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帽とれば頭青き兵と汗の馬   京極杞陽   くくたち

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
今度こそグリーンを狙い玉の汗 土井くみこ 200910  
伝統の技に汗拭く辻回し 笹井康夫 200910  
汗涼し麓の町を一望す 山路紀子 風土 200910  
滝の汗に見合ふ倖せ得たりしや 片桐てい女 春燈 200910  
玉の汗床に落とすや仕舞の子 竹中一花 200910  
汗臭し道後温泉脱衣場 二宮一知 万象 200910  
起きざまに午睡の髪膚汗噴ける 大橋敦子 雨月 200910  
いよいよの独り居忙し汗に耐へ 井田実代子 雨月 200910  
汗噴くや並んで買ひぬメロンパン 木下もと子 200910  
泣きながら母にすがる子汗いとど 苑実耶 200910  
汗の染む喪のネクタイを外しけり 増田守 炎環 200910  
汗の眼に日食の影捉へけり 熊切修 末黒野 200911  
地獄極楽閻魔さん汗しとど 雨村敏子 200911  
ホームランホーム駆け抜け拭ふ汗 松嶋一洋 200911  
蛇口よりがぶがぶと飲む汗の子ら 河村多惠子 200911  
百人の弁当作り玉の汗 島内美佳 ぐろっけ 200911  
病める友汗のリハビリ力づく 島純子 ぐろっけ 200911  
うどん屋の大将無口汗光る 島本知子 ぐろっけ 200911  
読み難き塚の六首に汗しとど 鈴木浩子 ぐろっけ 200911  
揚げ足を取るばかりなり飯の汗 石川裕美 ぐろっけ 200911  
風穴へ行き着くまでの玉の汗 向井由利子 200912  
ままごとの一人二役汗かいて 北島智子 200912  
もう後に退けざる汗でありにけり 山田弘子 ホトトギス 200912  
汗拭いて呑み込む一語ありしこと 山田弘子 ホトトギス 200912  
庭番の額の敏に汗の玉 萩原すみ 春燈 200912  
激辛カレー一ト日の汗を拭ひけり 矢口笑子 春燈 200912  
部活終へにきびの顔に汗光る 神山市美 やぶれ傘 200912  
老骨の汗でねばつく紙の辞書 鎌田悟朗 ろんど 200912  
草むしる汗滴れる大地かな 内田和子 酸漿 200912  
汗ふきつ時空を越えしエジプト展 梶井和呼 酸漿 200912  
汗涼し山の向こうの山に来て 中原幸子 船団 200912  
空にたくさん海にたくさん汗たくさん 中原幸子 船団 200912  
うっすらと汗やんわりと同舟す 中原幸子 船団 200912  
汗っちゃうセイカツリコウガクブって? 中原幸子 船団 200912  
丸めおく汗まみれなる背番号 井口光雄 201001  
面の奥に対する眼あり汗忘る 松村光典 やぶれ傘 201001  
花道を飛六方の汗光る 大島節子 201002  
神田川覚えて汗の交叉点 稲畑汀子 ホトトギス 201005  
一通り汗の説明聞き別れ 稲畑汀子 ホトトギス 201005  
雀斑かすも浮く若き修女の春の汗 中尾杏子 201006  
水舁きて汗を厭はず千枚田 田中芳夫 201007  
雨止むを汗引くを待つベンチかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201007  
百人の汗引いてゆく大広間 稲畑汀子 ホトトギス 201007  
着席をして汗拭いてよりのこと 稲畑汀子 ホトトギス 201007  
汗忘れをりし二日の蝦夷の旅 稲畑汀子 ホトトギス 201007  
珈琲の浮力に甘ゆ汗の首 丸井巴水 京鹿子 201007  
汗を拭く一手の無くて千手仏 手拝裕任 201008  
失語して額の汗拭く老生われ 野沢しの武 風土 201008  
ケーブルの駅見えて来し汗ぬぐふ 林いづみ 風土 201008  
