秋の暮(秋のくれ) 6      89句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
腕めくるまだ白きとこ秋の暮 杉原ツタ子 201811
吹き分けて古き道見ゆ秋の暮 若泉真樹 201811
芭蕉の侘ひたすら追って秋の暮 若泉真樹 201811
コンクリのいけず石二個秋の暮 篠田純子 あを 201812
ラブソング口に座しゐる秋の暮 横山さくら 春燈 201812
擦れ違ふ声に覚えや秋の暮 中西恒弘 201812
タンカーの潮路に乗るや秋の暮 安斎久英 末黒野 201812
銀色の雨粒軒に秋の暮 安斎久英 末黒野 201812
白々と並ぶ湯呑や秋の暮 森なほ子 あを 201901
富士ははや青墨色に秋の暮 落合絹代 風土 201901
側道に尾灯つらなる秋の暮 秋山信行 やぶれ傘 201901
句会終へ暫し放談秋の暮 大橋晄 雨月 201902
朽ち橋のいよよ短く秋の暮 平居澪子 六花 201902
しづけさがまづ降りてきて秋の暮 竹内文夫 やぶれ傘 201902
引き倒す卓袱台はなし秋の暮 栗原京子 201904
秋の暮影長く伸ぶ路地の裏 仁上博恵 201905
予定とはあつてなきとも秋の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201908
忌を修し終へ心足る秋の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201910
歳月に追はるることも秋の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201910
知られたる怪我も癒えたる秋の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201910
一日は二十四時間秋の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201910
風荒き日もやうやくに秋の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201910
甥と言ふ電話怪しき秋の暮 柳田秀子 201911
蘆わたる風瑟々と秋の暮 西村博子 馬醉木 201911
老犬を連れて媼の秋の暮 眞弓真翁 風土 201912
秋の暮背中合はせの駅の椅子 多方清子 雨月 202001
長命の鐘ついてみる秋の暮 山本漾子 雨月 202001
訳言はず直に泣く子や秋の暮 谷村祐治 雨月 202001
秋の暮閉ざされ山の診療所 森田節子 風土 202001
雲が雲盛り上げてゆく秋の暮 安斎久英 末黒野 202001
鶴亀算なかなか解けぬ秋の暮 能村研三 202001
へぼ将棋曽孫に勝てず秋の暮 宮地静雄 末黒野 202002
三重の塔を残して秋の暮 今村千年 末黒野 202002
秋の暮鏡に顔を置き忘れ 武藤節子 やぶれ傘 202002
秋の暮どこかの猫が庭通る 武藤節子 やぶれ傘 202002
コキア燃ゆ常陸の苑の秋の暮 山岸明子 202002
飽食の盧舎那佛なり秋の暮 瀬川公馨 202002
象の背を砂もて洗ふ秋の暮 直江裕子 京鹿子 202002
手紙来て眼鏡をさがす秋の暮 松下道臣 202003
抱へこむ額のおもたき秋の暮 松下道臣 202003
母の差す愛嬌紅は秋の暮 佐藤喜孝 あを 202004
旅をせし日のはや遠し秋の暮 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
雨少し小降りとなりて秋の暮 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
五日間重なる予定秋の暮 稲畑汀子 ホトトギス 202010
ふり返る人生ありて秋の暮 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
別れがたき人歩き出す秋の暮 田口勝子 六花 202010
先哲の言の葉重し秋の暮 植村蘇星 京鹿子 202011
気がかりのふと声に出て秋の暮 斉藤マキ子 末黒野 202011
橋は橋道は道なり秋の暮 佐藤喜孝 あを 202011
公園の子らは帰りぬ秋の暮 宮澤靖子 末黒野 202012
テイラーのとなりバーバー秋の暮 篠田純子 あを 202012
向傷また増えにけり秋の暮 山田六甲 六花 202012
秋の暮額に血染タオルかな 山田六甲 六花 202012
耳とほくなりし二人や秋の暮 秋山信行 やぶれ傘 202101
秋の暮辻の地蔵に手を合はす 藤原明美 202101
空席のひとつそのまま秋の暮 吉清和代 202101
目印の角曲がりゆく秋の暮 森美佐子 やぶれ傘 202101
宅配が三階に来る秋の暮 安齋正蔵 やぶれ傘 202101
外を見て坐りゐる猫秋の暮 小池一司 やぶれ傘 202101
煙立ち竹爆ずる音秋の暮 光成敏子 202102
老犬の振り返り逝く秋の暮 山浦紀子 春燈 202102
足早に子に会ひに行く秋の暮 秋山蔦 春燈 202102
放牧の牛呼ぶ声や秋の暮 高木邦雄 末黒野 202102
外灯の一基点らず秋の暮 渡辺美智子 末黒野 202102
ちんどん屋ついて行きたき秋の暮 木村純子 末黒野 202102
秋の暮何か忘れてゐるやうな 小林拓路 末黒野 202102
晴天の続く蟄居や秋の暮 小長谷紘 末黒野 202102
巡礼の白く連なる秋の暮 石橋幾代 202105
お隣の席の遠さよ秋の暮 稲畑汀子 ホトトギス 202109
みほとけの笑みななめより秋の暮 井上菜摘子 京鹿子 202110
山鳩や望郷つのる秋の暮 前原マチ 末黒野 202112
砂に足もつれてゐたる秋の暮 山田六甲 六花 202112
漣を広ごる夕日秋の暮 石橋みどり 202112
気まぐれに三毛の立ち寄る秋の暮 秋川泉 あを 202112
けんけんぱ遊び足りない秋の暮 秋川泉 あを 202112
コロナ接種妹なんぎや秋の暮 黒澤佳子 あを 202112
読まず積む読書の秋の暮れてをり 小林文良 春燈 202201
目を病むは僻地住まひや秋の暮 杉本光祥 202201
逝くときは聖路加と決め秋の暮 鈴木石花 風土 202201
川に出で山を見てゐる秋の暮 黒滝志麻子 末黒野 202201
映画観て余韻の重し秋の暮 毛利直子 末黒野 202201
待つ人の無きへただいま秋の暮 渡辺美智子 末黒野 202201
秋の暮必ず壜の声を聴く 山田六甲 六花 202201
わが影の田面にゆがむ秋の暮 笹村政子 六花 202202
文机や栞そのまま秋の暮 北野節子 末黒野 202203
待てど来ぬ投句の手紙秋の暮 岡美智子 末黒野 202204
秋の暮一人づつ減る鬼ごつこ 山田正子 202205
塒の木悲鳴上げをり秋の暮 栗原京子 202206
理由もなく溜め息もらす秋の暮 針谷忠郎 202210
秋の暮→ 1

 

2022年11月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。