あやめ   198句

あやめとはあの字とやの字めの字かな  和田魚里  機

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
野あやめの色の秘境にさしかかる 稲畑汀子 ホトトギス 199806  
廃舟にあやめ生けあり十二橋 久保木千代子 春耕 199810  
あやめともかきつばたとも電柱の人 島津亮 海程 199812  
翅振つて夜のあやめに来し白さ 丸山海道 京鹿子 199907  
寄りてきし鯉のいろいろ花あやめ 有賀たもつ 遠嶺 199908  
幼子のしやがめば消ゆるあやめかな 吉村玲子 円虹 199908  
あやめ舟嫁入舟とすれちがふ 田淵定人 春耕 199908  
花あやめ夜明うながしゐたりけり 春田淳子 俳句通信 199908  
父の忌の妻があやめを剪り戻る 広場伝 俳句通信 199908  
結び目が並んで腐る花あやめ 河野志保 海程 199910  
花あやめまた濡れ傘をさして出る 坂井まさき 六花 199911  
あやめぐさ妻の字が毒に似てくる 河西志帆 京鹿子 200001  
打ち明けし後の淋しさ白あやめ 辻享子 ヒッポ千番地 200003  
イメージと違ふ紫花あやめ 飯塚ゑ子 ヒッポ千番地 200006  
ねじあやめ燃えつきし夜の裾模様 宮川としを 海程 200007  
あやめ草伊那谷は水豊けくて 中御門あや 俳句通信 200007  
水玉の光あふれて花あやめ 田中聡子 遠嶺 200008  
橋の上混み合ふあやめ祭かな 小林螢二 春耕 200009 潮来
河川敷青い絨毯あやめ咲く 門屋大樹 春耕 200009  
茎折れのあやめの丈となりにけり 中井和子 200010  
あやめ咲く橋架かるまではさすらい 清水伶 海程 200011  
初やんまあやめ畑をゆきにけり 岡井省二 200104  
渡舟場の名残の杭やあやめ草 柚口満 春耕 200107  
夢の中亡母は元気やあやめ咲く 柴田美佐子 いろり 200107  
泣きながら朝の浅葱あやめている 入江一月 船団 200107  
鳴る水に色絞りけり花あやめ 岩崎きゑ子 馬酔木 200108  
あやめ剪る胡弓の弦の丈ほどに 飯塚ゑ子 火星 200108  
一水の遠き音なり花あやめ 小林あつ子 火星 200108  
草々のよきそよぎありあやめ咲く 阿部ひろし 酸漿 200108  
あやめ草空よりも田の明るさに 澤本三乗 200108  
巻き固くして黄あやめの莟かな 山西雅子 200108  
草原の丈しのぎ咲くあやめなり 阿部ひろし 酸漿 200109  
野あやめに富士湧水の音ひびく 三浦晴子 200110  
逃げ水にあやめ幻瞑むりて 金子皆子 海程 200110  
花あやめ三竦に石配されて 天野幸 風土 200207  
あやめヶ原限りを見せず靄に浮く 森理和 あを 200207  
あやめぐさ一禮深きところより 中原道夫 銀化 200207  
あやめ咲く浮き島を見し日の遠し 村越化石 200208  
添削を出して逝かれしあやめぐさ 中原道夫 銀化 200208 稻葉亜矢さんを悼む
花あやめ東に日光菩薩立ち 沼田巴字 京鹿子 200208  
ひらひらと佛師が来たりあやめぐさ 水野恒彦 200208  
裏庭の泥濘へだてあやめ咲く 大野ツネ子 酸漿 200208  
歌碑建ちぬ襟裳岬の黒あやめ 鈴木多枝子 あを 200208  
ゆくりなく鹿と目のあふ沢あやめ 鈴木多枝子 あを 200208  
花あやめ俯き加減雨来るか 宮原みさを 花月亭 200208  
人流れさせてあやめの濃紫 伊藤多恵子 火星 200209  
綿雲の分水嶺や花あやめ 石山惠子 遠嶺 200209  
あやめ咲きはじめしころの片想ひ 田中聡子 遠嶺 200209  
