海 女 1      200句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
荒縄でかこふ海女小屋猫の恋 皆川盤水 春耕 199806
水温む海女の髪梳く櫛光る 牧岡万里子 春耕 199806
海女のほか知らぬ近道かも知れず 斉藤百々子 199809
沖膾海女は濡れ髪手絞りに 皆川盤水 春耕 199809
鮑桶海女のたつきの何もかも 鈴鹿野風呂 京鹿子 199810
海女たのし砂に腹這ひ瓜かぢる 鈴鹿野風呂 京鹿子 199810
をしげなく海女の呉たる焼鮑 鈴鹿野風呂 京鹿子 199810
濱木綿や便乘たのむ海女の舟 鈴鹿野風呂 京鹿子 199810
南風やのりこぼれ出る海女小舟 鈴鹿野風呂 京鹿子 199810
目つぶりて海女が髪硫く桃の花 樋口英子 朝桜 199904
水仙や海女小屋未だ鍵解かず 岩崎きゑ子 馬醉木 199906
荒波のさばき上手に若布刈海女 水田清子 199906
海光を抱へて海女の若布干す 水田清子 199906
海女が出て売る海光の新若布 水田清子 199906
朝はやき海女町つばめの消灯夫 丸山海道 京鹿子 199906
磯なげきかたみに鮑海女浮沈 安陪青人 雨月 199907
海女着乾す釘の錆びゐる卯月かな 御子柴光子 春耕 199907
出開帳百万遍に海女集ふ 古里蝶次 199907
汐の香の海女の来てをる仏生会 水田清子 199907
一列に乾く海女桶梅雨の明 金子きくえ 春耕 199908
忍冬や風に乗りくる海女の笛 千手和子 馬醉木 199909
玫瑰や海女の外出の楚々として 粕谷澄 馬醉木 199909
海女着干す軒十薬も吊しけり 山本雅子 馬醉木 199910
汐汲の海女の桶干す盆休 寺崎美江女 春耕 199910
老海女の安房をはなれず温室を守る 中村翠湖 馬醉木 200003
日溜りに網刺す海女の手毬唄 中村翠湖 馬醉木 200003
水仙の香につつまれし海女の墓 三浦みち子 200003
長き髪梳きゐる海女の初鏡 斉藤輝子 春耕 200004
海苔掻きて沖見る海女の眼の燃ゆる 片田千鶴 馬醉木 200005
十尋海女冬の荒布を拾ふなり 片田千鶴 馬醉木 200005
こまやかに畑打つ海女へ鴎飛ぶ 皆川盤水 春耕 200006
昼顔や屈託のなき海女の笑み 水原春郎 馬醉木 200007
磯海女の暖とる小屋は窓もなし 水原春郎 馬醉木 200007
黒髪をふりほどきつつ海女の徒 栗栖恵通子 200007
浮かび出て濡れ身かがやく鮑海女 山田弘子 円虹 200007
海底は海女の仕事場すべて知る 永野秀峰 ぐろっけ 200007
戻り海女昼餉の韮を桶に摘み 山本雅子 馬醉木 200008
海女小屋に麦稈帽が母を待つ 清水節子 馬醉木 200009
桶押して卯波に乗りし徒人海女 中村翠湖 馬醉木 200009
海女あまた礁の浜に天草取る 小林螢二 春耕 200009
手秤を信じて海女の鮑買ふ 長谷川杜人 200009
海女通ふ径に拾ひし落し文 鈴木夢亭 春耕 200009
隠れ礁つたひてもどる天草海女 中村翠湖 馬醉木 200009
漁了へし火を揚ぐ海女の冷し飴 中村房子 馬醉木 200010
海神に真水をささぐ盆の海女 皆川盤水 春耕 200010
天草小屋脱ぎすててある海女のもの 石鍋みさ代 春耕 200011
雨月いま渋き声張る海女太夫 中村房子 馬醉木 200012
糶市の海女のたか声十二月 皆川盤水 春耕 200101
