秋 扇 1(秋の扇 忘れ扇 捨て扇 扇置く)     283句

つくづくと絵を見る秋の扇哉    小春  曠野集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
みづうみに久しく行かず秋扇
山尾玉藻
火星
199809
内々に寄りたる皆の秋扇
山尾玉藻
火星
199811
優しさは心の風と秋扇
甲田夏湖
船団
199903
贈りたし長寿を祝ふ秋扇
稲畑汀子
ホトトギス
199909
秋扇バッハと会居流したる
稲畑廣太郎
ホトトギス
199909
手持ち無沙汰に取り出して秋扇
小川匠太郎
199909
皇紀二千六百年生れ秋扇
大和田鏡子
俳句通信
199910
もの忘れ悲しきものよ秋扇
大平保子
いろり
199910
はなむけの一句走らす秋扇
山田弘子
円虹
199911
帯ポンと叩いて差し込む秋扇
迫谷富子
いろり
199911
二三度を使ひしのみに秋扇
能村登四郎
芒種
199911
やんはりと紫煙をこばみ秋扇
小野麻利
199912
焼香の列の止まる秋扇
小池槇女
火星
199912
一念の班女のつづる秋扇賦
斎藤珠子
遠嶺
199912
信濃路の一茶の句碑や秋扇
肥后潤子
遠嶺
199912
型紙を糸でつなげて秋扇
林田圓
京鹿子
199912
秋扇置く仕草にも観世流
稲畑廣太郎
廣太郎句集
199912
外つ国の旅へしのばす秋扇
三嶋八千穂
ぐろっけ
199912
推敲に閉づる絵柄の秋扇
安田登志子
ぐろっけ
200001
聞き耳を立てはたと止む秋扇
岡田章子
ぐろっけ
200001
亡き人の文字とも見えて秋扇
能村登四郎
200008
これほどに役に立つとは秋扇
稲畑汀子
ホトトギス
200009
藍濃きを選び携ふ秋扇
林翔
200010
紐とほす穴のぽつりと秋扇
山田三江子
200010
お堂より秋の扇に呼ばれたり
山尾玉藻
火星
200011
開きても閉ぢても無韻秋扇
長尾康子
風土
200011
暮るるもの暮れて水音秋扇
水野あき子
遠嶺
200011
これからのこと二人で笑う秋扇
中原梓
海程
200106
秋扇だけが動いてをりし庭
稲畑汀子
ホトトギス
200108
秋扇閉ぢて九十九回忌
稲畑廣太郎
ホトトギス
200109
携へしゆゑ秋扇となりにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200109
秋扇手描き撫子揺れやまず
三井公子
酸漿
200110
遺りをり妻が見立てし秋扇
木下玉葉子
酸漿
200110
遅刻して小さく使ふ秋扇
酒井多加子
俳句通信
200110
秋扇といふ恋の果てめく言葉あり
能村登四郎
羽化
200110
半日を制しし碁盤秋扇
山田天
雨月
200111
筆立に紛れてをりし秋扇
市橋香
ぐろっけ
200111
思ひ出は深くしまひぬ秋扇
栢森敏子
あを
200112
師の一句秘めおく秋の扇かな
橋本良子
遠嶺
200201
秋扇に一句したため帯にかな
稲辺美津
遠嶺
200201
さりげなく縁談勧め秋扇
石橋萬里
ぐろっけ
200201
駝鳥羽撃きて大きい秋扇
鈴木浩子
ぐろっけ
200202
秋扇たためる音のありにけり
宮原みさを
花月亭
200208
祝ぎ近き人に秋扇の風を
稲畑廣太郎
ホトトギス
200209
手になじむ要ゆるゆる秋扇
稲畑汀子
ホトトギス
200209
秋扇閉ぢ大会を終へしこと
稲畑汀子
ホトトギス
200209
一駒に雅印ぴたりと秋扇
田中矢水
遠嶺
200211
葬の列秋の扇を納めけり
小池槙女
火星
200211
フラメンコ続く秋扇とはなれず
岩月優美子
200211
閉ぢてより問はず語りの秋扇
柴田雪路
200211
ハワイアンセンターの秋扇かな
篠鳳俊博
銀化
200211
秋扇ひらけば匂ふ師の遺筆
塩谷はつ枝
馬醉木
200212