一八を白あやめかと夫の問ふ 二瓶洋子 六花 200210  
物差しが鞄はみ出すあやめ草 若菜純子 200210  
むぎ書房あやめ茶房や目借時 池田冨美 帆船 200306  
野にあれば野の心にて花あやめ 関口ゆき あを 200307  
遺産分あやめ切口すつきりと 斉藤静枝 あを 200307  
学ぶ卓ドイツあやめの香が届き 仙石君子 雨月 200308  
城崎のひと夜の空や花あやめ 浜中雅子 遠嶺 200309  
朝の気のきりりと正し花あやめ 曷川克 遠嶺 200309  
現し世の先は知らずよあやめ草 斉藤小夜 風土 200309  
母譲りの富士額なり花あやめ 村井久美子 200309  
絣着て花の手入れやあやめ園 石井邦子 酸漿 200309  
過疎の村あやめひともと咲き残る 関口ゆき あを 200309  
還暦の佳人なりしよ花あやめ 寺島順子 雨月 200310  
神域の一万本の花あやめ 二瓶洋子 六花 200310  
花あやめ暮色をめくる水明り 三浦永子 京鹿子 200310  
谷の戸に蕎麦打つ音や花あやめ 坂田富佐雄 200310  
あやめ草見えゐてものをねぶるなり 岡井省二 岡井省二全句集 200312  
飛び石の乾きまだらや花あやめ 長坂ヤス子 酸漿 200407  
峡三日晴れてあやめのしどけなし 朝妻力 雲の峰 200407  
環濠遺跡野あやめの辺に橋かかり 鎌田篤 雨月 200408  
師の句碑の瓢湖はあやめ祭りかな 木暮剛平 万象 200408  
『菫塚』序文の草稿あやめ咲く 平田紀美子 風土 200408  
水映ゆるあやめに適ふ黒を着て 廣島泰三 200409  
脚腰のおとろへかこつ花あやめ 中村千代 帆船 200409  
空井戸にいつか捨てたる花あやめ 八田木枯 夜さり 200409  
すれちがひたるは母ともあやめとも 八田木枯 夜さり 200409  
うらがなしオキシドールと花あやめ 八田木枯 夜さり 200409  
死ぬときに間に合はせたる花あやめ 八田木枯 夜さり 200409  
抱きあつて黄なる渓蓀になり下る 八田木枯 夜さり 200409  
あやめまじならば日暮を嗜むらし 八田木枯 夜さり 200409  
あやめ咲く箱階段を突き上げて 八田木枯 夜さり 200409  
枕頭をよぎりあやめに逢ひにゆく 八田木枯 夜さり 200409  
やや濃ゆく母に瓣ありあやめどき 八田木枯 夜さり 200409  
小夜ふけてあやめに修羅の走りけり 八田木枯 夜さり 200409  
うつろひて新月匂ふ花あやめ 渡邉友七 あを 200506  
四条通り塩瀬の帯のはなあやめ 安井和子 200507  
あやめ咲く「むくさのその」に水の音 宮川みね子 風土 200508  
道草の遠き思ひ出花あやめ 田中清子 遠嶺 200509  
水の面に揺らぐ浄土や花あやめ 赤池英津子 遠嶺 200509  
去る人をそつとあやめの呼びとむる 内田稔 遠嶺 200509  
崩れたる塹壕今に姫あやめ 三井公子 酸漿 200509  
細身には細身の勢花あやめ 関口幹雄 遠嶺 200510  
Pの奥の縷々とつづきぬ山あやめ 瀧春一 常念 200606  
黄あやめに雨ふる暗峠かな 山尾玉藻 火星 200606  
十あまりあやめ見船の小ざぶとん 鷹羽狩行 200607 潮来
あやめ見や女船頭歌ひだす 鷹羽狩行 200607 潮来
川沿ひの戸々に洗ひ場花あやめ 鷹羽狩行 200607 潮来
川と田と水位たがへて花あやめ 鷹羽狩行 200607 潮来
あやめ色とはこの色と咲きゐたり 鷹羽狩行 200607 潮来
夕べ来て素直さもどる花あやめ 森山のりこ あを 200607  
蹲踞に妻の寄る日々あやめ咲く 淵脇護 河鹿 200608  
