秋の潮 1      200句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鞆の浦土蔵のすそに秋の潮 山田弘子 春節 199503
流謫ならいつそ泥舟秋の潮 中原道夫 銀化 199811
秋の潮船に流れる佐渡おけさ 能勢京子 船団 199812
名ぐはしきふじつぼ秋の潮まみれ 林翔 馬醉木 199812
秋の潮より漁りし馳走とや 稲畑汀子 ホトトギス 199909
秋の潮見えて家路となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 199909
秋潮や水平線を歪め来て 稲畑廣太郎 ホトトギス 199910
秋潮に二万六千トン小さし 稲畑廣太郎 ホトトギス 199910
秋潮やすとんと落ちし夕日かな 酒井多加子 俳句通信 199910
秋潮の終の色とも見えて灘 稲畑廣太郎 ホトトギス 199910
秋潮を指さす今も「陸奥」のゐる 藤田宏 199911
秋潮の篩ひし砂が靴に入る 品川鈴子 ぐろっけ 199911
秋の潮上人ヶ浜ひたひたと 野口みどり 酸漿 199911
秋の潮狭まり巨船桟橋に 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
秋潮に神配在の島の形 中原道夫 銀化 199912
秋の潮足裏の砂削りとる 日吉わたる 船団 199912
秋潮を割りてサーファー現はれし 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
寄するたび砂にしみ入り秋の潮 藤井圀彦 200001
身の蒼むまで秋潮の壇ノ浦 貞吉直子 馬醉木 200001
秋の潮引き残しけり人の影 橋本みず枝 200001
磯蟹の斑を洗ひをり秋の潮 菊地恵子 酸漿 200001
秋潮のゆくへ見守る竜馬像 杉本艸舟 200001
秋潮や日矢振りそゝぐ日振島 星加克己 ぐろっけ 200002
中秋の大潮のとき来てゐたり 竹内悦子 200002
江の島の灯の明滅や秋の潮 田中藤穂 水瓶座 200002
悲恋の図秋潮に画く巖二つ 本橋怜加 冬牡丹 200003
秋の潮海月いびつにまん丸し 岡田房子 酸漿 200006
秋潮の翳となりをり流れ昆布 永田二三子 酸漿 200006
秋潮を淋しと云ひて逝かれたる 稲畑汀子 ホトトギス 200009
秋潮を巻き込みしより出港す 稲畑汀子 ホトトギス 200009
船切符潮じめりして秋思かな 能村研三 200009
秋潮を狭めて長き筏かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200009
回廊の万燈散らす秋の潮 高瀬史 馬醉木 200010
秋の海今度も引潮どきに来し 能村登四郎 200010
秋潮や人情知りて情足らず 鈴鹿仁 京鹿子 200010
日輪の中に白象秋の潮 岡井省二 200010
秋潮の沖三粁に震源地 品川鈴子 ぐろっけ 200011
秋潮の膨れたぷたぷ細螺に来 黒田咲子 200011
秋潮に渦生みやすき焼罪跡 能村研三 200012
鳥群れて秋潮満つる三番瀬 唐沢静男 春耕 200101
ふるさとへ秋の潮路を帰りたし 川口咲子 ホトトギス 200102
秋潮へスクリューの羽根畳ほど 市橋章子 ぐろっけ 200102
秋潮の島に毒ガス物語り 池田かよ ぐろっけ 200102
秋潮に周洗はれ百貫島 市橋章子 ぐろっけ 200102
神々の釣したまへる秋の潮 今井千鶴子 ホトトギス 200102
秋潮の渦平らかに巻くあたり 今井千鶴子 ホトトギス 200102
