朝 曇 1        252句

棒杭の頭は平ラ朝曇    三橋敏雄

作品
作者
掲載誌
掲載年月
思ひ切り干梅広ぐ朝曇
大柿春野
199810
ぬかみその重石はづすや朝曇
竹内悦子
199907
掃除夫の丈越す箒朝ぐもり
鷹羽狩行
199908
別館へ下駄履いてゆく朝曇
杉浦典子
火星
199908
あめふらしの香漂ふ朝ぐもり
加藤みき
199909
朝曇けふも混みあふ死亡欄
中原道夫
銀化
199909
朝曇妻へ茶柱ないしよないしよ
神蔵器
風土
199910
朝曇さかなの縞の吹かれをり
小山森生
199910
朝曇りとぐろを巻いてゴムホース
笠間圭子
京鹿子
199910
朝ぐもり空席ひとつ気になりぬ
野口光江
遠嶺
199911
じいと鳴く蝉それきりの朝ぐもり
能村登四郎
芒種
199911
朝曇ずしんと重いやかんかな
岩下恵美子
船団
199912
起きぬけの畳の上の朝ぐもり
山尾玉藻
火星
200006
釋迦力に納豆を掻く朝曇
中原道夫
銀化
200007
禁断の網を持ち出す朝曇
野平和風
200008
朝曇南大門に入りにける
加藤みき
200008
学校のにはとり鳴けり朝曇
黒田咲子
200008
朝曇り一重まぶたの開かずまま
桑原敏枝
いろり
200008
駅出づる托鉢僧に朝曇
宮津昭彦
200008
朝曇窯出しの壺砕かれて
長谷川翠
馬醉木
200009
朝曇画眉鳥こゑを聴けと鳴く
阿部ひろし
酸漿
200009
光り出す遠き瀬のあり朝曇
沖倉好秋
酸漿
200009
伏して見る幹の太さや朝曇
生田恵美子
風土
200009
朝曇しめきり間近の句作りに
篠田三七子
いろり
200009
朝曇雀に茶がら撒きにけり
津田経子
火星
200010
朝曇駅前広場のモニュメント
松田延子
風土
200010
頷きてくるる雀や朝曇
禅京子
風土
200010
木隠れの芝匂やかに朝ぐもり
盛良孝
200010
老若の愛車談義や朝ぐもり
山岸治子
馬醉木
200010
朝ぐもり竹三本をそびえしむ
倭文ヒサ子
酸漿
200011
ブルーベリー色づくを摘む朝曇
荒井正隆
200011
茶粥とふやさしきものを朝ぐもり
藤井みち子
200108
少年の肌湿りたつ朝曇
篠田純子
あを
200108
耳掻きのころがつてゐる朝曇
津田経子
火星
200109
朝曇り赤い灯台まで歩く
橋本良子
遠嶺
200110
艇の波葦に駈けこむ朝ぐもり
千代田葛彦
馬醉木
200110
那智黒を渚に拾ふ朝曇
根岸善雄
馬醉木
200110
糠床の糠をたひらに朝曇
岡田和子
馬醉木
200110
厨子甕のゆがみも親し朝ぐもり
山岸治子
馬醉木
200110
水踏んで舟を押し出す朝ぐもり
桑田眞佐子
火星
200110
朝曇りユングの理論すそ淡し
岩間愛子
海程
200110
にはとりの羽毛ふはふは朝ぐもり
岡部玄治
200110
新聞にかさむ折り込み朝ぐもり
中本憲巳
200111
空海の顎なりけり朝ぐもり
岡井省二
200111
馬の背に鞍定まりぬ朝ぐもり
山尾玉藻
火星
200207
蝦夷春蝉とぎれては鳴く朝ぐもり
阿部文子
酸漿
200207
朝曇りまたたびの葉の裏返る
酒井ひろ子
200208
紅引きてわが身励ます朝曇
蔵持柚
銀化
200208
ビル街の空細長し朝曇
林翔
200208
魚鼓ひびき一山動く朝ぐもり
辻田明
200208
朝曇二人で吹きて五穀粥
中御門あや
雲の峰
200208
朝ぐもり真青に茹でしアスパラガス
波田美智子
をりをりに
200208
雀来て砂浴びしをり朝曇
波田美智子
をりをりに
200208
父母亡くてふるさと大き朝曇
神蔵器
風土
200209
