朝 寝 1     98句

我が僕落花に朝寝ゆるしけり    其角

作品
作者
掲載誌
掲載年月
朝寝してなお朝日なる山河かな
金子兜太
海程
199807
ゆつくりと血のさしのぼる朝寝かな
岡部玄治
199901
どこに行く気持もうせる朝寝かな
平井奇散人
船団
199903
マンボウの横顔とまだ朝寝する
山尾玉藻
火星
199904
夢にまで朝寝してゐる我が居て
稲畑廣太郎
ホトトギス
199904
起す人なき朝寝して淋しけれ
能村登四郎
199904
夢にまだ色ある若さ朝寝覚
樋口英子
朝桜
199904
よき旅をしたる思ひの朝寝かな
村越化石
199905
たのしみのめつきり減りし朝寝かな
河合城太
銀化
199906
思いきり朝寝がしたし母の日は
熊谷みどり
いろり
199906
雨音を夫と聞きゐる朝寝かな
西川よし子
春耕
199907
ひと言を尽くし朝寝の母醒めず
中村ヨシオ
海程
199908
ジーンズの裾折り返すごと朝寝
柳生正名
海程
199908
迷路から抜け出すための朝寝かな
山内崇弘
海程
199908
虚子像に呆れられたる大朝寝
稲岡長
ホトトギス
199909
ほしいまま朝寝の時をもちし幸
能村登四郎
芒種
199911
朝寝してまざまざと老残りけり
能村登四郎
芒種
199911
起す人なき朝寝なりあはれとも
能村登四郎
芒種
199911
休日に仕事朝寝も許されず
稲畑廣太郎
廣太郎句集
199912
朝寝して頬のつるりを楽しんで
津田このみ
月ひとしずく
199912
退院を明日に控へて娘の朝寝
稲畑廣太郎
ホトトギス
200003
老いてなほ朝寝たのしむ暇なし
松崎鉄之介
200004
一膳を流し込みたる朝寢かな
中原道夫
銀化
200005
朝寝してしなやかになる背筋なり
岡和絵
火星
200007
深海魚づらして朝寝男かな
小形さとる
200007
毛物たち俺の朝寝を知っている
金子兜太
海程
200008
朝寢してスープに浮かす夢の端
福村壽子
京鹿子
200008
朝寝してたかが俳句というて混沌
阿辺一葉
海程
200009
老いぬれば秋の朝寝も許さるる
能村登四郎
200010
朝寝して君の唇奪ふ夢
稲畑廣太郎
ホトトギス
200103
朝寝など勿体なくも吉野山
稲畑汀子
ホトトギス
200104
いちにちの怒濤はじまる朝寝覚め
鷹羽狩行
200104
朝寝して置いてきぼりにあひにけり
大久保白村
円虹
200104
生きてゐること思ひ出す朝寝かな
山口速
200105
覚めてまたゆらり漂ふ朝寝かな
林翔
200105
地軸など傾ぐにまかす大朝寢
中原道夫
銀化
200105
小糠雨草木にもよし朝寝にも
村越化石
200106
朝寝して無聊をかこつ仮住ゐ
芝宮須磨子
あを
200106
秩父古生層長生きの母の朝寝
金子兜太
海程
200107
オホーツクの海のたひらに朝寝かな
藤原良子
火星
200107
たつぷりと朝寝せし日や海眺む
小澤克己
遠嶺
200107
春山のやうなをとこと朝寝せり
高橋とも子
200107
犬の息忙はし朝寝の耳元に
勝野薫
ぐろっけ
200107
朝寝して体内ふかき鍵ひとつ
能村登四郎
200108
血のすこし鮮しくなる朝寝して
能村登四郎
200108
泪耳に入りてゐたる朝寝かな
能村登四郎
200108
世はすべて先行くおもひ朝寝して
能村登四郎
羽化
200110
刻太鼓朝湯告げたる朝寝時
中田征二
ぐろっけ
200202
朝寝して家事も仕事も意のままに
稲畑汀子
ホトトギス
200204
伸びをして手足ありけり朝寝覚
