秋澄む 3      200句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
屋上の宴さざめき秋澄みぬ 相沢有理子 風土 201201
日本の空に目覚めて秋澄めり 森田子月 ぐろっけ 201201
影富士の肩に入り日や秋気澄む 永塚尚代 ぐろっけ 201201
交差して張る纜や秋澄めり 鳳蛮華 201202
再読の「俳話一滴」秋気澄む 近藤きくえ 201202
焦がれ来しエーゲ蒼海秋澄めり 紀川和子 うらら 201202
入り船の音や秋澄む盛漁期 座古稔子 201202
城下町つなぐ疎水や秋澄めり 岩永はるみ 白雨 201203
リフトより富士を遠見に秋澄めり 大川暉美 末黒野 201204
雲映す池広びろと秋気澄む 加藤静江 末黒野 201211
森渡る風の行方や秋澄める 松本三千夫 末黒野 201211
渺渺と鳰の湖あり秋澄める 酒井秀郎 返り花 201211
煉瓦古りて学生街の秋澄みぬ 小池清司 かさね 201211
秋澄めり耳を刺したる超音波 坂上香菜 201211
秋澄むや葉裏に残る昨夜の雨 菅野日出子 末黒野 201211
秋澄むや民芸館にまぐさの香 山本耀子 火星 201211
秋澄むや水の松江の千鳥城 酒井秀郎 返り花 201211
秋澄むや眼鏡支ふる耳ふたつ 松本三千夫 末黒野 201211
秋澄むや海を遠見のハーブテイー 藤見佳楠子 201211
秋澄むやもこりと子鳩吾に向く 赤座典子 あを 201211
長兄の影なき米寿秋澄めり 丹後みゆき ぐろっけ 201212
張り板の布あざやかに秋気澄む 相沢有理子 風土 201212
九十九折りの参道秋気澄みにけり 南恵子 万象 201212
ぎりぎりの余命に秋の澄みにけり 柴田佐知子 201212
澄む秋の語尾ながく曳き朝市女 千田百里 201212
白壁に水陽炎や秋澄めり 藤井君江 馬醉木 201212
たばこ屋の明治の看板秋澄めり 山本みゆき 万象 201212
あかあかと地獄絵図あり秋気澄む 橋本榮治 馬醉木 201212
秋澄むや不二の見えない富士見坂 河村啓花 ろんど 201212
秋澄むや猫も耳かす遠汽笛 小山繁子 春燈 201212
秋澄むや筑波嶺黒く土手の上 和田勝信 かさね 201212
秋澄むや静寂の夜の時計音 森岡陽子 かさね 201212
秋澄むや新車を祓る大社 柴田志津子 201212
秋澄むや円空仏の粗削り 戸田春月 火星 201212
秋澄むや茜の空の鳩の群 田中清秀 かさね 201212
秋気澄む乗鞍よりの槍穂高 藤井久仁子 ぐろっけ 201212
夫遺せし観音像や秋気澄み 横山昭子 雨月 201212
一本松の木霊寝かさる秋澄む日 中山皓雪 201212
厳かに三井の晩鐘秋気澄む 増田一代 201301
畳々と白神山地秋澄めり 大畑善昭 201301
あちこちに子規の句碑あり秋澄める 山崎里美 201301
秋澄めり原発止めよのデモのなか 須賀敏子 あを 201301
秋澄むや名札つけたる同窓会 石川叔子 201301
秋澄むや松の影置く銀沙灘 大橋伊佐子 末黒野 201301
秋澄むや山のむかうに海の声 石井一石 京鹿子 201301
秋澄むや御ん目やさしき女身仏 中石士亮 万象 201301
秋澄むや桐の板乾す奥会津 原友子 201301
秋澄みて牛点景の牧場かな 城戸緑 末黒野 201301