炎天の札所の隅に海女の墓 永野秀峰 ぐろっけ 200101
浮いてきし海女の磯笛冬日洩る 浜口高子 火星 200104
潮濡れの海女初蝶を連れ戻る 一瀬昭子 馬酔木 200106
汐しづくして海女通る雲の峰 ほんだゆき 馬酔木 200107
車座に獲物見せ合ひ海女溜まり 小柴しげあき 200108
藍浴衣仕舞渡舟の海女まれに 大西桑風 馬酔木 200108
花ひさぐまれの遠出や地付海女 大西桑風 馬酔木 200108
声高の布良の海女らし藤の雨 大西桑風 馬酔木 200108
妻在らば聞き耳ぞ立つ海女の笛 大西桑風 馬酔木 200108
蟹走るところや海女の休み岩 中山砂光子 200109
立葵海女小屋少し傾ぎゐて 菊池育子 遠嶺 200110
訛濃き海女どやどやと盆の市 古市枯声 春耕 200110
白南風や海女たて膝に魚捌く 近藤暁代 馬醉木 200110
波の寄るとき見ゆ海女の命樽 高木良多 春耕 200110
海女小屋に小鏡ありぬ磯開 安達実生子 200111
若き海女着替へて車運転す 坂口みほ子 ぐろっけ 200112
海荒れて日焼海女ゐる映画館 三原清暁 春耕 200112
海女小屋を閉ぢ鍋釜に夜長かな 藤野智弘 200201
荒縄で括る海女小屋残る虫 藤野智弘 200201
石蕗咲くや吹きつさらしの海女の墓 杉江茂義 雲の峰 200201
祭笛日暮れて海女の連れ立ちぬ 石川個子 馬醉木 200201
小春日や幅海苔干して海女溜り 井口光石 風土 200202
研師きて海女の焚火に寄りてゆく 小山香月 酸漿 200202
春潮にとんぼを切りて海女光る 佐藤真次 200202
屋根までも蒲団干しある海女の宿 中村敏夫 春耕 200202
里神楽海女も今宵は化粧して 中村風信子 馬醉木 200203
水仙や風の岬に海女の像 布谷洋子 春耕 200203
干潟行く松藻剥ぐ海女賑やかに 古里蝶次 200204
舟人海女息のかよへる綱緩め 澤田緑生 馬醉木 200204
雛飾り一間浄らに海女住める 一瀬昭子 馬醉木 200205
浜風や海苔干す海女の指の荒れ 岩永節子 春耕 200205
引く鴨にすつくと海女の影法師 梶浦玲良子 波小舟 200205
丸出しの志摩の訛や鮑海女 小山香月 酸漿 200206
青饅や海女の踊りにはんや節 近藤幸三郎 風土 200206
海女御殿築きて飾る雛かな 下平しづ子 雨月 200206
巣立鳥小昼の海女の目の前に 皆川美恵子 春耕 200206
舟唄や海女の加はる雁供養 中村翠湖 馬醉木 200206
たまきはる命鳴き交ふ海女の笛 廣島泰三 200206
磯海女の笑つて齢はぐらかす 成重佐伊子 雲の峰 200206
早梅や海女の桶干す石鏡郷 長田等 200207
波の花凝りて浜木綿海女が島 水島夜雨 京鹿子 200208
海女小屋の秋の風鈴鳴り出せり 宮原みさを 花月亭 200208
海女船の着くや花めく夏の浜 吉田王里 風土 200208
海女小屋の主顔して大夏炉 吉田王里 風土 200208
海女の子の木登り上手雲の峰 久松久子 百鳥 200209
蔓荊を垣根となせり海女の家 広瀬元 200209
船遊び海女の獲りたるもの焼きて 下平しづ子 雨月 200210
海女百戸玉葱を吊る数戸あり 村元子潮 ホトトギス 200210
玉葱を吊る庇照り海女の住む 村元子潮 ホトトギス 200210
黒南風や軒下低き海女の家 中沢三省 風土 200210
酸漿のやうやく鳴りぬ習ひ海女 前田青紀 馬醉木 200210
