秋 扇 2 (秋の扇 忘れ扇 捨て扇 扇置く)     108句

つくづくと絵を見る秋の扇哉    小春  曠野集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
妹よ秋扇は力まず遣ふもの 加茂達彌 201505
秋扇畳み拝する杞陽の句 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
惜別の懐に挿す秋扇 白井友梨 馬醉木 201510
さりげなく矛先そらす秋扇 大室恵美子 春燈 201511
秋扇ゆるくつかひて人を恋ふ 小嶋恵美 春燈 201511
戦下の救護生き残り来て秋扇 赤岡茂子 春燈 201511
秋扇渋々矛を収めたる 鈴鹿呂仁 京鹿子 201511
豆菊とよばれし人の秋扇 秋川泉 あを 201511
赤面を隠すに開く秋扇 太田英子 201511
ふつふつと師の句にまみゆ秋扇 能村研三 201511
愚痴を聞く間合ひにたゝむ秋扇 藤岡紫水 京鹿子 201512
秋扇松井須磨子を語り継ぐ 名和政代 万象 201512
秋扇勝ち読み切りてぼやき癖 石田きよし 201512
開けずとも絵柄眼に秋扇 甕秀麿 201512
語部のゆっくり使ふ秋扇 笹倉さえみ 雨月 201512
圓朝噺やがて哀しき秋扇 松林依子 201601
秋扇待合室にはためかす 山荘慶子 あを 201601
秋扇人のなごりの香りかな 中野さき江 春燈 201601
しをりあり秋の扇となりしより 後藤比奈夫 ホトトギス 201607
秋扇旅行鞄といふ褥 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
虚子の句の文字読めぬまま扇置く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
秋扇今日ええ仕事してまつせ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201609
膝づめの謀議やはらの秋扇 鈴鹿呂仁 京鹿子 201609
化野に置き忘れあり秋扇 水野恒彦 201609
いもうとといふ気安さの秋扇 亀井福恵 京鹿子 201610
秋扇膝に余談のやうな風 高野春子 京鹿子 201611
着付け済み帯を叩きて秋扇 片岡良子 雨月 201612
秋扇門外漢を決め込めり 和田紀夫 201612
捨て切れぬ良き香残りし秋扇 赤松赤彦 六花 201701
障りなき話に開く秋扇 押田裕見子 201612
三分の二ほど開いて秋扇 千原叡子 ホトトギス 201702
地歌聴く堂の百人秋扇 小沼ゑみ子 末黒野 201702
開くでもたたむでもなし秋扇 中川句寿夫 ここのもん 201705
言訳のひらいて閉づる秋扇 押田裕美子 201706
又使ふ秋の扇でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201708
秋扇に師の墨痕の平家琵琶 高橋和女 風紋 201709
秋扇忌日の風を運び来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
耳うちをする口隠す秋扇 竹下陶子 ホトトギス 201709
図書館に黙ひしめけり秋扇 高橋道子 201710
秋扇開きて風のなかりけり 宮内とし子 201711
秋扇ぱちりと昔語り出す 菊川俊朗 201711
秋扇けじめの音をたてて閉づ 高橋将夫 201711
もどかしきものに言葉や秋扇 間谷雅代 馬醉木 201711
聞き役に徹し秋扇半びらき 阪上多恵子 雨月 201711
秋扇を膝の遺骨に開きけり 笹村政子 六花 201711
秋扇手持ち無沙汰で扇ぎをり 溝渕弘志 六花 201711
秋扇雨が来るよと振りかへる 前田貴美子 万象 201712
秋扇に定家の一首たをやかに 岡尚 風土 201712
マネキンの指に添ひたる秋扇 石田静 201801
秋扇昼のほてりを折りたたむ 熊川暁子 201801
問はれしをふはりと躱す秋扇 長谷川信一 万象 201801
レシートとティッシュの間の秋扇 服部早苗 201801