街道に猫の顔ある朝ぐもり
山尾玉藻
火星
200209
振り返る猫の習性朝ぐもり
後藤志づ
あを
200209
朝曇向き合ひて割る卵かな
中沢三省
風土
200210
正面の太陽の塔朝ぐもり
黒川悦子
円虹
200210
水着袋ふり廻しゆく朝曇り
伊藤多恵子
火星
200210
朝ぐもり遊船くぐる橋いくつ
濱地恵理子
200210
具が残る味噌汁の鍋朝ぐもり
木船史舟
200211
朝曇舫の綱の解けてゆき
中野京子
200211
発つ前の湯の町歩く朝曇
川上昌子
200211
朝曇り手付かずの今日ありにけり
今瀬剛一
対岸
200308
朝曇り古墳の草の動かざる
上野澄江
百鳥
200309
朝曇何して一日過ごさうか
伊藤早苗
200309
啄木鳥の溶岩に嘴研ぐ朝ぐもり
神宮きよい
馬醉木
200310
朝曇牧場に塩の届きけり
山口マサエ
雲の峰
200310
掃きなれし虫の屍朝ぐもり
平田倫子
百鳥
200310
雷門提灯不在朝曇
山田弘子
円虹
200310
水槽にまた死するもの朝ぐもり
佐藤博美
200311
みそ汁に落す玉子や朝曇
井口初江
酸漿
200311
朝ぐもり信濃を指して旅立ちぬ
石川英利
百鳥
200311
朝曇額の写樂の鼻曲る
渡辺俊子
京鹿子
200311
喜捨受くる僧に合掌朝曇
青山悠
200311
朝曇すでに働く音高く
糸井芳子
200311
朝曇り霧島山の目ざめなり
原田圭子
ぐろっけ
200311
朝ぐもり透ける器に花を活け
池谷市江
200312
朝曇り鳥の剥製毛ばだてり
上野澄江
百鳥
200402
雪柳芽吹けり古都の朝ぐもり
清水伊代乃
酸漿
200405
朝曇神馬の耳の休みなく
岩田半寒
草の花
200408
萱草の一茎高し朝ぐもり
阿部ひろし
酸漿
200408
ひるがほの早くも咲けり朝曇
阿部ひろし
酸漿
200408
賓頭盧さままなこ見開く朝曇
阿部ひろし
酸漿
200408
朝ぐもり手首で測る血圧計
竹内弘子
あを
200408
丸めたる反故の白さや朝ぐもり
矢島久栄
200408
勤務日の七曜淡し朝ぐもり
能村研三
200408
豆腐屋の湯気の匂ひて朝曇り
藤田さち子
対岸
200408
口汚す納豆ごはん朝ぐもり
釜井瞳子
対岸
200408
もの思ふ歩幅つまづく朝ぐもり
藤井明子
馬醉木
200409
仏壇に棕櫚刷毛つかふ朝ぐもり
谷村幸子
200409
朝曇玉虫厨子の大きかり
大山文子
火星
200409
象の尻打ちて座らす朝ぐもり
飯塚ゑ子
火星
200409
軽装にてホテル出発朝曇
遠藤逍遙子
風土
200409
妻ひとり道掃きてをり朝曇
保田英太郎
風土
200409
朝曇搾乳終へし積荷出づ
布施まさ子
風土
200409
朝ぐもりみ仏へ磴のぼらんか
館容子
200410
山鳩のいたみ啼く声朝ぐもり
舩越美喜
京鹿子
200410
初卵の黄味のこんもり朝ぐもり
野澤泰子
対岸
200410
百才の母逝きにけり朝曇
樋口桂紅
草の花
200410
旅発ちの献茶匂へる朝ぐもり
有島夛美
河鹿
200411
朝曇舫ふ小船に磯車
渡辺政子
雲の峰
200411
週末は旅待つてをり朝曇
稲畑汀子
ホトトギス
200507
朝曇つつじの白が未だ残る
柳生千枝子
火星
200507
子豚の尾くるりと巻いて朝曇
定梶じょう
あを
200507
中庭に牛の鳴く声朝曇
神田美穂子
万象
200508
賽銭は炉で焼く習ひ朝曇
能村研三
200508
週末の平和公園朝曇り
徳田正樹
河鹿
200509
紅茶注ぐ銀の腕輪や朝曇
山本浪子
風土
200509
朝曇焦げ癖の鍋また焦がす
渡辺清子
200509
朝曇常の食卓ととのひて
佐々木しづ子
