3   100句

汗の身のわれをわすれて飯食へる    瀧春一

作品
作者
掲載誌
掲載年月
何もせず坐ってをりて玉の汗 島本よし絵 雨月 200110
酸性雨ブロンズ像の汗垂るる 篠田純子 あを 200110
お七夜の足踏ん張って汗兆す 岡田芳子 ぐろっけ 200110
加持さるる赤子の汗をぬぐひをり 小田玲子 百鳥 200111
汗どっとクラーク像に真向うて 大石よし子 雨月 200111
散歩の汗引き来てうつらうつらかな 松崎鉄之介 200111

 台湾の知人黄氏は

軍人勅諭澱まず述べて汗拭はず

津野美都江 200111
汗の顔拭ひて鼻の穴残る 田口傳右ヱ門 銀化 200111
信心の汗の衣とすれ違ふ 村田明子 円虹 200111
高熱も生きゐる証し汗し耐ふ 中島真沙 円虹 200111
終熄の火口めざせり玉の汗 村瀬初実 春耕 200111
嬰あやす百面相に玉の汗 今井忍 ぐろっけ 200111
野良の汗拭けり丈余の独活蔭に 勝野薫 ぐろっけ 200111
太陽の太陽らしく汗も汗 塙告冬 ホトトギス 200112
リハビリの眞顔に汗の伝ひをり 下田水心子 円虹 200112
教科書に汗の指紋の色チョーク 田中武彦 六花 200112
小面の汗ばんでいる達谷忌 藤田守啓 船団 200112
汗に汗キス、キス、キス。腕に腕 皆吉司 船団 200201
工芸のガラス玉吹く汗模様 倉本マキ 船団 200201
建具師の鉋屑吹き汗を噴き 岡野峯代 ぐろっけ 200201
急患へ走るナースの玉の汗 辰巳比呂史 200202
霊場やこころの垢を流す汗 木戸波留子 いろり 200203
糖を研ぐ鉢巻しかと冬の汗 水原春郎 馬醉木 200204
汗くさき紙幣を受くる異国旅 境良一 京鹿子 200204
汗をかく寓話の坂の地図歩く 境良一 京鹿子 200204
咳込んで汗ばめる夜を子を恋へり 勝又寿ゞ子 200205
タイ料理辛きに泣きて汗を拭く 小田知人 ぐろっけ 200205
汗出ても無心で叩く大太鼓 篠田大佳 あを 200206
「たにし」読むけいじの汗の干支の牛 菅原康 風土 200207
汗拭いてふいて笑顔の初対面 稲畑汀子 ホトトギス 200207
犒はん滂沱の汗の二日間 稲畑汀子 ホトトギス 200207
かかぬ汗後にどれほど汗をかく 十見達也 銀化 200207
山道を歩き来られし汗と見し 稲畑汀子 ホトトギス 200208
健康を取り戻したる汗と見し 稲畑汀子 ホトトギス 200208
汗の面とれば優しき手力雄命 小林和子 風土 200208
滂沱たる汗で逝きし子詠ふと言ふ 松崎鉄之介 200208
無音にて齢重ぬる汗しらず 岡崎るり子 銀化 200208
同じ汗流し絆を深めけり 久保田雪枝 雨月 200208
にこやかな看護士顔に玉の汗 長山野菊 雲の峰 200208
馬寮使装束に汗浮き出す 三村禮子 酸漿 200208
釦外し青年汗の香を発す 田中藤穂 あを 200208
ボタン戦争ひとさし指に触る汗疹 吉弘恭子 あを 200208
舞稽古汗を溜めたる扇の手 松村美智子 あを 200208
師の謡遠のいてゆく背の汗 松村美智子 あを 200208
汗のシャツ丸めて青春の鞄 広渡紀子 200208
水族館玉の汗にはいかんとも 能村研三 200209
盆僧のハンドル握る汗手貫 宮城白路 風土 200209
点滴のすみしベッドに汗のあと 木野本加寿江 火星 200209
御在したる汗の羅漢でありにけり 城孝子 火星 200209
汗拭ひ捜し物する日課かな 中島一管 築港 200209
フラメンコ靴踏み鳴らし汗飛ばす 宇田紀代 200209
