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麦秋9     125句

麦の秋さびしき貌の狂女かな    蕪村

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
灯を消して麦秋の月父と仰ぐ 松村多美 四葩 200606  
麦の秋道は嶺へと弧を描く 与川やよい 遠嶺 200606  
子を少し叱りすぎたと麦の秋 赤木真理 ぐろっけ 200606  
背に負へる子のおもらしや麦の秋 山田六甲 六花 200606  
麦秋や沖白浪は角を見せ 岡本まち子 馬醉木 200607  
嘶きを欲る麦秋の野の轍 森岡正作 200607  
文字拾ふブロックルーペ麦の秋 代田幸子 200607  
麦の秋柳のかごの飴色に 赤木真理 ぐろっけ 200607  
この村にのこる踏絵や麦の秋 神蔵器 風土 200607  
麦秋や錆を深めし父の鍬 尾辻のり子 河鹿 200608  
真四角な一ヘクタール麦の秋 泉田秋硯 200608  
麦秋や突如午報の湧き起こる 泉田秋硯 200608  
麦秋の母郷に集ひみな喪服 北川英子 200608  
いい顔の老人に遇ふ麦の秋 梅本豹太 200608  
麦秋の沸点として赤ん坊 中島あきら 200608  
孤独てふ力ありけり麦の秋 七種年男 200608  
馬つなぐ環の赤錆麦の秋 宮田豊子 春燈 200608  
細長きわが町抜けし麦の秋 植松美根子 200608  
大日の払子触れたる麦の秋 西村純太 200608  
登り棒あれば登る子麦の秋 井上信子 200608  
麦秋やゴッホはいつも蒼ざめて 中村恭子 200608  
麦秋やけむりの色に魚跳ぬる 田村園子 200608  
山羊の目の焦点ゆるぶ麦の秋 吉田明子 200608  
誰彼に礼する媼麦の秋 青山悠 200608  
麦秋や蔵に立てかけ猫車 青山悠 200608  
雨のまま昏るる明るさ麦の秋 藤岡紫水 京鹿子 200608  
麦秋の日中を泣きに来たる人 山尾玉藻 火星 200608  
庭下駄のなじむふるさと麦の秋 廣畑忠明 火星 200608  
麦秋の音してまはる風車 丸山照子 火星 200608  
麦の秋姪がねむりに来てをりぬ 城孝子 火星 200608  
自戒また破りてしまふ麦の秋 安田とし子 ぐろっけ 200608  
潮風が大地揺さぶる麦の秋 木内美保子 六花 200608  
焦げくさき野末の夕日麦の秋 白澤よし子 馬醉木 200609  
麦秋や一滴文庫寂とあり 吉田裕志 200609  
麦秋や鈍行の窓開け放ち 阪本哲弘 200609  
休み田のなき麦秋の潮来かな 樋口すま子 200609  
牛飼ひの声やはらかき麦の秋 富岡三枝子 200609  
遠き日の隠れ念仏麦の秋 酒井静子 四葩 200609  
麦秋の一戸に着きし救急車 丸山照子 火星 200609  
「縄文のビーナス」に逢ふ麦の秋 浅田光代 風土 200609 尖石縄文考古館
麦秋や間取り図にある大き窓 佐山苑子 遠嶺 200609  
またがつてしまふ跳箱麦の秋 横山淑子 200609  
納屋奥に千歯のありぬ麦の秋 小林昌子 200609  
浚渫の舳先ならびし麦の秋 安田とし子 ぐろっけ 200609  
機銃掃射思い出しをり麦の秋 水上貞子 ぐろっけ 200609  
京に着く前暫くの麦の秋 平島利男 酸漿 200609  
市に出す仔牛を磨く麦の秋 大石よし子 雨月 200609  
麦秋や火の衰へぬ殉教図 柴田佐知子 200609  
麦秋や瓦の赤き醸造所 吉村摂護 200609  
麦秋やをんな五十は過ぎ易し 宮尾直美 200609  
麦秋や起伏に富んでてのひらも 櫨木優子 200610  
麦秋や煉瓦造りのパンの釜 手拝なをみ 200610  
空つぽの一両電車麦の秋 積木道代 200610  
行けど行けど日豊本線麦の秋 萩谷幸子 雨月 200610  
麦の秋諭されてゐる犬のゐて 服部早苗 200610  
ルオーのイエスひび割れの濃し麦の秋 山元志津香 八千草 200611  
麦秋の雨にけぶれる化粧坂 四戸和彦 八千草 200611  
手話出来ますと交番の札麦の秋 四戸和彦 八千草 200611  
十字架の丘につづきて麦の秋 真虎竹世 200612  
子の入れしコーヒーの香や麦の秋 兼子栄子 酸漿 200612  
蝶は鴎に畑は海に麦の秋 ことり 六花 200701  
麦の秋ふり返るたび日は西へ 中山純子 万象合同句集 200703  
隣とて丘ひとつ先麦の秋 松原智津子 万象合同句集 200703  
秘仏見に奈良麦秋のひとり旅 小林修水 万象合同句集 200703  
麦の秋ふり返るたび日は西へ 中山純子 万象合同句集 200703  
隣とて丘ひとつ先麦の秋 松原智津子 万象合同句集 200703  
