1  100句

身二つとなりたる汗の美しき   野見山朱鳥   曼珠沙華

作品
作者
掲載誌
掲載年月
拭ひたる汗の目鼻のありどころ 山田弘子 春節 199503
追憶の中に汗の香ありにけり 山田弘子 春節 199503
心地よき健康な汗風が消す 稲畑汀子 ホトトギス 199805
再開の会に加はる汗の友 稲畑汀子 ホトトギス 199806
忘れもの気づきたるより汗どつと 稲畑汀子 ホトトギス 199806
難問に汗の答へとなりぬべし 稲畑汀子 ホトトギス 199806
磨崖大仏の膝下に汗ぬぐふ 鷹羽狩行 199808
汗がぶつかり漁夫と漁夫すれ違ふ 鷹羽狩行 199809
うつすらと汗して華僑墓地にあり 吉田島江 火星 199809
企てに汗を惜しまぬ仲間たち 山田弘子 円虹 199810
汗しとど邪心流るゝ思ひあり 滝青佳 ホトトギス 199810
地鎮祭祝ひの汗を分ちあふ 黒田敏子 ホトトギス 199810
汗の手に一鍬入魂地鎮祭 高砂正己 ホトトギス 199810
生涯に二度となき喜びの汗 河村良太郎 ホトトギス 199810
落つる汗尊きものよ起工式 田村恵津子 ホトトギス 199810
起工式集ひぬ祝ぎの汗涼し 深野まり子 ホトトギス 199810
喜びの汗となるてふ起工式 高岡悦子 ホトトギス 199810
地鎮祭終へて帰宅の汗涼し 奥田好子 ホトトギス 199810
起工式終へし司祭に汗光る 高浜朋子 ホトトギス 199810
喪籠りてふ山畑で汗ぬぐふ父 竪岩百合子 199810
三星堆の爛爛たる像汗引けり 上原瑞子 199810
突く杖を汗が握ってをりにけり 粟津松彩子 ホトトギス 199811
汗かきてこの世善人ばかりなり 赤井よしを 円虹 199811
大汗も気にせぬ若さ眩しかり 赤井よしを 円虹 199811
墓に汗林火十七回忌かな 松崎鉄之介 199811
汗っかきのバレリーナが1ダース 朝倉晴美 船団 199811
母を恋ふ児の顔汗とも涙とも 坂井市子 ぐろっけ 199811
銀行の通告汗の受話器置く 石川多歌司 ホトトギス 199812
汗拭いて沖を昏しと思ひけり 前田陶代子 199901
二日目は汗の土佐路となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 199905
旅の汗家居の汗とつながらず 稲畑汀子 ホトトギス 199905
汗のふと悲しみぬぐひをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 199905
汗引いてゆける早さに家居して 稲畑汀子 ホトトギス 199905
二毛作どこへもゆけぬ汗の地蔵 丸山海道 京鹿子 199905
ビビンバに汗も涙も噴き出づる 山田夏子 雨月 199906
先づ雨を拭き汗ぬぐひ席に着く 稲畑汀子 ホトトギス 199906
室生寺へ雨に重たき汗の距離 稲畑汀子 ホトトギス 199906
遺されし汗のこころを継ぎゆかん 稲畑汀子 ホトトギス 199906
質問を待つときはまだ汗涼し 稲畑汀子 ホトトギス 199906
恪勤や昨日の汗と同じほど 稲畑汀子 ホトトギス 199907
式典の短き汗でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 199907
皆の汗滲む大地に起工式 稲畑汀子 ホトトギス 199907
二日目の晴れたる汗の旅路かな 稲畑汀子 ホトトギス 199907
働ける汗の大地の音となる 稲畑汀子 ホトトギス 199907
汗拭きていつもの顔に戻りけり 稲畑汀子 ホトトギス 199907
汗脱ぎてみちのくの旅はじまりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 199907
旅の汗ほどけば仕事待つ家路 稲畑汀子 ホトトギス 199907
東京に汗を忘れて来てしまふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 199907
