万 緑 3     100句

万緑に朴また花を消すところ    皆吉爽雨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
万緑を映してゐたり蓼科湖 阿部文子 酸漿 200207
万緑に瞑り言葉生まむとす 松岡隆子 200207
万緑や人は小さくもの書ける 加瀬美代子 200207
万緑やカヌーを載せし疾走車 山中宏子 200208
万緑に噎せ山彦を呼び出せず 沖祐里 200208
万緑や一狙撃もて我死すか 有働亨 馬醉木 200208
万緑の中のさみどり炎立つ 大坂輝子 百鳥 200208
万緑へ馬を引き出す農学部 金子君枝 百鳥 200208
万緑の底吊橋の見え隠れ 川井政子 風土 200208
万緑の涯に眩しき多島海 吉田王里 風土 200208
万緑の近景は迅く流れゐる 大嶋康弘 銀化 200208
万緑の重心揺るがす呱々のこゑ 宇都宮滴水 京鹿子 200208
万緑や小雨急なる毛馬堤 中川晴美 雲の峰 200208
万緑や酒呑童子のかくれ洞 池本嘉代 雲の峰 200208
万緑の奥に奥ありほととぎす 阿部ひろし 酸漿 200208
夜叉神の万緑の谷風を噴く 伊藤一枝 酸漿 200208
詩歌とは荒ぶるこころ万緑裡 木内憲子 200208
万緑の中白壁の蔵のあり 大谷茂 飛白 200208
単線となり万緑の迫り来る 坂口三保子 ぐろっけ 200208
万緑を分かつ一瀑音もなし 新海りつ子 馬醉木 200209
万緑や真矢ひく衆の紋どころ 小谷ますみ 京鹿子 200209
万緑の中の烏城に目を戻す 戸田春月 火星 200209
萬緑や朽舟の尻浮きゐたる 浜口高子 火星 200209
万緑や池の真中を亀泳ぐ 船山博之 百鳥 200209
万緑を損なはず白樺の幹 鷹羽狩行 200209
萬緑や薬草店の小抽出 林友次郎 遠嶺 200209
万緑の埋もれて白き駅舎あり 堀本祐子 遠嶺 200209
万緑の中の優しき師の講座 寺内佶 遠嶺 200209
万緑や空の話をする少年 土岐明子 遠嶺 200209
万緑や古老の語る長屋門 浅井美子 遠嶺 200209
萬緑や胸透くまでの杣の道 林友次郎 遠嶺 200209
萬緑にめくれありけり昼の星 栗栖恵通子 200209
万緑や大海原をたなごころ 鈴木勢津子 200209
萬緑の梢の音の中にをり 竹中一花 200209
万緑やドイツ生れの錦鯉 柴田節子 帆船 200209
ウィスキー醸す工場万緑裡 中井久子 雨月 200209
万緑を突き出て山の天守かな 岡本直子 雨月 200209
万緑や父母の歳超ゆ姉と兄 菅谷弘子 雨月 200209
万緑の端に靴擦れほどの空 志麻茜 銀化 200209
哮るもの孕み万緑閑かなり 下村志津子 銀化 200209
万緑や客なきリフトきしみゆく 阿部ひろし 酸漿 200209
萬緑や師弟句碑には香の風 丸山冬鳳 京鹿子 200210
万緑の照り合ひてをり城下町 池部久子 酸漿 200210
万緑を眼下に堂の朱の手すり 谷野由紀子 雲の峰 200210
万緑の風をゆたかに忠魂碑 窪満子 雲の峰 200210
万緑の坩堝の底に出湯の村 大塚邑紅 200211
万緑や海へ真向かふ一の宮 田中聡子 遠嶺 200211
万緑や一筋の道振り向かず 田中矢水 遠嶺 200211
万緑を引き寄せダムの水ゆたか 中谷藤房 200212
万緑や指の先より睡くなる 岩岡中正 ホトトギス 200212
万緑に洞窟の口開いてをり 湯川雅 ホトトギス 200212
万緑の葉裏も見よと風渡る 佐藤美恵子 ホトトギス 200212
万緑の山が山押す奥信濃 宮坂恒子 雪底 200304
万緑の山万緑の大地より 稲畑汀子 ホトトギス 200305
万緑を抜けて展けし海へ着く 稲畑汀子 ホトトギス 200305
鳴くものも咲くものも皆万緑下 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305
罫線を引く万緑の彼方まで 若生まりあ 遠嶺 200306
万緑に従ふ旅路ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200307
水底に万緑およぶ透かし橋 徳植よう子 200307
万緑やまだ白哲の弓の的 鷹羽狩行 200307
万緑の山襲深く葬りに来 谷榮子 雨月 200307
万緑の木立に古りし煉瓦塀 川合八重子 酸漿 200307
万緑を抜けて石段まだつづく 森理和 あを 200307
登り来し石段見えず万緑裡 森理和 あを 200307
万緑の峰に屹立電波塔 岡田有峰 築港 200307
単線に乗り万緑の中に入る 佐野雅明 築港 200307
万緑に首の据れる赤子かな 荒井千佐代 200307
万緑やどこも苦地蔵の言をふと 茂木妙子 雲の峯 200307
万緑の巌そぎたる堂の数 森田蝌蚪 200307
万緑に沈みて島の狼煙台 青山悠 200308
万緑の山越えてくる志士の道 内藤玲二 200308
万緑や東西南北の北は憂し 石田阿畏子 馬醉木 200308
万緑の揺れをのがれて亀並ぶ 片山茂子 遠嶺 200308
万緑の池の面にある紙のふね 堀本祐子 遠嶺 200308
万緑に囲まれてをり枯山水 吉田邦幸 遠嶺 200308
万緑の地球外より見てみたし 鈴木輝子 遠嶺 200308
万緑の山となりをり古墳群 松崎早智子 帆船 200308
万緑の底の名湯秘湯かな 遠藤米 帆船 200308
万緑へ白寿の柩担ぎ入る 小林和子 風土 200308
万緑に西行桜三代目 浅田光代 風土 200308
御嶽山立ち万緑厚き開田村 松崎鉄之介 200308
万緑やぽつかり開いて霊枢車 海野廸子 対岸 200308
万緑や美人湯に四肢思ひきり 清わかば 雲の峯 200308
訓練の挙手に万緑応へたる 大串章 百鳥 200308
万緑や雨にもシャツを洗ひ干し 仲村青彦 200308
万緑や手鏡ほどの湖展け 長沼冨久子 馬醉木 200309
万緑の駅が終点西武線 遠藤若狭男 200309
万緑や眠りし馬の耳うごく 清水晃子 遠嶺 200309
万緑や地図には小さき岬鼻 大曽根育代 遠嶺 200309
万緑を廻して船の向きかはる 海輪久子 円虹 200309
一家系大万緑に遺りたる 海輪久子 円虹 200309
万緑や山の雄叫び聞くおもひ 坂本京子 200309
万緑を波に織り込む山湖かな 矢崎すみ子 200309
万緑へ嘶きさうな神馬像 伊藤月江 雲の峰 200309
万緑の中をトロッコ列車行く 郷地美代子 雨月 200309
万緑や土の香豊古樹大樹 平松かをる 六花 200309
万緑や土に車の逍遥す 平松かをる 六花 200309
万緑や兎の小屋に南京錠 野々村紫 百鳥 200309
万緑の風切る竹刀振りにけり 前田倫子 百鳥 200309
万緑の皇居出で来しサイドカー 鈴木綾子 百鳥 200309
万緑 4→      

 

2021年8月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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