汗を拭くおや指子指までその気 丸山佳子 京鹿子 201008  
今生を共にぶこつの手と汗と 方森茉明 京鹿子 201008  
汗の子が鬼を逃るる大樹かな 辻直美 201008  
腕まくら汗の幼ナの深眠り 柳生千枝子 火星 201008  
寝入る子に汗かく力ありにけり 山田美恵子 火星 201008  
宅配の若きバイトは汗拭かず 和田森早苗 201009  
解せぬ絵の並ぶ個展や汗しとど 山口キミコ 201009  
これがかのミッドウェイか汗冷ゆる 松田和子 201009  
汗のしむ杖は伴侶や旅に発つ 宮野照子 馬醉木 201009  
汗を拭き拭き達者だと笑ひをる 高橋将夫 201009  
野球部の大きな鞄汗も涙も 野中啓子 201009  
汗飛ばしシヤツターこじ開け子の帰還 伊吹之博 京鹿子 201009  
姉の忌や読経の僧の汗手貫 鈴木一三 末黒野 201009  
娑婆の世を生くる証ぞ玉の汗 八家こひで 春燈 201009  
草田男忌働く汗の塩辛き 神蔵器 風土 201009  
汗しとど作業ズボンはへなへなに 竹下昭子 ぐろっけ 201009  
江田島の遺書見て汗の涙拭く 宮田香 201010  
腕より剥ぐも大儀や汗のシャツ 中村ふく子 201010  
汗引けり被爆の瓶の柔らかき 鈴木照子 201010  
燈花会の点灯奉仕汗の児等 笠井清佑 201010  
長電話耳汗かいて切れにけり 小山ミツ子 末黒野 201010  
町あげて汗の救命講座かな 相良牧人 201010  
汗の身の乾くあひだの樟大樹 山本無蓋 201010  
汗ばみし少年の匂ひバスに充つ 武田ともこ ぐろっけ 201010  
流麗な同時通訳汗しらず 横内かよこ ぐろっけ 201010  
汗涼し女神のエロス志功館 渡辺和夫 ろんど 201010  
鉾建や男の汗と掛声と 有本恵美子 ろんど 201010  
宅配の青年汗すメロン抱き 鎌田篤 雨月 201010  
汗淋漓生くることとは歩くこと 川崎良平 雨月 201010  
玉の汗眼に痛き畑づくり 岡久枝 酸奬 201010  
汗を拭く間も考へてゐる言葉 芝尚子 あを 201010  
工作のパパの汗拭く豆絞り 土井くみこ 201011  
汗の衣を脱ぎ捨てやっと人心地 笹井康夫 201011  
私も影も汗ふく炎暑かな 佐々木良玄 春燈 201011  
人と会ふ何とはなしに汗ばめる 中村良子 201011  
美しく老いる研修汗しとど 松嶋一洋 201011  
生きてゐる証の汗を拭ひけり 松嶋一洋 201011  
八月六日襟足に汗の道 栗栖恵通子 201011  
滂沱の汗眼に痛し喪服脱ぐ 三枝正子 万象 201011  
半切を書き上げ汗の吹き出でぬ 島内美佳 ぐろっけ 201011  
白鵬の鋭い目付き玉の汗 島内美佳 ぐろっけ 201011  
ハンドボール選手全員汗飛ばす 谷泰子 ぐろっけ 201011  
畳屋の二代目といふ汗の顔 佐伯星子 馬醉木 201012  
小諸より訪ね来られし汗の客 安原葉 ホトトギス 201012  
坐つても立ちても汗の一日かな 大橋伊佐子 末黒野 201012  
道灌の物見の塚に汗ぬぐふ 島谷征良 風土 201012  
大人たいじんの心眼くもる玉の汗 松本文一郎 六花 201012  
眼に沁むる汗を怺へて焼香す 下平しづ子 雨月 201101  
汗引いてより下町の景に入る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201105  
順路とて迷路や汗の行き止まり 稲畑汀子 ホトトギス 201105  
汗すぐに引く風山の高さかな 稲畑汀子 ホトトギス 201106 汗→ 10

 

2020年7月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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