秋 簾 2            61句

秋簾波を収めてかかりけり    上野泰

作品
作者
掲載誌
掲載年月
スープのさめぬ距離とはいかぬ秋簾 吉澤恵美子 春燈 201511
はじめから傾いたままの秋簾 きくちきみえ やぶれ傘 201511
坪庭に雨後の日差しや秋簾 渡邊孝彦 やぶれ傘 201512
安らぎは秋の簾の奥にあり 高橋将夫 201512
秋すだれ夜は波音のみ容れて 荒井千佐代 201601
秋簾一番星へ巻き上ぐる 田岡千章 201602

 次兄逝く

兄と我隔つる秋の簾かな

千田百里 201611
少し巻きすこし傾ぎて秋すだれ 宮内とし子 201611
寅さんにすぐ会へる町秋すだれ 山本喜朗 雨月 201611
母の世に少し傾く秋簾 鎌田八重子 馬酔木 201611
秋簾佃の路地に塵もなし 内藤静 風土 201611
秋簾務め果たした色なりし 高橋将夫 201612
まだ誰も来ぬ子規庵の秋簾 奥田茶々 風土 201612
お点前へくぐりし秋のすだれかな 笹村政子 六花 201612
秋すだれ裏と表になりにけり 森田明成 201612
秋簾よりベルディーのレクイエム 荒井千佐代 201701
秋簾めぐらし吉良邸跡に住む 江見悦子 万象 201702
筬音や糸の緩びし秋簾 川村みよき 万象 201702
万物は陰陽なりや秋簾 黒川俊郎 201707
裾を打ちつけ秋のすだれと成り居たり 田部井幸枝 201711
決心の秋の簾を堅く巻き 佐藤保子 馬醉木 201711
妻すでに厨灯せり秋簾 松本鷹根 京鹿子 201711
ぺージ繰る独りとひとり秋簾 田村園子 201712
秋簾みられてならぬものみられ 本田保 春燈 201712
かくしだてするにあらねど秋簾 本田保 春燈 201712
その奥に鬼のくつろぐ秋簾 高橋将夫 201712
秋簾そば饅頭を売る蕎麦屋 渡邉孝彦 やぶれ傘 201711
豆腐屋の戸口はせまし秋簾 秋山信行 やぶれ傘 201712
触れ合つて裾の揃はぬ秋すだれ 森田明成 201802
亡き父の巻きぐせ残る秋簾 石川倜子 馬醉木 201811
秋簾木遣の鳶の影の過ぐ 森田節子 風土 201811
秋簾西日は愁ひ持ちはじむ 岡本尚子 風土 201811
今しがた雨の上がりし秋簾 木村傘休 春燈 201811
裏窓にしまひ忘れの秋すだれ 佐津のぼる 六花 201812
秋簾の向こう何やら会議中 波戸辺のばら 201812
秋簾巻かれ丸太のごとくあり 瀬戸薫 風土 201902
かくれんぼしてゐるつもり秋簾 秋千晴 201902
弓なりに吹かれてゐたる秋簾 曽根富久恵 201902
今しがた雨の上がりし秋簾 木村傘休 春燈 201811
秋簾木遣の鳶の影の過ぐ 森田節子 風土 201811
亡き父の巻きぐせ残る秋簾 石川倜子 馬醉木 201811
秋簾西日は愁ひ持ちはじむ 岡本尚子 風土 201811
秋簾の向こう何やら会議中 波戸辺のばら 201812
裏窓にしまひ忘れの秋すだれ 佐津のぼる 六花 201812
弓なりに吹かれてゐたる秋簾 曽根富久恵 201902
かくれんぼしてゐるつもり秋簾 秋千晴 201902
秋簾巻かれ丸太のごとくあり 瀬戸薫 風土 201902
翳軽くなりけり軒の秋簾 浅井青二 雨月 201912
路地裏に巻かれていたる秋簾 野口希代志 やぶれ傘 202002
こまごまと水音とどく秋簾 戸栗末廣 202003
秋簾軒先走る三輌車 長尾タイ 末黒野 202004
もう少し提げておかうか秋簾 森なほ子 あを 202011
繕はず今日を限りの秋簾 宮澤靖子 末黒野 202012
秋簾水のやうなる風抜けて 久保寺眞佐子 末黒野 202012
さやさやと影に音ある秋簾 浜田久美子 六花 202012
生活のにほひを寺の秋簾 住田千代子 六花 202101
半ば巻き秋の簾となりにけり 角野良生 202102
もすこしと秋の簾を惜しみけり 内田梢 末黒野 202104
川音の涸れきざしゐる秋簾 山田六甲 六花 202110
裏窓に巻きおかれある秋簾 山田六甲 六花 202110
「居りますか」「ゐるよ」と秋の簾越し 森岡正作 202111
秋簾坪庭にある三輪車 小山よる やぶれ傘 202111
父とそのおめかけさんや秋簾 中村嵐楓子 春燈 202111
白壁の紺屋の軒や秋簾 岡野里子 末黒野 202112
秋簾内緒話の京ことば 和田華凛 ホトトギス 202201
月の透く秋の簾となりにけり 小川玉泉 薫風 202205
眼を病める友の訃報や秋簾 坂本依誌子 春燈 202211
廃業に踏ん切る店の秋簾 能村研三 202211
洩るる灯を懐かしくして秋簾 森なほ子 あを 202211
変りなき日々を重ねて秋簾 倉智万数雄 202212
秋簾小恙ひとつ持つ余生 村上禎女 京鹿子 202301
秋簾 →1

 

2023年9月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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