秋 簾 1              206句

秋簾波を収めてかかりけり    上野泰

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
秋簾日を見送りしままに垂れ
宮津昭彦
199811
 
灸点は男泣く数秋すだれ
中島進二
銀化
199811
 
秋簾夕日の冷えてをりにけり
岡本眸
199911
 
店よりも奥の明るき秋簾
長谷川翠
馬醉木
199912
 
奈良町の風つき当たる秋簾
城孝子
火星
199912
 
秋簾祇園の昼のうらがなし
坂田隆子
199912
 
秋簾町家の奥に機の音
小田悦子
俳句通信
199912
 
三味洩れる置屋の軒の秋簾
中川濱子
ぐろっけ
199912
 
秋簾巻きて心機を転じたり
杉山瑞恵
雨月
200001
 
秋簾深し現代美術展へ
三神あすか
ヒッポ千番地
200005
 
秋簾相伝の店ひとを見ず
小林呼渓
200009
 
生命線うすくて簾名残かな
吉田島江
火星
200011
 
海青く見えゐる簾名残かな
児玉輝代
200011
 
しきたりの四角四面に秋簾
中原道夫
銀化
200011
 
我が末を垣間見てゐる秋簾
武田菜美
銀化
200011
 
夫呼びぬ秋のすだれに顔付けて
城孝子
火星
200012
 
右肩の下りて秋の簾かな
野平和風
200012
 
狷介の口より弱音秋簾
名本敦子
200102
 
家の中より風吹いて秋簾
新開一哉
円虹
200102
 
秋すだれ風に柾目のありにけり
鷹羽狩行
200109
 
巻きの端に残るさみどり秋すだれ
鷹羽狩行
200109
 
ある如くなかりし如く秋簾
稲畑汀子
ホトトギス
200109
 
かたくなに藁屋根守り秋簾
池尻足穂
俳句通信
200110
 
わが余生よしとすべきか秋すだれ
久保東海司
200110
 
秋簾庭に夕風生まれけり
宮倉浅子
遠嶺
200111
 
黒猫の戻りさうなる秋簾
石橋翠
いろり
200111
 
海道の大和造に秋簾
松崎鉄之介
200111
 
秋簾風にぶつぶつ物申す
佐藤真次
200111
 
秋簾飾り結びの彩も褪め
小阪律子
ぐろっけ
200111
 
城崎が四角に透けし秋簾
深澤鱶
火星
200112
 
いつの間に蔓這ひのぼる秋簾
松井志津子
200112
 
秋簾へだて我が名を呼ばれけり
東芳子
酸漿
200201
 
生き過ぎといふことあらじ秋簾
高山瑞恵
200201
 
捲きあげるお役ご免の秋簾
有吉桜雲
200202
 
濁流に向かひシャツ干す秋簾
加瀬美代子
200202
 
秋簾くぐり下町何でも屋
稲畑廣太郎
ホトトギス
200209
 
外に子の遊ぶこゑあり秋簾
小澤克己
遠嶺
200209
 
老僧の蕎麦啜りゐる秋簾
野口香葉
天女櫻
200209
 
目隠しの敢へて申さば秋簾
朝妻力
雲の峰
200210
 
秋簾声を落して子を諭し
関薫子
百鳥
200211
 
曳き売りに声掛けて出る秋すだれ
宮城白路
