秋澄む 2      200句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
魚はねて広がる水輪秋気澄む 丹生をだまき 京鹿子 200702
秋澄みて海境確と一を引く 友田直文 200702
六角堂の大吉みくじ秋澄めり 中川すみ子 200702
秋澄むやつるつる英文案内書 川崎光一郎 京鹿子 200702
秋気澄む大きな口の鯉の列 阿部正枝 遠嶺 200702
広島の秋澄む川を渡りけり 山中宏子 200702
秋澄むや銀箔のなき銀閣寺 川崎光一郎 京鹿子 200703
ラッピングしたき秋澄む三渓園 芦川まり 八千草 200704
澄む秋の火影も母の吉野窓 小澤克己 遠嶺 200709
待つて待つて決まる玉稿秋澄めり 鈴木榮子 春燈 200710
普請場の超高層に秋澄めり 能村研三 200710
大堂の未完の竜や秋気澄む 及川澄江 風土 200711
澄む秋の画布をはみ出す波しぶき 横田初美 春燈 200711
秋澄むや木挽小屋より人のこゑ 林八重子 馬醉木 200711
化粧水一滴の手の秋澄めり 沼田桂子 春燈 200711
浅沓の禰宜の祝詞に秋気澄む 望月洋子 200712
水銀柱一夜にちぢみ秋澄めり 北川英子 200712
振子時計なき時計屋の秋澄めり 黒澤登美枝 200712
遊び紙に翁草の繪秋澄めり 竹中一花 200712
秋澄みて夫ふるさとへ帰りけり 樺山翠 雨月 200712
秋澄めりこふの鳥の雛空に舞ふ 磯野たか 風土 200712
秋澄めり筆跡通ふ親子句碑 永田二三子 酸漿 200712
秋澄めり笑みて素顔を紛らせり 野瀬マツエ 200712
秋澄むやからまつ金の針降らせ 栗原公子 200712
秋澄むに注射器で香絞り出す 乃美隆子 200712
望楼の風鐸に穴秋気澄む 田村園子 200712
七色の水引細工澄める秋 いしだゆか 遠嶺 200712
法の山十三里四方秋澄めり 曽根治子 風土 200712
澄む秋の茶筅通しの湯の滾り 中野京子 200712
日本の顔とて富士の秋澄めり 森岡正作 200712
妻よ汝の血の継がるるぞ秋澄めり 大橋晄 雨月 200712
嬰の目の黒きつぶらに秋澄めり 小城綾子 200712
見渡して富士の曲線秋気澄む 井上紀子 200801
澄む秋の綺羅星こぞり遠嶺の輪 青木久子 遠嶺 200801
霊山の樹々の聳立秋澄める 堀田こう 雨月 200801
秋澄むや翡翠の色の鴉の目 大坪景章 万象 200801
秋澄むや鳥声流す駅ホーム 西岡啓子 春燈 200801
秋気澄み羅漢二体の耳うちす 近藤きくえ 200801
時計回りに供ふる榊秋気澄む 服部早苗 200801
澄む秋の七十七のふぐりかな 苑田ひろまさ 200801
いくたびも魚跳ぬる川秋澄めり 亀ヶ谷照子 遠嶺 200801
行間に詩のあり秋気澄みてをり 近藤喜子 200801
一列に歩く木道秋気澄む 瀬戸悠 風土 200801
橋桁に水のぶつかる秋気澄む 濱地恵理子 200802
秋澄みて敵味方なき旅順口 田中敬 200802
秋澄める高野大門仁王立つ 古永すみれ 風土 200802
秋澄めりヴァイオーンの音殊更に 渡邊由江 200802
秋澄むやこの東京に師のおはす 生方ふよう 200802
ぽんと抜く茶筒の音や秋澄みて 後條さと子 200802
