秋 扇(秋の扇)     154句

つくづくと絵を見る秋の扇哉    加賀小春

作品
作者
掲載誌
掲載年月
みづうみに久しく行かず秋扇 山尾玉藻 火星
199809
内々に寄りたる皆の秋扇 山尾玉藻 火星
199811
優しさは心の風と秋扇 甲田夏湖 船団
199903
贈りたし長寿を祝ふ秋扇 稲畑汀子 ホトトギス
199909
秋扇バッハと会居流したる 稲畑廣太郎 ホトトギス
199909
手持ち無沙汰に取り出して秋扇 小川匠太郎
199909
皇紀二千六百年生れ秋扇 大和田鏡子 俳句通信
199910
もの忘れ悲しきものよ秋扇 大平保子 いろり
199910
はなむけの一句走らす秋扇 山田弘子 円虹
199911
帯ポンと叩いて差し込む秋扇 迫谷富子 いろり
199911
二三度を使ひしのみに秋扇 能村登四郎 芒種
199911
やんはりと紫煙をこばみ秋扇 小野麻利
199912
焼香の列の止まる秋扇 小池槇女 火星
199912
一念の班女のつづる秋扇賦 斎藤珠子 遠嶺
199912
信濃路の一茶の句碑や秋扇 肥后潤子 遠嶺
199912
型紙を糸でつなげて秋扇 林田圓 京鹿子
199912
秋扇置く仕草にも観世流 稲畑廣太郎 廣太郎句集
199912
外つ国の旅へしのばす秋扇 三嶋八千穂 ぐろっけ
199912
推敲に閉づる絵柄の秋扇 安田登志子 ぐろっけ
200001
聞き耳を立てはたと止む秋扇 岡田章子 ぐろっけ
200001
亡き人の文字とも見えて秋扇 能村登四郎
200008
これほどに役に立つとは秋扇 稲畑汀子 ホトトギス
200009
藍濃きを選び携ふ秋扇 林翔
200010
紐とほす穴のぽつりと秋扇 山田三江子
200010
お堂より秋の扇に呼ばれたり 山尾玉藻 火星
200011
開きても閉ぢても無韻秋扇 長尾康子 風土
200011
暮るるもの暮れて水音秋扇 水野あき子 遠嶺
200011
これからのこと二人で笑う秋扇 中原梓 海程
200106
秋扇だけが動いてをりし庭 稲畑汀子 ホトトギス
200108
秋扇閉ぢて九十九回忌 稲畑廣太郎 ホトトギス
200109
携へしゆゑ秋扇となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス
200109
秋扇手描き撫子揺れやまず 三井公子 酸漿
200110
遺りをり妻が見立てし秋扇 木下玉葉子 酸漿
200110
遅刻して小さく使ふ秋扇 酒井多加子 俳句通信
200110
秋扇といふ恋の果てめく言葉あり 能村登四郎 羽化
200110
半日を制しし碁盤秋扇 山田天 雨月
200111
筆立に紛れてをりし秋扇 市橋香 ぐろっけ
200111
思ひ出は深くしまひぬ秋扇 栢森敏子 あを
200112
師の一句秘めおく秋の扇かな 橋本良子 遠嶺
200201
秋扇に一句したため帯にかな 稲辺美津 遠嶺
200201
さりげなく縁談勧め秋扇 石橋萬里 ぐろっけ
200201
駝鳥羽撃きて大きい秋扇 鈴木浩子 ぐろっけ
200202
秋扇たためる音のありにけり 宮原みさを 花月亭
200208
祝ぎ近き人に秋扇の風を 稲畑廣太郎 ホトトギス
200209
手になじむ要ゆるゆる秋扇 稲畑汀子 ホトトギス
200209
秋扇閉ぢ大会を終へしこと 稲畑汀子 ホトトギス
200209
一駒に雅印ぴたりと秋扇 田中矢水 遠嶺
200211
葬の列秋の扇を納めけり 小池槙女 火星
200211
フラメンコ続く秋扇とはなれず 岩月優美子
200211
閉ぢてより問はず語りの秋扇 柴田雪路
200211
