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汗は汗涙は涙負けは負け   江国滋酔郎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
砂利道を汗をかきかき犬と行く 白石正躬 やぶれ傘 201910
開きたる封書の重み汗ぬぐふ 藤井寿江子 馬醉木 201910
戒名は死への餞汗し修す 大畑善昭 201910
文楽に涙や太夫の玉の汗 高堀洋子 京鹿子 201910
大工方印半纏汗だくで 辻水音 201910
汗の子を胸に抱きし母の汗 山口貴志子 馬醉木 201911
イガグリ頭並び蛇口に汗流す 苑実耶 201911
敢闘もむなし汗とも涙とも 高濱朋子 ホトトギス 201911
緊張のあとの安堵や汗しとど 井上静子 201911
ネックレスをはづす男の玉の汗 井上静子 201911
目に浸むる汗掻きの顔玉の汗 今井充子 201911
むしむしと背中は汗のグラウンド 出利葉孝 201911
折り紙の教室汗を収めたり 堺昌子 末黒野 201911
和太鼓を統ぶる漢や汗淋漓 高木邦雄 末黒野 201911
晴れ晴れと渾身の書や汗拭ひ 廣田幸子 末黒野 201911
胸を張り三段跳の玉の汗 宮元陽子 末黒野 201911
バス駆け込む金髪の女汗しとど 伊吹之博 京鹿子 201911
ひたすらに投げ打つ球児玉の汗 遠藤レイ 春燈 201912
リハビリの骨の鳴る音汗涼し 千原叡子 ホトトギス 201912
交差点向かうの人も汗を拭き 中島和子 やぶれ傘 201912
字通より重たく汗の嬰児よ 池田澄子 船団 201912
巻きあげてなかなか脱げぬ汗のシャツ 石橋幾代 202002
煩悩の九十七てふ汗なりし 竹下陶子 ホトトギス 202003
アスレチックを踏破の証冬の汗 渕田則子 末黒野 202003
熱燗や落ちる涙と冷や汗と 谷口一献 六花 202003
皆年を取りしを忘れ汗の会 稲畑汀子 ホトトギス 202005
長く生き来しは語らず汗を拭く 稲畑汀子 ホトトギス 202005
来年を約し始まる汗の会 稲畑汀子 ホトトギス 202005
治癒といふ一言に汗引いてゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
知り尽くす三瓶まだまだ汗涼し 稲畑汀子 ホトトギス 202007
汗の数だけ移転の荷積み上げて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
人間を取り戻したる汗であり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
汗ばみて生きてゐるとは思ひけり 安藤久美子 やぶれ傘 202007
雨あがり少し歩けば汗ばみて 加藤みき 202008
汗のシャツ脱ぎて老躯を励ませり 松本鷹根 京鹿子 202008
実習生汗拭ひつつ青田道 佐藤まさ子 春燈 202009
かたはらに終活の夫汗まみれ 本郷美代子 やぶれ傘 202009
自粛緩和の子ら公園に汗の顔 森高武 風土 202009
びつしよりの寝汗私は生きてゐる 岩月優美子 202009
一筋の風通り抜け汗拭ふ 原博美 風土 202009
玉の汗足先空ヘテコンドー 森清信子 末黒野 202009
思ふことやつと話せて汗ぬぐふ 安齋正蔵 やぶれ傘 202009
獣医舎の柵にかけある汗のシャツ 田中とし江 202010
水中の鯉も汗かくランチ時 丸井巴水 京鹿子 202010
汗拭いてひと日づつ老ゆまぶしさよ 北川孝子 京鹿子 202010
俳句にも二刀流欲し汗みどろ 北川孝子 京鹿子 202010
汗の髭面しほれ加減を玻璃映し 伊藤希眸 京鹿子 202010
冷や汗も吸ひしハンカチ洗ひけり 青木朋子 202010
塩辛くなつてくる汗黙考す 内山花葉 202010
汗の夫の最終講義受けにゆく 栗坪和子 202011
直立不動玉音拝す玉の汗 室井津与志 春燈 202011
汗拭きの向う鉢巻よく似合ふ 大内幸子 六花 202011
