秋の日 5  200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋日濃く沁みゐし椅子の座り艶 布川直幸 201409
白杖の人にゆづりぬ秋日差 大日向幸江 あを 201409
明るさも暗さも秋の日の下に 稲畑汀子 ホトトギス 201410
昨日今日明日も秋の日あるがまま 稲畑汀子 ホトトギス 201410
秋日さす茶碗に息を呑みにけり 山田六甲 六花 201411
色紙展玻璃戸ぬけくる秋日濃し 布川直幸 201411
秋の日をちりばめ砂の水くらげ 山田美恵子 火星 201411
杉木立奥に秋の日差し入りて 白石正躬 やぶれ傘 201411
秋日差す町家二階の畳べり 山田六甲 六花 201411
瑠璃茶碗京の秋日のさしにけり 山田六甲 六花 201411
青色に目眩んでゐる秋日中 山田六甲 六花 201411
秋日さす陶師は額少し上げ 山田六甲 六花 201411
嵐電の客ちらほらと秋日差 山田六甲 六花 201411
秋日なか享子の墓の見あたらず 山田六甲 六花 201411
秋の日や鳴らぬ電話を待ち暮るる 森下康子 201412
根が生ゆるやうに坐す礁秋日影 田中貞雄 ろんど 201412
大殿の畳廻廊秋日跳ね 田中貞雄 ろんど 201412
秋日闌く白衣同行二人衆 田中貞雄 ろんど 201412
殉教の少年像に秋日濃し 塩見英子 雨月 201412
坂道を下れば港秋日濃し 島玲子 風土 201412
和傘貼る太き十指に秋日濃し 兼久ちわき 馬醉木 201501
山車廻す秋の日まはす轍跡 原田達夫 201501
秋日差水をゆらして天井画 来海雅子 201501
秋の日や白光受くる身のほとり 川長坂正昭 春燈 201501
マディソン橋母の散骨秋日に舞ふ 増田菖波 春燈 201501
足場とれし変身わが家秋日燦 望月晴美 201501
秋日濃し生家に残る蠅取器 菊川俊朗 201501
行く秋の日差しを求め秋の蝶 小川玉泉 末黒野 201501
秋日受け海のきらめくひとところ 石黒興平 末黒野 201501
つくつくし秋の日となる鳴き納め 小倉純 末黒野 201501
秋の日や本堂工事今半ば 岩崎スミ子 末黒野 201501
金ン揺らし秋日に揃ふ山車十余 浅井青二 雨月 201501
沈み行く秋日遮り漁船 堀田清江 雨月 201501
久々に浜辺の思索秋日濃し 渡辺安酔 201501
赤松の肌の濡るる秋日かな 松山直美 火星 201501
秋日さす銀座和光に乳母車 奥田茶々 風土 201501
撫で艶の大すりこぎに秋日さす 福島せいぎ 万象 201501
両陛下秋の日たわわりんご園 鎌田悟朗 ろんど 201501
大いなる秋日の中の伊勢神楽 半田稜 ろんど 201501
海はそこ山そこに秋日差 井上信子 201501
二艘出て秋日を絞る流し網 不破幸夫 馬醉木 201501
秋日浴びぶんぶん回る連子鯛 赤座典子 あを 201501
絵硝子のマリヤ越しなる秋日燦 斉藤マキ子 末黒野 201502
黙りの釣人の背や秋日影 山崎稔子 末黒野 201502
帆を上げて秋日に映ゆる日本丸 秋山文子 末黒野 201502
中之島の秋日一入ビル染めて 出口貴美子 雨月 201502
大正の玻璃戸や秋日差す生家 土谷倫 船団 201505
城跡のゴールデンシャワーてふ秋日 南北佳昭 船団 201505
繩文のA氏あゆめる秋日差 佐藤喜孝 あを 201509
赤松の切株に秋日差かな 大崎紀夫 虻の昼 201510
山車廻す秋の日まはす轍跡 原田達夫 箱火鉢 201511
秋の日の釣り師は柵に肘をつく きくちえみこ 港の鴉 201510
鶏頭に秋の日のいろきまりけり 久保田万太郎 春燈 201511
雲の透く箱根連山秋日果つ 赤岡茂子 春燈 201511
荒草に角立つ秋の日射しかな 生田作 風土 201511
秋の日を子供御輿の反射せり 高田令子 201511
聖水盤乾き絵硝子より秋日 荒井千佐代 201511
カーテンの模様畳に秋日濃し 渡部良子 馬醉木 201512
用済みの卒塔婆秋日にさらされて 渡邊孝彦 やぶれ傘 201512
秋日今落ちて鴉の声高し 曽根京子 春燈 201512
窓越しの秋の日溜り手織機 つじあきこ 201512
煌めける黄金の間に秋日差す 奥田茶々 風土 201512
秋日濃し光悦垣の苔浮かす 門伝史会 風土 201512
子らが来て山の秋日をかきまぜる 池田光子 風土 201512
秋日影眠るゴリラの舌桃色 高橋道子 201601
ハロウインの絵本の弾み秋日濃し 和田政子 201601
一句詠み秋日の卓に置きにけり 松嶋一洋 201601
秋日洩るる堂や目を剥く四天王 田中臥石 末黒野 201601
秋日射す川の一箇所鯉溜り 田中臥石 末黒野 201601