秋気澄む熊野詣の今むかし 坂根宏子 201301
川底の石の白さや秋澄めり 内田梢 末黒野 201301
雲の影映す小流れ秋澄めり 和田慈子 末黒野 201301
巻雲の二筋三筋秋澄めり 山崎稔子 末黒野 201302
岳樺の続く山道秋澄めり 占部美弥子 末黒野 201302
秋澄めり鴎の声の蒼むほど 金子野生 京鹿子 201302
秋澄むや魚籠逆しまに干されあり 坂場章子 201302
秋気澄む弓飾られし蔵屋敷 大森尚子 風土 201302
黒玉子剥けば真つ白秋澄めり 間島あきら 風土 201302
秋澄んで稚児行列のしんがりに 陽山道子 船団 201304
婚旅行ドル替えも済み秋澄めり 藤田宣子 ぐろっけ 201305
十和田湖は緑の壺中秋澄めり 能村研三 201311
秋澄む日群を追ひ行く牧羊犬 林八重子 馬醉木 201311
秋澄むや十二神将の立ち姿 松本周二 かさね 201311
秋澄むや昨夜の雨滴の軒廂 小山繁子 春燈 201311
秋澄みて新人車掌シャツ青き 石川かおり 201311
逃したる魚の波紋や秋澄みぬ 藤井君江 馬醉木 201311
継がれきし飴切るリズム秋澄みぬ 川井素川 かさね 201312
キャンパスの高き球音秋澄める 大橋晄 雨月 201312
石段を登る足音秋澄む日 白石正躬 やぶれ傘 201312
澄む秋の竹林立の斜へかな 能村研三 201312
牛乳のいよいよ甘く秋澄めり 森岡正作 201312
水煙の笛吹く飛天秋澄める 松本三千夫 末黒野 201312
立上がる恐竜オブジェ秋澄める 片岡久美子 201312
秋澄むや護国神社へ法燈料 椿和枝 201312
秋澄めるもののひとつの能登瓦 千田敬 201312
秋澄むや大樽でんと峠酒舗 辻知代子 201312
秋澄むや火口湖藍を深めたる 黒滝志麻子 末黒野 201312
秋気澄むバンダナ粋に装蹄師 相沢有理子 風土 201312
寝転びて地球の息吹秋澄めり 松田和子 201312
仏恩に浸る半日秋澄めり 磯野しをり 雨月 201312
晩鐘の遙か塔より秋澄めり 山本孝子 ろんど 201312
八ヶ岳の彼方に富士山や秋気澄み 塩見治郎 雨月 201312
駅長の確認の指秋澄めり 有本惠美子 ろんど 201312
校舎より響く和太鼓秋澄めり 岡野里子 末黒野 201312
庭の木に野鳥一声秋澄めり 森岡陽子 かさね 201312
まつさらな釘を打ち込み秋気澄む 有松洋子 201312
愛を告ぐときめきに似て秋澄む日 大畑善昭 201312
鍔口のなき神宮や秋澄める 松本三千夫 末黒野 201401
生き伸びて紹る手足や秋気澄む 山内碧 201401
日蓮の辻説法跡秋澄めり 神山節子 201401
秋澄むや奥遠く見ゆ槍ヶ岳 森田尚宏 201401
秋気澄む杜の神鶏見え隠れ 松本三千夫 末黒野 201401
秋気澄むチャペルの島へ手漕ぎ舟 門伝史会 風土 201401
色褪せぬ花押の墨や秋澄めり 竹田ひろ子 ろんど 201401
狂言の土蜘蛛の糸秋澄めり 村上留美子 火星 201401
彩色の仏画の前や秋気澄む 林いづみ 風土 201401
千木堅魚木玉垣門の秋澄める 松本三千夫 末黒野 201401
等々力の修験の滝や秋気澄む 菅野日出子 末黒野 201401
生き伸びて細る手足や秋気澄む 山内碧 201402
天守閣なき城址や秋澄めり 野畑さゆり 201402
稜線のたしかなうねり秋澄めり 遠山のり子 201402
