秋日和 3    201句


作品
作者
掲載誌
掲載年月
晩婚の宴つづけり秋日和 四葉允子 ぐろっけ 200901
秋日和ますほの小貝手に透きて 山田春好 200902
手熨斗して畳むエプロン秋日和 野中啓子 200902
母の忌の向ひ合ふ膳秋日和 坂場章子 200902
つくねんと行く人ながむ秋日和 松村光典 やぶれ傘 200903
満天星に暮れ残りたる秋日和 松村光典 やぶれ傘 200903
秋日和園の遊具に鳩ふえて 小菅美代子 ぐろっけ 200905
表と言ひ裏と名乗りて秋日和 東亜未 あを 200909
赤ちゃんに笑ひかけらる秋日和 赤座典子 あを 200910
見渡せば関東平野秋日和 谷寿枝 酸漿 200911
秋日和葺替終へる檜皮葺 東亜未 あを 200911
病人の爪ばかり伸ぶ秋日和 荒井千佐代 200911
言の葉を紡ぐわらべに秋日和 芝宮須磨子 あを 200912
建つ家の鎚音高し秋日和 岡久枝 酸漿 200912
競艇を散らす一湾秋日和 山田春好 200912
水牛に揺られ三線秋日和 長濱順子 200912
真向かひに棚田まぶしき秋日和 五ケ瀬川流一 六花 200912
新客の座敷賑はふ秋日和 小浦榮子 酸漿 200912
秋日和作務衣は洗ひ晒しにて 池園二三江 春燈 200912
柴漬の濃きむらさきも秋日和 高田令子 200912
鹿角(かこ)の杖拝す六波羅秋日和 谷村幸子 200912
マスゲーム逆を向く子や秋日和 岩谷丁字 春燈 200912
ばら園の鳩足元へ秋日和 小川玉泉 末黒野 201001
寺に来て留守を頼まれ秋日和 江木紀子 雨月 201001
秋日和筆記用具と好奇心 小瀧洋子 ろんど 201001
出番なき消防艇や秋日和 竹内悦子 201001
秋日和父母の墓石の掌に熱き 藤井美晴 やぶれ傘 201001
秋日和心慮の深き人なりし 高木智 京鹿子 201001
亡き人と同じ日向に秋日和 鈴木とおる 風土 201001
豊穣の恩恵に謝し秋日和 秦和子 201001
母の針目紅絹に残りし秋日和 近藤紀子 201001
笹原と鹿の迫遥秋日和 坂根宏子 201001
壕の口で脳天を打つ秋日和 竹内弘子 あを 201001
ゴーギヤンの女憩へり秋日和 小澤菜美 201001
リメイクの小津の映画や秋日和 増田一代 201001
魚藍観音大物浦の秋日和 溝内健乃 雨月 201002
蒸し大豆匂ふ単線秋日和 五十嵐紀子 201002
病人の爪ばかり伸ぶ秋日和 荒井千佐代 201002
山道に丸太積みあり秋日和 大島英昭 やぶれ傘 201002
藤袴文庫開かれ秋日和 宮崎正 ホトトギス 201002
久久の十階の風秋日和 赤座典子 あを 201010
秋日和白波たてて船走る 永田あき 酸漿 201011
この道を今日は歩かう秋日和 鎌倉喜久恵 あを 201012
人影の見えし垣根や秋日和 青山正英 201012
秋日和重き扉の軽くあく 谷村幸子 201012
秋日和気球の如き雲浮きて 若江千萱 雨月 201012
田も畑も表面張力秋日和 鎌田悟朗 ろんど 201012
秋日和太鼓の響き殷々と 岸本林立 雨月 201101
秋日和植木屋一ト@日木の上に 吉@川隆 春燈 201101
秋日和湖底見渡す休火山 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201101
貨物列車なべて鈍行秋日和 出口賀律子 雨月 201101
秋日和パン作りする魔法の手 山本久美子 ぐろっけ 201101
野良猫の鼻に傷ある秋日和 松村光典 やぶれ傘 201101
潜水艦浮上して航く秋日和 瀬島洒望 やぶれ傘 201101
ヨットより電話をもらふ秋日和 山本浪子 風土 201101
銀座三越大増床の秋日和 北村香朗 京鹿子 201102
秋日和色香を愛でし芝居小屋 宮脇百百子 201102
秋日和実の熟れ頃をつつく鳥 田村幸子 201102
屋上に物干す患者秋日和 山田六甲 六花 201110
玻璃越しに睨み合ふ猫秋日和 福島松子 ぐろっけ 201112
和田金に人あふれをり秋日和 田下宮子 201112
秋日和母を立たせて写真撮る 小林朱夏 201112
秋日和指に食ひ込む前・中肢 森理和 あを 201112
手をつなぐ児の弾みをり秋日和 松嶋一洋 201112
抱いてゐて嬰よく笑ふ秋日和 田中藤穂 あを 201112
阿の仁王踏み出しさうな秋日和 塩見英子 雨月 201112
野仏の膝にアルミ貨秋日和 斉藤マキ子 末黒野 201201
木琴の音のころがる秋日和 辻直美 201201
異国にてピザ食む親子秋日和 伊吹之博 京鹿子 201201
