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汗は汗涙は涙負けは負け   江国滋酔郎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
誰彼を悼みし汗でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201707
滞在の短き汗の日々となる 稲畑汀子 ホトトギス 201707
聞かずとも汗の語つてをりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201707
旅の汗をさめて集ふ朝かな 稲畑汀子 ホトトギス 201707
遅れくる一人を待ちて汗の句座 稲畑汀子 ホトトギス 201707
高原の昨日は遠し汗の句座 稲畑汀子 ホトトギス 201707
体調を汗に委ねてをりし旅 稲畑汀子 ホトトギス 201707
旅心汗に語らせをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201707
若者も元若者も汗拭いて 稲畑汀子 ホトトギス 201707
若者の汗の笑顔の揃ひたる 稲畑汀子 ホトトギス 201707
一つづつ予定消しゆく汗涼し 稲畑汀子 ホトトギス 201707
我一人汗の遅刻となりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201707
予定みな仕上げて汗の納まりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201708
汗ぬぐふ阿修羅のごとく頬染めて 雨宮桂子 風土 201708
そつと吹き戴く緑茶汗あまた 加藤みき 201708
背を流る汗を意識し石に坐す 松本鷹根 京鹿子 201709
汗もつて汗を制しぬ咖哩飯 山田六甲 六花 201709
汗の香を好む男の白昼夢 江島照美 201709
ほうとうを堪能したる汗あをし 南うみを 風土 201709
汗ばむや人の時計で見る時間 小山陽子 やぶれ傘 201708
我が十指何を成し得む汗拭ふ 藤井寿江子 馬醉木 201709
マスカラが汗に滲みて待ち合はせ 岡田香緒里 やぶれ傘 201709
ひとり居は汗ばみ急ぐこともなし 岸洋子 201709
汗拭いて顔の小さくなりにけり 楠原幹子 201710
あかんばう抱かせてもらふ少し汗 酒本八重 201710
出番前汗だくだくの舞台裏 瀬川公馨 201710
銭洗ふ濁世の汗を拭ひつつ 石田康明 春燈 201710
汗の衣を脱皮のごとく脱ぎにけり 高木典子 雨月 201710
汗拭く手止めて船頭葭のこと 中原敏雄 雨月 201710
百歳が汗を力に杖にして 熊川暁子 201711
汗知らぬ施設ぐらしに笑みあらず 山崎靖子 201711
汗噴いて眼鏡すべらす鼻のうへ 齋藤厚子 201711
天佑の木蔭のベンチ汗滂沱 布施由岐子 末黒野 201711
暗算の子の鼻先の粒の汗 利國春美 馬醉木 201711
禿頭を磨くがごとく汗を拭き 柿沼盟子 風土 201711
舐めてみる肩の先にや汗の味 田尻勝子 六花 201711
汗に黒ずむ塩田の担ぎ棒 岡村清美 馬醉木 201712
上る汗とは又違ふ下りる汗 湖東紀子 ホトトギス 201712
汗拭ふタオルに山の気の沁みて 伴秋草 末黒野 201712
行合の空に汗ばむコンバイン 中山皓雪 201712
九回裏同点汗はもう出ない 木戸渥子 京鹿子 201712
神鏡の真ん中に立ち汗ぬぐふ 村田あを衣 京鹿子 201712
土の手に汗ふく術もなく畑 秋山信行 やぶれ傘 201710
その話汗を拭くまで待てんのか 角野良生 201712
汗噴いて嫌ないやあないい感じ 阪野基道 船団 201802
汗かくやスマホの棋士と駒合はせ 山口郁子 末黒野 201804
時間経つ早さに追はれ汗を拭く 稲畑汀子 ホトトギス 201805
汗拭いてまだ来ぬ一人待つことも 稲畑汀子 ホトトギス 201805
入口に出口調査の人の汗 中谷三千子 船団 201805
二十分強歩の汗をぬぐってる 中林明美 船団 201805
婿はラガー正座の汗も冬座敷 平井奇散人 船団 201805
席つなぐ会場汗の五十人 稲畑汀子 ホトトギス 201806
ドームより汗の香運び来たる風 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
ダイエットしてより汗と決別す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
三瓶にも汗の邂逅ありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201807
こんなにも汗の遠出となりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201807
よべの星語る仲間と集ふ汗 稲畑汀子 ホトトギス 201807
一年の汗の活動語る会 稲畑汀子 ホトトギス 201807
スケジュール加はるばかり汗の日々 稲畑汀子 ホトトギス 201807
汗拭いて考へ貧しかりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201807
倉敷は歴史ある街若き汗 稲畑汀子 ホトトギス 201807
こんなにも汗の笑顔の集ふ会 稲畑汀子 ホトトギス 201807
クイズにも興じたるより汗涼し 稲畑汀子 ホトトギス 201807