あやめ草超軽量の傘さして 長田曄子 火星 200608  
あやめ活け茶を売る町屋通し土間 甲田雅子 200608  
犬となる五寸あやめを嗅ぎたくて 森田子月 ぐろっけ 200608  
すれ違ふ小橋譲りてあやめ見る 和田一 雨月 200608  
あやめ観に格安バスの旅にあり 安部里子 あを 200609  
朽ちるには少し未練の白あやめ 村田文一 遠嶺 200611  
旅人も共に棹さすあやめ舟 中島玉五郎 200707  
森深き泉にあやめ杜若 木村茂登子 あを 200707  
還暦の男の匂ひ花あやめ 鴨下昭 200708  
盲杖塚のうしろあやめの濃かりけり 浜口高子 火星 200709  
風形りに傾いて咲く野のあやめ 鈴木千恵子 万象 200709  
あやめ立つ一本づつの姿勢持ち 嶋田摩耶子 ホトトギス 200710  
死神の裳裾が触るるあやめ草 中尾杏子 200710  
婚菓切る菖蒲かざりに刃を当てず 品川鈴子 ぐろっけ 200806  
あやめ咲き水車の辺り景を成す 飯田角子 酸漿 200807  
衝立に夢の太文字あやめどき 吉田晴子 200808  
花あやめ鎌倉石の井を囲ふ 渡邊孝彦 やぶれ傘 200808  
水郷や江戸古種とあるあやめ咲く 鈴木多枝子 あをかき 200809  
年長の順に座りて花あやめ 加藤克 200810  
あやめに風宝物殿の開けられし 浜口高子 火星 200810  
ルイジアナあやめ渡来種ゆゑの丈長き 田中芳夫 200907  
在りし日を忘れてゐたる花あやめ 鴨下昭 200907  
加賀佛へ集ひし族花あやめ 伊藤敬子 200907  
あやめぐさ風に揺れゐるもやひ舟 和田政子 200908  
退屈に早き夕餉やあやめ咲く 中山純子 万象 200908  
野あやめや雲が雲呼ぶ通り雨 松本俊介 春燈 200908  
コピー機の吐き出すあやめどきの黙 大島翠木 200909  
花あやめ花嫁乗せて手漕ぎ舟 佐々木新 春燈 200909  
腰低き近江の人や花あやめ 山本町子 風土 200909  
緞帳の目の法楽やあやめ咲く 日下部亜こ ろんど 200909  
霧降の滝のしぶきに花あやめ 小林一榮 末黒野 200910  
あやめ咲く潮来花嫁舟で行く 池田光子 200910  
ゆつたりと男漕ぎ出すあやめ舟 岡野ひろ子 201009  
高台の野の片隅にあやめ咲く 青木民子 酸漿 201009  
山影を写す田に咲くあやめあり 大山妙子 酸漿 201010  
傘雨忌やことしのあやめ咲く遅し 成瀬櫻桃子 成瀬櫻桃子俳句選集 201105  
荷風忌や雨よりも日にあやめ褪せ 成瀬櫻桃子 成瀬櫻桃子俳句選集 201105  
あやめ田の小さき谺の水音かな 黒澤登美枝 201107  
山よりの流れのはての花あやめ 豊田都峰 京鹿子 201107  
地の揺れにかそけきも花あやめかな 佐藤博重 春燈 201108  
被災地にやさしき色のあやめ咲く 池田光子 201108  
昏れぎはの風むらさきにあやめ畑 大村美知子 京鹿子 201108  
はらからの病みしはあやめ雨のころ 荒木甫 201109  
鈍色の空にとけ込むあやめ草 橋本修平 かさね 201206  
水の香を遠ざけてゐる花あやめ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201206  
立て札に蛍の寝床花あやめ 森理和 あを 201207  
庭園に疏水の流れあやめ咲く 和田郁子 201208  
二上山の古代紫花あやめ 北村淳子 ろんど 201208  
花あやめ母の衿もとゆるびをり 山本耀子 火星 201208  
あやめ咲く土葬の父の上に咲く 木内博一 春燈 201209  
あやめ咲く巫女に回廊ながきかな 北崎展江 くりから 201209  
