大腿筋 小嶋洋子 200708
万緑や岬に詠み人知らずの碑 七種年男 200708
万緑の入口に立つ道祖神 柴田佐知子 200708
万緑の底せせらぎを聞く壺湯 園多佳女 雨月 200708
シャッターを切る万緑の一部分 上原恒子 雨月 200708
万緑の怒濤ヘリフト放ちけり 中村翠湖 馬醉木 200708
万緑に空を狭めて切り通し 布川直幸 200709
万緑に田の色加ふ盆地村 布川直幸 200709
万緑の中に小さく吾はあり 稲岡長 ホトトギス 200709
万緑に染み善人の眼に変はる 泉田秋硯 200709
万緑のなかそよぎゐる母の葱 山田美恵子 火星 200709
万緑や羊の群のゆつくりと 谷春菜 万象 200709
万緑の瓢箪池のきらきらす 近藤きくえ 200709
祖谷万緑ひとり操る落し水 和田照海 京鹿子 200709
万緑やアニメ特急窓席に 和田照海 京鹿子 200709
万緑にもまれたあとは石になる 松田都青 京鹿子 200709
万緑の裏側ばかり見て飽きず 松田都青 京鹿子 200709
万緑や登山電車の軋みつつ 深津一葉 200709
万緑の一隅に置く新書斎 井内佳代子 遠嶺 200709
万緑に繋がつてゐる人と人 永田歌子 遠嶺 200709
門前の町万緑に呑み込まれ 佐々木はな子 遠嶺 200709
万緑や不染を問へる寺の道 安田久太朗 遠嶺 200709
万緑や牛の乳房は地に届く 三宅照一 遠嶺 200709
万緑のふところ郷よ深眠り 小野寺節子 風土 200709
けふありてチヤイコフスキーと万緑と 安永圭子 風土 200709
五臓六腑万緑に染み山下る 樺山翠 雨月 200709
万緑に埋もれてあり西行庵 手島伸子 雨月 200709
万緑や地球のどこか軋む音 藤原はる美 200709
万緑の奥宮神鶏長鳴きす 今井忍 ぐろっけ 200709
万緑のすみずみにまで鐘ひびく 田中章子 酸漿 200709
万緑の遍き杜や厳島 飯田角子 酸漿 200709
万緑を廻してリフト折返す 長谷川翠 馬醉木 200709
清流や山の万緑際立たせ 伊藤稔代 200710
万緑に目つぶれば太陽の音 塙告冬 ホトトギス 200710
万緑の谷ふつふつと湯の湧けり 木暮剛平 万象 200710
万緑を切り裂く滝の白さかな 駒形祐右子 万象 200710
万緑や山気満ちたる戊辰墓地 森山暁湖 万象 200710
万緑や沢の棚田もそのなかに 森山暁湖 万象 200710
万緑や寺領の奥のレストラン 塩田博久 風土 200710
万緑へ鉾町抜けて来たりけり 落合絹代 風土 200710
万緑やクリスチヤンネームの草田男墓 林いづみ 風土 200710
万緑や牛飼ひの鈴鳴らしゆく 下山田美江 風土 200710
万緑の中乳飲子の大あくび 石原光徳 酸漿 200710
万緑のなか天竜の川下り 飯田角子 酸漿 200710
万緑や中尊寺てふ道しるべ 君島栄子 酸漿 200710
万緑にわが凡鐘の一打なり 横川泰子 酸漿 200710
万緑の襞あざやかに刷きおろす 西村摩耶子 京鹿子 200710
トロッコのつきぬけてゆく万緑裡 加地芳女 雨月 200710
万緑の樹齢加はる谷深し 中村翠湖 馬醉木 200710
万緑の底より瀬音鳴子峡 鈴木照子 200711
万緑の一山迫る村の道 鴨下昭 200711
万緑の真只中や野球句碑 原田しずえ 万象 200711
万緑の嵯峨にも人を刺す草が 丸山佳子 京鹿子 200711
古虎渓の万緑なすに絵付せり 松崎鉄之介 200711
万緑や脱皮果せしもの光る 杉山瑞恵 雨月 200711
万緑の中に冷ませり身の火照 浅野恵美子 酸漿 200711
万緑をぬけし奥入瀬の瀬音かな 君島栄子 酸漿 200711
大万緑生きとし生けるものたちへ 和田照子 200712
万緑の一樹一樹にある主張 稲畑汀子 ホトトギス 200805
萬緑にあそぶ激しき流れ得て 岡本眸 200805
万緑 7→      

 

2021年8月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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