蒼宵に稜線まろし秋日和 外山生子 末黒野 201202
秋日和案内人の関西弁 三輪慶子 ぐろっけ 201202
山を見て山に見られて秋日和 あさなが捷 201202
歳時記とカフエに座る秋日和 松村光典 やぶれ傘 201202
おにぎりと本一冊の秋日和 仲里奈央 201202
ひよつこりと友に逢ふ町秋日和 秋葉貞子 やぶれ傘 201203
水牛がバスを止めたる秋日和 吉田和子 ぐろっけ 201204
秋日和競ふホテルのシャンデリア 稲畑汀子 ホトトギス 201210
耳遠き父に声張る秋日和 柴田佐知子 201212
来る猫を拒まず寺の秋日和 生田恵美子 風土 201212
秋日和紙垂より覗く唐車 内藤京子 ぐろっけ 201212
秋日和吟行会へ足早む 菊地崇之 かさね 201212
秋日和すこし離れて座りけり 浅田光代 風土 201212
病む父が目で応へをり秋日和 柴田佐知子 201212
胎動を掌にしかと受く秋日和 山口裕子 万象 201301
新車来て猫も飛び出す秋日和 的場うめ子 ぐろっけ 201301
父の目へ注すひとしづく秋日和 坂場章子 201301
しめやかに水子不動の秋日和 松本周二 かさね 201301
解禁のいせえび跳ぬる秋日和 秦和子 201301
卒業のその後いかにや秋日和 長島清山 かさね 201301
恙なき夫と読書の秋日和 占部美弥子 末黒野 201302
外したい酸素吸入秋日和 田村元 ホトトギス 201303
子の帽子追ひゆく砂丘秋日和 河野美奇 ホトトギス 201303
デントコーンサイロに吹き詰む秋日和 佐藤喜仙 かさね 201311
脱げさうな嬰のくつした秋日和 内山花葉 201312
石仏誰かれに似し秋日和 舩山東子 ろんど 201312
初雪草と名を教はりぬ秋日和 赤座典子 あを 201312
罅走る蔵の匂ひや秋日和 相澤和子 ろんど 201312
若医師の笑顔頼もし秋日和 斉藤裕子 あを 201312
秋日和庭一面の花の笑み 羽賀恭子 201312
秋日和釣り糸絡む舟だまり 田中清秀 かさね 201312
秋日和傾けて乾す鮨の桶 布村松景 春燈 201312
横這の小水放ち秋日和 森理和 あを 201312
登頂に石ひとつ積む秋日和 望月晴美 201312
ベビーカー街に溢るる秋日和 田中藤穂 あを 201312
大琵琶の煤めきて見ゆ秋日和 片岡良子 雨月 201401
芭蕉句碑に五穀を供へ秋日和 東野鈴子 雨月 201401
秋日和山水まろく迸る あかさか鷹乃 ろんど 201401
秋日和句帖と季寄せ持ちて旅 荒木治代 ぐろっけ 201401
小魚の透ける水口秋日和 坂場章子 201401
木偶を彫る木屑匂へり秋日和 福島せいぎ 万象 201401
買ひ過ぎし好物重し秋日和 池森昭子 馬醉木 201401
九州の山脈やさし秋日和 楠原幹子 201401
秋日和ハシビロコウの首うごく 下平誠子 ろんど 201402
馴染の品形見に届く秋日和 足利ロ子 ぐろっけ 201402
鉄鯨の進水式や秋日和 難波篤直 201402
秋日和抱き手の分かる赤子かな 藤本秀機 璦別冊 201408
ひゆんひゆんと能生の風車や秋日和 井上石動 あを 201410
筑波嶺は目の高さなり秋日和 西岡啓子 春燈 201411
愛こめて小松菜を引く秋日和 上原重一 201411
天空ににらみ雲龍秋日和 西垣順子 201412
富士山に幾度まみゆる秋日和 中貞子 201412
ママちやりの空気上々秋日和 井上石動 あを 201412
三色に海原分れ秋日和 森理和 あを 201412
大黒に小槌振らるる秋日和 篠田純子 あを 201412
秋日和継目ごとんと貨車動く 山内洋光 201412
秋日和京の札所の仏たち 西村雪園 風土 201412
書架めぐる午後の図書館秋日和 鈴木セツ 201412
マンホールの蓋に象の絵秋日和 甕秀麿 201501
揚琴と二胡響き合ふ秋日和 横田矩子 201501
着ぬままの服積み上ぐる秋日和 佐用圭子 201501
秋日和きしむベンチにバスを待つ 中堀倫子 201501
九条へ念ひ昂る秋日和 金子つとむ ろんど 201501
神保町書肆街歩く秋日和 鈴木石花 風土 201502
スカーフの風にしたがふ秋日和 亀井紀子 201502
うどん屋に水車のまはる秋日和 苑実耶 201502
天国の見えさうなほど秋日和 近藤ともひろ ろんど 201502
死に急ぐことなしけふの秋日和 佐用圭子 201502
筑波嶺は目の高さなり秋日和 西岡啓子 春燈 201503
音立てて瓦の傷む秋日和 井上信子 201510
ざりがにの逃げ足速し秋日和 佐藤博重 春燈 201512