酸漿
200509
朝曇割りし卵に黄味ふたつ
高千夏子
200509
朝曇りゐて玄海の空であり
前田陽子
200510
何の葉で指切りたる朝曇
大山文子
火星
200510
朝曇る放蝶園に水の音
山田美恵子
火星
200510
里芋の茎のむらさき朝曇
門脇なづな
対岸
200510
天道虫目覚めよ坂の朝曇
渡邉友七
あを
200510
太柱を昇る声明朝ぐもり
加藤みき
200510
朝ぐもり河内木綿に糊付けす
谷村幸子
200510
ぼつてりと浮ぶ太陽朝ぐもり
伊藤以玖子
対岸
200510
オフイスに地図御用所跡や朝ぐもり
遊橋恵美子
風土
200510
合点の行かぬ社説や朝曇
峰尾秀之
200511
朝曇りひとりおどろの柳道
松本恒子
ぐろっけ
200511
草の葉の切傷かゆし朝曇
伊藤一枝
酸漿
200511
野仏に出羽雀来る朝曇
渡邉友七
あを
200511
始祖鳥の骨格細し朝ぐもり
椙山正彦
200511
新聞のあつき折込み朝ぐもり
土屋酔月
火星
200511
四十雀巣立ちの時ぞ朝ぐもり
川上美穂子
酸漿
200604
眞紅の日ひとたび出でて朝曇
瀧春一
常念
200606
丹波路の旅は二日目朝曇
稲畑汀子
ホトトギス
200606
樅の芽の萌えひときはや朝曇
阿部ひろし
酸漿
200606
沈黙は返事の一つ朝曇
丸山佳子
京鹿子
200607
朝曇り小式部内侍供養塔
津田霧笛
ぐろっけ
200608
雉の声疎林にひびく朝曇
兼子栄子
酸漿
200608
釣瓶井に今日の始まる朝曇
長沼恒子
馬醉木
200609
朝曇り紋白蝶は羽化する気
黒田咲子
200609
通天閣近くて見えず朝曇
大山文子
火星
200609
青い鳥庭に来てゐる朝ぐもり
大山文子
火星
200609
灰汁ぬきの水溢れさす朝ぐもり
菊地光子
200609
せせらぎの遙にありて朝曇
中島静子
酸漿
200609
長靴が畦にぬぎある朝曇
丸山照子
火星
200610
虫が葉を食むを聞きをり朝曇
河崎尚子
火星
200610
朝曇カレーの匂ひ頭上より
藤田素子
火星
200610
歩数計を零にして出る朝曇
鈴木石花
風土
200610
餌に群るる鯉の体臭朝ぐもり
万城希代子
200611
山笠の起源の寺や朝曇
青山悠
200611
朝曇いや本曇秋めけり
浜田南風
200612
漬鮒の塩切るころや朝曇
高橋千美
京鹿子
200612
椰子蟹の籠にさびしき朝曇
栗原完爾
春燈
200706
人造の地の果てに海朝ぐもり
中田みなみ
200706
郭公やつひに晴れざる朝曇
瀧春一
200706
旅終へて又旅支度朝曇
稲畑汀子
ホトトギス
200707
笠と鎌上り框に朝曇
滝沢伊代次
万象
200707
自転車の空気があまき朝曇り
能村研三
200708
人参ジユースに始む一ト日や朝曇
柿沼盟子
風土
200709
朝曇右脳強化のストレッチ
伊藤百江
春燈
200709
朝曇り琵琶湖周航歌流れ
廣畑忠明
火星
200710
朝曇湖岸に網をたぐる人
渡邉美保
火星
200711
抛られて草海豚怒る朝ぐもり
藤原たかを
馬醉木
200808
靴下の紙の足抜き朝ぐもり
工藤進
200808
蜘蛛が足こまかく使ふ朝ぐもり
城孝子
火星
200808
汐入の堀の匂ひや朝曇
篠田純子
あを
200808
スワン舟舫ひしままや朝曇り
瀬島洒望
やぶれ傘
200808
ほろほろと削るかつぶし朝曇
甲州千草
200809
生簀籠しづめ入江の朝ぐもり
粕谷澄
馬醉木
200810
透きとほるナースの声や朝曇
中村紀美子
春燈
200810
点滴の粒の銀色朝曇
中村紀美子
春燈
200810
引き割りの少し混じるや朝曇り