腑に落ちぬ話も閉ざし秋扇
神宮きよい
馬醉木
200212
碁敵の忘れて去ぬる秋扇
上田繁
遠嶺
200212
秋扇つづけて人を悼みけり
笹倉さえみ
雨月
200212
秋扇きのふをすでに遠くせり
村田みちな
200212
清風や秋扇子買ふ夢二展
伊藤マサ子
ぐろっけ
200212
秋扇憂ひは夢にはじまりぬ
廣瀬米
200301
円卓に置かれし忘れ扇かな
浦川聡子
水の宅急便
200305
秋扇主役の女優待つてをり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200309
戻るまで開きしままの秋扇
今瀬剛一
対岸
200310
穏便に納めし胸に秋扇
加藤サヨ子
築港
200311
筆立に人形筆と秋扇
黒崎よし江
雲の峰
200311
秋扇大観覧車大落暉
赤座典子
あを
200311
朱の色のちよんと奈良絵の秋扇
杉浦典子
火星
200312
篝火やひらきて白き秋扇
堀内一郎
あを
200312
秋扇置きて高野に遊戯しをる
延広禎一
200312
天日に秋扇影を作りけり
吉田順子
200312
秋扇言訳ばかりうまくなり
石川英利
百鳥
200312
己が意を通す一筆秋扇
松本きみ枝
遠嶺
200401
秋扇細くなりたる力足
中元英雄
河鹿
200402
秋扇けぢめをつけて畳みけり
桜井葉子
遠嶺
200402
沖の船指すに秋扇もつてしぬ
岡本眸
200409
白檀の香のしかとある秋扇
若山実
雲の峰
200410
背広着てポケツトにさす秋扇
赤松せつよ
築港
200410
相槌の遅速に合ひし秋扇
赤松せつよ
築港
200410
征きし日の筆跡残る秋扇
亀井幸子
築港
200410
和算術求められゐる秋扇
増田祐三
帆船
200410
誘はれて久々の寄席秋扇
渋谷ひろ子
酸漿
200411
忘れものまた鍵あけて秋扇
岡野イネ子
春燈
200411
無造作に物を置く癖秋扇
高木武人
百鳥
200411
聞き役に徹してゐたり秋扇
宇田喜美栄
200411
百年の栃の木を誉め秋扇
谷村幸子
200411
商談の始まる前の秋扇
岡田滋夫
雲の峰
200411
鉄幹の人恋ふる歌秋扇
松林順子
雨月
200411
夢の字の一画うすれ秋扇
施まさ子
風土
200411
秋扇ぴたりと据ゑて正座かな
水原春郎
馬醉木
200412
秋扇あふげば秋の風生まる
松本圭司
200412
竹林に入りしままなり秋扇
水野彦
200412
秋扇あれからのことほつほつと
武田芳絵
草の花
200412
居合せし美人の使ふ秋扇
橋本光子
酸漿
200412
膝の上の都こんぶと秋扇
田中英子
火星
200412
ところでと話きり出す秋扇
高松良子
200412
開くとはゆゆしきことぞ秋扇
高千夏子
200412
長談義尽くまで閉じて秋扇
大川冨美子
ぐろっけ
200412
聖堂の小声強ひらる秋扇
卯木堯子
春燈
200502
拾ふ恋いや捨てる恋秋扇
山元志津香
八千草
200502
秋扇バッグの中といふ天地
稲畑廣太郎
ホトトギス
200509
又出して仕舞ひて秋の扇かな
稲畑汀子
ホトトギス
200509
秋扇一度も出さず旅終る
稲畑汀子
ホトトギス
200509
秋扇を使はぬ旅を戻り来て
稲畑汀子
ホトトギス
200509
秋扇たしかに帯にもどしけり
久保田万太郎
春燈
200510
吟行の七つ道具に秋扇
品川鈴子
ぐろっけ
200510
秋扇笑ひこらへてをりにけり
近藤きくえ
200511
同じ音出す満堂の秋扇
井上信子
200511
二の句継げず秋扇ひろげ閉ぢもして
植竹美代子
雨月
200511
一行も書けぬ佗文秋扇
三浦久美子
四葩
200512
六星占術に深入り秋扇
伊藤百江
春燈
200512
診療の順番を待つ秋扇
斉藤陽子
雨月
200512
秋扇能楽堂の狭き椅子
三輪慶子
ぐろっけ