汗拭いて考へる歩のまた一歩 北川孝子 京鹿子 202011
十字架のイエスに触るる汗の指 天谷翔子 202101
曇りたる鏡拭へば汗の顔 石橋幾代 202101
一と回り若いと言はれ汗の老 木村享史 ホトトギス 202101
看取る汗心の底の涙かな 松山牧子 ホトトギス 202102
身支度や汗に化粧の整はず 山口郁子 末黒野 202104
集ふことやうやく果たし得たる汗 稲畑汀子 ホトトギス 202106
汗の子のらくがき褒めて無罪とす 武田未有 202107
汗ばみてきしリハビリのペダル漕ぐ 平嶋共代 202108
汗の顔笑へぬ顔のふたつ三つ 北川孝子 京鹿子 202108
奈落出て黒子に汗の滴れり 森岡正作 202109
汗拭ひ川沿ひを行く万歩計 加倉井たけ子 202109
お茶の水眼科に予約汗拭ふ 鈴木石花 風土 202109
汗ばみてぐるり海原岬馬 秋川泉 あを 202109
虫眼鏡をかざす児の手の汗ばみて 神山市実 やぶれ傘 202110
手ぬぐひをよつつに畳み汗拭ふ 倉澤節子 やぶれ傘 202110
雪辱の汗や柔道金メダル 風土 ホトトギス 202110
発汗すチキータYG個観戦 奥田筆子 京鹿子 202110
川風の風が連れ去る汗の玉 菊池和子 京鹿子 202110
熟寝子の汗しっとりとお食ひ初め 大日向幸江 あを 202110
汗ばみて啜るがごとき咖 喱ーかな あを 篠田大佳 202110
無防備な顔となり汗を拭く 高浜礼子 ホトトギス 202111
玉の汗長き上りの峠道 松浦哲夫 末黒野 202111
激闘の選手の汗や金メダル 秋山文子 末黒野 202111
汗をかく季節が好きで永らへし 木村享史 ホトトギス 202112
遣り甲斐と思ふ仕事の汗涼し 水田むつみ ホトトギス 202112
山の風すらり抜けゆく汗のシャツ 窪みち子 202112
投げよこす汗まみれなる運動着 窪みち子 202112
冷や汗か寝汗か夢を忘れたる 今井康子 202112
汗かきてはがき一枚ポストまで 大四乃子 202112
鉢巻に汗のしみ込む庭師かな 秋津令 202112
車椅子ラグビーに手に汗握り 亀岡睦子 やぶれ傘 202112
墓経の僧青つむり汗ひかる 篠田純子 あを 202207
汗などは無用の我に道後の湯 山田六甲 六花 202206
三十年の汗を道後に流しけり 山田六甲 六花 202206
目が覚めて夢の世界の汗をふく 小山よる やぶれ傘 202209
五千歩の試歩の公園顔に汗 小山ほ子 末黒野 202209
黙黙と研師の眼玉の汗 山中ミツ 末黒野 202209
汗不知まだあるほどに老のほぞ 佐藤竹僊 あを 202209
業平を諳ずる車夫汗しとど 赤座典子 あを 202209
肩口を舐めて確かむ汗の味 田尻りさ 六花 202209
汗ながる甘味を含み麦茶のむ 長崎桂子 あを 202210
拾ひ物持て交番へ玉の汗 平澤侃 末黒野 202210
孫ほどのスマホ講師や汗光り 喜田君江 末黒野 202210
汗一升水一升の山河あり 待場陶火 202210
髪切つてうなじの汗を輝かす 柿沼盟子 風土 202210
汗拭いて考へる歩のまた一歩 北川孝子 京鹿子 202210
汗の顔笑へぬ顔のふたつ三つ 北川孝子 京鹿子 202210
御田植の復活汗の止めどなく 山口民子 202211
汗ふいて真昼のサンバカーニバル 中内敏丸 202211
汗を拭きふきつつ歩む一万歩 萩原渓人 やぶれ傘 202212
信号の変はる合間に汗拭ふ 濱野新 やぶれ傘 202212
首に汗汗烏賊を干すおばあちゃん 星野喜郎 202212
汗だくの身体岬の岩に坐す 永田万年青 六花 202212
吾よりもコップはずつと汗つかき 延川笙子 六花 202212
汗引いてよりの句心旅心 稲畑廣太郎 ホトトギス 202306
汗→1

 

2023年7月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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