身ほとりにありて秋扇なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201808
湿布張り終へて使へる秋扇 稲畑汀子 ホトトギス 201808
秋扇をさめて一歩会場に 稲畑汀子 ホトトギス 201808
踏まれたか平になりし秋扇 秋川泉 あを 201810
屈託を少しこぼして秋扇 石本百合子 馬醉木 201811
はたと止む翔先生の秋扇 大沢美智子 201811
物見ゆる齢となりぬ秋扇 渡邊千枝子 馬醉木 201812
夫婦にもほどよき間合秋扇 斉藤雅子 末黒野 201812
秋扇時の流れの音畳む 平野多聞 201812
言の葉を継ぎ足すあはひ秋扇 和田華凛 ホトトギス 201901
秋扇たたむ仕草も親ゆずり 大山夏子 201904
ひとことにざらつく空気秋扇 畑佳与 京鹿子 201911
秋扇おくれ毛をかき上げにけり 前田美恵子 201911
秋扇箪笥にしまふ香ほのか 大塚たきよ 201911
母の俤揺らす形見の秋扇 河本由紀r 春燈 201911
思ひもかけぬその後の話秋扇 農谷ゆき江 春燈 201911
秋扇帯深くさす齢かな 西岡啓子 春燈 201911
憂きことは心にたたみ秋扇 渡辺若菜 春燈 201911
然りげなく聞きて忘るる秋扇 吉村幸子 雨月 201911
秋扇をさめてひとつ根性論 鳥羽夕摩 京鹿子 201912
秋扇納めてはなし本題へ 井尻妙子 京鹿子 201912
秋扇話のながき見舞客 山中志津子 京鹿子 201912
頷いてばかりの人や秋扇 橋添やよひ 風土 201912
扇置く古き箪笥の小抽出 平井改子 風土 202001
物忘れ増えてもどかし秋扇 岡尚 風土 202001
紺の地に銀の経文秋扇 平居澪子 六花 202001
きつく締む帯に差し込む秋扇 角口秀子 202001
きつく締む帯に差し込む秋扇 角口秀子 202001
芸の道師の捨て扇床の間に 伊吹之博 京鹿子 202001
往年の踊り手さらば秋扇 伊吹之博 京鹿子 202001
すこしづつずれゆく話秋扇 佐藤千恵 京鹿子 202001
大入りの杮落としや秋扇 竹内悦子 喜悦 202002
夢一夜たたんで仕舞ふ秋扇 高橋将夫 202011
筆立てにささりしままの秋扇 能村研三 202011
昭和へと話のもどる秋扇 北川孝子 京鹿子 202011
畳まれて秋の扇となりにけり 守屋吉郎 202011
顛末に消ゆる言の葉秋扇 鈴鹿呂仁 京鹿子 202011
ひとつ灯におもかげのゆれ秋扇 北川孝子 京鹿子 202011
聞き耳をとがらせてをり秋扇 佐藤千恵 京鹿子 202011
シャンソンに序破急のあり秋扇 栗坪和子 202012
冗談で済まぬひと言捨て扇 石原孝人 京鹿子 202101
笑ふのを止めて取り出す秋扇 井尻妙子 京鹿子 202101
収まればすべて些事なり秋扇 角野良生 202105
又出して秋の扇でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 202109
手に持ちてすなはち秋の扇かな 稲畑汀子 ホトトギス 202109
商人あきんどの手の内隠す秋扇 鈴鹿呂仁 京鹿子 202110
黒髪に銀のひとすぢ秋扇 山田六甲 六花 202110
秋扇たたみ切れざる思ひかな 鷹崎由未子 春燈 202111
小形なるバッグに小形秋扇 卯木尭子 春燈 202111
秋扇コロナ五輪の夢のあと 平野無石 202112
文机に母の形見の秋扇 佐藤まさ子 春燈 202112
ジャズ祭の老若男女秋扇 小沼ゑみ子 末黒野 202112
秋扇を挟まむとして帯固き 中根美保 風土 202112
秋扇畳めば蔦の実しぐれかな 山田六甲 六花 202112
文七のかしら小さや秋扇 栗坪和子 202112
秋扇約束はたと思ひ出し 渡辺富士子 末黒野 202201
惜別の涙隠せり秋扇 東小薗美千代 末黒野 202204
秋扇 →1
 

 

2022年8月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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