汗しとど螺子山ひとつ潰したる 中原道夫 銀化 199907
有精卵らしき方より汗ばめる 中原道夫 銀化 199908
もめごとの決まりを付けて汗涼し 福田みさを いろり 199908
汗涼し庄屋仁兵衛の通し土間 朝妻力 俳句通信 199908
球場の砂掻く無念の汗流し 中川濱子 ぐろっけ 199908
友の名も祈りに汗の身を折りて 平子公一 馬醉木 199909
大見得を切る公達の玉の汗 村田近子 遠嶺 199909
行程を説く青年の光る汗 宮倉浅子 遠嶺 199909
肋骨あらは汗の眠りの夫を拭く 柳生千枝子 火星 199909
舌先に汗を噛みをり屏風祭 神蔵器 風土 199909
大粒の汗出しきつて鉾回る 神蔵器 風土 199909
汗ひいてゆく天守閣山河あり 嶋田一歩 円虹 199909
町の汗いつしか消えて山の汗 配藤和子 円虹 199909
顔の汗拭はぬうちの発意かな 能村研三 199909
汗噴いてゐる貧血のさなかかな 藤村真理 199909
祕佛いま汗するわけもいかず彳つ 中原道夫 銀化 199909
閑暇得て墓を清めし玉の汗 桑垣信子 いろり 199909
汗拭きて生れ故郷の街に居り 久保田一豊 いろり 199909
一万歩汗流したる身の軽さ 竹田博通 ぐろっけ 199909
平和像見上げる汗と涙かな 三橋泥太 遠嶺 199910
汗のシャツひたと吸ひつき肉動く 南うみを 風土 199910
作業帽の紙粉の汗の眼に沁みぬ 島崎房子 199910
越えて来し一つの峠汗涼し 小田ひろ 円虹 199910
北鮮の古墳壁画の馬も汗 林日圓 京鹿子 199910
鏑矢を手に汗にぎる騎射の的 林日圓 京鹿子 199910
汗を拭く同じ顔なき千体仏 保坂加津夫 いろり 199910
墳墓まで汗の杖突く百雁木 秋葉雅治 199911
汗流すことを誇りにかく老いて 斎藤双風 円虹 199911
我が建てし家解く汗と涙かな 斎藤双風 円虹 199911
膝に乗せ小さき頭の汗の香よ 和田友季子 円虹 199911
正面の子規の自画像汗のなし 神蔵器 風土 199911
汗ばみて木簡の文字判読す 林日園 京鹿子 199911
家令所に糧を給せる汗の文字 林日園 京鹿子 199911
長生きをしたと思へず汗拭ふ 鶴目鯛遊子 六花 199911
孤島のように脱ぎ捨ててある汗のシャツ 小枝恵美子 ポケット 199911
庭掃きて試しに絞る汗作務衣 花房敏 ぐろっけ 199911
郵便夫汗して赤き水筒出す 細野恵久 ぐろっけ 199911
勝者いま汗の笑でインタビュー 岡有志 ぐろっけ 199911
陶工の汗吸つて壺輝けり 山路紀子 風土 199912
香を運び来て汗運び去りし風 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
棺担ぐ背中を汗の流れ落ち 小倉喜郎 船団 199912
汗のつぶのせてる鼻に触れたくて 津田このみ 月ひとしずく 199912
お互いの隙間を埋める汗である 津田このみ 月ひとしずく 199912
喧嘩の子汗と涙を光らせて 伊藤康子 ぐろっけ 199912
百姓の広き背中や汗流る 高野素十 初鴉 200001
多情多恨の手相と汗を握りしめる 富田美和 200001
授乳する母も飲む子も汗となり 中尾廣美 ぐろっけ 200001
拳あげ勝ち馬誇る汗まみれ 山田をがたま 京鹿子 200002
喪服着て生けるしるしの汗しとど 田中藤穂 水瓶座 200002
汗散って祇園太鼓の流れ打ち 田中藤穂 水瓶座 200002
汗の髪はりつきやすき妹よ 星野早苗 空のさえずる 200002
西出口化石がひとつ汗だくで 尾上有紀子 わがまま 200002
汗 →2      

 

2021年7月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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