秋日差し背に受け明日の備へ考 長崎桂子 あを 201601
坂のぼる途中で秋の日の中へ 大島英昭 やぶれ傘 201601
跳び箱の高さずんずん秋日射し 安藤久美子 やぶれ傘 201601
大仏の慈顔をつつむ秋日かな 安達公彦 春燈 201601
秋日積むインクラインの枕木に 服部早苗 201601
砂乾ききつて砂丘の秋日濃し 土井三乙 風土 201602
舞ふ巫女の鈴に集まる秋日差し 貫井照子 やぶれ傘 201602
秋日差水をゆらして天井画 来海雅子 201602
秋の日に浮いて蜘蛛の巣大いなり 中嶋陽子 風土 201603
秋日濃し大川目覚めゆくほどに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
赤松の幹ぴりぴりと秋日濃し 久染康子 201611
どの道を選ぶも秋の日暮かな コ田千鶴子 馬酔木 201611
秋の日やさゆらぎもなき日章旗 西住三恵子 201611
秋日濃く藁焼く煙の香ばしく 井上石動 あを 201611
少年の釣竿軽し秋日向 須賀敏子 あを 201611
遮断機のあがり鉄路の秋日濃し 赤羽陽子 春燈 201611
風も漸秋日の浜に帆の用意 高橋まき子 風土 201612
秋の日の海へ出てゆくモノレール 橋本之宏 風土 201612
顧る坂をどんどん秋日落つ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201612
秋の日や老いたる父の爪を切る 浅木ノヱ 春燈 201612
堰落つる水に秋日のかけらかな 森清堯 末黒野 201612
秋日射す義父と婿との伽羅僧衣 稗田夏子 201612
連山に小数点を打つ秋日 七種年男 輪中の空 201612
稲穂垂れ秋の日ざしのやはらかし 堀田こう 雨月 201701
もう一度さよならの声秋日落つ 堀田清江 雨月 201701
秋日の嶺にぶつかり落ちにけり 近藤喜子 201701
己が身を捧げ秋日の武甲山 安立公彦 春燈 201701
秋の日に襞を凝らしぬ武甲山 鷹崎由未子 春燈 201701
秋日濃し名工展の美術館 佐藤まさ子 春燈 201701
秋の日や庭師何かと剪りたがる 村上二三 201612
秋日燦波頭はお湯の湧く如し 矢野百合子 201701
秋日差し一矢をはなつまで長し 大島英昭 やぶれ傘 201701
抜け穴の闇に秋日の差し込みぬ 平居澪子 六花 201702
久し振り秋日こぼるる父母の墓 木村弓子 末黒野 201702
わが影の二拍二礼や秋日濃し 太田良一 末黒野 201702
秋の日を座敷に上げて午後一時 武藤節子 やぶれ傘 201702
京焼を商ふ路地の秋日濃し 高木邦雄 末黒野 201704
気紛れな雲に秋日の淡々と 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
秋日濃し刑事ドラマの一場面 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
ひととせの早さよ母に秋日濃し コ田千鶴子 馬醉木 201710
秋の日の天空にあり岩木山 黒滝志麻子 末黒野 201711
秋の日や吾家の基礎は定まりぬ 富永小谷 馬醉木 201712
病窓にビル影の濃し秋日濃し 森和子 万象 201712
病棟に差す秋の日とテレビ見る 林田麻裕 201712
秋日濃くKUSAMAの赤いワンピース 火箱ひろ 201712
朝市の高山陣屋秋日燦 松本三千夫 末黒野 201712
秋の日の埴輪へ一語妻発す 田中臥石 末黒野 201712
秋日濃し池塘に鳥の羽根やすめ 豊行青峰 春燈 201712
秋日濃し古地図片手に紀尾井町 篠藤千佳子 201712
秋の日を思ふ存分河馬の口 齊藤實 201712
秋の日や信長塀の縞模様 庄司久美子 201712
日捲りの子規の一句に秋日差 小林共代 風土 201712
天窓の秋の日を追ひ背泳す 平居澪子 六花 201801
秋の日に掛けて大政奉還図 山田健太 風土 201801
秋の日の薬袋の重さかな 松村光典 やぶれ傘 201710
小半時歩けば秋の日差し濃く 安藤久美子 やぶれ傘 201711
横顔に秋日差しくる写経かな 笹村政子 六花 201712
渡し場にすとんと秋の日の暮れて 秋山信行 やぶれ傘 201712
秋の日をシャガール展で過しけり 枝みや子 やぶれ傘 201712
誰にでも等しく秋日注ぎけり 小山繁子 春燈 201801
妙義嶺に残る秋の日尖りけり 森清堯 末黒野 201802
秋日濃く水に浮くもの皆眩し 熊川暁子 201802
狛犬の吽像秋の日惜しみをり 岡田桃子 201802
寄り添ふて秋の日和を分かちをり 久保夢女 201802
ねむり猫見上ぐ秋日の東照宮 島野ひさ 万象 201803
秋日差畳ぬくもる二人の座 外山生子 末黒野 201804
