2   100句

ほのかなる少女のひげの汗ばめる   山口誓子   紅日

作品
作者
掲載誌
掲載年月
曳山に全霊かけて汗しとど 水野範子 ぐろっけ 200003
ほどほどに歩き来し汗会場に 稲畑汀子 ホトトギス 200005
海に出て都会の汗の消ゆる風 稲畑汀子 ホトトギス 200006
二日目の汗をたたみて旅鞄 稲畑汀子 ホトトギス 200006
身ほとりの汗遠ざけてする仕事 稲畑汀子 ホトトギス 200006
汗の手を洗ひ記憶を書き込みぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200006
質問に汗の答へとなりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200006
汗の顔集つて来しロビーかな 稲畑汀子 ホトトギス 200007
なつかしき汗の出会ひとなりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 200007
そののちの消息告げて汗の顔 稲畑汀子 ホトトギス 200007
限りなき汗をまとひて旅衣 稲畑汀子 ホトトギス 200007
汗の路地又迷ひけり城下町 稲畑汀子 ホトトギス 200007
汗の旅終へて家居となりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 200007
増えてゐし二日の汗の旅衣 稲畑汀子 ホトトギス 200007
汗かきの化粧くずれを直しゐる 大平保子 いろり 200007
汗ばみで為すこと胸にいくつある 松島不二夫 200008
衛士若し汗の白馬に赤き鞍 西田もとつぐ 俳句通信 200008
汗もぬぐはず堂守のこゑ太し 藤井寿江子 馬醉木 200009
水道の蛇口に群るる汗の子等 家塚洋子 酸漿 200009
土練って額の汗の大いなる 南うみを 風土 200009
頤の汗の落ちたる閾かな 小山森生 200009
汗拭いて植木刈り込む大雑把 福山和花 京鹿子 200009
バンダナの汗のにじみや陶土練る 藤岡亰子 円虹 200009
汗拭いて薪くべ足して窯火守る 藤岡亰子 円虹 200009
汗ぬぐひ見る窯変の炎かな 藤岡亰子 円虹 200009
汗拭きて工夫の戻るマンホール 鈴木大林子 春耕 200009
汗かきて散歩に励む夫と居り 篠田三七子 いろり 200009
汗拭ふ街ヴエローナを一望に 朝倉富次 酸漿 200010
ねぎらひは黙つて汗の手を握り 山田弘子 円虹 200010
すぐ乾く北海道の汗涼し 木暮陶句郎 円虹 200010
汗の香の違ふテニス部ラグビー部 木暮陶句郎 円虹 200010
汗引きし頃より蝉音肌に沁む 宮津昭彦 200010
玉の汗して書き留む由来かな 桑垣信子 いろり 200010
木を挽ける汗に齢の差などなく 阿部寒林 200010
汗臭き身を絶巓の神の座に 阿部寒林 200010
山に汗流すほどの仕事もせず 阿部寒林 200010
人力車夫汗を拭へる太き腕 田中麻千子 六花 200010
鍬置きて眼鏡にたまる汗拭ふ 勝野薫 ぐろっけ 200010
齟齬汗となるより旅の始まりし 村田明子 円虹 200011
より高く目指せる汗でありにけり 下田水心子 円虹 200011
汗肌に菩薩ちらちら石を切る 禰寝瓶史 京鹿子 200011
山頂の空の小ささ汗ひけば 平居澪子 六花 200011
鳩尾に汗溜めて稿書きつげり 松崎鉄之介 200012
迷走する若者の孤独汗みどろ 上原勝子 海程 200012
汗臭く暗さを残す少年の黙 上原勝子 海程 200012
帯ゆるく締めてより汗とどまらず 菅野谷孜子 ぐろっけ 200012
浮彫の楯長刀せめぎ汗にじむ 澤田緑生 馬醉木 200101
汗みどろ野良着脱げざり離れざり 谷榮子 雨月 200101
とりあえずそれはさておき汗を拭く 横倉由紀 船団 200102
玉の汗浜風流る無人駅 永岡享子 京鹿子 200103
眉剃の高校男子汗拭ふ 永岡享子 京鹿子 200103
汗乳房ふふみ鎮まるぐづり児よ 品川鈴子 船出 200104
眼から汗素焼きの頬のていたらく 秋野火耕 船団 200105
汗の子のとびこんで来る厨かな 鳴海清美 遊び蔓 200105
ひと巡りして汗の顔揃ひけり 稲畑汀子 ホトトギス 200106
汗引いてゆく川風と船音と 稲畑廣太郎 ホトトギス 200106
汗ばむや無理な計画窘めて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200106
汗疹とは若さの証とも思ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200107
降り立ちて汗なき旅路ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200107
石の目をにらんで汗の喉仏 ロツキイ 六花 200107
奪衣婆に呉れてやらむか汗衣 中原道夫 銀化 200107
玉の汗信憑性はさておいて 松本康司 銀化 200107
玉の汗首筋背中腰は帯 松村美智子 あを 200107
熱の子の汗を拭へるみどりの日 大城戸みさ子 火星 200108