ハワイアンセンターの秋扇かな 篠鳳俊博 銀化
200211
秋扇ひらけば匂ふ師の遺筆 塩谷はつ枝 馬醉木
200212
腑に落ちぬ話も閉ざし秋扇 神宮きよい 馬醉木
200212
碁敵の忘れて去ぬる秋扇 上田繁 遠嶺
200212
秋扇つづけて人を悼みけり 笹倉さえみ 雨月
200212
秋扇きのふをすでに遠くせり 村田みちな
200212
清風や秋扇子買ふ夢二展 伊藤マサ子 ぐろっけ
200212
秋扇憂ひは夢にはじまりぬ 廣瀬米
200301
円卓に置かれし忘れ扇かな 浦川聡子 水の宅急便
200305
秋扇主役の女優待つてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス
200309
戻るまで開きしままの秋扇 今瀬剛一 対岸
200310
穏便に納めし胸に秋扇 加藤サヨ子 築港
200311
筆立に人形筆と秋扇 黒崎よし江 雲の峰
200311
秋扇大観覧車大落暉 赤座典子 あを
200311
朱の色のちよんと奈良絵の秋扇 杉浦典子 火星
200312
篝火やひらきて白き秋扇 堀内一郎 あを
200312
秋扇置きて高野に遊戯しをる 延広禎一
200312
天日に秋扇影を作りけり 吉田順子
200312
秋扇言訳ばかりうまくなり 石川英利 百鳥
200312
己が意を通す一筆秋扇 松本きみ枝 遠嶺
200401
秋扇細くなりたる力足 中元英雄 河鹿
200402
秋扇けぢめをつけて畳みけり 桜井葉子 遠嶺
200402
沖の船指すに秋扇もつてしぬ 岡本眸
200409
白檀の香のしかとある秋扇 若山実 雲の峰
200410
背広着てポケツトにさす秋扇 赤松せつよ 築港
200410
相槌の遅速に合ひし秋扇 赤松せつよ 築港
200410
征きし日の筆跡残る秋扇 亀井幸子 築港
200410
和算術求められゐる秋扇 増田祐三 帆船
200410
誘はれて久々の寄席秋扇 渋谷ひろ子 酸漿
200411
忘れものまた鍵あけて秋扇 岡野イネ子 春燈
200411
無造作に物を置く癖秋扇 高木武人 百鳥
200411
聞き役に徹してゐたり秋扇 宇田喜美栄
200411
百年の栃の木を誉め秋扇 谷村幸子
200411
商談の始まる前の秋扇 岡田滋夫 雲の峰
200411
鉄幹の人恋ふる歌秋扇 松林順子 雨月
200411
夢の字の一画うすれ秋扇 施まさ子 風土
200411
秋扇ぴたりと据ゑて正座かな 水原春郎 馬醉木
200412
秋扇あふげば秋の風生まる 松本圭司
200412
竹林に入りしままなり秋扇 水野彦
200412
秋扇あれからのことほつほつと 武田芳絵 草の花
200412
居合せし美人の使ふ秋扇 橋本光子 酸漿
200412
膝の上の都こんぶと秋扇 田中英子 火星
200412
ところでと話きり出す秋扇 高松良子
200412
開くとはゆゆしきことぞ秋扇 高千夏子
200412
長談義尽くまで閉じて秋扇 大川冨美子 ぐろっけ
200412
聖堂の小声強ひらる秋扇 卯木堯子 春燈
200502
拾ふ恋いや捨てる恋秋扇 山元志津香 八千草
200502
秋扇バッグの中といふ天地 稲畑廣太郎 ホトトギス
200509
又出して仕舞ひて秋の扇かな 稲畑汀子 ホトトギス
200509
秋扇一度も出さず旅終る 稲畑汀子 ホトトギス
200509
秋扇を使はぬ旅を戻り来て 稲畑汀子 ホトトギス
200509
秋扇たしかに帯にもどしけり 久保田万太郎 春燈
200510
吟行の七つ道具に秋扇 品川鈴子 ぐろっけ
200510
秋扇笑ひこらへてをりにけり 近藤きくえ