秋の日の遍し寺の屋根の反り 外山生子 末黒野 201804
抱き上げし兎に秋の日の匂ひ 窪みち子 201804
甲板に秋日の飛沐あふれしむ 山田六甲 六花 201810
秋の日やミニ豚小さき尻尾振る 塩尻きぬ 風土 201811
毛繕ふ猿の親子に秋日濃し 平田はつみ 馬醉木 201811
秋の日の海の波間に遊びゐし 柴田靖子 201811
秋日差研師の借りる軒と水 大谷昌子 馬醉木 201811
もう一度街歩きたし秋日濃し 柴崎富子 春燈 201811
道産子の白馬へ秋日送る 栗坪和子 201812
傷ひとつあたためなほす秋日向 辻水音 201812
浮雲の青色青光秋日燦 平野多聞 201812
展ごれる芝原寂と秋日燦 岡野里子 末黒野 201812
竹林の小径秋の日入れざりき 松本三千夫 末黒野 201812
秋日差しはげ頭でもかゆいのか 林田麻裕 201812
秋の日や築地市場はけふ限り 赤堀美恵子 風土 201901
道なりに曲がる白線秋日差 小山よる やぶれ傘 201901
壁赤きインドカレー屋秋日差 丑久保勲 やぶれ傘 201901
河馬の口四角に開いて秋日燦 菊地光子 201901
句碑にある秋日のぬくみ師のぬくみ 西村操 雨月 201901
秋日差す小窓明りや馬睡り 中田みなみ 201902
秋日濃し社家に残れる禊の井 橋添やよひ 風土 201902
ホスピスの玻璃に秋日の濃かりけり 升田ヤス子 六花 201902
池の面の細波秋の日を返す 柚木澄 末黒野 201902
海に向く墓石秋の日をうけて 貫'井照子 やぶれ傘 201902
秋の日や曲尺あてて柱立つ 眞田忠雄 やぶれ傘 201902
手庇に余る秋日の天守閣 西住三惠子 201905
秋の日の陰り易きもそれらしく 稲畑汀子 ホトトギス 201910
秋日濃し尾張の空を画布として 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
日照雨して秋の日差の二上山 出牛進 201910
日のすでに秋日となりて膝の上 中村房子 馬醉木 201911
街騒や秋日受けたる芭蕉句碑 手島伸子 雨月 201911
秋の日におぼれ母より老にけり 佐藤恭子 あを 201912
秋の日の人影くきと地に置かる 佐藤恭子 あを 201912
秋日受け形見の時計乱反射 平居澪子 六花 201912
秋の日や夢殿扉ほの開く 今泉忠芳 ある日の滴 201912
秋日影古色を拾ふ古街道 今泉忠芳 ある日の滴 201912
正門に停まるバス行く秋日うけ 鈴木としお 春燈 201912
ときめきの卒寿間近や秋日燦 河本由紀子 春燈 201912
眼裏にのこる秋日の赤城山 安立公彦 春燈 201912
後ろから影の伸びくる秋日かな 野村宏 201912
秋日照る地から一番近い生 中西厚子 201912
秋日中ただいまと差し出す御座候 高野昌代 201912
秋の日の塔の甍のきらめきて 安部和子 雨月 201912
秋日燦一糸乱れぬ儀仗隊 川村欽子 雨月 202001
山門に仁王の草履秋日濃し 桜井知恵子 雨月 202001
秋の日の射し入る機内ティータイム 竹内喜代子 雨月 202001
秋の日の池面に影を右近像 安部和子 雨月 202001
秋の日の古本漁る神田かな 高木邦雄 末黒野 202001
伊勢神宮即位の秋日厳かや 山本泰人 春燈 202001
秋日濃き木洩れ日の道修験僧 小林紫乃 春燈 202001
生肉をせせる烏に秋日照る 中西厚子 202001
秋の日の粒子浴びけりガラスペン 雨村敏子 202001
秋の日を返す大屋根威風なる 野村重子 末黒野 202002
秋の日の満つる神木触れもして 橋場美篶 末黒野 202002
鬼瓦据うる石庭秋日濃く 橋場美篶 末黒野 202002
古書店の奥へと秋の日差しかな 松浦哲夫 末黒野 202002
柔道着干して待たるる秋日差 菅野日出子 末黒野 202002
鈴懸の幹の白き斑秋日濃し 森清堯 末黒野 202002
縁側で嫗こつくり秋日差す 出利葉孝 202002
秋の日をペダルで免許返納者 松村光典 やぶれ傘 202002
秋の日の鞄にしまう青ノート 中林明美 船団 202003
秋の日や赤ん坊たちの土俵入り あさなが捷 202007
新秋の日差はすぐに掻き消され 稲畑廣太郎 ホトトギス 202008
秋日濃し大地焦がしてゆく程に 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
秋日濃し虚しき釣果明かしゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202011
秋の日→ 6

2021年10月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。