200512
帯解けばこぼれ落ちたる秋扇
三輪慶子
ぐろっけ
200512
辻褄を合せて使ふ秋扇
森山のりこ
あを
200512
百歳の放下の母の秋扇
古賀勇理央
百鳥
200601
四川料理囲む漢の秋扇
山田智子
200602
師の一句遺墨となりし秋扇
小島左京
ホトトギス
200602
客席に忘れられたり秋扇
松沢芳子
四葩
200602
秋扇を女に借りて舞ふ男
森早和世
ぐろっけ
200602
結論を先に聞きたし秋扇
苑実耶
200602
一文字の道を収めて秋扇
小澤克己
塩竃
200608
青鷺の畳み込まるる秋扇
山田六甲
六花
200609
気負ひなく老いに向ひて秋扇
小林朱夏
200610
秋扇言葉を練れど綻びず
伊藤稔代
200611
秋扇ゆかりと言へば小指ほど
丸山佳子
京鹿子
200611
釈明の小道具として秋扇
吉田明子
200611
胸中にたたむ喪ごころ秋扇
伊藤愛子
200611
断念は悟りにも似て秋扇
白井友梨
馬醉木
200611
屋形船秋扇そつと出しにけり
犬塚芳子
200612
いつになく饒舌であり秋扇
赤羽正行
遠嶺
200612
秋扇噂をいくつ畳み込む
石橋萬里
ぐろっけ
200612
刀深き山車の彫物秋扇
木下もと子
200701
芭蕉より蕪村へ進み秋扇
川口襄
遠嶺
200701
場違ひの席まぎらはす秋扇
荒木治代
ぐろっけ
200701
秋扇思案半ばの膝を打つ
林田江美
馬醉木
200702
石舞台叩く男の秋扇
山尾玉藻
火星
200710
畳みある袴の上の秋扇
山尾玉藻
火星
200710
ほろ酔ひのつまづく胸に秋扇
四條進
200711
墓抱いて子規を煽げり秋扇
神蔵器
風土
200711
育てゐる言葉ひとつや秋扇
鈴木庸子
風土
200711
旅終へて秋の扇をたたみけり
及川澄江
風土
200711
秋扇や僧の口調のやはらかに
外岡興子
200711
秋扇金色堂に入りにけり
竹内悦子
200711
諍ひなきねねの晩年秋扇
東野鈴子
雨月
200711
招かれし上座秋扇使ひづめ
望月晴美
200711
遠き木に残る眩しさ秋扇
水野恒彦
200712
秋扇うぐひす張りの廊ふみて
谷村幸子
200712
秋扇荒く使ひつ女医本音
高橋邦夫
風土
200712
電話受けしより秋扇荒荒し
齋藤厚子
200712
人の名のすぐに浮かばず秋扇
阿部正枝
遠嶺
200712
なんとなく秋の扇を持ち歩く
荒井千佐代
200712
秋扇祝ひ心の着物きて
大澤君予
遠嶺
200801
昼網の糶に間のある秋扇
大山文子
火星
200801
綾子舞終へし姉妹の秋扇
金子知代
万象
200801
あの時の「あっちゃん」に会ふ秋扇
岡本幸枝
ぐろっけ
200801
陪席の饗応受くる秋扇
高崎武義
200808
幕間のおのづと使ふ秋扇
山仲英子
200809
結末の暗さうらみし秋扇
小澤克己
遠嶺
200811
秋扇魚拓の見ゆる席に坐し
天野正子
200811
秋扇帯に越後の酒たまふ
山本耀子
火星
200811
まづ足が出て秋扇の鳥獣画
今瀬一博
200811
秋扇や闇の重さの濤の音
岡本眸
200811
秋扇親しき人は遠くゐて
鎌倉喜久恵
あを
200811
足音に坐りなほして秋扇
木村ふく
馬醉木
200812
硯海になみを生みけり秋扇
泉田秋硯
200812
失言の口元隠す秋扇
廣見知子
200812
秋扇のこころ当りのあらぬ染み
風間史子
200812
紫の上に扮せり秋扇
小林成子
200812
温暖化ゆゑか手にする秋扇
木暮剛平
万象
200812
地口絵に笑ひ秋扇畳みけり
岸はじめ
ぐろっけ
200812
けふはまだポケットにある秋扇
安原葉
ホトトギス
200901
秋扇や言葉足らずは父に似て
笹下蟷螂子
200901
琳派展へむらさきふかき秋扇
戸田和子
200901
うつり香を風に散らせり秋扇
