晩 夏 1            100句

どれも口美し晩夏のジャズ一団    金子兜太

作品
作者
掲載誌
掲載年月
風晩夏ふる里すでに異郷めく 山田弘子 春節 199503
文机の陰に猫ゐる晩夏かな 山田弘子 春節 199503
又一つ旅を終へたる晩夏かな 稲畑汀子 ホトトギス 199808
風紋を砂丘に海に晩夏かな 鷹羽狩行 199809
文机の下に猫ゐる晩夏かな 山田弘子 円虹 199810
晩夏光湖しなはせて蜆掻く 陣野今日子 風土 199812
一滴の苦渋ひろがる晩夏光 佐伯のぶこ 船団 199812
とんがって歩くナカハラ晩夏光 中原忽胡 船団 199812
犬たちが会うたびに鳴く晩夏かな 金子兜太 海程 199902
ホテルオークラ袈裟切りにして晩夏光 今城知子 船団 199903
日曜の工事音なき晩夏かな 稲畑汀子 ホトトギス 199908
晩夏てふ雨に祟られ上高地 稲畑廣太郎 ホトトギス 199908
はや晩夏傘寿以後てふ愛らしく 保坂加津夫 いろり 199908
男断つ絵馬揺れてゐる晩夏かな 木谷尚子 俳句通信 199909
多景島に晩夏の夕日惜しみけり 辻のぶ子 俳句通信 199909
豆腐屋が板干してゐる晩夏かな 志水千代子 俳句通信 199909
パレットを洗ひ流して晩夏かな 中村幸子 俳句通信 199909
俳暦のもうぼろぼろに晩夏光 保坂加津夫 いろり 199909
まっすぐの煙われ焼く晩夏光 保坂加津夫 いろり 199909
海に向きわが声通す晩夏かな 田山登喜子 199910
縁台に糸層散らす晩夏かな 池田幸子 春耕 199910
差し潮の微塵となりし晩夏光 木下節子 俳句通信 199910
ライオンの小さく唸る晩夏かな 酒井多加子 俳句通信 199910
姥壇に立山仰ぐ晩夏かな 山口たけし 俳句通信 199910
雨過ぎて遠富士浮ぶ夕晩夏 原静寿 酸漿 199911
畑のもの干反りしままや晩夏光 長谷川千枝子 199911
一度二度ならず晩夏の通り雨 佐藤冨士男 円虹 199911
思ひ出にいつも晩夏の空がある 金澤明子 火星 199911
まつすぐは失ふかたち晩夏光 豊田都峰 京鹿子 199911
晩夏光まださがしゐるひとのかげ 豊田都峰 京鹿子 199911
またかげりしては晩夏の水ほとり 豊田都峰 京鹿子 199911
みつめゐる鷺をみつめてゐる晩夏 豊田都峰 京鹿子 199911
晩夏かな木立を抜ける水の音 野口光江 遠嶺 199911
放牛の塩舐めてゐる晩夏かな 畑中とほる 春耕 199911
晩夏光放置自転車空を向く 小枝恵美子 ポケット 199911
楠の大きな手の中晩夏光 小枝恵美子 ポケット 199911
旅人めき姪の泊てゆく晩夏かな 北原志満子 海程 199912
晩夏光レンガ積むごとき寡黙 吉川真実 海程 199912
駅前町四番を発つ晩夏かな 中原忽胡 船団 199912
晩夏光君を忘れて橋の上 塩見恵介 船団 199912
母がもう少女にもどり晩夏光 近藤千雅 船団 199912
O型が特に足りない晩夏かな 津田このみ 月ひとしずく 199912
晩夏なり働く体に乗る夕日 河野志保 海程 200001
魚屋が叫ぶ八百屋も来て晩夏 野田田美子 海程 200001
点滴の四時間大楠の晩夏光 野田田美子 海程 200001
手鏡の裏側暗き晩夏かな 田中藤穂 水瓶座 200002
もののけに出会ってしまう晩夏坂 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
少年が片膝を抱く晩夏坂 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
黒猫ののの字のの字の晩夏横丁 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