たまゆらの静けさを聴く秋日和 河ア國代 春燈 201512
仰ぎ見る星取表や秋日和 亀井紀子 201512
針へ糸入らずとなりぬ秋日和 井上石動 あを 201511
ひと言の返信嬉し秋日和 斉藤裕子 あを 201512
親子蛙穴出て跳ねる秋日和 大木清美子 201512
廃校の桑の葉ゆたか秋日和 小川玉泉 末黒野 201512
何もかも洗ひたき日や秋日和 黒滝志麻子 末黒野 201512
流れゆく潮を見てをり秋日和 中村洋子 風土 201512
海よりも甍がまぶし秋日和 武政礼子 雨月 201512
鋸と鉈庭に持ち出す秋日和 生田作 風土 201512
妻にまた恋をしさうな秋日和 松崎雨休 風土 201512
秋日和句帳は机の上にあり 松嶋一洋 201601
蜘蛛の巣に蜘蛛逆さまに秋日和 森理和 あを 201601
ギオロンも貯蓄も無しも秋日和 井上石動 あを 201601
橋桁の水かげろふや秋日和 赤岡茂子 春燈 201602
音ありて尋ねる子らの秋日和 杉原ツタ子 201602
ポプコーンに鳩の群れ寄る秋日和 松村光典 やぶれ傘 201602
定刻にバスの現る秋日和 松村光典 やぶれ傘 201602
折紙でつくる恐竜秋日和 古川夏子 201602
帰りには吠えぬ番犬秋日和 青木朋子 201602
大鳥のまた増えてゐる秋日和 内田郁代 万象 201609
餌撒けば雀集まる秋日和 森高武 風土 201611
秋日和母の遺影にある笑顔 室井津与主 春燈 201611
雲梯の男の子の動き秋日和 庄司久美子 201612
紐ひけば汽笛うそぶく秋日和 那須淳男 馬醉木 201612
木洩日にワイン楽しむ秋日和 鈴木としお 春燈 201612
朝市に旅の荷ふやす秋日和 佐藤信子 春燈 201612
秋日和グランドピアノ傷だらけ 安藤久美子 やぶれ傘 201612
秋日和ビル群を背に船溜り 森なほ子 あを 201612
抱卵の愉悦のごとき秋日和 高倉和子 201612
鯉の餌を遠くへ放る秋日和 栗原京子 201701
みどり児をこはごは抱く秋日和 田代貞香 201701
観音の足指覗く秋日和 篠田純子 201701
秋日和園児乗せゆく乳母車 森美佐子 やぶれ傘 201702
山路来し一人ひとりの秋日和 稲畑汀子 ホトトギス 201710
蝋引きて板戸走らす秋日和 松井志津子 201711
起震車に長き列なす秋日和 中西恒弘 201711
炸裂の水玉祇園秋日和 鈴木みのり 201712
秋日和少年棋士の棋譜きらり 佐々木並 春燈 201712
妻の歳一つふやせり秋日和 佐藤喜孝 あを 201712
ロボットの動作なめらか秋日和 楠原幹子 201801
御榊を取り換へてゐる秋日和 安藤久美子 やぶれ傘 201710
縄文土器いま眺めゐる秋日和 亀岡睦子 やぶれ傘 201712
みほとけとの対話やすけき秋日和 山下健治 春燈 201801
秋日和膝より低き虚子の句碑 藤井啓子 ホトトギス 201802
シーバスの転舵の波や秋日和 石黒興平 末黒野 201802
チェロ聞くやくつろぐ午後の秋日和 飯田マサ江 末黒野 201802
秋日和ひよこの小屋を作りをり 秋千晴 201801
秋日和まづ棟梁が餅をまき 苑実耶 201801
秋日和草津の出湯に癒されて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
走らねば立たぬ鬣秋日和 大谷昌子 馬醉木 201811
をなもみとめなもみと指す秋日和 中野あぐり 春燈 201811
娘と歩の合ふバージンロード秋日和 住田千代子 野に遊ぶ 201811
パン屋さんはいつでも笑顔秋日和 林田麻裕 201812
秋日和四つ星ホテルで待ち合わせ 林田麻裕 201812
ケーナの音の翔る上野や秋日和 下村たつゑ 201812
コンビニおにぎり123で秋日和 佐藤喜孝 あを 201812
蜜柑柿林檎卓上秋日和 石森理和 あを 201812
秋日和夫待つ銀座四丁目 外山妙子 雨月 201901
秋日和不意の電話に立ち尽し 藤波松山 京鹿子 201901
猫二匹場所取り合ふや秋日和 藤波松山 京鹿子 201901
秋日和ふつか前なる魔法n 佐藤喜孝 あを 201901
秋日和水上散歩すすめられ 山田夏子 雨月 201902
弾みつけ雀翔び立つ秋日和 本多トミ 201902
秋日和恩師訪ねて十二人 いろは 201904
秋日和老木の杭取り替える 植木やす子 201905
秋日和→4      

 

2021年9月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。