秋の潮満ちてふるさと近くなる 川口咲子 ホトトギス 200102
深閑と朱の能舞台秋の潮 金國久子 遠嶺 200102
読谷の青ざわめいて秋の潮 辻村拓夫 船団 200103
核またも爆ぜし秋潮水族館 品川鈴子 船出 200104
秋潮の塩の痒さよ耳がさつく 中原梓 海程 200106
ま向かえば九十九里浜秋の潮 中原梓 海程 200106
秋潮に出航してはみたものの 稲畑廣太郎 ホトトギス 200109
秋潮の航の話題のなほ尽きず 稲畑汀子 ホトトギス 200109
秋の潮少し荒るるもオホーツク 稲畑汀子 ホトトギス 200109
秋潮に面舵といふ進路かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200109
引き潮の勢ひや秋と思ひけり 能村登四郎 羽化 200110
秋潮のやすらぎに浮く水母かな 能村登四郎 羽化 200110
一つ島沖に浮かべて秋の潮 能村登四郎 羽化 200110
秋の潮馬関のくらしはじまりぬ 深澤鱶 火星 200112
秋潮を羽重く摶ち鵜の翔てり 田所節子 200112
冥界へ帽子をはこぶ秋の潮 小田さやか 船団 200112
佐渡や秋潮の匂の濃きことも 池田章 雨月 200112
文鎮のやうなタンカー秋の潮 八染藍子 200201
日蓮の俎岩や秋の潮 伊藤亮 春耕 200201
松原に秋潮の香をたしかむる 津田経子 火星 200203
肺一杯秋の潮風吸うて釣る 河内童楽 六花 200203
回廊の礎石を噴けり秋の潮 田中武彦 六花句集 200205
大川に会うて別れて秋の潮 稲畑廣太郎 ホトトギス 200209
石段の上に石段秋の潮 竹内弘子 あを 200210
秋潮に返せば透けり手のくらげ 西山美枝子 酸漿 200211
満ち潮の波の平らや秋立ちぬ 岩永恵子 百鳥 200211
秋夕焼神割崎の潮かな 田中聡子 遠嶺 200211
さらさるる流木のあり秋の潮 菊地恵子 酸漿 200211
潮騒の音ふりこぼす新秋刀魚 林和子 200212
秋の潮渡れば変身できるかも 稲嶺法子 遠嶺 200212
秋潮の貝殻山に差しゐたり 石脇みはる 200212
秋の潮夕陽は歪みつつ沈む 松本淳子 対岸 200212
初秋や潮騒生るる水墨画 祐森禰香 遠嶺 200212
往還や秋の潮位をはかりつつ 山野みどり 銀化 200212
足漬けてこの秋潮のあたたかさ 黒田咲子 200212
秋潮に船影しるき一と日かな 大槻久美 円虹 200301
いちめんの秋の大空潮だまり 加藤みき 200301
纜の沈みて揺らぐ秋の潮 谷上佳那 百鳥 200301
秋潮を小夜曲と聴き伊勢泊 伊藤稔代 200301
満潮のさびしさを云ふ秋の薔薇 中村恭子 200301
秋潮引き洛陽橋下泥濘なす 松崎鉄之介 200301
姥目樫は暗き木なりし秋の潮 黒田咲子 200301
鳥柱立つ秋潮の直中に 大竹淑子 風土 200302
引き潮の鳥居なりけり秋うらら 北島美都里 200302
秋潮の覆ひきれざる岩一つ 真保喜代子 200302
秋潮の速さ合戦幻に 佐土井智津子 ホトトギス 200305
見えて来し島見つつ航く秋の潮 稲畑汀子 ホトトギス 200309
秋潮のふふむ風歩す一時間 稲畑汀子 ホトトギス 200309
祝ぎ心乗せし車窓に秋の潮 稲畑廣太郎 ホトトギス 200309
秋潮の迅き瀬戸航く壇ノ浦 稲畑汀子 ホトトギス 200309
麦秋の沖や真昼の潮の形り 雨村敏子 200309
風強き日の秋潮と思はれず 稲畑汀子 ホトトギス 200309
一島に灯台二つ秋の潮 松本光司 帆船 200310