秋澄むやちゃんづけで呼ぶ友のいて 陽山道子 船団 200803
秋気澄みけり入魂の師の碑より 柴崎英子 絹の波 200806
ルネッサンス志の地秋澄めり 能村研三 200810
「柵」打つは志功のしるべ秋澄めり 能村研三 200811
森のなか隅々までも秋澄めり 村越化石 200811
秋澄むや樹齢千年杉並木 松田和子 200811
秋気澄む堂の静謐四天王 笠井清佑 200811
鉈彫の瑠璃光如来秋澄めり 天野みゆき 風土 200811
澄む秋の澄めるだけ澄み匂はざる 細川洋子 200811
アンリ・ルソーの雲と飛行船秋澄む日 中尾硫苦 炎環 200812
筒上げの轆轤の土や秋気澄む 能村研三 200812
浅間嶺をぐいと引きつけ秋澄めり 薗田英治 遠嶺 200812
教会の正午打つ鐘秋澄めり 岡田弘子 遠嶺 200812
秋澄みて恙無しやと米国へ 市村義夫 風土 200812
秋澄むや川面にビルを横たへて 丹羽敦子 酸漿 200812
海峡の渦の小さし秋澄みて 坂根宏子 200812
秋澄みて木曾の大橋渡りけり 及川澄江 風土 200812
写真機や秋澄むほどに遠き山 大原貴彦 炎環 200812
墨香の詩の一巻秋気澄む 水野あき子 遠嶺 200812
能書なる館閣体に秋澄めり 小澤克己 遠嶺 200812
幸運の証の黒子秋気澄む 星井千恵子 遠嶺 200812
マリンバの音の軽やかや秋澄める 田麦かつ江 200812
宮殿の大きな壁画秋気澄む 長瀬恒子 遠嶺 200901
水琴窟の透き通る音秋澄みて 廣見知子 200901
信楽に澄みゆく秋をみたしけり 服部早苗 200901
蒸気機関車据ゑたる上野秋気澄み 古川さかえ 酸漿 200901
秋澄める鳰の湖凪ぐ日和かな 高谷栄一 200901
余韻引くアイーダ・トランペット秋気澄む 生方義紹 春燈 200901
秋澄んで胸一点の影残さず 高木智 京鹿子 200901
秋澄めり父の手跡の自伝かな 安永圭子 風土 200901
秋澄むや登りて高き雲巌寺 佐治奈津 雨月 200901
秋澄むや射手の翁の白袴 小山徳夫 遠嶺 200901
邂逅の秋澄む師の初句集得て 服部早苗 200901
蕪村句碑毛馬長堤の秋澄める 片山喜久子 雨月 200901
師の句集樹下にひらきて秋澄めり 鈴木清子 遠嶺 200901
棟上げの槌音高し秋気澄む 堀口希望 200901
湖のぞむ比叡山の茶房秋澄める 井口淳子 200901
地下新線潜め大川秋澄みぬ 北尾章郎 200902
名にしおふ養老の滝秋気澄む 大石よし子 雨月 200902
秋澄みて細る身体髪膚かな 荒井千佐代 200904
字配りを試し書きして秋澄めり 能村研三 200909
秋澄めり生え初めし歯を見せに来る 佐藤山人 200910
めぐすりのきの葉の緑秋澄めり 阿部ひろし 酸漿 200910
久々に浅間見えたり秋澄める 早崎泰江 あを 200911
表参道バギーの多し秋澄みて 赤座典子 あを 200911
舟の名のみな佳き名なり秋澄めり 中野あぐり 春燈 200911
秋澄むや蕎麦のせいろを井桁に積み 竹内弘子 あを 200911
秋澄むと一人一人の文字は雲英 小澤克己 遠嶺 200911
上りつめし45階秋気澄む 望月晴美 200912
秋澄むや高遠城の鳥瞰図 田下宮子 200912
秋気澄む波静かなる浮御堂 増田一代 200912