山田庫夫
炎環
200810
雉鳩の堂縁あるく朝曇
丸山照子
火星
200810
宿泊館開く六時の朝曇り
木原今女
ぐろっけ
200810
朝ぐもり起きぬけに干す濯物
東芳子
酸漿
200810
今日生きて何なすべしや朝ぐもり
田原陽子
200811
東京の朝曇発ち来たる蝦夷
稲畑汀子
ホトトギス
200907
電線に鳩の留まれる朝曇
赤座典子
あを
200907
朝曇昨日のカレー食べてをり
柏柳明子
炎環
200908
浸りゐし雑巾つかむ朝ぐもり
浜口高子
火星
200908
竹生島行きの水尾なり朝曇
蘭定かず子
火星
200908
空海の風待ちの浦朝曇り
山本浪子
風土
200908
バス停へいつも小走り朝曇
長谷川歌子
春燈
200909
高みより鳶の声聞く朝曇
廣瀬雅男
やぶれ傘
200909
田に水の音無く入る朝曇
成宮紀代子
200909
朝曇火災報知器取り付け日
陽山道子
船団
200909
卵かけごはん食はされ朝曇
定梶じょう
あを
200909
朝曇みんみん蝉の声湧けり
阿部ひろし
酸漿
200909
水槽の酸素忙しき朝曇
甲州千草
200909
朝ぐもり地へ入る電車人詰めて
栃木志津
末黒野
200911
朝曇しろがね色に小学校
柴田歌子
200912
朝曇り水路に蝦の魚籠浸す
江見悦子
万象
201004
朝曇名刺を使ひ分けてをり
能村研三
201006
おはやうの大きこゑなり朝ぐもり
加藤みき
201008
かまきりのながなが飛べり朝曇
山尾玉藻
火星
201008
そぞろ行く瀬戸の海辺や朝ぐもり
池田加寿子
201009
虫ピンの虫を貫く朝ぐもり
林昭太郎
201009
デーケアヘ妻送り出づ朝ぐもり
小川玉泉
末黒野
201010
河岸へ行く早出の孫や朝曇
小野口正江
末黒野
201010
朝ぐもり白色レグホンのとさか
加藤みき
201010
それぞれの珈琲の濃さ朝曇
田嶋洋子
春燈
201010
駅降りてすぐにちやんこ屋朝曇
丸山照子
火星
201010
猫ひらたく溝をはしりし朝曇
松井倫子
火星
201010
朝曇ツボ押しサンダルの痛し
甲州千草
201010
箱田稲水たしかむる朝曇
冨田君代
酸奬
201010
思考力も体力のうち朝曇
千田百里
201011
俎板を削りに出せり朝曇
天野美登里
やぶれ傘
201011
朝曇溺れるやうに水使ふ
風間史子
201011
見覚えの背の前を行く朝曇
浅野恵美子
酸奬
201011
鈴の緒のすり切れ佃の朝曇
佐伯星子
馬醉木
201012
水辺なる木影は水に朝ぐもり
水原秋櫻子
馬醉木
201108
桜鯛真砂女の海は朝ぐもり
木下ふみ子
馬醉木
201108
朝曇インドヘと吾子急に発つ
鈴木石花
風土
201108
客待ちの櫂の並べる朝ぐもり
蘭定かず子
火星
201108
朝ぐもり少女のひらくコンパクト
田中文治
火星
201108
神杉の鉾のゆゆしき朝曇
久田澄子
馬醉木
201109
何もなき道に雀や朝曇り
柴田佐知子
201109
朝ぐもり後もどりせず歩きをり
山田佳子
201109
いつも来る雀と思ふ朝曇
藤井美晴
やぶれ傘
201109
洗濯を仕掛けて散歩朝ぐもり
坂上香菜
201110
読み比ぶ新聞社説朝ぐもり
能村研三
201110
朝曇竜頭のかたき腕時計
細川洋子
201110
湿原の熊の踏み跡朝ぐもり
藤原照子
201110
うながされカメラ飲み込む朝ぐもり
坂口夫佐子
火星
201110
塩壺に塩のま白き朝曇
コ田千鶴子
花の翼
201111
輪違ひ屋角屋紅がら朝曇
コ田千鶴子
花の翼
201111
乳鉢の底の厚さよ朝曇
コ田千鶴子
花の翼
201111
糠床に糠足してやる朝ぐもり