 金沢はわが父の生れし地『合掌部落』

汗ばみて加賀強情の血ありけり

能村登四郎 200108
汗の肌より汗噴きて退路なし 能村登四郎 200108
汗の帯ほどき晴れの日了へにけり 平田倫子 百鳥 200108
棚田出て汗の野良着を干しにけり 保坂加津夫 いろり 200108
汗拭いすっかり落ちた白髪染 桑原敏枝 いろり 200108
友訪へば汗を拭きつつ庭手入れ 小橋安子 いろり 200108
汗みどろそのままに見す男の背 中西美保 雨月 200108
長庚や地を守る汗美しく 朝妻力 俳句通信 200108
作務僧の汗の背中へ一礼す 阿波谷和子 俳句通信 200108
首筋の黒子は汗に流れたる 和田瑞子 銀化 200108
棕櫚の木をはなれて汗を拭きにけり 竹内弘子 あを 200108
噴き出づる汗を火口へ拭き払ふ 工藤義夫 馬酔木 200109
汗の目を拭ひてまみゆ忿怒仏 安達実生子 200109
鉄筆を持ちし日のこと指に汗 芦澤一醒 百鳥 200109
汗かいて仏にとほくすはりゐる 豊田都峰 京鹿子 200109
奥官に汗の万歳三唱す 河野友子 六花 200109
どの顔も汗と誇りの山マニア 河野友子 六花 200109
夫の鞄出張多く汗のしみ 牧悦子 200109
船頭の潮焼けし額汗ひかる 藤村美津子 春耕 200109
汗を拭きふき大日の前にをる 高橋将夫 200109
冷房裡チェロ弾き了へし額に汗 大橋宵火 円虹 200109
「ありがとう」汗の背中に声かけて 石橋翠 いろり 200109
退くも進むも汗のほとばしる 桑垣信子 いろり 200109
不景気に負けてならぬ玉の汗 林田加杜子 いろり 200109
ダム見学階段多し玉の汗 木戸波留子 いろり 200109
汗かきつゝ将棋の一手孫にやぶれ 千島町子 ぐろっけ 200109
留守電へ物を申して汗を拭く 泉田秋硯 200110
四方の蝉汗腺までも絞りけり 坂井法 200110
鉢巻きで汗を止めをり測量士 木野本加寿江 火星 200110
汗に汗肌にはりつくシャツはがす 土屋酔月 火星 200110
三味復習ふ肘より汗をしたたらせ 北吉裕子 俳句通信 200110
汗をもて問診に嘘ひとつ言ふ 久保東海司 200110
汗ひいてしづかに白き庭があり 山西雅子 200110
ちりりとろりと舌を刺す汗の記憶 柴田いさを 船団 200110
汗もなくトンネルくぐり清津峡 相沢健造 いろり 200110
アンカーへ汗のバトンを継ぎにけり 竹内喜代子 雨月 200110
汗 → 3      

 

2021年7月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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