晩 夏 6   100句

闇よりも山大いなる晩夏かな    飯田龍太

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雨降りて降りて晩夏の風纏ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201508
ふと次の会に心を置晩夏 稲畑汀子 ホトトギス 201508
雨止みて空気の甘き晩夏かな 稲畑汀子 ホトトギス 201508
林中の石みな病める晩夏かな 木下夕爾 春燈 201508
水彩の筆の思案に晩夏光 布川直幸 201508
円空の生成り簡素や飛騨晩夏 能村研三 201509
子の水着少し色あせ晩夏かな 佐野つたえ 風土 201510
深煎りの珈琲の香の晩夏かな 内藤静 風土 201510
うつぶせのサッカーゴール晩夏かな 中嶋陽子 風土 201510
返信の残りしままに晩夏かな 池田加代子 風土 201510
御嶽へ届けと梵鐘撞く晩夏 鈴木浩子 201510
落葉松の梢晩夏の雲捉ふ 安斎久英 末黒野 201510
風わたる橋より崩る嵯峨晩夏 鈴鹿呂仁 京鹿子 201511
夕風や晩夏はいつも酢の匂ひ 雨村敏子 201511
渓流に顔つけ洗ふ晩夏かな 山田春生 万象 201511
大木の葉擦れの音も晩夏かな 西村しげ子 雨月 201511
風向きのトランペットや晩夏光 落合絹代 雨月 201511
晩夏光秘色を酌みて神谷バー 藤代康明 201511
楚人冠渡欧の鞄晩夏光 久布白文子 馬醉木 201512
研ぎ上げし鎌の切れ味晩夏光 久世孝雄 やぶれ傘 201512
沖よりの晩夏しぐれの光りつつ 和田照海 京鹿子 201512
さざなみの流木洗ふ橋晩夏 佐々木興作 京鹿子 201512
京五条晩夏の橋に彩の風 伊藤希眸 京鹿子 201512
立ち眠る馬に晩夏の隠岐の海 深川淑枝 201512
江ノ電が角を光って来る晩夏 のざきまみこ 201512
死に化粧母生き生きとして晩夏 中野匡子 ホトトギス 201601
朽ち舟の捨て置かれたる浜晩夏 五島富佐子 雨月 201602
九階の風に納得する晩夏 辻村拓夫 船団 201602
よべここに満天の星見し晩夏 稲畑汀子 ホトトギス 201607
満天の星を仰ぎて旅晩夏 稲畑汀子 ホトトギス 201607
伽石を語り部として句碑晩夏 稲畑汀子 ホトトギス 201607
齟齬も又晩夏の旅の一部分 稲畑汀子 ホトトギス 201607
はや次の旅程はじまる晩夏かな 稲畑汀子 ホトトギス 201607
出会とは句座なればこそ館晩夏 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
生れしもの召されしものに晩夏かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
又句友一人送りし晩夏かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
欠席の電話次々会晩夏 稲畑汀子 ホトトギス 201608
晩夏なり波が擢つてゆきしもの 水野恒彦 201608
通院の街見慣れゆく晩夏かな 太田佳代子 春燈 201609
ぽっつんとポスト晩夏の水平線 笹村恵美子 201609
晩夏の翳りマンゴスチンは玉と熟れ 辻美奈子 201609
遙拝の島は未踏や晩夏光 亀井紀子 201609
空を切る手網の父子の晩夏かな 山田六甲 六花 201609
海たりし頃の貝殻晩夏光 近藤喜子 201610
幼児に余慶賜はる晩夏かな 竹中一花 201610
松葉杖つく少年の晩夏かな 岩田洋子 201610
雲の峰あらかた崩れ晩夏たり 大橋晄 雨月 201610
ビル街の大観覧車晩夏光 嶋崎豊子 雨月 201610
遠く鳴く土鳩のこゑや晩夏光 菅谷たけし 201611
