9   100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
遺されしかくかくしかじか陶の秋 大橋敦子 雨月 200512
ふりむけば着流しで来る木曾の秋 柴田朱美 京鹿子 200512
島の秋老いて信徒のガイドかな 中里信司 酸漿 200512
奈良の秋古代チーズといふを食み 辻恵美子 栴檀 200512
いくさで死なぬ男ら逝きしこの秋ぞ 鈴木榮子 春燈 200512
鳩の影人の影美術館秋 田中藤穂 あを 200512
父の声母に届かず秋迎ふ 山本久美子 ぐろっけ 200512
父の髭剃りゐる娘病室秋 鈴木多枝子 あを 200512
部屋隅の箪笥に秋が来てをりぬ 染谷晴子 200512
穂高も秋辻々守る道祖神 森山のりこ あを 200512
秋乙女名残の日焼見せにけり 林翔 200512
立ち上がる羆や秋の影を曳き 浜口高子 火星 200512
流木のすでに身動きならぬ秋 平子公一 馬醉木 200512
あの角を右に折れれば秋がある 森下康子 200512
母逝きて十は歳とる秋の果 大橋麻沙子 雨月 200512
み仏を背ナに法楽ホ句の秋 田所洋子 雨月 200512
松ぼくりわが前に落ち秋終る 定梶じょう あを 200512
沼風を総身に秋の来てをりぬ 生方ふよう 200512
信号機要らぬ見晴らし稲の秋 角田沙羅 200512
気象図は秋鉛筆を洋へ置く 丸井巴水 京鹿子 200512
いよよ孤にいよよ深まる闇も秋 木村風師 馬醉木 200512
擬八つにけふ雲遊ぶ里の秋 守屋井蛙 酸漿 200512
須磨琴の弦切々と菊の秋 水原春郎 馬醉木 200512
秋あらた身ほとり出番ふえにけり 北川孝子 京鹿子 200512
蔵の町馬の蹄の音も秋 長谷川春 200512
村の子の語る浄瑠璃稲の秋 廣畑忠明 火星 200512
竹林の一灯に秋美しき 木内憲子 200512
とぶものの影あざやかに秋が立つ 森津三郎 京鹿子 200512
篁を風琴として尼寺の秋 荻野千枝 京鹿子 200512
この秋は昔ばなしをしてゐたり 加藤君子 火星 200512
本復の師の声の艶蘭の秋 山田夏子 雨月 200601
おほかたは旅人秋の魚市場 吉田三保 200601
秋狂言笑い堪える客の顔 橋本靖子 200601
独り居の寝食ずれにずれて秋 坪井洋子 200601
堂縁に立てば一望古都の秋 吉村けん ホトトギス 200601
まだ秋よ秋よと揺れてあかのまま 林翔 200601
情深きと言はれて秋や阿波育ち 近藤豊子 雨月 200601
一絃の調べは秋の息遣ひ 狭川青史 馬醉木 200601
宇宙より万里の長城見たし秋 斉藤裕子 あを 200601
一本の銀杏大樹や秋の澄む 中谷葉留 風土 200601
秋好日酔牛夢死の終楽章 生方義紹 春燈 200601
二つ目の信号秋のゆきどまり 瀬下るか 200601
二天門潜りて秋の別れとす 齊藤實 200601
塩釜の煙も絶えて海の秋 稲岡長 ホトトギス 200601
微熱のやうな空気がよどみ秋はまだ 丹生をだまき 京鹿子 200601
捨つる本束ねて秋を深くしぬ 鹿野佳子 200601
樹下に秋フルートの音の直ぐなるに 木内憲子 200601
修業僧わらじ百足干して秋 森洋子 京鹿子 200601
秋すでに来てゐる波のうらおもて 河内桜人 京鹿子 200601
目礼に仏籬行き交ふ萩の秋 足立典子 雨月 200601
蝦夷の山指呼に龍飛の秋たしか 北村香朗 京鹿子 200601
遊覧船秋の大河をゆるやかに 中村輝子 酸漿 200601