荻野千枝
京鹿子
200901
隣から風送り来る秋扇
白石正躬
やぶれ傘
200901
秋扇てふ新しき風生る
稲畑廣太郎
ホトトギス
200908
秋扇要疲れてをりにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200908
膝に置き畳に置きて秋扇
鷹羽狩行
200909
船上で小督を舞へり秋扇
林日圓
京鹿子
200909
香の強し待合室の秋扇
赤座典子
あを
200910
世の虚実見抜いてゐたる秋扇
鈴木勢津子
樹間
200911
秋扇とぢて心の溢れけり
徳田千鶴子
馬醉木
200911
不器用といふ誉めことば秋扇
堀田順子
馬醉木
200911
秋扇たうとう言はずじまひかな
北川英子
200911
師の忌なり秋扇とみに閉ぢ開く
田村園子
200911
秋扇かざして山車を囃しけり
山田春生
万象
200912
秋扇ベンチで休む太りじし
佐方敏明
ぐろっけ
200912
金閣の裏へ回りし秋扇
大山文子
火星
200912
秋扇食育講座のあちこちに
長崎桂子
あをかき
200912
秋扇無口おぎなひきれざりし
村田冨美子
京鹿子
201001
機嫌良く飲みて忘れし秋扇
小浦遊月
酸奬
201002
白檀の残り香ほのと秋扇
石川かおり
201010
艶話とぼけて躱す秋扇
矢口笑子
春燈
201011
広ぐれば鈴の音する秋扇
横山さくら
春燈
201011
ずんぐりの黐の木ほめて秋扇
谷村幸子
201011
秋扇をつかふ八十路も半ば過ぐ
大西八洲雄
万象
201011
議事録を作成中の秋扇
高田令子
201011
もの言はず閉ぢては開く秋扇
菅谷たけし
201012
扇置き蠅頭のルビに目を凝らす
呉文宗
春燈
201012
縁側に程よく馴れし団扇置く
秋千晴
201012
秋扇や顔の片側日の射して
松田泰子
末黒野
201012
影もたぬかたちに置かれし秋扇
原田俊子
京鹿子
201012
時刻む残片ひとつ秋扇
原田俊子
京鹿子
201012
秋扇遣り残し行くこと多し
原田俊子
京鹿子
201012
秋扇に指されし山の名は伊吹
川崎良平
雨月
201012
想ひ出を重ねたたみて秋扇
川崎良平
雨月
201012
秋扇なれどしつかり使ひをる
加藤みき
201101
音にぶく秋の扇を閉ぢにけり
笹村政子
六花
201101
脱藩の古地図しみじみ秋扇
和賀俊子
ぐろっけ
201101
虚子の文字泊月の文字秋扇
山田佳乃
ホトトギス
201102
どやのどの辺り風立つ秋扇 稲畑廣太郎 ホトトギス 201109
秋団扇秋扇秋日傘行く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201109
老いてなほラビアンローズ秋扇 山本丈夫 201111
艶髪のなごりのうなじ秋扇 吉村さよ子 春燈 201111
秋扇とりつくしまのなきはなし 久米憲子 春燈 201112
秋扇帯に挟みしままひと日 柳生千枝子 火星 201112
喪疲れの帯解くと落つ秋扇 久保東海司 201112
秋扇や話題豊富な人と居て 服部珠子 雨月 201112
秋扇膝にたたみて法話聞く 和田一 雨月 201112
秋扇閉ぢては開き碁に遊ぶ 和田一 雨月 201112
秋扇を共に開きし顔二つ 延広禎一 201202
懐剣のごと帯に忍ばす秋扇 北岸邸子 春燈 201202
秋扇やクメールの昔話聞く 吉田和子 ぐろっけ 201204
譲られし席にて使ふ秋扇 石田きよし 201111
旅了へて鞄の底の秋扇 コ田千鶴子 馬醉木 201210
秋扇はなしのつまの探るかに 鈴鹿仁 京鹿子 201210
猫被る笑みさみしくて秋扇 布川直幸 201210
秋扇開かば細きことりの句 山田六甲 六花 201210
待ち人や静かに遣ふ秋扇 和田森早苗 201211
返答に詰まりて畳む秋扇 山田愛子 201211
