秋の暮(秋のくれ) 5      106句

ちる筈の柳もちらで秋のくれ  沾凉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
人力車途中で乗れず秋の暮 山田六甲 六花 201411
去来の墓なでて背中へ秋の暮 山田六甲 六花 201411
化野へ行く道聞かれ秋の暮 山田六甲 六花 201411
秋の暮みなとはぐれし巨漢 山田六甲 六花 201411
人肌の首を撫でをり秋の暮 山田六甲 六花 201411
一区切りつけてペン擱く秋の暮 阪本哲弘 201412
どの路地も古書の匂や秋の暮 生田高子 春燈 201412
秋の暮卵のパック軋む音 小山陽子 やぶれ傘 201412
秋の暮もしもしソース焦げてます 鈴木みのり 201412
秋の暮貝殻道を犬が来る 山尾玉藻 火星 201412
秋の暮くびれこけしの糸引く眼 松本三千夫 末黒野 201412
手をつけしのみの混浴秋の暮 山田六甲 六花 201412
駅出でて一人づつなる秋の暮 生田作 風土 201412
黒塀の残る赤坂秋の暮 伊東和子 201501
野仏の幾百年や秋の暮 中井弘一 201501
黒塀の残る赤坂秋の暮 伊東和子 201501
盛り塩のへたばつてをる秋の暮 だいじみどり 201501
買ひ手来て牛従はぬ秋の暮 原友子 201501
まつすぐな坂見上げたり秋の暮 小林愛子 万象 201501
遠ざかる人ばかり見え秋の暮 松田泰子 末黒野 201501
下山告ぐる電話に安堵秋の暮 小林和世 末黒野 201501
キャンパスの塔遥かなり秋の暮 根本ひろ子 火星 201501
秋の暮乾ききつたる獣道 瀬川公馨 201501
枝伐れば鴉ものいふ秋の暮 内藤静 風土 201501
児を引く手強くなりをり秋の暮 甕秀麿 201501
預かりし子が母探す秋の暮 野坂民子 馬醉木 201501
言ひさして本音呑み込む秋の暮 阪本哲弘 201502
買ひ手来て牛従はぬ秋の暮 原友子 201502
九十の師を抱きしむる秋の暮 田尻勝子 六花 201502
臥してるか立ってゐるのか秋のくれ 佐藤喜孝 あを 201503
皿まるく目薬しずく秋の暮 中原幸子 船団 201505
遊ぶ子とお使ひの子と秋の暮 鷹羽狩行 俳句通信 201504
わが翳になにか急かさる秋の暮 寺田すず江 明日葉 201505
秋の暮どこまで続く蟻の列 上原重一 201511
秋の暮偲ぶ思ひは消へにけり 四條進 201511
赤提灯並ぶ駅裏秋の暮 松本三千夫 末黒野 201511
蜘蛛の囲を山吹色に秋の暮 山田六甲 六花 201511
山水を引く竹細し秋の暮 山田六甲 六花 201511
鯉に髭われも顎髭秋の暮 千田敬 201511
秋の暮夕陽を背負ふ津軽富士 阿部月山子 万象 201512
鴉来て黙つて去りぬ秋の暮 中島芳郎 201512
仏前のまかりの酒を秋の暮 荒木甫 201512
突抜けるカノンの調べ秋の暮 赤座典子 あを 201512
米を磨ぐ男ひとりに秋の暮 杉本薬王子 風土 201512
校門に児を待つ母や秋の暮 細川コマヱ 雨月 201512
日々雲の層厚くして秋の暮 飯田ひでを 201601
秋の暮知覧に沈む日の重き 鈴木鞠子 末黒野 201601
煎餅の包み十字に秋の暮 服部早苗 201601
白杖の音拾ひ行く秋の暮 杉田春雄 風土 201602
欠け皿も売り物古物秋の暮 丸井巴水 京鹿子 201602
島の子に一人も会はず秋の暮 福島せいぎ 万象 201602
まだこの世柩の中も秋の暮 深川淑枝 201602
うどん屋ののれん片寄る秋の暮 中嶋陽子 風土 201603
文机に父のこゑある秋の暮 岩岡中正 ホトトギス 201604
相輪の影の正しき秋の暮れ 田口萬智子 201604
怪我といふ油断のありて秋の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201610