里山のつづく丹波路秋半ば 宮崎正 ホトトギス 200601
渋袋を並べ吊して蔵の秋 一民江 馬醉木 200601
楸邨の淋代を過ぐ秋名残 北村香朗 京鹿子 200601
渝らざるものに正倉院の秋 大橋麻沙子 雨月 200601
「五山」てふ地酒もありぬ古都の秋 森山のりこ あを 200601
神馬出て秋たけなはを練りにけり 吉澤利治 遠嶺 200601
義経が落ちしか龍飛秋偲ぶ 北村香朗 京鹿子 200601
赤富士へ漕ぎ出したる湖の秋 植村よし子 雨月 200601
栗畑煙たなびき秋の行く 菊池由惠 酸漿 200601
双蝶の秋をたのしみ舞ひ納む 中田郁子 四葩 200601
里の秋法被ゆつたり干されをり 内藤紀子 遠嶺 200601
吾を吠えし犬が引越しゆきて秋 嶋田摩耶子 ホトトギス 200601
天竜川砂利ひからせて秋送る 宮津昭彦 200601
一絃の琴切々と秋に候 安達実生子 200602
陵の丘ふところや秋最中 坂本幸子 酸漿 200602
亀石は亀石で秋たけなわで 小形さとる 200602
秋迎う煮つめてオレンジママレード 真木早苗 八千草 200602
ハイウエイは牛馬優先阿蘇の秋 野崎昭子 四葩 200602
黒板に秋のメニューの書き出され 甲斐のぞみ 百鳥 200602
透明なチェスト買い入れ秋迎う 真木早苗 八千草 200602
細き杖芭蕉巡りし湖は秋 中尾廣美 ぐろっけ 200602
瞑れば秋にぎやかに黄泉の国 田村みどり 京鹿子 200602
秋よりの気掛かり障子貼り終へる 須賀敏子 あを 200602
いつまでも働く夫や稲の秋 高倉恵美子 200602
かく朱き木曾漆器にも秋の翳 西川織子 馬醉木 200602
若嫩の遠嶺の見ゆる野路の秋 河合佳代子 栴檀 200602
岳樺しらかんば逆落しに秋 井上菜摘子 京鹿子 200602
魚籠に野の花を活けをりははの秋 大森慶子 母衣 200602
聖堂の秋ぽつかりと江戸の空 村田菊子 遠嶺 200602
巣を離れゆく子供等に秋賛歌 高安勝三 遠嶺 200602
蒼穹の透明にして伊賀の秋 稲岡長 ホトトギス 200602
里の秋明治の人と唄ひけり 石川英利 百鳥 200602
あれこれの期日を忘れ老の秋 斉藤陽子 雨月 200602
甲斐無くば彼の世を思ふ秋の午後 西村純太 200602
ここあそこあそこもここも基地の秋 稲嶺法子 遠嶺 200602
思い切り捨てし余白へ秋が棲む 山元志津香 八千草 200603
秋よりの気掛かり障子貼り終へる 須賀敏子 あを 200603
書写に忌を重ねて年尾偲ぶ秋 蔭山一舟 ホトトギス 200604
足音の空に吸はるる山の秋 本多俊子 さくらの音 200605
乳呑子の無きはやすしと妻の秋 瀧春一 常念 200606
かるたの句次々浮かぶ京は秋 飯田泰子 八千草 200606
灯して秋が見え出す夜の壁 岡本眸 200607
秋を待つとはこの風にこの地震に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200607
山から石ぽろぽろ峠の秋に対く 丸山佳子 京鹿子 200608
俄かなる秋やひとりの起き臥しに 岡本眸 200608
高原の秋足早に足早に 稲畑汀子 ホトトギス 200608
仕残せしこと数多持ち越せる秋 稲畑汀子 ホトトギス 200608
しのび寄る秋を旅路に拾ひけり 稲畑汀子 ホトトギス 200608
秋 →10

 

2022年9月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。


2022年9月8日