鷹羽狩行
200204
職ありてこその朝寝と思ひけり
谷口みちる
200204
一人居の夜更かしをして朝寝して
芝尚子
あを
200204
満々と川の水嵩朝寝して
櫻井多恵
200204
独り居の贅の朝寝よカプチーノ
刈米育子
200205
朝寝覚む亡き猫やはり傍にゐず
勝田みつ子
200205
職退いて夫の朝寝のまだ浅し
當川明子
200206
よきほどにどこか醒めゐて朝寝かな
岩田沙悟浄
円虹
200206
医を信じたる大の字の朝寝かな
岩田沙悟浄
円虹
200206
後悔の先に立ちたる朝寝かな
八條凛子
銀化
200206
濯ぎ干す影に溺るる朝寝かな
仲村青彦
200206
朝寝して気儘に生きて米寿なる
二村蘭秋
雨月
200207
呆けゐし母に起さる朝寝して
岡田章子
ぐろっけ
200207
その後の吾が身をいとふ朝寝かな
山田弘子
ホトトギス
200208
植ゑし田の雨よろこぶに朝寝せり
中川博秋
200208
朝寝して又寝ることをはばからず
須佐薫子
帆船
200208
離農して病みてかなひし大朝寝
佐藤国夫
馬醉木
200305
明眸のもとはといへば朝寝とか
鷹羽狩行
200305
人類は疾うに亡びて朝寢せる
中原道夫
銀化
200305
朝寝して猫三匹に咎めらる
横山迪子
六花
200305
亡夫の画に見下ろされゐて朝寝なる
柳生千枝子
火星
200306
目覚ましを止めてたたいて朝寝かな
物江昌子
六花
200307
朝寝して夢のつづきは見ずじまひ
島谷征良
風土
200307
ちちははの遺影の前の朝寝かな
荒井千佐代
200307
大朝寝して匂やかに現れし
山田弘子
ホトトギス
200309
朝寝組朝市組と会ふ朝餉
稲畑汀子
ホトトギス
200403
湯疲れに二日続きの朝寝かな
早川尚子
帆船
200403
朝寝してくつろぎの旅立となる
稲畑汀子
ホトトギス
200404
朝寝して別の一日はじまりぬ
稲畑汀子
ホトトギス
200404
朝寝せしことの尾を引く二日目に
稲畑汀子
ホトトギス
200404
予定表朝寝出来る日出来ない日
稲畑汀子
ホトトギス
200404
朝寝せしことここに居る人知らぬ
稲畑汀子
ホトトギス
200404
朝寝して猫の重さをたのしめり
芝尚子
あを
200404
夢の中夢と覚えつ朝寝せり
清水房夫
帆船
200404
朝市に誘はれてゐし朝寝かな
稲畑汀子
ホトトギス
200405
朝寝して旅の至福を人知れず
稲畑汀子
ホトトギス
200405
霧ひきしごとく朝寝の夢忘る
今瀬一博
200405
古時計脳裏に聞いて朝寝かな
矢崎すみ子
200405
朝寝して旅の途上にあるおもひ
鷹羽狩行
200405
朝寝して出雲の鰐の如く居り
成井侃
対岸
200406
朝寝夫寝癖の髪で出勤せり
杉谷文江
200406
夫起きる気配朝寝をしてをれず
二瓶洋子
六花
200406
呆け犬朝寝昼寝に夜は吠えて
築城百々平
馬醉木
200406
主婦たるを少し休みて朝寝かな
石本百合子
馬醉木
200406
若返るつもりの朝寝遠き地震
久保一岩
雲の峰
200406
姑帰り朝寝の自由将も無し
内山芳子
ぐろっけ
200406
職退きて朝寝の魅力薄れけり
北尾章郎
200407
姉許りに安らけくあり朝寝せり
芝宮須磨子
あを
200407
朝寝せし胸から腕を下ろしけり
後閑達雄
対岸
200407
朝寝 2→      

2005年4月2日 初作成

2021年4月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。