海 女 2      198句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
海女小屋の姫鏡台に日焼どめ 友田直文 200511
海女小屋に砂吹き溜る昼の虫 高橋千恵 200511
舟虫を走りまはらす海女の葬 木山杏理 京鹿子 200511
一隅も残さず灼ける海女の島 江崎成則 栴檀 200511
やすからぬ海女の通ひ路靫草 橋本榮治 馬酔木 200511
声高な海女が時雨を招きけり 大見川久代 馬醉木 200601
土踏まず真白く海女の潜りけり 大森慶子 母衣 200602
春寒や海女の小屋の戸まだ開かず 水田清子 200603
鬼百合の溶岩に咲きたり海女の島 土川照恵 栴檀 200603
海女小屋の傍の菜畑冬囲 小旙普士男 対岸 200603
匕首を残し海女小屋戸も閉めず 品川鈴子 ぐろっけ 200605
海女発ちし波止にちらかるゴム草履 品川鈴子 ぐろっけ 200605
海女草履外輪内輪に脱ぎつ放し 品川鈴子 ぐろっけ 200605
海女ひとりしぶく礁の海苔を掻く 三反田輝夫 河鹿 200605
龍宮へ入りゆく海女か肌透けて 品川鈴子 ぐろっけ 200605
半刻の勝負へ海女ら相乗り舟 品川鈴子 ぐろっけ 200605
鮑海女笑まひ交して連れ沈む 博多永楽 雨月 200606
連れ潜る母子海女かや春の潮 博多永楽 雨月 200606
引き鶴の遅れを囃す海女の声 平山風鳥 河鹿 200606
若き海女つつけんどんに着替へけり 竹内慶子 春燈 200607
人魚かと見まがふ海女の白肌着 小田知人 ぐろっけ 200608
いまもなほ海女小屋ありてさつき咲く 長沼紫紅 200610
秋茄子の太り過ぎたる海女の畑 一瀬昭子 馬醉木 200610
海女祭り行く筈の刻病院へ 出来由子 200610
闌秋のくろがねの肌海女若し 塩由造 万象 200611
身に入むや海女の影なき野島崎 遠藤真砂明 200612
浜菊や器量すぐるる海女二代 西山浅彦 春燈 200612
海光や石蕗の花咲く海女の墓 田下宮子 200701
虎が雨石塊のせて海女の墓 塩由造 万象合同句集 200703
纜を海女が受取る小春かな 山口順子 馬醉木 200703
春潮に引きゆく海女の命綱 小山香月 酸漿 200704
海女小屋に猫が爪研ぐ涅槃西風 小山香月 酸漿 200704
さざえ海女のとなりに洗ふ手足かな 百瀬七生子 海光 200705
浪の間に海苔掻く海女の皆無言 泉田秋硯 200705
海女の蹠岬の椿へひるがへる 山尾玉藻 火星 200706
道端に海女が買ひゐる燈籠かな 瀧春一 200706
海女乗れる舟のもつとも揺れてをり 杉浦典子 火星 200707
かけ直す眼鏡に海女の三人かな 金澤明子 火星 200707
昼寝海女十尋の海を潜りきて 大西八洲雄 万象 200709
西伊豆の伊勢の海女小屋灼け晒し 三浦晴子 200710
汐焼けの海女が髪梳く浜の盆 藤岡紫水 京鹿子 200711
姫鏡見えて海女小屋花芙蓉 田下宮子 200711
此岸にも余る一月海女の小屋 宇都宮滴水 京鹿子 200802
海女小屋の手拍子忘年会らしき 大西八洲雄 万象 200802
島端に椿鏤め海女の墓 塩路隆子 200804
海女潜る見守る夫の目の優し 森山のりこ あを 200806
干し物を生垣に掛け海女の家 坂本節子 200807
海女どちの腹から笑ふ雲の峰 中田みなみ 200809
火を囲む海女のけぞりて笑ひけり 柴田佐知子 200809
浜木綿や男勝りに海女老いて 大森三保子 馬醉木 200809
底潮の濁りはげしと土用海女 博多永楽 雨月 200809
軒干しの海女着眞白や花柘榴 田下宮子 200810
軒干しの海女着真白や花柘榴 田下宮子 200810
日照雨きて海女らのトマト完熟す 佐藤山人 200811
海女小屋に昼の風呂沸く赤のまま 荒井書子 馬醉木 200812
老の海女掛声わかく初荷役 瀧春一 深林 200901
海潜く海女の身群れて初荷役 瀧春一 深林 200901
海女小屋の棚に口紅小春なり 田下宮子 200901
若き海女腰ゆるぎなく初荷役 瀧春一 深林 200901
しばらくは波を見つめて稽古海女 中村勝行 200901
むすめ海女一ときわ高く笑ひけり 宇都宮滴水 京鹿子 200902
海女焚火貝のことより孫のこと 宇都宮滴水 京鹿子 200902
ひたすらに牡蠣むく海女の頬被り 小山漂葉 酸漿 200903
元海女と言ふつくも髪時雨傘 鈴木伸一 200903