来合はせてあやめ祭の毛越寺 北崎展江 くりから 201209  
戦火浴び去りにし生玉あやめ咲く 早川周三 ぐろっけ 201209  
丹沢の山嶺けぶり花あやめ 岡田史女 末黒野 201210  
さつぱ舟あやめの岸に棹を入れ 高橋定峰 末黒野 201210  
座禅中と籠る法堂花あやめ 國保八江 やぶれ傘 201211  
糠雨の水玉となり花あやめ 時田義勝 やぶれ傘 201301  
早咲きのあやめ色増す雨上り 宮崎左智子 201307  
レインロート黒ひらひらとあやめ苑 森屋慶基 風土 201310  
あやめ咲く名より小さき金鱗湖 菅野雅生 ろんど 201309  
レインロート黒ひらひらとあやめ苑 森屋慶基 風土 201310  
花あやめ背中濡しの傘の中 山田六甲 六花 201406  
ひとすみにあやめ咲かせる奥の院 黒澤登美枝 201407  
古民家の棟の土締め花あやめ 石坂勝 末黒野 201408  
早世の姉の面影あやめ草 田中珠生 馬醉木 201408  
あやめ祭り嫁入り舟の祝詞かな 横田晶子 風土 201408  
佐原囃子あやめ祭りの扉を開き 横田晶子 風土 201408  
花あやめ残し水郷暮れにけり 横田晶子 風土 201408  
今年又潮来の橋のあやめ舟 西田史郎 201408  
あやめ風葉書運びて来たりけり 竹中一花 201409  
花あやめ渡銭積まれる水子佛 葉山彰 ろんど 201409  
あやめぐさ三百年の軒下に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505  
何時見てもあやめは雨を待つてをり 高橋将夫 201508  
あやめ咲く潮来花嫁祝ひ唄 溝越教子 春燈 201509  
野あやめや尾長鳴き来る雨催ひ 石山風童 万象 201608  
大木の下を占めたるあやめかな 出口誠 六花 201608  
湧き水の音のくぐもる黄のあやめ 荒木甫 201609  
川に向き開く茶店や花あやめ 中根美保 風土 201609  
花嫁の佇む池畔あやめ咲く 岡本ヨシエ 末黒野 201609  
菖蒲からあやめに通ふ風微か 佐藤恭子 あを 201609  
ひとの性わらって泪ぐむあやめ 津波古江津 船団 201702  
羞ぢらへるやうなりあやめ雨上がり 定梶じょう あを 201707  
母のごと白きあやめの咲き出せり 三好かほる 万象 201708  
野あやめは指貫のいろ業平忌 本多俊子 201709  
花あやめ他郷へ続く橋たもと 堀田順子 馬醉木 201709  
黄あやめや泥田の畦をトラクター 岡野里子 末黒野 201709  
花あやめ母の迎への蛇の目傘 隅田恵子 雨月 201709  
アヤメ咲く畑の向うを路線バス 石塚清文 やぶれ傘 201709  
あやめ舟手漕ぎにかへて十二橋 大内佐奈枝 万象 201710  
風に乗る佐原囃子やあやめ舟 上岡佳子 万象 201710  
蛇の目傘欲しき小雨のあやめ園 渕田則子 末黒野 201710  
あやめ見し夜は花札に膝くづす 山田六甲 六花 201806  
寂々と水辺暮れゆくあやめ草 太田昌子 馬醉木 201807  
ひともとのあやめを花器に在五の忌 神田恵琳 春燈 201808  
あやめ咲く水でぼかせる水彩画 宮内とし子 201808  
野あやめの屹立としてゐたりけり 稗田寿明 201808  
花あやめつめたき雨の石畳 池谷鹿次 末黒野 201808  
首つたけの重さ計れず花あやめ 熊川暁子 201809  
花あやめ池の品格高めをり 大橋晄 雨月 201810  
花あやめ嫁入舟の発つ渡し 中野大樹 末黒野 201810  

 

2019年6月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。