魚跳ねて秋暑の川の潮臭し 吉田三保 200311
秋の潮込めり橋立一字観 浜明史 風土 200311
潮飲みの青鳩散らす秋怒濤 菊地惠子 酸漿 200311
秋の雲ヨツトのよぎる潮目かな 大森美恵 風土 200311
丹塗りの回廊秋の潮うごく 大澤君予 遠嶺 200312
秋の潮島への道の開けたり 伊藤政子 築港 200312
秋の海母と子に潮満ちてきし 斉藤利枝子 対岸 200312
秋潮や昔難所の親知らず 石原静子 酸漿 200312
赤き星の巽にありし秋の潮 雨村敏子 200312
秋怒濤青鳩群れて潮を飲む 小島三恵 酸漿 200312
秋の磯潮溜りに子等雑魚掬ふ 牧野睦子 200312
潮鳴りにとり囲まれて秋の能 小澤克己 遠嶺 200312
仲良しや潮目の秋刀魚膳の上 中島陽華 200401
秋潮の轟音返す巌襖 平井改子 風土 200401
磯大きければ打ち伏し秋の潮 鷹羽狩行 200401
秋の潮みすずの鯉もゐるだらう 山田をがたま 京鹿子 200402
黒潮のにほひのしたる秋遍路 前田美恵子 200403
秋潮の香に結界のなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200409
黒潮に張出す岬麦の秋 山田弘子 ホトトギス 200410
わだつみの碑に秋潮の高鳴りて 石井秀峰子 遠嶺 200411
秋潮の渚に丸き石拾ふ 立脇操 雲の峰 200411
秋の潮最北端到着証明書 佐藤玲子 春燈 200411
潮は秋浮桟橋を発つ漁船 神田一瓢 雨月 200412
秋澄めり渦潮かしぐ帆無船 南奉栄蓮 風土 200412
人集ひせり秋潮の引く水路 高田令子 200412
歓声のあがる洞穴秋の潮 山田富朗 遠嶺 200412
秋潮をしぶきて浅蜊舟戻る 大坪景章 万象 200501
秋潮にタクトを振つてゐる子かな 保科次ね子 百鳥 200501
秋夕焼ボレロ最高潮なりき 中島陽華 200501
定刻に渡船の着きし秋の潮 松井洋子 ぐろっけ 200501
秋潮の白きは平家旗かとも 愛甲厚子 200502
秋風のときに潮風島巡り 稲畑汀子 ホトトギス 200509
潮流の記憶若狭の秋夕焼 能村研三 200510
橋桁の潮動きだす夜の秋 長沼三津夫 200510
秋潮に禊して入る神の島 柴田佐知子 200510
一筋の臙脂の帯の秋の潮 石脇みはる 200512
秋口の浜よそよそし潮木揚げ 小島みつ代 200512
秋口の倉庫の影の潮溜 廣畑忠明 火星 200512
満ち潮に足裏を濡らす秋の浜 水谷とく 築港 200512
引潮の引きのこしたる秋思とも 坂ようこ 200512
言葉忘るる秋潮のざはめきに 高田令子 200601
青々と老ひし大木秋の潮 高橋将夫 200601
水軍の城に秋潮音たてて 国永靖子 ぐろっけ 200601
秋潮の満ちくる錆のパイプ椅子 垣岡暎子 火星 200601
秋潮に禰宜が神酒撒き船御幸 田口たつお ぐろっけ 200601
残照の航跡ゆるぶ秋の潮 稲嶺法子 遠嶺 200601
懸命な風車秋潮満ちて来し 今瀬剛一 対岸 200601
豊の秋上げ潮にある押す力 成井侃 対岸 200601
潮騒の安乗文楽秋涼し 古賀勇理央 百鳥 200601
潮じめる巌よりたつ秋の蝶 垣岡暎子 火星 200602
秋潮の底に海月やたらひ舟 駒井でる太 200605
潮風が大地揺さぶる麦の秋 木内美保子 六花 200608
休み田のなき麦秋の潮来かな 樋口すま子 200609
松島をめぐる小舟や秋の潮 稲畑汀子 ホトトギス 200609