助手席に和服しつとり秋の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201610
助けくれたる人は誰秋の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201610
四畳半なりに散らかり秋のくれ 中島陽華 201602
卓袱台の瑕は家暦よ秋の暮 千田敬 201611
木の下へ猫の消えゆく秋の暮 白石正躬 やぶれ傘 201611
一日を旅と思へり秋の暮 藤田美耶子 201612
ゴーギャンの版画繊かき秋の暮 赤石梨花 風土 201612
初めての町にゆきたし秋の暮 永田万年青 六花 201612
校庭の声はたと消ゆ秋の暮 廣瀬克子 春燈 201612
ほころびの目につき出だす秋の暮 石森理和 あを 201612
秋の暮気が付かば下向いてをり 永田万年青 六花 201701
迷ひ道さらに迷へる秋の暮 住田千代子 六花 201701
秋の暮たこ焼き匂ふ女学生 溝渕弘志 六花 201701
余所ごとと思ひし火宅秋の暮 相良牧人 201701
秋の暮小魚売りはリヤカーで 安居正浩 201701
遠富士は黄金分割秋の暮 石崎和夫 201701
秋の暮良寛展に春画展 平井奇散人 船団 201701
空罎を投げほうと鳴る秋の暮 善野烺 六花 201702
携帯の声歩きをり秋の暮 上野紫泉 京鹿子 201702
上り待つ下り電車や秋の暮 小林愛子 万象 201702
僧一人磴下りくる秋の暮 斉藤マキ子 末黒野 201702
雲赤く街薄赤く秋の暮 渡邉孝彦 やぶれ傘 201702
鍛冶屋の火まっ赤に燃ゆる秋の暮 堀田清江 雨月 201703
せんせいは黒で腕組み秋の暮 中原 幸子 船団 201707
旅客機の窓ごとに顔秋の暮 北川美美 201707
一つづつ予定消しゆく秋の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201710
過ぎ去ればすべては風や秋の暮 黒滝志麻子 末黒野 201711
露坐仏へ造花を供ふ秋の暮 篠田純子 あを 201711
野良猫はエサをむさぼる秋の暮 篠田純子 あを 201711
私道なりと通さぬ棒や秋の暮 篠田純子 あを 201711
黒々と森せまり来る秋の暮 秋川泉 あを 201711
点滴を目で追ふあそび秋の暮 森和子 万象 201712
服も買はず俳句も書かず秋の暮 前田貴美子 万象 201712
ほろほろときな粉クッキー秋の暮 つじあきこ 201712
山腹を繋ぐ鉄塔秋の暮 高埜良子 春燈 201712
来ずなりて惜しむ豆腐屋秋の暮 森なほ子 あを 201712
グラタンに覗く天火や秋の暮 黒澤佳子 あを 201712
豚汁お替り女子寮秋の暮れにけり 篠田純子 あを 201712
小名木川の岸は直角秋の暮 篠田純子 あを 201712
秋の暮空地を囲ふ棒斜め 篠田純子 あを 201712
置き去りにされたるやうな秋の暮 吉田啓郷 風土 201712
横たはり電灯を見る秋の暮 出口誠 六花 201801
鍵穴を探りてゐたる秋の暮 永田万年青 六花 201801
右踵ばかり減りをり秋の暮 谷口一献 六花 201801
看板だけ新しくする秋の暮 鈴木光影 201801
銀箔を貼らぬ銀閣秋の暮 岡村彩里 雨月 201801
一雨きて一衣重ねる秋の暮 藤波松山 京鹿子 201801
ばあちゃんの家が好きよと秋の暮 黒澤佳子 あを 201801
出港の巨船ゆるりと秋の暮 安斎久英 末黒野 201802
秋の暮虫歯あること思い出す 津田このみ 船団 201806
秋の暮→6      

2021年11月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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