欠伸する程の長生き秋気澄む 松田都青 京鹿子 201402
秋澄める村の御守り男綱 石川かおり 福袋 201404
ブローチにしたき桐の実秋澄みぬ 森清信子 末黒野 201404
秋澄むやいちにち思ひ出の中に 今井肖子 ホトトギス 201406
恙なきサファイア婚や秋澄みて 山口キミコ 201411
秋澄むや汀に残る足の跡 黒住康晴 201411
秋澄める三井晩鐘の一打かな 坂上香菜 201411
秋気澄む岡部旅籠の撥ね上げ戸 能村研三 201411
糸を縒る形は祈り秋澄めり 平松うさぎ 201411
要らぬもの殖やす現世や秋澄めり 荒井千佐代 201411
西行の井戸や秋澄みつつ昏む 山田六甲 六花 201411
水音の轟き那智の秋気澄む 伊東和子 201412
復元の古代山城秋澄めり 片岡久美子 201412
秋澄みて琵琶湖大橋五十年 竹内悦子 201412
秋澄みて三の間の景際立てり 山口キミコ 201412
名水の秋澄む音を掬ひけり 粟倉昌子 201412
雲龍図の天井迫る秋澄めり 石川かおり 201412
朝粥の匙の木目や秋気澄み 成智いづみ 馬醉木 201412
古書市に青天井の秋澄めり 黒滝志麻子 末黒野 201412
贅沢は敵の青春秋澄めり 小菅礼子 春燈 201412
文机の螺鈿細工や秋澄めり 今井春生 201412
職人の道具の手入れ秋澄めり 小林朱夏 201412
秋澄むやおしやれカットの犬のゐて 中貞子 201412
秋澄むや空へゆく道知つてをり 有松洋子 201412
古書店の青磁の壺に秋澄めり 本木茂 万象 201412
石垣の上は天空秋澄めり つじあきこ 201412
秋澄んで名前は聞かずまたいつか 笹村恵美子 201412
蝋燭を消して蝋の香秋澄めり 宮川みね子 風土 201412
秋気澄む高楼に時刻む音 浜福恵 風土 201412
琴の音のやさしき音色秋澄む日 岡野ひろ子 201412
秋澄むやどこかさみしき真昼かな 黒澤登美枝 201412
木道にかろき靴音秋澄めり 箕輪カオル 201501
澄む秋の犬笛を待つ牧羊犬 吉田政江 201501
秋澄むやナイフのごとき魚潜む 松田泰子 末黒野 201501
川底の砂紋明かや秋澄めり 岡野里子 末黒野 201501
真直ぐなマララの瞳秋澄めり 岩木茂 風土 201501
秋澄むや石の語りし高畑 竹田ひろ子 ろんど 201501
秋澄むや見えないものが見えて来し 佐藤弘香 ろんど 201501
いづこより調律の音秋気澄む 菅野日出子 末黒野 201502
秋気澄む手動のドアの一輛車 加藤静江 末黒野 201502
水神へ捧ぐる一句秋澄めり 加藤静江 末黒野 201502
八の字に開く蔵の戸秋気澄む 山崎稔子 末黒野 201502
貴婦人という帆船や秋澄める 秋山文子 末黒野 201502
秋澄むや北へゆつくり飛行船 滋野暁 末黒野 201502
秋澄むや峰に吸はるる鐘の声 沢辺たけし 万象 201502
秋気澄むはち切れさうな握り飯 北川孝子 京鹿子 201503
あぢさゐの疲れし葉にも秋気澄む 布川直幸 201508
竹の葉にひしめく光り秋澄めり 布川直幸 201509
秋澄むや読み聞かせたる声のいろ 井上静子 201511
一人来て増ゆる一燈秋気澄む 柴田佐知子 201511
秋澄めり消防団はかけ足で あさなが捷 201511
秋澄みて序奏は低き習ひ笛 能村研三 201511