有磯海潮目さだかに秋澄みぬ 大橋伊佐子 末黒野 200912
我が齢重ねるごとに秋の澄み 小澤正信 200912
秋澄むや高崎観音高くあり 佐藤喜仙 200912
秋澄むや枯山水の禅宇宙 石川かおり 200912
秋澄むや牛の鼻紋の潤へる 和田孝村 春燈 200912
秋澄みて身の内の血も澄めるかに 細川コマヱ 雨月 200912
秋澄みし湖上に凛と比良の峰 山口キミコ 200912
秋気澄む高野の裾の小さき庵 安部和子 雨月 200912
写仏両の曲線づくし秋澄めり 関根誠子 炎環 200912
死者生者つなぐ香煙秋澄める 千田百里 200912
始祖鳥の空の青さや秋気澄む 近藤喜子 200912
山彦はソプラノが好き秋澄めり 阪本哲弘 200912
まだ朝の金色堂や秋澄める 青木政江 酸漿 200912
金堂の屋根の鋭き反り秋澄める 山村修 酸漿 201001
信仰の島に鈴の音秋気澄む 藤本一城 201001
畳屋の香り懐かし秋澄みて 宮田香 201001
河幅に空を流して秋澄めり 井上あい 風土 201001
秋澄めり生絹のやうな夜の雲 宇都宮敦子 201001
秋澄めりやまとことばの祝詞冴え 大西和子 ぐろっけ 201001
秋澄むや美濃路千里を望む宿 野田しげこ 201001
秋澄むや箱根に赤き宮居あり 宮野百合子 201001
秋澄むや出羽三山の句にまみゆ 山野惣一郎 遠嶺 201001
秋気澄むすなはち伎芸天女かな 大野崇文 201001
北に箕面東に生駒秋澄めり 大橋晄 雨月 201001
火の国は水湧くところ秋澄めり 中条さゆり 201001
田沢湖のたつこの像や澄める秋 須賀敏子 あを 201001
踏み跡の続く山道秋澄める 白石正躬 やぶれ傘 201002
秋澄むや河童が統べし筑後川 柴田志津子 201002
秋澄むや水に二重の色の木々 筒井八重予 六花 201002
秋澄むや餓鬼大将は屋根の上 秋千晴 201002
秋気澄む墨痕著き朱印帳 古川敦子 末黒野 201002
秋気澄み鉦鼓のひびく天上寺 中山勢都子 ぐろっけ 201002
澄む秋のわが血を継ぎし嬰児肥ゆ 相沢有理子 風土 201002
澄める秋菊の御紋の二頭馬車 井口初江 酸漿 201003
秋気澄む千年の塔屹立し 丹生をだまき 京鹿子 201003
マルチなす宮沢賢治秋澄めり 能村研三 201009
浦上の祈りの鐘や秋澄みて 山口キミコ 201010
島三つ浮かべ琵琶湖の秋澄める 小澤菜美 201011
「幸の鐘」五点の間あい秋気澄む 東亜未 あを 201011
秋澄むと顔いつぱいに川の照り 大畑善昭 201011
秋気澄むもののふの世の勅使門 徳井節子 馬醉木 201011
海老蔵のあの目を見たや秋気澄む 角谷美恵子 ぐろっけ 201012
秋澄むや木陰に祀る水の神 清水美子 春燈 201012
秋澄めり佐渡を引き寄す望遠鏡 福島茂 201012
秋澄むや付添ひの子のあたたかく 芝宮須磨子 あを 201012
秋澄むや介護記録は「変化なし」 鈴木セツ 201012
秋澄むや遠き山並黒く濃く 高田令子 201012
秋澄みて我らも白寿目指さなむ 大橋晄 雨月 201012
秋気澄む半円形に日本海 福島茂 201012
噴火口間近や富士に秋澄める 鈴木照子 201012
浮御堂の千体仏や秋澄みて 三川美代子 201012
年月の家洗はれて秋澄めり 中島陽華 201012