楪の艶濃し安乗海女の小屋 小林成子 200904
とびとびに水仙の咲く海女の墓 萩原すみ 春燈 200905
海女の息ためて深まる海のいろ あさなが捷 200905
舟縁に槌るむそぢの海女の笛 鈴木伸一 200905
鶯や珠取りしてふ海女の墓 山口耕堂 万象 200906
かくれなき海女の太腰磯の春 池園二三江 春燈 200906
母の日や海女に一と日の凪休み 遠藤真砂明 200907
海女の桶乾ききったる祭かな 立石萌木 雨月 200908
凍て土の盛り上がる鉢海女の家 坂本節子 200908
夕凪や明日の潮よむ海女溜 水谷芳子 雨月 200910
鮑海女見にゆく小舟仕立てけり 水谷芳子 雨月 200910
海女小屋に貼られし海といふ習字 木村公子 花貝母 200911
秋夕焼濡れ髪しぼる海女二人 大橋伊佐子 末黒野 200912
秋暑し島のマリアは海女に似て 七種年男 200912
荒海に向き魂迎へ海女坐して 手島伸子 雨月 200912
北限の海女の方言草の実飛ぶ 石崎浄 風土 201001
辛夷咲く海女に上りの石畳 近藤幸三郎 風土 201005
辛夷の芽海の声聞く海女の像 大坪景章 万象 201005
海女火場に漁を聞きつつ焼栄螺 井口淳子 201005
春潮や海女は逆さに白き足 諸戸せつ子 春燈 201005
水仙や岬の果に海女の墓 三村武子 酸漿 201006
春空に吸はるる若き海女の笛 前川美智子 末黒野 201006
銅版画海女美しく初飾り 市橋敬子 201006
縄文の火を囲みたる栄螺海女 丸井巴水 京鹿子 201007
美し国伊勢のポスター鮑海女 長崎桂子 あを 201008
黒南風やはらほげ地蔵に浪高し 泉田秋硯 201009
一湾に海女の磯笛土用凪 川崎良平 雨月 201010
花南瓜添乳の海女のまだ稚な 諸岡孝子 春燈 201010
実演の海女の磯着や秋の海 西垣順子 201011
秋潮に海女の磯笛かすかなり 西垣順子 201011
木偶宮へ海女の先立つ月の路地 塩路隆子 201012
海女潜き卯波に遊ぶ桶二つ 大橋伊佐子 末黒野 201104
冬晴れの海辺に並ぶ海女の墓 國保八江 やぶれ傘 201104
上げ船に海女の総出や磯焚火 福田禎子 末黒野 201105
海女小屋の固き閂鳥交る 笹村政子 初鼓 201105
海の碧少し崩して海女潜る 碇天牛 雨月 201107
夏の海胆を割る海女荒き志摩言葉 塩路隆子 201109
詣でたる海女の涼しき束ね髪 塩路隆子 201110
海女浮いて祈りを捧ぐ終戦日 久保東海司 201110
灼くる舟に一条海女のいのち綱 塩路隆子 201110
浜に干す海女の磯着や夏旺ん 正谷民夫 末黒野 201110
身を清め海女ゆつくりと沈みゆく あさなが捷 201111
鮑海女見えて沈んで夫婦舟 平野みち代 201112
待春の海女小屋にある隠し酒 植木緑愁 201204
海女が家に遠き潮騒枇杷の花 河口仁志 201204
初獲りの貝をだいじに稽古海女 植木緑愁 201205
旅に売る海女がほまちの蕗の薹 市川玲子 馬醉木 201205
凪待ちの海女が撫で干す命樽 植木緑愁 201205
鮑海女競ひ潜りの隠岐日和 和田照海 京鹿子 201206
焚火かこむ海女の昼餉の艶話 川井素山 かさね 201206
しづくして海女通りけり花大根 浜口高子 火星 201207
年かさの海女より潜り梅雨の明 酒井秀郎 返り花 201211
冷つこいとさざめく夜の海女祭 石崎和夫 201211
島なかの海女の抜け道きせる草 松本三千夫 末黒野 201211
鰯干す迷路の多き海女の村 石田野武男 万象 201212
木偶泣いて海女を泣かせる村芝居 下平しづ子 雨月 201301
海女来たる潮の滴る牡蠣提げて 田中臥石 末黒野 201303
五芒星を額にいただく海女ゐたり 延広禎一 201306
海女もぐる所作なまめかし志摩の海 国包澄子 201306
磯桶の波間にゆれて海女の笛 川井素山 かさね 201306
海女小屋の山がかりなる濯ぎもの 深澤鱶 火星 201310
盆波や夜干しの海女の脇白し 深澤鱶 火星 201310
炎昼の海女小屋は留守日めくり反 古川千鶴る かさね 201310
野朝顔海女の着替へを囲みをり 安岡みさき 万象 201311
岩蔭に海女の出店の壺焼屋 瀧春一 花石榴 201312
十月の海女小屋昼餉賑へり 長崎桂子 あを 201312
秋湿り海女小屋の昼大浅蜊 長崎桂子 あを 201312
八月の海女笑っては唄っては 津田このみ 船団 201401