秋澄むや奢る灯連ね深夜景 能村研三 201511
秋澄めり町の匂といふがあり 楠原幹子 201511
秋澄むや博物館の中は江戸 岡真紗子 201511
秋気澄む葵の紋の社殿群 鈴鹿呂仁 京鹿子 201512
秋澄めり沈黙といふ思ひやり 北川孝子 京鹿子 201512
秋澄むや親睦兼ねる奉仕の日 長崎桂子 あを 201512
秋澄むやきりりと味噌の樽の箍 田中臥石 末黒野 201512
北の間の四角いろいろ秋澄めり 柿沼盟子 風土 201512

 エルミタージュ美術館

秋澄むや金の孔雀の大時計

奥田茶々 風土 201512
アカペラの五人の聖歌秋気澄む 奥田茶々 風土 201512
家康の奉刀二振り秋気澄む 吉永すみれ 風土 201512
峰の松等間隔に秋澄めり 生田恵美子 風土 201512
秋気澄む奉仕の禰宜の白袴 山田由利枝 雨月 201512
等伯の父子の襖絵秋気澄む 橋添やよひ 風土 201512
アンカーに渡るバトンや秋澄めり 鈴木庸子 風土 201512
秋気澄む雲ふんはりと浅間山 鏡英子 末黒野 201601
秋澄めり夜叉神峠あっ北岳 須賀敏子 あを 201601
秋澄むや天下要の甲府城 前田美恵子 201601
秋澄める海一望や婚の鐘 土屋光男 春燈 201601
澄む秋や白鷺首を入るる空 矢野百合子 201601
秋澄めり牧に草食む牛の数 石川叔子 201601
聖餐のパンと葡萄酒秋澄みぬ 森田節子 風土 201602
陽明門は日の本の魂秋澄めり 伊藤希眸 京鹿子 201602
追憶は追うほど深し秋気澄む 北川孝子 京鹿子 201602
婚祝ふ鳳凰の舞秋澄めり 岡山敦子 京鹿子 201602
秋澄めりメヌエット聴くティータイム 田中信行 201602
ワイン手に仰ぐ連峰秋澄めり 藤沢秀永 201602
安達太良のほんとの空や秋澄めり 八城洋子 末黒野 201603
秋気澄む開け放されし阿弥陀堂 石川賢吾 201603
秋澄むや避けて通れぬ六本木 町山公孝 201611
秋澄むや鳴かせて磨く硝子窓 鎌田八重子 馬酔木 201611
秋気澄む古墳はとうにただの山 吉田葎 201611
秋澄むや身うち透きゆく水の音 都丸美陽子 春燈 201611
巡業の櫓太鼓や秋気澄む 菅谷たけし 201612
山上の湖コバルトに秋澄めり 矢崎すみ子 201612
秋澄むや詠み手読み手のよき間合 大矢恒彦 201612
秋澄むや影を曳きたる澪標 寺田すず江 201612
権現を祀る鞍馬の秋澄めり 橋添やよひ 風土 201612
秋澄むや入り江の幾つ岬幾つ 高橋まき子 風土 201612
笹鳴つて子規の墓前や秋澄める 内藤静 風土 201612
谷底を下るSL秋気澄む 藤沢秀永 201612
秋澄むや易やすと越す県境 永井惠子 春燈 201612
神官の砂利の沓音秋澄める 松本三千夫 末黒野 201612
蔵王より月山望む秋澄めり 田中臥石 末黒野 201612
澄む秋の気球は空の感嘆符 七種年男 輪中の空 201612
虚子に面晤得て六十年秋澄めり 大橋晄 雨月 201701
伊吹嶺に触れむばかりや秋気澄み 森脇貞子 雨月 201701
三百回の句座なり谷戸の秋気澄む 落合絹代 雨月 201701
秋澄む →4      

 

2021年9月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。