風土
200211
 
最果ての波さはさはと秋簾
岩月優美子
200211
 
秋簾もはや団欒など知らず
槻木珠美
銀化
200211
 
山宿の二枚重ねの秋すだれ
小林紗智子
200211
 
隣りあふ生活相似し秋簾
錯木恭子
200212
 
風筋に来て句を選ぶ秋すだれ
岡本眸
200212
 
色褪せて秋の簾となりにけり
元山富代
200212
 
秋簾自治会館に葬の飯
三枝邦光
ぐろっけ
200301
 
うつすらと秋の簾の内と外
佐藤喜孝
青寫眞
200303
 
秋簾自画像の目の気に入らぬ
中村房枝
六花
200308
 
日の暮の気づかずなりぬ秋簾
鷹羽狩行
200309
 
秋簾人待ち顔にたれてをり
片山タケ子
200311
 
伊予今治金星町や秋簾
山本浪子
風土
200311
 
今はもう漁師をやめし秋簾
斎藤くめお
対岸
200311
 
忍び音のゆらめく影や秋簾
津田礼乃
遠嶺
200312
 
墨つくる海べの村の秋簾
本多佑子
200312
 
よく透る人声と風秋簾
今瀬剛一
対岸
200312
 
秋簾峡の駅舎の出湯かな
荒木武太郎
対岸
200402
 
秋簾いごっそ竜馬の隠れ宿
大西和子
ぐろっけ
200402
 
心音はココネと読むか秋簾
山田六甲
六花
200409
 
秋簾うだつの並ぶ和紙の町
高野清風
雲の峰
200410
 
秋簾半分巻いてある二階
山本圭穂
築港
200410
 
草と木と吹かるる秋の簾かな
大野信子
草の花
200411
 
米を磨ぐをんなの生涯秋簾
原田竜子
河鹿
200412
 
海の家かかりしままの秋簾
中元英雄
河鹿
200412
 
仏像を運ぶ御輿や秋簾
木暮剛平
万象
200412
 
秋簾巻いて夜空を展きけり
中島浩子
あを
200412
 
秋すだれにかこはれつつの露天風呂
佐原正子
六花
200502
 
息災の白寿の母や秋簾
山下升子
八千草
200503
 
秋簾ゆつくり落ちてゆく夕日
吉野のぶ子
遠嶺
200511
三味の音の渡る川面や秋簾
青木久子
遠嶺
200511
金泉の底は金泥秋すだれ
山田六甲
六花
200511
宿の客出払つてゐる秋簾
加瀬美代子
200511
秋簾巻く比良山の見ゆるまで
松永紫水
200512
眉白き蜑の鉤結ふ秋すだれ
塙三千男
馬醉木
200512
秋簾研屋の座りどころかな
下山田美江
風土
200512
独り居や風の音する秋簾
後藤和朗
栴檀
200512
急流の渦へ掛けたる秋すだれ
鹿野佳子
200512
火の山の裾の秋簾の中に虚子
村松紅花
ホトトギス
200601
虚子在りし秋簾の中に戦避け
村松紅花
ホトトギス
200601
秋簾越し世を見てをりし虚子遠し
村松紅花
ホトトギス
200601
秋簾島の暮しの相似たり
大見川久代
馬醉木
200601
巻上げのいかにも半端秋簾
中村孝子
200601
秋簾外してつまらなくなりぬ
出来由子
200601
次の間にいただく夕餉秋簾
瀧春一
常念
200606