トロ箱の花を供華とす海女の葬 荒井千佐代 200210
熱海海女たつた一人となりたると 嶋田一歩 ホトトギス 200212
海女止めて写経の日々であると聞く 嶋田一歩 ホトトギス 200212
海女小屋に運ぶ煮染や浦祭 政木紫野 馬醉木 200212
貝を干す海女の通ひ路鳳仙花 堤京子 馬醉木 200212
海女小屋の傾いてゐる鰯雲 水田清子 200302
手づかみに海女がくれたり尾花蛸 西村博子 馬醉木 200302
消えかけし海女の名札や海鼠舟 西岡美代子 百鳥 200304
水仙の日射しの揺れて海女の墓 城石美津子 京鹿子 200304
海光をむんずと海女の束ね髪 岡本眸 200305
磯開き明治生れの海女一途 中村公代 雨月 200305
磯畑に海女の鋤き込む花菜屑 松原安治 遠嶺 200305
海女の家暗しストック束ねをり 西山美枝子 酸漿 200306
休み海女五番萌てふ海苔を掻く 西山美枝子 酸漿 200306
磯着干す潮癖せ知らぬ稽古海女 安達実生子 200307
茄子の苗植ゑて和めり休み海女 一瀬昭子 馬醉木 200307
椿咲くひとつを供華に海女の墓 塩路隆子 花衣 200307
海女番屋ひねもす屯して遅日 古田考鵬 雨月 200307
就職の海女と決まりし真珠島 松原安治 遠嶺 200307
浦島草海女の通ひ路崖険し 室伏みどり 雨月 200307
朝顔の水色小さし海女の垣 関口ゆき あを 200307
絵日傘に手をあげ海女の潜りけり 怱那保 雲の峯 200308
海女あがる黒潮の髪曳きながら 苑実耶 200308
三日田を植ゑたる海女の濤怖る 下平しづ子 雨月 200308
素潜りの蹴る足白し栄螺海女 吉田多美 京鹿子 200309
あし裏に大きな黒子昼寝海女 川島真砂夫 200309
海女戻り潮病みしたる髪洗ふ 下平しづ子 雨月 200309
盆休み海女の鳴らせる海酸漿 冨田みのる 200310
松明をいのちと掲げ夜泳海女 柴崎英子 200310
夏霧の一山越せば海女の里 中北栄子 200310
鮫除けの護符を磯着に鮑海女 松原安治 遠嶺 200310
夜泳海女あがり金星かがやけり 柴崎英子 200310
安房の国夜は火の色に海女まつり 矢崎すみ子 200310
浜木綿や真昼寂しき海女の里 中北栄子 200311
先頭の海女初々し夏祭 中北栄子 200311
十日遅れて精霊流す海女の村 福井久生 200311
寒晴や海人より太き海女のこゑ 青山悠 200312
潜かんと空へ身反らす鮑海女 柴崎英子 200312
自転車を連ねゆく海女春祭 堀内康男 帆船 200401
夕凪や紅葉かつ散る海女の墓 近藤幸三郎 風土 200402
干鰈一気に乾き海女の路地 久保知音 対岸 200402
小春凪せはしく細し海女の笛 内山花葉 200402
海女小屋の四隅に春の砂袋 永野順江 対岸 200404
黒海鼠獲るはひとりの海女なりし 九万田一海 河鹿 200404
大焚火海女の雫の砂に染む 小野寺靖 百鳥 200404
沖荒れに車座の海女目刺焼く 大畠政子 雨月 200405
海を出し海女のしばらく声持たず 柴田佐知子 200405
虎杖や昔は海女の径ありて 小山香月 酸漿 200407
海女の笛天にのぼつてゆきにけり 谷口佳世子 200407
桶ゆらし海をとぢゆく海女の笛 坂口美代子 河鹿 200407
花大根海女ひらひらと通り過ぐ 元田千重 火星 200408
海女小屋を風吹きぬくる花蜜柑 前田青紀 馬醉木 200408