養老の滝の句のあり秋扇 神蔵器 風土 201211
かにかくや噺のつまの秋扇 鈴鹿仁 京鹿子 201211
秋扇うなじに差して経を読む 山田六甲 六花 201211
秋扇綻びかけてをるが良し 山田六甲 六花 201211
秋扇捜すともなくさがしをり 笹村政子 六花 201211
少し裂けなほ使ひをり秋扇 溝渕弘志 六花 201211
食卓に何時も置きあり秋扇 吉田優美子 六花 201211
絵模様で選び出したる秋扇 吉田優美子 六花 201211
書類出す鞄の底や捨扇 松本三千夫 末黒野 201211
秋扇のせはしき烏相撲かな 南うみを 風土 201212
伝はらぬ心の綾や秋扇 小倉陶女 春燈 201212
病室に開かぬままの秋扇 森さち子 201212
残り香もしづかに閉ぢて秋扇 藤岡紫水 京鹿子 201212
秋扇せはしくつかふ准教授 藤田素子 火星 201212
秋扇少し開いてまた閉ぢぬ 永田万年青 六花 201212
大山の雲を煽げる秋扇 市川伊團次 六花 201212
大寺の甍眩しや秋扇 吉田順子 201301
秋扇機械のごとく一斉に 水野範子 ぐろっけ 201301
老人の幸恋ふる歌秋扇 松林順子 雨月 201301
反論は胸にしまひぬ秋扇 大橋伊佐子 末黒野 201302
おくれ来て小さく使ふ秋扇 松田泰子 末黒野 201304
話すたびにぱちりぱちりと秋扇 加藤みき 201311
口数の少なき妻の秋扇 横山さくら 春燈 201311
桂郎の一句載せある秋扇 小野寺節子 風土 201311
笑ふたび口元隠す秋扇 田中浅子 201311
木虫籠のなかは土産屋秋扇 不破幸夫 馬醉木 201311
喜の字書きて人に贈りし秋扇 瀧春一 花石榴 201312
遅れ来て下座に遣ふ秋扇 水田壽子 雨月 201312
磔像に欠伸かくして秋扇 七種年男 201312
飛びとびの話も絆秋扇 千田敬 201312
秋扇開いて閉ぢる世話人会 小野寺節子 風土 201312
高僧の説法長し秋扇 菅野日出子 末黒野 201312
憂きことをひとまづ畳む秋扇 大矢恒彦 201401
秋扇の一つ残りし懺悔室 近藤幸三郎 風土 201401
師の筆跡再度眺めて扇置く 荻野嘉代子 春燈 201401
水底の石を見てゐる秋扇 涼野海音 火星 201402
饒舌のとぎれ取り出す秋扇 西郷慶子 201410
秋扇秘めし悲恋をひとくさり 白井友梨 馬醉木 201410
秋扇ベンチ軋ます二人かな 和田政子 201410
秋扇細木数子の話など 藤田素子 火星 201411
診察に呼ばれてたたむ秋扇 宮川みね子 風土 201411
家系図に鉄斎のゐる秋扇 岡本尚子 風土 201411
秋扇帯のあひより取り出せり 内藤静 風土 201411
住職に戻る校長秋扇 柴田久子 風土 201411
一線を引きたる如く扇置く 湖東紀子 ホトトギス 201412
秋扇吾が晩年の見え隠れ 田村すゝむ 風土 201412
秋扇や返す言葉の機を逃し 堀田順子 馬醉木 201412
鮭弁当絆でありし扇置く 鳥居美智子 ろんど 201412
半世紀前はこなひだ秋扇 高橋道子 201412
音もなくひらきて秋の扇たり 窪田佳津子 雨月 201412
秋扇畳む明日の予定なし 田岡千章 201501
母よりの般若心経秋扇 植村よし子 雨月 201501
あの丘を今日も雲過ぐ秋扇 前田貴美子 万象 201501
きくきくと要鳴るなり秋扇 千原叡子 ホトトギス 201503
妹よ秋扇は力まず遣ふもの 加茂達彌 201505
秋扇 →2      

 

2021年8月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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