朝 顔 9      107句

朝顔を蒔きて残りの種埋める    金子蛙次郎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
朝顔や入谷を出でてより萎(やつ)れ 秋葉雅治 201910
朝顔の一花一花に喫水線 森岡正作 201910
紅と白鉢の朝顔競ひをり 小川玉泉 末黒野 201911
朝顔の波郷の紺をもて開く 太田チヱ子 末黒野 201911
朝顔や手の平に乗るほどの風 木村あさ子 201911
朝顔やけふ為すことを書き出して 近藤真啓 春燈 201911
百歳の朝顔の種蒔いてをり 永淵惠子 201911
朝顔の葉裏ばかりや厨窓 福岡かがり 雨月 201911
朝顔や路地三尺の佃島 岡田正義 雨月 201911
宅配で送る朝顔団十郎 落合絹代 雨月 201911
朝顔の強気いきなり木の頭痛 近藤綾 201912
朝顔の閉じかけていて神社かな 林田麻裕 201912
朝顔のはだへに白き夜明け来る 鈴木光影 201912
朝顔のひそと夕ベに咲くことも 大久保白村 ホトトギス 201912
入谷より鉢の朝顔着く日なり 後藤比奈夫 ホトトギス 201912
朝顔の紺ばかりなる骨董屋 石田阿畏子 馬醉木 201912
朝顔の目印もあり投票所 杉原ツタ子 201912
米磨汁浴び朝顔の仰ぐ天 大政睦子 京鹿子 201912
子規の描く「朝顔」九月十二日 中村洋子 風土 201912
子規庵の朝顔二度目小さく咲き 森高武 風土 202001
しぼむなよせくな急くなよ朝顔よ 松村光典 やぶれ傘 202002
朝顔や郵便受けに児の便り 秋山信行 やぶれ傘 202002
豆腐屋の朝顔艶にして紫 能城檀 船団 202003
朝顔の青の誘ふ日の出かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202008
団十郎てふ朝顔の苗賜りぬ 岡田桃子 202008
朝顔に夜の折り目の残りけり 辻美奈子 202009
亡き夫の杖朝顔の手にありぬ 田尻勝子 六花 202009
朝顔の蔓の絡みを見てゐたる 増田裕司 やぶれ傘 202009
朝顔の白より開く神の庭 小林共代 風土 202010
介護館朝顔の花満開に 大日向幸江 あを 202010
朝顔が別れのやうにこのところ 安藤久美子 やぶれ傘 202010
朝顔や男の気配ありにける 竹内悦子 202011
朝顔や四股踏む響き井筒部屋 七種年男 202011
朝顔や昔上総の藍紋り 小河原清江 202011
朝顔の紫紺にうまる籬かな 矢野美沙子 202011
朝顔の大垣根ある漁師町 沼田桂子 春燈 202011
朝顔の誘ふ清涼佇めり 井上正子 春燈 202011
朝顔の棚より母の部屋のぞく 南うみを 風土 202011
「呉天氏の朝顔」と呼び咲き継げり 森高武 風土 202011
朝顔の紺の一輪他を寄せず 森清堯 末黒野 202011
朝顔のはだへに白き夜明け来る 鈴木光影 201911
朝顔の明日を秘めたる蕾かな 浜小長谷紘 末黒野 202011
朝顔の紺の深さや今朝の庭 須賀敏子 あを 202011
朝顔や閉店告ぐる小間物屋 長岡千波 202012
子ら競ふ鉢の朝顔花の数 森清堯 末黒野 202012
朝顔や庭へとび出すパジャマの子 森清信子 末黒野 202012
お隣の朝顔楽しんでをりぬ 志方章子 六花 202012
うとましくなりぬ朝顔咲きつづけ 志方章子 六花 202012
朝顔の気ままに蔓を伸ばしやる 住田千代子 六花 202012
朝顔や都ことばの蔓のばす 菊池和子 京鹿子 202101
朝顔がまだ咲いてゐる午後の四時 松村光典 やぶれ傘 202101
朝顔や窓辺に寄りて通す糸 吉清和代 202101
朝顔の終の一輪淡き紺 菅野日出子 末黒野 202102
ミャンマーの木を蓋ひ咲く紺朝顔 佐藤喜孝 あを 202105
ミャンマーの曉前の紺朝顔 佐藤喜孝 あを 202105
朝顔の蕾の襞にある未来 稲畑廣太郎 ホトトギス 202108