海釣りで揺れた身体に晩夏光 三宅やよい 玩具帳 200004
会へぬ人偲ぶ人の世阿蘇晩夏 稲畑汀子 ホトトギス 200007
刻々の空の変幻阿蘇晩夏 稲畑汀子 ホトトギス 200007
野の草を活けて晩夏の会となる 稲畑汀子 ホトトギス 200008
海よりも河口あかるき晩夏かな 鷹羽狩行 200008
足元にはじまる干潟晩夏光 山尾玉藻 火星 200008
たゆたゆと四国三郎晩夏光 金子里美 船団 200009
晩夏光想ひごとふと風に出づ 保坂さよ いろり 200009
晩夏光ひとりぼっちになれました 大平保子 いろり 200009
水に咲くもののかそけき晩夏かな 山田弘子 円虹 200010
伊吹いま晩夏の色に日暮れ初む 深川知子 俳句通信 200010
廃鉱を蔵し風土記の森晩夏 熊岡俊子 雨月 200010
波果ての白き網目となる晩夏 豊田都峰 京鹿子 200010
晩夏なる青き巻貝拾ひては 豊田都峰 京鹿子 200010
重ね塗る口紅の朱や晩夏光 蟇目良雨 春耕 200010
晩夏てふ一つ二つは何かせん 熊谷みどり いろり 200010
一の倉沢咲く花もなし晩夏光 有働亨 馬醉木 200010
少年の石切り遊び晩夏光 三崎由紀子 遠嶺 200011
山懐の晩夏の湖の碧さかな 山田禮子 遠嶺 200011
乳大き牛の瞳や晩夏光 川上美穂子 酸漿 200011
晩夏光一羽還らぬ鳩を待つ 神田一瓢 雨月 200011
養鱒の水源の藻の晩夏かな 宮津昭彦 200011
磨ぎ水を鉢に余せし晩夏かな 土田芳月 遠嶺 200012
晩夏赤いバンダナ父子のバンダナ 金子皆子 海程 200102
晩夏光遥かにメインスタジアム 宮倉浅子 遠嶺 200105
晩夏光素手の私に一樹あり 齋藤一湖 海程 200107
札幌の晩夏の風の強き日に 稲畑汀子 ホトトギス 200107
だしぬけに樹上声ある晩夏かな 能村登四郎 200108
淋しさの隣で君を待つ晩夏 油津雨休 海程 200108
夕澄みの山も汀も晩夏なる 岡井省二 200108
留守春も淋しからずや晩夏なり 大平保子 いろり 200109
御免なさい云はぬ子とゐて晩夏かな 熊谷みどり いろり 200109
晩夏光べか舟並ぶ造り海 関口ゆき あを 200109
火口湖の水心みどりなす晩夏 岡田貞峰 馬醉木 200110
晩夏刻むごと植木屋の鋏音 木村風師 馬醉木 200110
板ぎれで小屋補強せる晩夏かな 酒井多加子 俳句通信 200110
光陰の鏃泉下に向く晩夏 水内慶太 銀化 200110
貝殼をつみ上げてある晩夏かな 谷村幸子 200110
手の長き母が手を引く晩夏かな 笠学 船団 200110
子の睡り深し晩夏の水張らせ 後藤志づ あを 200110
晩夏光沼に孤りの陶淵明 小澤克己 遠嶺 200111
マウンドに足跡あまた晩夏光 宮倉浅子 遠嶺 200111
水晶の原石にをく晩夏光 関口幹雄 遠嶺 200111
晩夏かな約束どほり手紙焼 中村立身 百鳥 200111
針山に錆針目立つ晩夏かな 佐藤悦子 百鳥 200111
島の端のめくれさうなる晩夏かな 夏秋明子 火星 200111
糠床の手入れ仕直す晩夏かな 桑久保奈美子 酸漿 200111
晩夏光畑仕舞する農夫をり 塚本泰子 酸漿 200111
街晩夏きらりきらりと回転扉 和田敏子 雨月 200111
知覧晩夏誰も還って来なかった 栗山恵子 雨月 200111
晩夏光神の塩田足の跡 西野愁草子 200111
晩夏 2→      

 

2021年7月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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