万 緑 5     100句

万緑をしりぞけて滝とどろけり    鷲谷七菜子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
里山を守る万緑でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200506
万緑や雪のくらしは問はずとも 稲畑汀子 ホトトギス 200506
万緑の香に洗はれし年尾句碑 稲畑廣太郎 ホトトギス 200507
万緑といふ抜け道を阻むもの 稲畑汀子 ホトトギス 200507
万緑を走り抜けたる旅路あり 稲畑汀子 ホトトギス 200507
万緑に威を鎮めたる城と見し 稲畑汀子 ホトトギス 200507
万緑に目を見開いて目を休む 辻田忠俊 築港 200507
肩が行く首が行くああ万緑裡 林翔 200507
朝湯にて足らず万緑浴びにゆく 林翔 200507
万緑や羽音もあらず鷹の影 岡本まち子 馬醉木 200508
万緑やあぎと失せたる摩崖仏 石田阿畏子 馬醉木 200508
万緑や豹の眼光衰へし 三上程子 春燈 200508
万緑のど真ん中より船出せり 小澤克己 遠嶺 200508
万緑に囲まれてゐる船屋形 城尾たか子 火星 200508
万緑を眠らするごとチェロ奏者 小嶋洋子 200508
万緑や屋敷の内に父祖の墓 関戸国子 酸漿 200508
万緑の奥より海のひろがれり 片山タケ子 200508
万緑に時間長者の亀五匹 丸山佳子 京鹿子 200508
万緑の山に爪掛くショベルカー 森田久枝 築港 200508
万緑の山抱きしづむ湖の色 川村政枝 築港 200508
万緑や水音高く流れ落つ 阪口久子 築港 200508
庭園のいま万緑へまつしぐら 柿沼盟子 風土 200508
常の朝来て万緑のくらしかな 澤井悠紀子 200508
万緑に映え城壁の武者返し 沼口蓬風 河鹿 200509
万緑や江戸へ一歩の西田橋 中元英雄 河鹿 200509
万緑や亡夫を語らぬ寡婦二人 石岡祐子 200509
万緑をカメラの奥に旅所 豊田作二 遠嶺 200509
万緑を窓に引きよせ新句集 三沢蘭 遠嶺 200509
万緑に吸ひこまれゆく峠路 長志げを 遠嶺 200509
万緑に浮かんでをるや観覧車 赤池英津子 遠嶺 200509
万緑の大吊橋を渡りけり 佐藤玲子 春燈 200509
万緑の白一点が吾なりし 林翔 200509
万緑の嶺を裂きたる修羅落し 鈴木良戈 200509
万緑や円覚寺より美男僧 志村秀子 風土 200509
万緑を孔雀の奇声貫けり 鈴木實 百鳥 200509

