晩 夏 5   99句

闇よりも山大いなる晩夏かな    飯田龍太

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
晩夏の訃偲ぶ心を持ち寄りぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201208  
深山の寺の鐘鳴る晩夏光 小林美登里 かさね 201210  
深山の神社に詣ず晩夏光 松本信子 かさね 201210  
晩夏光ななめに流れ野の木立 豊田都峰 京鹿子 201210  
立杭の二三砂丘なる晩夏 豊田都峰 京鹿子 201210  
沖を指すなりの流木影晩夏 豊田都峰 京鹿子 201210  
沖にまで雲なく晩夏光たいら 豊田都峰 京鹿子 201210  
からだから何か失せゆく晩夏かな 柴田朱美 京鹿子 201210  
晩夏光人には見せぬ心の襞 柴田朱美 京鹿子 201210  
歯科の椅子晩夏の景を傾ける 柴田朱美 京鹿子 201210  
生き方をやわらかくして晩夏かな 柴田朱美 京鹿子 201210  
横になること多き日々晩夏昏れ 柴田朱美 京鹿子 201210  
やはらかくなりし髪梳く晩夏かな 藤井久仁子 ぐろっけ 201210  
瀞抜ける水に声ある晩夏かな 工藤ミネ子 風土 201210  
エンデングノートまだ空白のまま晩夏 木村茂登子 あを 201210  
初ものの麦芽舌にたまる晩夏 吉弘恭子 あを 201210  
牧草のはや雨に伏す晩夏かな 白澤よし子 馬醉木 201211  
鶺鴒のすべる歩みの晩夏かな 工藤ミネ子 風土 201211  
白神山の襞に影生む晩夏光 石井美智子 風土 201211  
船溜り藻屑漂ふ晩夏かな 清海信子 末黒野 201211  
阿夫利嶺の浮く雲淡し晩夏光 中山良子 末黒野 201211  
晩夏光おおき背中のウイニングラン 谷岡尚美 201211  
妻の句も入りし句碑立つ晩夏かな 大坪景章 万象 201211  
あかあかと穂高稜線にある晩夏 豊田都峰 京鹿子 201211  
晩夏光旅の昼餉の神楽宿 水谷芳子 雨月 201211  
無人駅に降りしは吾のみ晩夏光 山本漾子 雨月 201211  
単線の砂利赤茶けて晩夏光 塩見治郎 雨月 201211  
トルソーの向き変へてゐる晩夏かな 永田圭子 ろんど 201211  
白壁の葉影動かぬ晩夏光 河村啓花 ろんど 201211  
白雲の湧きては崩れ晩夏かな 木村茂登子 あを 201211  
晩夏光風に流るる遠鴎 玉田瑞穂 万象 201212  
晩夏の雲北に漂うほど白く 古川忠利 ろんど 201212  
青春の古釘抜きし晩夏かな 古沢幸次 ろんど 201212  
橋の黙海の騒きといふ晩夏 稲畑廣太郎 ホトトギス 201307  
尻向けて猫のすり寄り来る晩夏 山田六甲 六花 201309  
夕日ふたつ並んでをりぬ晩夏かな 寺田すず江 201310  
立つ人の影みな古ぶ晩夏かな 安立公彦 春燈 201310  
子規庵の晩夏の庭や草の風 江草礼 春燈 201310  
校庭の線引き直す晩夏かな 江草礼 春燈 201310  
潮の香のいぶせき街や晩夏光 林紀夫 春燈 201310  
島の影島に重ぬる晩夏かな 小山繁子 春燈 201310  
胃カメラの片恋覗く晩夏かな 荒井和昭 201310  
岩もまた波の形に島晩夏 森岡正作 201310  
釣舟の明日の出を待つ晩夏光 森岡正作 201310  
晩夏光メタセコイアの梢さやぎ 石崎和夫 201310  
絵画展隅に晩夏の椅子一つ 浜口高子 火星 201310  
学祭のチラシ流るる晩夏光 河崎尚子 火星 201310  
公園の蛇口上向く晩夏かな 小林成子 火星 201310  
一雨に晩夏の風の生まれたる 大橋晄 雨月 201310  
