秋の草       80句

ことことに我もしらずよ秋の艸   加舎白雄

秋の草  秋草

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋の草らしからぬ色その中に 稲畑汀子 ホトトギス 199810
晴れて色曇りて沈む秋の草 稲畑汀子 ホトトギス 199909
秋の草歴草を岐くるべく長ず 中原道夫 銀化 199910
隠し事ふたつ程持ち秋の草 甲田夏湖 船団 200105
棒杭の牛糶場跡秋の草 三原清暁 春耕 200112
名を風に思ひ出させて秋の草 空閑一叫子 ホトトギス 200201
水音を星座と分かち秋の草 空閑一叫子 ホトトギス 200201
人心しづかに秋の草茂る 森杲 ホトトギス 200201
淡き影共に揺らして秋の草 湖東紀子 ホトトギス 200201
秋の草死装束に着丈ある 男波弘志 200201
一枚に野の色秘めし秋の草 稲畑汀子 ホトトギス 200209
通り過ぎゆけるも旅路秋の草 稲畑汀子 ホトトギス 200209
秋の草地獄絵巻のかはり仮名 佐藤喜孝 青寫眞 200304
鉄などをとりこんでをる秋のくさ 佐藤喜孝 青寫眞 200304
少年になつて見てゐる秋の草 射場智也 六花 200401
われもまた星の旅人秋の草 浜中雅子 遠嶺 200401
老医師の深き一礼秋の草 清水晃子 遠嶺 200401
書きかけの手帖に秋の草草も 内田秀子 草の花 200401
秋の草供へて心しづかなり 矢嶋みつ江 遠嶺 200402
いくとせも一誌に添はむ秋の草 近藤貞子 六花 200411
母の香の残る扇や秋の草 尾堂Y 河鹿 200412
菩提寺のホールにならぶ秋の草 伊東政勝 遠嶺 200501
暁雲のひかりまばゆし秋の草 浜田はるみ 遠嶺 200501
橋桁にぶつかつてゐる秋の草 吉弘恭子 あを 200501
秋の草日の差してなほ淋しくて 長沼紫紅 200501
濃筆の描き進みたる秋の草 稲畑汀子 ホトトギス 200510
片耗りの歩荷の踵秋の草 吉弘恭子 あを 200612
夕風や束ねて軽き秋の草 小泉万里子 200612
須磨浦の砂のこぼるる秋の草 戸栗末廣 火星 200712
人と会ひ別れしところ秋の草 阿部ひろし 酸漿 200803
高きものより風誘ふ秋の草 稲畑汀子 ホトトギス 200809
風誘ふ山路うろうろ秋の草 稲畑汀子 ホトトギス 200809
隠場の無き駝鳥らに秋の草 渡辺玄子 酸漿 200811
月山の夕日木道秋の草 増田一代 200812
ひらかなでさらにやさしく秋の草 木村茂登子 あを 200911
掴まつて下る墓山秋の草 数長藤代 200912
火襷の一輪挿しの秋の草 乙坂きみ子 末黒野 200912
朝摘みの女将の活けし秋の草 米田正弘 200912
最果ての野辺に風あり秋の草 澤井玲子 200912
住まれゐしままに家あり秋の草 井上浩一郎 ホトトギス 201002
大瓶の割れ目に秋の草となる 志方章子 六花 201002
孔舎衙坂越へる途中の秋の草 吉弘恭子 あを 201002
実も花も茎の上なる秋の草 鷹羽狩行 201010
花持つがゆゑのさびしさ秋の草 藤岡紫水 京鹿子 201012
その名問ふことより親し秋の草 稲畑汀子 ホトトギス 201109
道の辺の名もなき秋の草とのみ 稲畑汀子 ホトトギス 201109
鯖街道ひと足早き秋の草 藤見佳楠子 201110
背負籠にあるがまま活け秋の草 北川英子 201112
夕暮れの人らを包む秋の草 飯田ひでを 201211
秋の草パラリンピック見習て 長崎桂子 あを 201211
風受けてそよぐがゆかし秋の草 桂敦子 201301
ひとまづはまつすぐ立つて秋の草 青木朋子 201301
丈を越す秋の草ぐさ子規の庭 川口崇子 万象 201303
群がりて群れてはをらぬ秋の草 矢野百合子 201401
古井戸を覆ひ尽くせり秋の草 岡田香緒里 やぶれ傘 201404
紙ひこう機風に流され秋の草 西郷慶子 201411
時めくや源氏館の秋の草 山口キミコ 201412
思ひ出は永久に消えざる秋の草 稲畑汀子 ホトトギス 201509
道の辺のはみ出す山路秋の草 稲畑汀子 ホトトギス 201509
風の来てなびきて秋の草となる 山田天 雨月 201511
眼帯のとれてしみじみ秋の草 内海良太 万象 201512
花あるもなかりしものも秋の草 稲畑汀子 ホトトギス 201609
よるべなく中洲にゆるる秋の草 荒井ハルエ 春燈 201612
元興寺の光陰称へ秋の草 奈辺慶子 雨月 201711
子規庵の庭へ一歩や秋の草 山崎稔子 末黒野 201712
仮の世はつまづくばかり秋の草 本多俊子 201801
すずめの宿壺にあふるる秋の草 山崎稔子 末黒野 201802
野にあれば目立たぬ秋の草束ね 稲畑汀子 ホトトギス 201809
しまんちゅの勁さ優しさ秋の草 赤座典子 あを 201811
秋の草鴉の水平飛行かな 佐藤恭子 あを 201912
月あらば一幅の絵や秋の草 山崎稔子 末黒野 202001
取り混ぜて買ふ秋の花秋の草 黒川みつ恵 202001
古井戸の蓋の上なる秋の草 滋野暁 末黒野 202002
伏せ甕の回りは秋の草ばかり 高倉和子 202003
手に摘んでふり返り見て秋の草 稲畑汀子 ホトトギス 202009
平安の庭の水音秋の草 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
秋の草活けて山路にある思ひ 岩井京子 202105
抛げ入れの大き束ねや秋の草 加藤静江 末黒野 202112

 

2022年8月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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