 川端龍子・茅舎の墓

万緑のなか兄弟の墓睦む

大串章 百鳥 200509
万緑を分けロープウェイ紛れ込む 堀田清江 雨月 200509
華甲自祝万緑といふ桂林に 川上恵子 雨月 200509
万緑に達筆すぎる火の用心 丸山佳子 京鹿子 200509
万緑や子離れし手の厚きまま 松井洋子 ぐろっけ 200509
万緑にさかひ目のなし県境 金山千鳥 酸漿 200509
萬緑の富士に平和の祈りあり 徳田正樹 河鹿 200510
万緑を来て眩しめる湖の綺羅 上薗シヅ子 河鹿 200510
万緑を映して深し山上湖 山口順子 200510
万緑へ吐き出す憂さや大欠伸 岡谷栄子 200510
万緑の中垂直の水の帯 小澤克己 遠嶺 200510
万緑や川中島の武将像 与川やよい 遠嶺 200510
万緑や笙の音はこぶ婚の風 松本静江 遠嶺 200510
万緑へ余韻嫋嫋鐘をつく 山越勝美 遠嶺 200510
万緑に染まり山水ほとばしる 浜野茂 百鳥 200510
万緑や校庭にある方位盤 田中敬子 百鳥 200510
すき間をば万緑に埋め備へとす 豊田都峰 京鹿子 200510
スイッチバック万緑を逆撫です 坂本京子 200510
万緑や一朴の葉の裏返り 渡邉友七 あを 200510
比叡遠くして万緑の風に立つ 岩垣子鹿 ホトトギス 200511
万緑の磴ひたむきに児がのぼる 小倉綾子 ぐろっけ 200511
万緑の中や空気に色ありぬ 名和美枝子 八千草 200511
万緑や昔廊下に立たされし 石井道則 築港 200511
万緑やうつうつとして湊川 桑田青虎 ホトトギス 200512
万緑やギプスかろがろ先を行く 山下升子 八千草 200512
万緑の磴を登つて句碑仰ぐ 阪口久子 築港 200512
万緑や見えざる友に誘われて 藤原りくを 八千草 200602
象頭山万緑深き裾を曳く 稲畑汀子 ホトトギス 200605
万緑や泣きながら私を生んだか ことり 六花 200605
万緑を抜け来て町を迷ひけり 稲畑汀子 ホトトギス 200606
富士に向け万緑色を整へり 稲畑汀子 ホトトギス 200606

 「祖谷」七百号記念句会

祝ぎ色といふ万緑でありにけり

稲畑汀子 ホトトギス 200606
万緑のはじめなりけり孔雀王 栗栖恵通子 200606
万緑に尾根の明暗ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200607
万緑を育む天の涙とも 稲畑廣太郎 ホトトギス 200607
万緑の山迷ひたる人抱き 稲畑廣太郎 ホトトギス 200607
万緑の森をすべりて着陸す 稲畑汀子 ホトトギス 200607
万緑に印す一歩も旅のもの 稲畑汀子 ホトトギス 200607
万緑に沈む本堂多宝塔 水原春郎 馬醉木 200607
老夫婦且つ病夫婦万緑裡 林翔 200607
万緑に埋もるる墓の幸思ふ 林翔 200607
万緑に染みつつ方位確かむる 伊藤白潮 200607
万緑や赤子をはかる発条秤 辻美奈子 200608
万緑へ開いてゐたる鼠木戸 石川笙児 200608
万緑の星は宇宙に浮く毬藻 七種年男 200608
海はもう見えぬ江戸城万緑中 鈴木榮子 春燈 200608
万緑の萌えたつ灰汁を掬ひをり 栗栖恵通子 200608
万緑をゆりかごとして声のとぶ 天野きく江 200608
万緑に魅せられ描くも二度三度 水野町子 四葩 200608
あるがまま生きて万緑眩しかり 用名仁子 四葩 200608
杖持つも万緑の中あゆみけり 助口弘子 火星 200608
万緑や仁王筋骨隆々と 辰巳あした 雨月 200608
一字写経して万緑の山下る 西村しげ子 雨月 200608
万緑のわが晩年を埋めつくす 宮野照子 馬醉木 200609
一爆となり万緑を駈け下りる 蔦三郎 ホトトギス 200609
万緑や宝蔵殿兼神輿蔵 矢島久栄 200609
万緑の鉾杉空の砦なす 松村多美 四葩 200609
万緑を貫き奔る十勝川 小山光彦 四葩 200609
万緑や時を止めゐる石舞台 奥村邦子 200609
万緑に吸い込まれゆく行方かな 岩月優美子 200609
万緑や一直線に雨の降り 上村葉子 風土 200609
万緑に溺れてゐたり天邪鬼 吉田明子 200609
万緑や赤子のあくび水泡ほど 横山淑子 200609
万緑や三歩あるいて母の胸 吉村摂護 200609
万緑や木の名花の名をみなの名 木戸渥子 京鹿子 200609
万緑 6→      

 

2021年8月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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