鳩居堂に一万歩目の汗を拭く 杉本薬王子 風土 201808
歌舞伎開く木柝の音ひびき汗退きぬ 伊藤希眸 京鹿子 201809
汗かきてカードゲームに精出す子 出口誠 六花 201809
予鈴鳴る緊張の子の汗ばみて はしもと風里 201809
汗の子の手を振る先のお母ちゃん 波戸辺のばら 201809
てのひらの汗にはりつく設計図 稗田寿明 201810
炎昼の汗といふ汗かきごほり 菊谷潔 六花 201810
目に入り汗が涙となりて落つ 出口誠 六花 201810
幼子の寝汗をぬぐふ夜更かな 高橋均 六花 201810
汗拭ふ客待ちの車夫雷門 贄田俊之 やぶれ傘 201810
わが顔に胡坐かく鼻汗しとど 田中臥石 末黒野 201810
喜びの汗の額や新司教 酒井湧水 ホトトギス 201811
煩悩の消え去るほどに汗をかく 和田華凛 ホトトギス 201811
汗の首鳥獣戯画の猿走る 竹中一花 201811
北齋や姉さかぶりで汗拭いて 中島陽華 201812
壷に耳鼻のあたまに玉の汗 竹内悦子 201812
てのひらの汗にはりつく設計図 稗田寿明 201901
水飲みに汗まみれなる子が戻る 畑由子 201902
汗の顔歪めマラソン八周目 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
健脚を取り戻したる汗涼し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201906
汗の肌より汗噴きて退路なし 能村登四郎 201906
保安検査汗の赤子を抱き並ぶ 中根美保 風土 201907
こんな日も汗をかかなくなりました 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
汗手貫の正体問はる僧衣かな 本多遊方 春燈 201908
四人なる議場の清掃汗拭ふ 佐野つたえ 風土 201908
リハビリの腕で拭ふ春の汗 松下道臣 201909
梅雨晴間鍛冶場に汗を惜しみなく 森なほ子 あを 201908
泪拭く汗拭く伊予の暑さかな 山田六甲 六花 201908
賢治の詩及びもせぬが汗拭ふ 丹治サチ子 馬醉木 201909
飼葉遣る汗の匂ひの少女かな 田中臥石 末黒野 201909
通院や生きぬくために汗をかく 今井弘雄 春燈 201909
髪を結ふ子の襟足の汗ばめる 山浦紀子 春燈 201909
白球を追うて追はれて玉の汗 横山さくら 春燈 201909
汗かいて山城跡に残る井戸 森祐司 201909
入梅や麻婆豆腐の汗を拭き 石川憲二 六花 201909
夕弥撒に参ずる汗をしたたかに 柴崎富子 白地 201909
逆上り見得を切る子の玉の汗 七郎衛門吉保 あを 201909
砂利道を汗をかきかき犬と行く 白石正躬 やぶれ傘 201910
開きたる封書の重み汗ぬぐふ 藤井寿江子 馬醉木 201910
戒名は死への餞汗し修す 大畑善昭 201910
文楽に涙や太夫の玉の汗 高堀洋子 京鹿子 201910
大工方印半纏汗だくで 辻水音 201910
汗の子を胸に抱きし母の汗 山口貴志子 馬醉木 201911
イガグリ頭並び蛇口に汗流す 苑実耶 201911
敢闘もむなし汗とも涙とも 高濱朋子 ホトトギス 201911
緊張のあとの安堵や汗しとど 井上静子 201911
ネックレスをはづす男の玉の汗 井上静子 201911
目に浸むる汗掻きの顔玉の汗 今井充子 201911
むしむしと背中は汗のグラウンド 出利葉孝 201911
折り紙の教室汗を収めたり 堺昌子 末黒野 201911
和太鼓を統ぶる漢や汗淋漓 高木邦雄 末黒野 201911
晴れ晴れと渾身の書や汗拭ひ 廣田幸子 末黒野 201911
胸を張り三段跳の玉の汗 宮元陽子 末黒野 201911
バス駆け込む金髪の女汗しとど 伊吹之博 京鹿子 201911
ひたすらに投げ打つ球児玉の汗 遠藤レイ 春燈 201912
リハビリの骨の鳴る音汗涼し 千原叡子 ホトトギス 201912
交差点向かうの人も汗を拭き 中島和子 やぶれ傘 201912
字通より重たく汗の嬰児よ 池田澄子 船団 201912
巻きあげてなかなか脱げぬ汗のシャツ 石橋幾代 202002
煩悩の九十七てふ汗なりし 竹下陶子 ホトトギス 202003
アスレチックを踏破の証冬の汗 渕田則子 末黒野 202003
熱燗や落ちる涙と冷や汗と 谷口一献 六花 202003
皆年を取りしを忘れ汗の会 稲畑汀子 ホトトギス 202005
長く生き来しは語らず汗を拭く 稲畑汀子 ホトトギス 202005
来年を約し始まる汗の会 稲畑汀子 ホトトギス 202005
治癒といふ一言に汗引いてゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
知り尽くす三瓶まだまだ汗涼し 稲畑汀子 ホトトギス 202007
汗の数だけ移転の荷積み上げて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
人間を取り戻したる汗であり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
汗ばみて生きてゐるとは思ひけり 安藤久美子 やぶれ傘 202007
汗 →13      

 

2021年7月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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