村上絢子
馬醉木
201111
麺麭好きは父親ゆづり朝曇
志方章子
蟋蟀
201203
朝曇子のくづかごに吾が写真 坂口夫佐子 火星 201209
寺田屋へ続く道とる朝曇 飯塚ゑ子 火星 201209
日めくりの格言も剥ぎ朝曇 千田敬 201209
体内の水まだ眠る朝曇 田所節子 201209
解禁の鮎の那珂川朝ぐもり 北崎展江 くりから 201209
朝ぐもり鴉の声のけたたまし 中村紘 ぐろっけ 201209
発心に喝入れなほす朝曇 甲州千草 201210
朝曇り小屋を発ちたる鳩の群 小川玉泉 末黒野 201210
海坂に漁舟溶けゆく朝曇 阪上多恵子 雨月 201210
朝ぐもり猫の寝そべる子安寺 藤田素子 火星 201210
盆みちは土の匂ひの朝曇り 橋添やよひ 風土 201211
朝曇り畑の雑草伸びにけり 天野美登里 やぶれ傘 201211
病む妻に献立難し朝曇 酒井秀郎 返り花 201211
長き名の薬餌数数朝曇 酒井秀郎 返り花 201211
八月十五日大佛殿の朝ぐもり 城孝子 火星 201211
鴉鳴けば鴉こたへる朝ぐもり 藤田素子 火星 201211
歩きだす鴉を蹤ける朝ぐもり 河村啓花 ろんど 201211
納豆の辛子手につく朝曇 瀬島洒望 やぶれ傘 201212
紙詰めて雑器積まるる朝ぐもり 根橋宏次 やぶれ傘 201212
ふりかけに混じる山淑朝ぐもり 広渡敬雄 201303
神主が畦で着替へる朝曇 大山文子 火星 201309
にはとりのとととと走る朝ぐもり 根橋宏次 やぶれ傘 201309
クレーンの鎖垂れ来る朝曇 宇都宮敦子 201310
返事待つ時間のやうな朝曇 頓所友枝 201310
花立てに水満満と朝曇 天野美登里 やぶれ傘 201310
朝ぐもり多用使ひの白タオル 風間史子 201310
目玉焼片目崩れて朝ぐもり 林昭太郎 201310
朝曇り風あるうちに犬散歩 池田久恵 ぐろっけ 201312
嬰泣いて一と日はじまる朝曇 兵泉美 京鹿子 201401
朝曇発ち東京も同じほど 稲畑汀子 ホトトギス 201407
朝ぐもり鰯生簀の影青く 能村研三 201407
立膝で納豆かっ込む朝曇り 篠田純子 あを 201408
つやつやの餡こが鍋に朝曇 山田美恵子 火星 201408
朝ぐもり乳こぼしつつ歩む牛 城孝子 火星 201409
朝ぐもり定家葛のかくもつる 坂口夫佐子 火星 201409
見廻りの猫と目の合ふ朝曇 赤座典子 あを 201409
粥を吹く口のいつまで朝ぐもり 西畑敦子 火星 201409
遥かより旦子のこゑや朝ぐもり 安立公彦 春燈 201409
目礼と目礼朝曇り濃かりけり 井上信子 201409
歯磨の肘は鋭角朝ぐもり 林昭太郎 201409
ゆつくりと箒を使ふ朝曇 甲州千草 201409
朝曇沼の家鴨の騒ぎたる 江見悦子 万象 201410
鶏鳴のほどよく伸びる朝曇 鈴木一広 201410
千年の杉の声聴く朝ぐもり 加古みちよ 火星 201410
心地よき二度寝に入る朝曇り 高橋泰子 201410
バリウムを喉に流す朝ぐもり 平由はつみ 馬醉木 201410
歳月の亡夫の忌近し朝曇り 杉本綾 201410
経木よりはがす納豆朝ぐもり 神山節子 201410
コピー機の紙吐く音や朝曇 大川ゆかり 201410
朝ぐもり活花の水替へてをる 井上静子 201411
朝曇り瀬戸の藻塩で歯を磨く 古川夏子 201412
旅心一日はじまる朝曇 稲畑汀子 ホトトギス 201507
朝曇 →2      

 

2021年8月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。