高原に祝婚の鐘秋気澄む 鈴木浩子 201012
茶筌師の一子相伝秋澄める 塩見英子 雨月 201101
かはせみのぱつと水打ち秋気澄む 田所節子 201101
扁額のハングル文字や秋澄める 高村和子 春燈 201101
秋澄めりそびゆる塔に鎌の影 田中眞 201101
秋澄むや賓銭箱へ音一つ 伊藤敦子 末黒野 201101
秋澄むや楽の音に開く朱雀門 黒滝志麻子 末黒野 201101
恬澹に冥加のありて秋澄めり 石倉千賀子 ろんど 201101
秋気澄む一刀彫師の柔和な目 近藤きくえ 201101
澄む秋の京を望める龍馬像 伊東和子 201101
声明の流れて里の秋気澄む 秋山信行 やぶれ傘 201101
暁光に生るる稜線秋気澄む 楠原幹子 201101
流鏑馬の嚆矢の馬場や秋気澄む 岡野里子 末黒野 201102
仏殿の屋根は茅葺き秋澄めり 丑久保勲 やぶれ傘 201102
トルストイ説く師の白髪秋澄みぬ 中尾廣美 ぐろっけ 201102
松原のつづく湖畔や秋澄める 高谷栄一 嵯峨野 201107
秋澄みて素顔の美しき舞妓はん 布川直幸 201109
読終へて余韻極上秋澄めり 赤座典子 あをかき 201110
秋澄むや風を馳走の塩むすび 辻知代子 201111
秋澄むや風が載せくる町の音 渡邉千枝子 馬醉木 201111
下山の無事祈る法螺の音秋澄める 高橋泰子 201111
デッキより望む古代湖秋澄めり 松田和子 201111
伊吹嶺に雲の影なし秋澄めり 坂上香菜 201111
川底に揺らぐ小石や秋澄めり 立野千鶴子 末黒野 201112
橋立を逆さにしたる秋澄めり 廣畑忠明 火星 201112
神仏の降臨の里秋澄める 木戸宏子 201112
閑けさに筆擱く写経秋澄める 高谷栄一 201112
秋澄めり霊峰迫り来る如し 宮井知英 201112
秋澄むや棋神の眼さらに清む 久保久子 春燈 201112
秋澄むやワイン試飲のひと日旅 黒滝志麻子 末黒野 201112
秋澄むやひたに笛吹くをみな像 西岡啓子 春燈 201112
秋澄みて鳶の啼き声半濁音 千田敬 201112
自分史の加ふ祝ぎごと秋澄めり 芝宮須磨子 あを 201112
百歳を願ふ叔母在り秋澄める 川上恵子 雨月 201112
雲水の足の速さよ秋気澄む 渡邊泰子 春燈 201112
ケーブルカー一番前の秋澄めり 荒井慈 春燈 201112
口笛も楽器の一つ秋澄める 岡淑子 雨月 201201
声援や空のはてまで秋澄めり 堺昌子 末黒野 201201
新築の杭打つこだま秋澄めり 大川暉美 末黒野 201201
晨鐘に目覚むる暮し秋気澄む 岡野里子 末黒野 201201
秋澄むや武蔵国府の礎石跡 佐藤喜仙 かさね 201201
秋澄むや峡にをなごの船頭唄 松田和子 201201
秋澄むや牛臥す牧の天抜ける 谷口俊郎 201201
秋澄むや音高く湧く御膳水 小渕二美江 春燈 201201
秋澄みて村の四方より水の音 宮平静子 雨月 201201
秋澄みて小舟往き交ふ遠岬 宮田香 201201
秋澄みてわが身のうちも澄みにけり 瀬戸悠 風土 201201
澄む秋の思ひ馳せ来し和歌浦 尾崎みつ子 雨月 201201
秋澄む→3      

 

2021年9月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。