200511
同じ音出す満堂の秋扇 井上信子
200511
二の句継げず秋扇ひろげ閉ぢもして 植竹美代子 雨月
200511
一行も書けぬ佗文秋扇 三浦久美子 四葩
200512
六星占術に深入り秋扇 伊藤百江 春燈
200512
診療の順番を待つ秋扇 斉藤陽子 雨月
200512
秋扇能楽堂の狭き椅子 三輪慶子 ぐろっけ
200512
帯解けばこぼれ落ちたる秋扇 三輪慶子 ぐろっけ
200512
辻褄を合せて使ふ秋扇 森山のりこ あを
200512
百歳の放下の母の秋扇 古賀勇理央 百鳥
200601
四川料理囲む漢の秋扇 山田智子
200602
師の一句遺墨となりし秋扇 小島左京 ホトトギス
200602
客席に忘れられたり秋扇 松沢芳子 四葩
200602
秋扇を女に借りて舞ふ男 森早和世 ぐろっけ
200602
結論を先に聞きたし秋扇 苑実耶
200602
一文字の道を収めて秋扇 小澤克己 塩竃
200608
青鷺の畳み込まるる秋扇 山田六甲 六花
200609
気負ひなく老いに向ひて秋扇 小林朱夏
200610
秋扇言葉を練れど綻びず 伊藤稔代
200611
秋扇ゆかりと言へば小指ほど 丸山佳子 京鹿子
200611
釈明の小道具として秋扇 吉田明子
200611
胸中にたたむ喪ごころ秋扇 伊藤愛子
200611
断念は悟りにも似て秋扇 白井友梨 馬醉木
200611
屋形船秋扇そつと出しにけり 犬塚芳子
200612
いつになく饒舌であり秋扇 赤羽正行 遠嶺
200612
秋扇噂をいくつ畳み込む 石橋萬里 ぐろっけ
200612
刀深き山車の彫物秋扇 木下もと子
200701
芭蕉より蕪村へ進み秋扇 川口襄 遠嶺
200701
場違ひの席まぎらはす秋扇 荒木治代 ぐろっけ
200701
秋扇思案半ばの膝を打つ 林田江美 馬醉木
200702
石舞台叩く男の秋扇 山尾玉藻 火星
200710
畳みある袴の上の秋扇 山尾玉藻 火星
200710
ほろ酔ひのつまづく胸に秋扇 四條進
200711
墓抱いて子規を煽げり秋扇 神蔵器 風土
200711
育てゐる言葉ひとつや秋扇 鈴木庸子 風土
200711
旅終へて秋の扇をたたみけり 及川澄江 風土
200711
秋扇や僧の口調のやはらかに 外岡興子
200711
秋扇金色堂に入りにけり 竹内悦子
200711
諍ひなきねねの晩年秋扇 東野鈴子 雨月
200711
招かれし上座秋扇使ひづめ 望月晴美
200711
遠き木に残る眩しさ秋扇 水野恒彦
200712
秋扇うぐひす張りの廊ふみて 谷村幸子
200712
秋扇荒く使ひつ女医本音 高橋邦夫 風土
200712
電話受けしより秋扇荒荒し 齋藤厚子
200712
人の名のすぐに浮かばず秋扇 阿部正枝 遠嶺
200712
なんとなく秋の扇を持ち歩く 荒井千佐代
200712
秋扇祝ひ心の着物きて 大澤君予 遠嶺
200801
昼網の糶に間のある秋扇 大山文子 火星
200801
綾子舞終へし姉妹の秋扇 金子知代 万象
200801
あの時の「あっちゃん」に会ふ秋扇 岡本幸枝 ぐろっけ
200801
陪席の饗応受くる秋扇 高崎武義
200808

08/08/28 制作

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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掲載年月順です。

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