止まらざる汗の言ひ分煽ぎもす 中原道夫 銀化 200209
汗くさき儘に老成いたしけり 石山正子 銀化 200209
面目のながれてしまふ玉の汗 八條凛子 銀化 200209
らふそくの懺悔の汗をしたたらす 志方章子 六花 200209
左足シュートの決り汗光る 横山迪子 六花 200209
砂の道どこまで汗を落しゆく 東芳子 酸漿 200209
幾重にも汗のハンカチたたみけり 後藤志づ あを 200209
首筋に汗疹出来たら猫になる 篠田大佳 あを 200209
汗ぬぐふ人と人との間にて 早崎泰江 あを 200209
寺へ五里峠の風に汗の引く 伊勢ただし ぐろっけ 200209
けんめいに初乳吸ひゐる玉の汗 辻本みえ子 馬醉木 200210
刀打つ浄衣の腰に汗滲む 近藤暁代 馬醉木 200210
荒縄にとび散る汗や鉾を組む 前田青紀 馬醉木 200210
遮断機の向う側でも汗を拭く 宮城白路 風土 200210
未熟児の生きんがための汗ならむ 山路紀子 風土 200210
日盛の汗を忘じてゐたりけり 山路紀子 風土 200210
同居して手持ち無沙汰や汗も見ず 伊藤時枝 帆船 200210
代々の汗染みし畑草毟る 八木岡博江 酸漿 200210
我が汗のまことしよつぱき野良仕事 八木岡博江 酸漿 200210
玉の汗洗ひ流せし笑顔かな 金山千鳥 酸漿 200210
遺影待つ家に帰りて汗拭ふ 佐野布娑 雨月 200210
汗拭いて吹き出す汗のとどまらず 塩川雄三 築港 200210
女坂侮り行きて玉の汗 水谷富仁子 築港 200210
雨に濡れ汗にもぬれてクロッケー 河野友子 六花 200210
汗みどろ目鼻の失せてしまひけり 西美知子 円虹 200210
一日を使ひきつたる汗涼し 西美知子 円虹 200210
磴千段汗が無口にしてゐたる 楠原幹子 200210
寡黙なる汗に一語の重みあり 加藤はま子 200210
汗の掌に次の手の内大道芸 加藤はま子 200210
庵治石に石工の汗の散りにけり 岡和絵 火星 200210
汗しとど売れぬ役者のごとく拭く 志麻茜 銀化 200210
飯の汗そろそろ腹を括らねば 武田菜美 銀化 200210
全身に汗めぐるより今日のあり 坂田圭 200210
勤勉がモットー汗の眼が笑ふ 山中宏子 200211
実弾射撃して全身の汗引けり 鈴木照子 200211
三輪車放さず汗を拭かるる子 目羅忠雄 百鳥 200211
飛び跳ねて汗の狂言役者かな 谷上佳那 百鳥 200211
汗の掌に受くる神籤の白さかな 柿沼盟子 風土 200211
乳房の谷間を汗の流れをり 竹内悦子 200211
花売の婆の背籠の汗くさし 水野淳子 200211
保安帽被りて黒き汗流す 坂口三保子 ぐろっけ 200211
汗みどろ蛇口を噛んでゐる工夫 武司琴子 ぐろっけ 200211
考へるより動きゐて汗の葬 岡田順子 ホトトギス 200212
エプロンでつい汗拭ふ厨かな 二瓶洋子 六花 200212
汗噴きて藤村生家跡に立つ 飛高隆夫 万象 200212
ピラミッド玄室に汗滴たらせ 長谷川きくの 築港 200301
一瞬の汗引く仰臥漫録に 藤浦昭代 ホトトギス 200302
健啖の葱鮪食ひゐる汗の鼻 當麻幸子 雲の峰 200302
汗ふきを落とし境内逆廻り 塩出眞一 ぐろっけ 200302
汗 →4      

 

2021年7月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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