秋潮の渡り来る風ふと匂ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200609
秋潮を凹ませてゐる汽笛かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200609
みちのくのそれも松島秋の潮 稲畑汀子 ホトトギス 200609
潮の香の蛸壺乾く夜の秋 和田一 雨月 200611
しほかまの港の玄き秋の潮 石脇みはる 200612
引くときの音を押へて秋の潮 鶴田ちしほ 200612
仲秋の潮の香気比の芭蕉像 林友次郎 遠嶺 200612
岬の燈の届く限りを秋の潮 永井雪狼 200701
秋潮の満ちくる磯や捨て草履 遠藤和彦 遠嶺 200701
秋の海潮汲浜は紺に澄み 永井雪狼 200701
弟のたのもしき日の秋の潮 数長藤代 200701
やどかりのがやがや秋の潮だまり 西山美枝子 酸漿 200701
潮焼けの氏子ばかりや秋祭 柴田佐知子 200702
秋潮を見てきしこころ平らなり 木内憲子 200702
秋潮の彩となりゆく日本海 稲畑廣太郎 ホトトギス 200708
くれなゐの潮のあげし秋のこゑ 加藤みき 200711
秋潮の引き行く音よ崖の下 池部久子 酸漿 200711
秋潮の濃淡の縞長崎鼻 岡田章子 ぐろっけ 200801
秋潮の荒るるを沖に見せる湖 安原葉 ホトトギス 200802
秋爽や漁夫見定むる潮の向き 安原ときこ 遠嶺 200802
九頭竜川海へ溶け入り秋の潮 山田をがたま 京鹿子 200803
ともす灯に潮の香のあり竹の秋 馬崎千恵子 春燈 200807
秋風に潮荒き日もありぬべし 稲畑汀子 ホトトギス 200809
秋潮の弁天島の物語 稲畑汀子 ホトトギス 200809
潮どきと謂ふ時ありて水の秋 鈴鹿仁 京鹿子 200810
秋潮の延び来る先のつぶやけり 藤田宏 200810
秋潮の一線なるは軍めく 岡本眸 200811
飽きもせず潮騒を聴く秋の暮 山田六甲 六花 200811
白き巨船凛凛と行く秋の潮 宇都宮敦子 200811
敷布干す白きに秋の潮ひびき 定梶じょう あを 200812
入江より陰り俄かや秋の潮 久保田嘉郎 酸漿 200812
靴を脱ぐ教会ばかり秋の潮 吉川隆 春燈 200901
秋風や怒涛へ突き出る潮見台 布川直幸 200901
秋潮デッキ・ウォーク朝焼けに 勝野薫 ぐろっけ 200901
秋潮は茜に満ちし色の浜 竹中一花 200901
秋潮のうねりにかまけ旨寝せず 勝野薫 ぐろっけ 200901
秋寂びの天窓洞の潮つづみ 守屋井蛙 酸漿 200902
煩悩は大き潮へ秋惜しむ 小原徳男 遠嶺 200902
三味の音に立止まる秋潮入川 川合まさお ぐろっけ 200902
秋潮を割りて潜水艦現るる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909
潮に濡れ小貝を拾ふ浜の秋 伊藤敬子 200910
巻貝に潮の声聴く今朝の秋 堤京子 馬醉木 200910
潮引いて干潟は秋の真顔かな 中島讃良 ろんど 200912
青鳩の群に砕くる秋の潮 海上俊臣 酸漿 200912
秋潮や徐徐に干潟の種明かし 大西よしき ろんど 200912
秋潮や徐々に干潟の種明かし 大西よしき ろんど 200912
秋潮の立ち上がりたる鯨塚 田中佐知子 風土 200912
有磯海潮目さだかに秋澄みぬ 大橋伊佐子 末黒野 200912
秋の潮→2      

 

2021年9月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。