麦秋のどこが燃えても可笑しくない 竹貫示虹 京鹿子 200706  
麦秋野南へかくる雲にのらむ 豊田都峰 京鹿子 200707  
麦秋の雲のゆたかに移りゆく 柳生千枝子 火星 200707  
麦秋の風の彼方に海青し 柳生千枝子 火星 200707  
麦秋やルオーのキリスト受難の絵 田村すゝむ 風土 200707  
名も知らぬ鳥きて土佐は麥の秋 鈴鹿仁 京鹿子 200707  
笠間路や匂ひなつかし麦の秋 渡辺安酔 200707  
人はみな何かに追はれ麦の秋 中島あきら 200707  
昼風呂に何考へる麦の秋 小野寺節子 風土 200707  
戴いた羊羹を切る麦の秋 青山丈 200707  
麦秋の上離陸機は足たたむ 井口淳子 200708  
麦秋の没日じりじり匂ひけり 北川英子 200708  
麦秋の風が遊べりひろやかに 柳生千枝子 火星 200708  
麦秋や重たき母の裁ち鋏 柳生千枝子 火星 200708  
麦秋の白雲が航く空深し 柳生千枝子 火星 200708  
麦秋を高速道路二分せり 苑実耶 200708  
麦秋のオランダよりの一書信 四宮一子 200708  
寂しさの背よりまはりて麦の秋 竹下昌子 200708  
声明の五臓に沁みる麦の秋 向井芳子 春燈 200708  
麦の秋十勝平野の黄絨毯 島田山流 春燈 200708  
麦の秋絵文字のやうな飛行機雲 鈴木久香 遠嶺 200708  
麦の秋はちきれさうな旅鞄 大塚和子 遠嶺 200708  
分校へ一本の道麦の秋 大木茂 万象 200708  
青年の笑窪かがやく麦の秋 相沢有理子 万象 200708  
老農の福耳二つ麦の秋 小野寺節子 万象 200708  
原泉の湯気総身に麦の秋 竹田昭子 万象 200708 和倉温泉弁天崎
真つ直な道の暮れゆく麦の秋 中沢三省 万象 200708  
刻決めて止まる介護車麦の秋 桐島教子 万象 200708  
ぐらぐらと日の傾ける麦の秋 戸栗末廣 火星 200708  
繁体字ばかりがあふれ麦の秋 高松由利子 火星 200708  
氏神に嬰見せにゆく麦の秋 蘭定かず子 火星 200708  
干拓地海への平野麦の秋 濱田ヒチヱ ぐろっけ 200708  
麦秋の茶色ゴッホの黄を超して 楯野正雄 200709  
麦秋を鬨のびやかに対馬鶏 鈴木千恵子 万象 200709  
麦秋の一辺に佇ち息吐けり 竹下昌子 200709  
麦秋や橋の下よりドラムの音 曷川克 遠嶺 200709  
麦秋の沸点雲のなかりけり 掛井広通 200709  
麦秋や師に会へる日の電車来る 若槻妙子 200709  
麦秋と云ふには小さき畑一枚 鈴木多枝子 あを 200709  
減りもせぬ煩悩なりし麦の秋 天野きく江 200709  
国境は一色なりし麦の秋 高柳ちゑ 遠嶺 200709  
翁追ひ賀州を旅す麦の秋 落合由季女 雨月 200709  
おほらかに座る石鎚山麦の秋 本多ちづ子 馬醉木 200709  
麦秋や生家を訪ふに畦伝ひ 向井由利子 200710  
麦秋の国境越えて街に入る 小泉和代 酸漿 200710  
一望の君がふるさと麦の秋 今井千鶴子 ホトトギス 200710  
曲るとき川はよろこぶ麦の秋 八田木枯 晩紅 200710  
丘は黄にビールの国の麦の秋 山本吉人 200711  
麦の秋夫の旋毛の在りどころ 伊藤希眸 京鹿子 200711  
黒牛の聖者のごとく麦の秋 田口紅子 200712  
子のあとに父の自転車麦の秋 田口紅子 200712  
麦秋の琥珀を握り乳母車 木山杏理 京鹿子 200801  
麦秋の自ら濡れている蛇口 坪内稔典 坪内稔典句集U 200804  
麦秋を指呼に里山輝けり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805  
麦秋や改札口を出でしより 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805  
麦秋に太陽を明け渡したる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805  
バス右折する麦秋の交差点 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805  
麦秋の旅を終へたる家居かな 稲畑汀子 ホトトギス 200805 麦秋 10→
弟子が出来孫弟子力出来麦秋忌 山田六甲 六花 200805 五月二十六日麦秋忌(山田文鳥忌)

 

2011年5月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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