木の影を脱いで晩夏の蝶となる 中島あきら 201611
あかず見る雲の変幻晩夏光 玉置かよ子 雨月 201611
鉄塔の影長くなる晩夏かな 玉置かよ子 雨月 201611
病みしより家居きめ込みはや晩夏 玉置かよ子 雨月 201611
子の新居完成間近晩夏光 山本漾子 雨月 201611
雑踏を孤独に歩みゐる晩夏 山本ひろ 雨月 201611
寝て起きてやすらかな暮し晩夏かな 犬塚芳子 201611
眠る児の睫毛の翳や晩夏光 野村鞆枝 京鹿子 201611
晩夏光ふつと考妣現る銀座 上野紫泉 京鹿子 201611
鰡跳ねて晩夏の山河たしかむる 松尾龍之介 201611
網干して漁港狭むる晩夏かな 太田良一 末黒野 201611
桜耳の猫ゐるキャンパス晩夏光 近藤紀子 201612
静謐に瀬戸の夕陽や晩夏光 竹村淳 201612
病む犬のこゑ絶え絶えと晩夏かな 久世孝雄 やぶれ傘 201612
高階の灯火晩夏の星掴み 安斎久英 末黒野 201612
指先に爪ある不思議晩夏光 たかはしすなお 201612
弁財天にラップ流れて路地晩夏 森なほ子 あを 201610
地下穿ち墓の広がる晩夏光 栗原京子 201612
惜しみなく千枚田へと晩夏光 吉村摂護 201612
閉ざされし老舗のホテル首都晩夏 稲畑廣太郎 ホトトギス 201707
加賀と江戸繋ぐ晩夏の祝ぎ心 稲畑廣太郎 ホトトギス 201707
咲き継ぎて晩夏の色や時計草 稲畑廣太郎 ホトトギス 201708
通院の父に添ひゆく晩夏かな 中村弘 万象 201708
晩夏なり男料理の砂時計 能村研一 201709
晩夏なり男料理の砂時計 能村研三 201710
彫り深き男なりけり晩夏光 森岡正作 201710
雨後の草まだするどくて晩夏光 高橋あさの 201710
人影に鯉の寄りくる晩夏かな 七種年男 201710
瑠璃の池晩夏の雲と翳りあふ 南光翠峰 馬醉木 201710
晩夏光ひとつ拾ひし川原石 門伝史会 風土 201710
移したる墓を晩夏の風わたる 赤石梨花 風土 201710
海の面の祈りのブルー晩夏花 近藤喜子 201710
とこしへに「考える人」晩夏光 岩月優美子 201710
踝の熱(ほとぼ)り冷ます川晩夏 鈴鹿呂仁 京鹿子 201710
露天風呂海とつながる晩夏かな 篠藤千佳子 201711
落陽の海くらくらと晩夏光 水野恒彦 201711
太陽の玄く渦めく晩夏かな 原田達夫 201711
南無妙と棺の墨痕晩夏光 林いづみ 風土 201711
恋の歌流る晩夏のシャンソニエ 相模温子 京鹿子 201711
収穫を終へし畑の晩夏光 溝内健乃 雨月 201711
晩夏光廃校にある一輪車 蒲田雅子 雨月 201711
納棺にバッハ奉ずる吾子晩夏 笹村政子 六花 201711
湖中句碑晩夏の波の寄りどころ 古賀しぐれ ホトトギス 201712
肘ついて風を見てゐる晩夏かな 飛高隆夫 万象 201712
居酒屋の格子より入る晩夏光 秋山信行 やぶれ傘 201710
縁切りの社晩夏の影ひとつ 加藤翅英 京鹿子 201801
人形の寝すれば瞼閉づ晩夏 三井所美智子 201712
岩山の松に兆せる晩夏かな 善野烺 六花 201712
母の爪切りて晩夏の別れかな 三井所美智子 201802
国宝を身近にしたる晩夏かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
源平の世を近づけて吉備晩夏 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
晩夏 →7      

 

2021年8月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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2021年8月6日