4   100句

貧農の汗玉なして夕餐攝る   飯田蛇笏   霊芝

作品
作者
掲載誌
掲載年月
能面の内なる汗を思ひけり 阿部正枝 絵具箱 200304
汗の馬少女の前に裸なる 佐藤喜孝 青寫眞 200304
顔の汗伝ふ首筋ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200306
終るまで汗の勝敗語られず 稲畑汀子 ホトトギス 200306
旅心失せつゝ汗の受話器とる 稲畑汀子 ホトトギス 200307
汗引いて行く谷風を抜けてをり 稲畑汀子 ホトトギス 200307
汗などにかまつてをれず山路ゆく 稲畑汀子 ホトトギス 200307
汗のもの着替へたるより夕心 稲畑汀子 ホトトギス 200307
万博のありし昔へ戻る汗 稲畑汀子 ホトトギス 200307
汗引いて来て句心となりゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200307
汗飛ばし思考飛ばしてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200307
汗落とす地球と云う名の星の上 松山律子 六花 200307
汗しとど座席をめぐる旅役者 品川鈴子 ぐろっけ 200307
どよめけり汗の女形の流し目に 品川鈴子 ぐろっけ 200307
ゴスペルは右へ左に汗のいろ 篠田純子 あを 200308
汗ばむや銀座の雨に髪濡らし 水田清子 200308
汗のでるほど働かず働けず 藤井昌治 200308
蹴男シューターと頬擦りの髭汗こぼれ 品川鈴子 ぐろっけ 200308
勝ち男汗の頬擦りおほげさに 品川鈴子 ぐろっけ 200308
打ち据える桴突き返す革に汗 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 200308
汗の手をとりて互ひにねぎらひぬ 山田弘子 円虹 200309
長かりし汗の一日を終へしこと 山田弘子 円虹 200309
円虹を支へし人の汗涼し 深野まり子 円虹 200309
汗引きて刀助包とうすけかねに打粉打つ 神蔵器 風土 200309
汗の手や手紙重ねて封を切る 徳丸峻二 風土 200309
駐車場汗して捜す未知の街 神田一瓢 雨月 200309
木曽街道登るに汗かき地蔵居り 松崎鉄之介 200309
東京にいまだ馴染めず汗ぬぐふ 伊藤春生 帆船 200309
汗かきのべそかき恥もかき捨つる 伊藤白潮 200309
茶室出て和服の人が汗拭ふ 久保田美代子 酸漿 200309
少年の火焔の寝ぐせ汗疹掻く 篠田純子 あを 200309
夕近き汗の己れへひとり言 糸井芳子 200309
人力車奨める車夫の汗疹かな 中田征二 ぐろっけ 200309
扇骨を削り汗ばむ座胼胝 河村泰子 ぐろっけ 200309
顔面の汗したたるよ仮面劇 泉田秋硯 200310
磐座の大言ふ登り来し汗に 内山芳子 雨月 200310
林火忌の墓参の前に一と汗かく 松崎鉄之介 200310
御陣乗太鼓縄の帯締め汗滂沱 椙山正彦 200310
回天を語り平和を語る汗 山田弘子 円虹 200310
すべもなし汗にうづまる生命線 赤座典子 あを 200310
大道具小道具汗の光りたる 左官治郎 200310
汗拭ふ絶滅危惧の草といふ 高田令子 200310
汗滲む背につかまりぬ渡し舟 大森美恵 風土 200310
大太鼓汗ほとばしる浦の衆 粂谷京子 200310
汗ばみて交わす問答刺す視線 河村武信 ぐろっけ 200310
くりかへすダンスに老の汗絞り 城下明美 ぐろっけ 200310
汗匂ふ肌触れ合ひて平和ミサ 木場田秀俊 200311
初めての子を抱く若き父の汗 柳沢典子 酸漿 200311
散歩の汗乾くまで読む山頭火 松崎鉄之介 200311