病篤き友

を訪ふ

朝々の秋の簾のひまの風
大橋敦子
雨月
200610
休業の貼り紙一枚秋簾
福地初江
200611
秋簾何も残さず逝きにけり
鎌倉喜久恵
あを
200612
知らぬ問に誰かが仕舞ひ秋簾
久島洋子
200701
杉の葉を練る線香や秋簾
木暮剛平
万象
200701
筆をもつ式部の像や秋簾
木暮剛平
万象
200702
古墳守深くおろせる秋すだれ
角直指
京鹿子
200702
釣具屋の奥は小暗き秋簾
大久保久枝
200702
秋簾さげて家じゅう頑固者
山元志津香
八千草
200703
秋簾風にやる気をもらひけり
横山迫子
六花
200706
馬屋たりしところ書斎や秋簾
滝沢伊代次
万象
200709
患へる秋の簾に顔寄せて
山尾玉藻
火星
200710
加担して言ひ分を聞く秋簾
田村園子
200711
秋簾めぐらせて世に遠くあり
樺山翠
雨月
200711
秋風に躍り暖簾の字は読めず
泉田秋硯
200712
秋簾外したちまち捕縛せり
吉田裕志
200712
秋簾半分巻いて将棋かな
大山春江
万象
200712
喪の家の今朝上げてあり秋簾
内山花葉
200712
微笑仏煤けて在す秋すだれ
村田さだ子
酸漿
200712
秋簾郷に集ふも一くぎり
金澤明子
200801
巻き上げし秋簾より呼ばれけり
奥田順子
火星
200801
秋簾巻きて明るくなりにけり
藤田裕子
万象
200801
長短を決め兼ねて居り秋簾
後藤洋子
ぐろっけ
200801
灯の入りて秋の簾となりにけり
山田弘子
ホトトギス
200802
居間の灯のこぼれて雨の秋簾
煙山郷子
200802
秋簾巻かれては又下ろす雨
稲畑汀子
ホトトギス
200809
いくらかは短くなりて秋簾
鷹羽狩行
200809
秋すだれキャビアの蓋に苦闘せる
佐藤喜孝
あを
200810
かぶきものゆつくりと過ぐ秋簾
伊藤無迅
炎環
200811
秋簾あげて古典の世に入る
安居正浩
200811
鴨川の風のきてゐる秋簾
山本右近
万象
200811
ややありて返事のひとつ秋簾
高橋道子
200812
このあたりまで巻き上ぐる秋簾
風間史子
200812
瀬の音に仄かに揺れる秋簾
杉本綾
200812
壊さるる家と消えゆく秋簾
木山富美
万象
200812
秋簾ひとり遊びをしておりぬ
貝森光洋
六花
200901
椅子出して繕ろひゐたる秋簾
山田六甲
六花
200910
秋簾ひととき修羅の世を隔つ
松本幹雄
馬醉木
200911
駅鈴にあらねど秋の簾かな
井上信子
200911
秋簾軒つらねたる蜑の家
山本誠子
200911
秋簾外に置かれし煙草盆
遠藤実
あを
200911
秋すだれ嬰児の白き足裏見ゆ
荒井千佐代
200912
秋の簾呼び鈴の澄むことよ
井上信子
200912
川原湯を囲つてありし秋簾
大西八洲雄
万象
200912
宮内に住まふ二軒家秋簾
田中佐知子
風土
200912
往診を重ねし患家秋簾
米田正弘
200912
軒低き街道筋や秋簾
金子隆吉
200912
秋簾捲けば遠嶺へ大落暉
川口襄
遠嶺
201001
秋すだれ懸けて野菜の無人売
上原重一
201001
塔頭を辞せば花街の秋すだれ
藤原繁子
春燈
201001
秋簾陰から闘牛出陣す
佐山五稜
風土
201001
門前に杖貸す茶店秋すだれ
廣瀬雅男
やぶれ傘
201001
秋簾巻けば夕日の纏はれり
大信田梢月
万象
201002
廃屋に一枚垂れし秋簾
山荘慶子
あを
201002
寧き日を一書に耽る秋簾
邑橋節夫
遠嶺
201003
秋すだれ猫と女の話し声
衣斐ちづ子
201007
秋簾川は日暮の音となり
片山由美子
201009
右肩の少し下がりぬ秋簾
鷹羽狩行
201010
ありなしの風に座敷の秋簾
大石誠
201011
秋簾団地の端の南棟
山口輝雄
201011
吹かれゐて秋の簾となりにけり
あさなが捷
201012
外を見る癖いつよりか秋簾
森田尚宏
201012
秋簾広間を隔つ得度の間
橋添やよひ
風土
201012
秋すだれ捲き聞法の座ごしらへ
久保東海司
201101
挨拶の秋の簾をたくしあげ