晩夏光一足を履き潰したる 篠田純子 あを 201310  
弥生期へ光スリップ晩夏かな 大島みよし 201311  
晩夏光海が見たいと想ふ日々 片山煕子 京鹿子 201311  
クレソンに朝があふれて晩夏なり 佐々木紗知 京鹿子 201311  
遠ちの空いつまでも晴れ晩夏かな 中山純子 万象 201311  
根こそぎの楊の放つ晩夏光 坂口夫佐子 火星 201311  
晩夏光干されて縮むボタン孔 吉田政江 201311  
客待ちのパラグライダー晩夏光 安斎久英 末黒野 201311  
手秤のすこし狂ひし晩夏かな 中島讃艮 ろんど 201311  
今朝も掃く蝉の骸や庭晩夏 石垣幸子 雨月 201311  
雲ひとつ映る入江の晩夏かな 上月智子 末黒野 201312  
羊歯群に太古の香り風晩夏 鎌田慶子 ろんど 201312  
工事場の瓦礫の山や晩夏光 久世孝雄 やぶれ傘 201312  
小流れの底まで透けて木曽晩夏 荒木治代 ぐろっけ 201312  
少しなら濡れてゆく少年の晩夏 岩岡中正 ホトトギス 201401  
「百万弗の夜景」晩夏の通夜の灯も 池田澄子 船団 201401  
穂孕みの田の面ゆらりと晩夏光 生田作 風土 201401  
橋の下に木の椅子のある晩夏かな 中原幸子 船団 201403  
古の時間流るる古都晩夏 稲畑廣太郎 ホトトギス 201407  
ペインティングナイフに残る藍晩夏 つじあきこ 201409  
流木のなかば埋れし浜晩夏 豊田都峰 京鹿子 201410  
流れゆく水に晩夏の翳りあり 水野恒彦 201410  
ごつごつに彫られし仏晩夏光 浜口高子 火星 201410  
風ぬくる竹百幹の晩夏かな 西岡啓子 春燈 201410  
晩夏光深き山より火の破片 鴨下昭 201410  
晩夏光笑顔返して知らぬ人 小嶋恵美 春燈 201410  
尼さまに触れし安らぎ晩夏光 米尾芳子 馬醉木 201410  
遠山の襞くつきりと晩夏かな 本多俊子 201410  
洞門にカヤック消ゆる晩夏光 河崎尚子 火星 201410  
釣竿の弧の極まりて晩夏光 岸本久栄 雨月 201411  
ふるさとの蔵の白壁晩夏光 長坂正昭 春燈 201411  
妻恋うて旅立たれしや晩夏光 岡田史女 末黒野 201411
黒部湖の水の蒼さや晩夏光 滋野暁 末黒野 201411  
晩夏光油絵具を仕舞ひけり 松木ひろ ろんど 201411  
浅漬けを切る音澄めり晩夏光 柳川晋 201411  
恋に酔ふ蝉に晩夏のしのび寄る 後藤マツエ 201411  
ただ暑きばかりに過ぎて晩夏かな 内海良太 万象 201411  
大空へ雲積み上げし晩夏かな 橋本くに彦 ホトトギス 201412  
あらがひて晩夏の旅をこころざす 堀内一郎 堀内一郎集 201412  
岩山を猿の飛び交ふ晩夏かな 柴田志津子 201412  
置き去りの十二センチの靴晩夏 近藤紀子 201412  
鏡中の皺諾へり晩夏光 田原陽子 201412  
荷台から空を見上げる晩夏かな 波戸辺のばら 201412  
夜は紅い獣肉つつき永い晩夏 堀内一郎 堀内一郎集 201412  
灯台晩夏白い煙草を咥へて去る 堀内一郎 堀内一郎集 201412  
蝉殻を雑誌の上におく晩夏 竹内弘子 調 201412  
蝉殻を雑誌の上におく晩夏 竹内弘子 あを 201503  
風ぬくる竹百幹の晩夏かな 西岡啓子 春燈 201503  
山襞を深く刻みて六甲晩夏 稲畑廣太郎 ホトトギス 201507  
山に山重ね山並山晩夏 稲畑廣太郎 ホトトギス 201507 晩夏 →6

 

2020年7月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。


 

2020年7月27日