汗たらしとまとのごとき顔ならむ 秋岡朝子 200311
報告の終りし汗を拭ひけり 石川英利 百鳥 200311
法話聴く男の子のうなじ汗こぼる 板橋智恵子 百鳥 200311
梃子取りの五体に光る玉の汗 小沢喜美子 遠嶺 200311
忙しなく汗を拭うて経唱ふ 青木暁子 築港 200312
若者の勲章しとどなる汗も 佐藤淑子 雨月 200312
少年で征きしと汗を拭ふ婆 竹下道子 京鹿子 200312
玉の汗真珠に変へて飾りたし 高見澄子 200312
汗の帽洗ひて次の旅を待つ 山嵜ヤス子 酸漿 200401
かまぶろの筵に汗の形かな 北嶋美都里 西の峰 200401
汗の子の触れつつ犬をかしづかす 上野澄江 百鳥 200402
汗ばみて業平寺へゆくところ 吉田島江 火星 200403
冬あたたか墓に詣でて汗ばみて 宮津昭彦 200403
外つ國の一歩は汗の鼻さきだて 佐藤喜孝 あを 200403
立てばすぐ汗引く山の深さかな 稲畑汀子 ホトトギス 200405
一汗をかきたることも旅疲れ 稲畑汀子 ホトトギス 200406
インクビュー受けたる汗の引かぬ間に 稲畑汀子 ホトトギス 200406
柱拭く屈伸に身の汗ばめる 岡本眸 200406
飲食にいのち汗ばみゐたりけり 岡本眸 200406
歩き来し汗湖風に消されつつ 稲畑汀子 ホトトギス 200407
遠回りしてゐることに気づく汗 稲畑汀子 ホトトギス 200407
富士見えぬ汗の運転つゞきをり 稲畑汀子 ホトトギス 200407
汗引いて行ける高さに景展け 稲畑汀子 ホトトギス 200407
初対面汗の仲間でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200407
やがて切れるテープしつかり握る汗 寺田千代子 京鹿子 200408
ふと憶ひ俄かに恋し汗の母 岡本眸 200408
汗の出る身のありがたく拭ふかな 丸山敏幸 200408
くびれゐる赤子の手首汗を溜め 船谷芳子 築港 200408
襟開けて胸まで伝ふ汗を拭く 奥村光子 築港 200408
汗ひいてゆく教会の畳の間 岡崎桂子 対岸 200408
峠茶屋汗の補給のなめこ汁 橘澄男 山景 200408
山旅の汗を量ほどビールかな 橘澄男 山景 200408
守口の省二の汗を嗅ぎに来し 市場基巳 200409
汗手貫京の九条に擦れ違ふ 鈴木榮子 春燈 200409
摩文仁かな塩濃き汗の噴きやまず 松尾濤子 春燈 200409
汗が目に入りし洛中洛外図 宮地れい子 春燈 200409
回峰行汗の余滴を拝受せり 秋葉雅治 200409
汗ばみて生業屈むこと多し 細川洋子 200409
箱尺を纏のごとく持ちて汗 小松誠一 200409
襲名の見得きる汗の涼しさよ 塩谷康子 百鳥 200409
汗と血のまじる池田屋大騒動 林日圓 京鹿子 200409
幽霊のかつらの下の玉の汗 堀内康男 帆船 200409
幼な子の汗の匂ひや夕焼ける 中村千代 帆船 200409
子の汗をひたすら拭ふ汗の母 名村早智子 築港 200409
母の忌の僧侶汗拭き経始む 亀井幸子 築港 200409
汗も拭はず握手して親しさよ 鷹羽狩行 200409
乳含むみどり児の髪汗匂ふ 鎌倉喜久恵 あを 200409
歓迎の言葉分からず汗ばかり 長谷川登美 ぐろっけ 200409
汗もまたわが分身と先いそぐ 彦坂範子 ぐろっけ 200409
舞ひ終へてはづす小面汗光る 藤見佳楠子 200410
芥焼く汗の匂ひの濃き野良着 安藤ヒサ子 河鹿 200410
汗 →5      

 

2021年7月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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