わつぱ煮の石焼く海女や島薄暑 佐藤雄二 万象 200408
菊挿すは海女かも島の聖堂下 木下慈子 馬醉木 200409
海女小屋の木枕を干す秋旱 皆川盤水 京鹿子 200409
大西日桶滴りて稽古海女 林敬子 酸漿 200409
御饌鮑採るべう海女は荒海に 味村志津子 雨月 200410
御饌鮑仕留めし海女の七十路と 味村志津子 雨月 200410
台風の余波の高濤海女潜く 室伏みどり 雨月 200410
浜木綿や見習ひ海女の母の桶 中村重雄 百鳥 200410
しけの浜に?の長き鮑海女 味村志津子 雨月 200410
三潜海女見事な黒の大鮑 室伏みどり 雨月 200410
曽て虚子見に来し海女の海に停つ 下平しづ子 雨月 200411
髪匂はせ海女連れだてる秋祭 水田清子 200411
雲の峰命綱つけ海女潜る 渡辺政子 雲の峰 200411
親子海女貝選り分くる声さやか 宇野慂子 万象 200412
桟敷席海女にあたへて浦芝居 大橋淳一 雨月 200412
紫苑晴海女の小路のひつそりと 宇野慂子 万象 200412
子を抱きし海女も来てをり浦まつり 櫻井幹郎 百鳥 200502
舟霊へ水仙剪りし海女ら来る 矢澤壽美 200504
嬰を抱ける海女の胸元初おぼろ 矢澤壽美 200504
皺の手を隠さず海女の目も笑ふ あさなが捷 200505
休日の海女かぎりなく乾きけり 青山丈 200505
冬濤や海女小屋すべて塞がるる 松林順子 雨月 200505
船笛に海苔掻く海女は背を伸す 柴野静 200506
健啖の米寿の海女や草の餅 前田青紀 馬醉木 200506
鮑海女岩陰を出てかがやけり 大串章 百鳥 200507
海女二代阿吽の息の長かりし 和田幸江 春燈 200507
花烏賊の蔭に干したる海女衣 島すが子 200507
火を囲む海女の羽織るや紺絣 和田幸江 春燈 200507
稽古海女潜るに外すイヤリング 和田幸江 春燈 200507
卯波とは海女桶揺らす波のこと 遠野萌 200507
薫風や花束受くる習ひ海女 木下玉葉子 酸漿 200508
解禁を待ちつつ海女の蓬摘む 東野鈴子 雨月 200508
海女どちや浮かぶたび雲ひとつなし 定梶じょう あを 200508
荒梅雨や潮見窓より海女覗く 淵脇護 河鹿 200509
石積の海女の畑やスイートピー 藤田佑美子 栴檀 200509
海女小屋の汐木貯ふ祭まへ 服部鹿頭矢 馬醉木 200509
海女潜く麦藁帽を磯に置き 服部鹿頭矢 馬醉木 200509
海女笛や若狭の沖に舳倉舟 浜明史 風土 200509
海女舟を遠くに鴎らの宴 浜明史 風土 200509
赤銅にたうさぎ白き舳倉海女 浜明史 風土 200509
梅雨晴や海女沈めける藻の林 服部鹿頭矢 馬醉木 200509
銛のごと真直ぐ海女の潜りゆく 柴田佐知子 200510
赤い糸転じて海女の命綱 物江晴子 八千草 200510
いわし雲三日寝込みて海女逝けり 松井志津子 200510
海女笛の余韻明るし志摩の昼 上間和子 八千草 200510
沖海女はシンクロスイム元祖かも 上間和子 八千草 200510
島の海女似たり寄たりの年増かな 山元志津香 八千草 200510
上がり来て海女の髪梳く掛け鏡 菅原末野 風土 200511
あはび海女一気に上ぐる命綱 田村愛子 万象 200511
海女 →2      

 

2021年3月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。