川村みよき
万象
201101
巻き上げしままに歪める秋簾
永田勇
六花
201101
秋簾衲衣の裾に絡まれる
中村碧泉
ぐろっけ
201101
焦げ色の匂ふがごとき秋簾 布川直幸 201109  
見てしまふ秋の簾の内灯り 定梶じょう あを 201110  
秋簾日の斑をゆらす母の部屋 中村紀美子 春燈 201111  
ねぎらひつ秋の簾を納めけり 海村禮子 春燈 201111  
秋簾日暮の風に雨にほふ 渡邊孝彦 やぶれ傘 201112  
火の神にともす艀や秋簾 熊切光子 末黒野 201112  
また少し縮まる背丈秋すだれ 辻直美 201112  
読み聞かせの声洩れてくる秋簾 河野美千代 201112  
秋簾巻き上げてゐる背中かな ことり 六花 201112  
秋簾濁音の世に句点うつ 鈴鹿均 京鹿子 201201  
寺田屋に灯の入りたる秋簾 松山直美 火星 201201  
古釘に掛けられてゐる秋簾 丑久保勲 やぶれ傘 201201  
賑はひを過ぎれば秋の簾かな 亀井紀子 201205  
飴色に傾ぎて懸る秋簾 山本孝夫 201211  
路地裏の秋の簾の風まかせ 長久保郁子 かさね 201211  
日月の染み込んでゐる秋簾 高橋将夫 201211  
秋簾産土とほくなりにけり 栗栖恵通子 201211  
秋簾磧の風に煽られし 坂口夫佐子 火星 201211  
秋すだれ捲いて見あぐる宵の空 加瀬伸子 末黒野 201211  
立秋の日指し柔らか簾取る 後藤克彦 かさね 201212  
秋すだれ母端然と墨を磨る 相沢有理子 風土 201212  
這ひあがる蔓のつかみし秋簾 師岡洋子 ぐろっけ 201212  
風吹けばハタリハタリと秋簾 野村鞆枝 京鹿子 201212  
秋すだれ青く灯れる暮しかな 今井千鶴子 ホトトギス 201301  
旅人の声がつつぬけ秋簾 前田貴美子 万象 201301  
夢二の絵掲げし茶屋の秋簾 小原登志春 雨月 201301  
秋簾巻かれて色を濃くしたる 柴田佐知子 201303  
天領の妻入家並秋簾 神田恵琳 春燈 201311  
秋簾はづす三枚四枚かな 山田六甲 六花 201311  
秋すだれ内の平穏ふたり住 塩路隆子 201311  
湖見ゆる高さに巻いて秋すだれ 師岡洋子 ぐろっけ 201312  
秋簾子の手をかりて納めけり 橋本靖子 201312  
影曳けるものの一つに秋簾 藤岡紫水 京鹿子 201312  
秋すだれ小言も共に巻きあぐる 太田チエ子 末黒野 201401  
垂るといふことが存在秋簾 蔦三郎 ホトトギス 201403  
秋すだれ徒の時代の檜皮色 吉武千束 太古のこゑ 201411  
秘中の秘打ち明かす友秋簾 和田政子 201411  
秋簾とぎれとぎれの風の音 田中文治 火星 201411  
念仏の僧に唱和し秋すだれ 田代貞枝 201411  
何もかも黙視のすがた秋簾 時澤藍 201411  
仏光寺のつき当たりどす秋簾 山田六甲 六花 201411  
半玉の稽古風呂敷秋すだれ 山田六甲 六花 201411  
秋簾二階に人の気配あり 山田六甲 六花 201411  
提灯の秋の簾に傾きぬ 山田六甲 六花 201411  
料亭の裏は浅川秋簾 山田六甲 六花 201411  
独り身を覚られぬよう秋簾 牧野慶 ろんど 201412  
僧侶の合掌で往く秋簾 佐瀬晶子 ろんど 201412  
秋すだれ夕べの波の尖り来る 荒井千佐代 201501  
尼様の病みがちときく秋簾 東野鈴子 雨月 201501  
隙間なき京料亭の秋簾 笹村政子 六花 201501  
一枚のあまりも長き秋簾 住田千代子 六花 201502  
河岸近き貝殻路や秋簾 正谷民夫 末黒野 201502  
昨日より少し巻き上ぐ秋簾 笹村政子 六花 201502  
一之町なくて二之町秋簾 松田明子 201504 秋簾 →2

 

2019年9月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。