神の愛とは朝顔の赤にこそ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202108
雨戸開くより朝顔の出会かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202108
朝顔の紫がちに凋みゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202108
朝顔の絡む有刺鉄線とも知らず 石田静 202108
朝顔蒔く家事の忙しさ解き放ち 宮元陽子 末黒野 202108
朝顔の鉢をずらりと角の花舗 安藤久美子 やぶれ傘 202109
朝顔の鉢植買ひてベランダに 土田野里子 202109
雨少し朝顔市の帰りしな 木村瑞枝 やぶれ傘 202110
朝顔や人の背を見て背を正す 関喜久子 202110
朝顔や吹かずにしまふ水鶏笛 浜福惠 風土 202110
盛夏なる朝鮮朝顔実を結ぶ 田中佐知子 風土 202110
ぐずぐずに朝顔伸びて花数多 須賀敏子 あを 202110
朝顔に有刺鉄線手を貸すや 永井惠子 春燈 202110
朝顔に屈みて祖父の声を聞く 橋本貴美代 春燈 202110
朝顔や海より青き青選る 鈴木和江 202111
朝顔の紺に籠れる海の音 田中臥石 末黒野 202111
朝顔の時を惜しまぬ夕べかな 辻量子 京鹿子 202111
朝顔の蔓の気ままや反抗期 辻量子 京鹿子 202111
朝顔の咲いてこの夏より空き家 森なほ子 あを 202111
朝顔や宿場名残の黒格子 梅田武 末黒野 202112
朝顔の藍にはじまる一と日かな 六車佳奈 風土 202112
向き探りゐる朝顔の蔓と蔓 服部早苗 202112
終るかと見れば朝顔また咲いて 岩藤礼子 やぶれ傘 202112
色ごとに採種朝顔とも別れ 上野進 春燈 202201
朝顔の彩をうばひし残雨かな 農野憲一郎 春燈 202201
朝顔を気ままに這はせ四つ目垣 石黒興平 末黒野 202201
朝顔の首のふり向く犬猫病院 奥田筆子 京鹿子 202201
こぼれ種より朝顔の咲くところ 岩岡中正 ホトトギス 202202
玄関を出て朝顔を観る日課 安原葉 ホトトギス 202203
ノンポリでゐられたころの白朝顔 井上菜摘子 京鹿子 202208
朝顔もわれも力を抜く正午 井上菜摘子 京鹿子 202208
朝顔の風にまきつく蔓の数 六車佳奈 風土 202209
朝顔市青色濃きを購へり 紗酔 春燈 202209
くれなゐの朝顔一花咲きにけり 谷口摩耶 202209
朝顔の自由奔放取り敢えず 須賀敏子 あを 202210
朝顔の苗の伸びゆくあしたかな 岡田史女 末黒野 202210
一瞬に一過の紫紺野朝顔 河崎祐二 202210
朝顔の蔓の奔放こそ親し 枇杷木愛 202210
朝顔の登りつめたる秋の雲 谷口摩耶 202210
ふり仰ぐところより朝顔のこゑ 岩岡中正 ホトトギス 202211
朝顔のせんなく風を掴む蔓 中村重幸 202211
おぼえなき朝顔二輪厨窓 菅野日出子 末黒野 202211
朝顔の路地にもの音なかりけり 太田良一 末黒野 202211
朝顔の蕾に畳む明日かな 石原孝人 京鹿子 202211
朝顔の色ねぢりたる蕾かな 森清堯 末黒野 202212
朝顔を褒め合うてをり垣根越し 石黒興平 末黒野 202212
朝顔に負けぬ名札や幼稚園 今村千年 末黒野 202212
朝顔を咲かせ不在の駐在所 太田良一 末黒野 202212
朝顔やここだ恋しき家郷の日 亀卦川菊枝 末黒野 202212
朝顔の右へならへに朝日さす 佐藤勝代 末黒野 202212
朝顔の蔓に絡むは朝の光ゲ 塩見かず子 京鹿子 202212
朝顔の蔓の奔放こそ親し 枇杷木愛 202301
朝顔の渾身の紺土蔵前 眞田忠雄 やぶれ傘 202302
朝顔→1

 

2023年9月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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