燻らせて草焼く海女のほまち畑 神田美穂子 万象 201405
海女小屋の名札代りの貝雛 藤野力 馬醉木 201405
海女白き光となりて海に溶け 有松洋子 201407
海女小屋の声で膨らむ朝騒雨 鈴木良戈 201408
命綱屋根に展げて盆の海女 豊田高子 万象 201411
島の母校へ返す磯笛鮑海女 和田照海 京鹿子 201411
吹く風の海女の笛とも若布干す 田中佐知子 風土 201411
揚雲雀今とは違ふ海女の像 栗原京子 201503
黒髪をほどきつつ海女戻り来る 藤井君江 馬醉木 201505
子を抱き晴着の海女の春祭 堀田清江 雨月 201506
海女の日を語りつ栄螺売りゐたり 大橋伊佐子 末黒野 201507
岩礁に祠祀りて鮑海女 室伏みどり 雨月 201508
二度潜く海女に焚火の種残す 室伏みどり 雨月 201508
のうぜんや海女の戸口の華やげる 島田万紀子 馬醉木 201510
夜の海の白衣ふつくら海女祭 鎌田光恵 201511
土用波怖れず海女の海に入る 下平しづ子 雨月 201511
海女小屋の釘打つ音やゑのこ草 平野みち代 201601
潮騒の届く海女が家昼ちちろ 高橋明 末黒野 201601
啓蟄や潮の香かぶる海女の墓 田勝子 万象 201606
初潜りは十五の齢と和具の海女 横山昭子 雨月 201606
満載の若布舟より海女の首 吉田葎 201607
浮かび来し海女かき抱く鮑かな 吉田葎 201607
兵刃を帯ぶごと海女の腰のもの 山口ひろよ 201608
すれ違ふ海女に漂ひしやぼんの香 岡野里子 末黒野 201608
乗り合す岬のバスに鮑海女 室伏みどり 雨月 201608
磯笛を吹きてまた消ゆ飽海女 杉本光祥 201609
海を出て自負の滴る海女なりし 岩月優美子 201610
海女の髪まだ濡れてゐるちちろ虫 橋本榮治 馬醉木 201612
海女小屋の蘇民将来年迎ふ 服部鹿頭矢 馬醉木 201703
盥舟臥せて海女等の冬休 佐藤三男 万象 201704
海女の桶浮んでゐたる淋しさよ 高橋将夫 201705
短日の海女町で買ふ糠鰯 中川句寿夫 ここのもん 201705
海桐実に汐の匂ひの海女言葉 中川句寿夫 ここのもん 201705
海女小屋を少しはなれて三月菜 笹村政子 六花 201706
老海女の今日の暑さを海に出づ 下平しづ子 雨月 201709
海女小屋の猫の額のほどの畑 金森教子 雨月 201710
風垣やからりと乾く海女の桶 栗坪和子 201802
磯桶も海女三代の色にして 角野良生 201801
火をくべる海女の齢の語らざる 竹中一花 201807
空豆のたわわに風の海女畑 石崎和夫 201807
海女小屋の前はあらせいとう畑 根橋宏次 やぶれ傘 201807
啓蟄の貝がらきらり海女が畑 小形博子 201906
裏庭に髪を乾かす海女の昼 須賀ゆかり 201907
海女若し磯着に隠す肌の色 小田嶋野笛 末黒野 201908
海女桶に泥はかせをり梅雨鯰 栗坪和子 201910
岩塊のやうな岩牡蠣海女荷揚げ 宮原悦子 雨月 201910
いのち綱夫に握らせ海女潜る 角野良生 201912
トロ箱に秋茄子育つ海女の軒 加瀬伸子 末黒野 202001
あわび蒸す昔海女だといふ女将 松本善一 やぶれ傘 202002
海女小屋の寸土の畑の秋茄子 金森教子 雨月 202002
板塀の海女小屋漏るる秋夕焼 金森教子 雨月 202002
板塀に囲ふ海女小屋秋の風 蒲田雅子 雨月 202002
海女の笛悲しきときは哀しき音 森岡正作 202004
をちこちに海女を放ちて船帰る 森岡正作 202005
鳶の輪の中を潜りて海女の笛 森岡正作 202005
鳶の輪を突き抜け海女の笛高し 平松うさぎ 202005
おほどかに乳含ませる海女の昼 塙誠一郎 202006
海女もぐる足裏に視線あつめては 菊地光子 202006
あらせいとう海女のほまちの岬畑 大沢美智子 202006
磯海女や額に海光したたら 岡野里子 末黒野 202007
海女小屋の煙棚引く昼下り 上野進 春燈 202007
息綱の夫を操る船人海女 上野進 春燈 202007
磯桶に磯笛ひとつ陸人海女 上野進 春燈 202007
海女小屋に集ひし単車伊勢の海 上野進 春燈 202007
岩牡蠣は海女神の舌絡みくる 山田六甲 六花 202010
海の水かけ海女たちの焚火果つ 足立枝里 202101
海女 →1

 

2021年3月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。