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作品
作者
掲載誌
掲載年月
少し秋らしき朝風ある目覚め 稲畑汀子 ホトトギス 200608
起き臥しもひとりの秋のはじまりぬ 岡本眸 200609
遠方に友あり秋を連れ尋める 宇都宮滴水 京鹿子 200609
子の聲も空地も秋となりにけり 岡本眸 200609
赤松や秋たけなはの仁王立 岡本眸 200609
街は秋みじかき言葉交し合ひ 岡本眸 200610
一つづつ済めば肩の荷下りし秋 稲畑汀子 ホトトギス 200610
差違へてふ勝ちやうの力士の秋 大橋敦子 雨月 200610
鐘韻に秋の来てゐる比叡かな 石垣幸子 雨月 200610
かなかなの今年も鳴かず秋半ば 田中藤穂 あをかき 200610
人小さく台地の秋に溶け込めり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200610
石蹴つて石の昂り嵯峨素秋 鈴鹿仁 京鹿子 200610
赤松や秋たけなはの仁王立 岡本眸 200610
邂逅の思ひ果せし句碑の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200610
窓広き洋館建ちぬ村の秋 定梶じょう あをかき 200610
鍵束の中の一つに秋かすか 宇都宮滴水 京鹿子 200610
朝ごとに商ひの旗朝の秋 芝宮須磨子 あを 200610
人は影水は光を曳きて秋 藤井寿江子 馬醉木 200611
小峰城より素秋三百六十度 千田百里 200611
在来線野山の秋の親しかり 藤原照子 200611
安曇野はいま一色に稲の秋 高木曽精 春燈 200611
韻文の書に囲まれて秋に住む 竪山道助 風土 200611
昨夜の雨ふはりと秋をつれて来し 高村洋子 遠嶺 200611
美しき日本の秋縄ばしご 堀内一郎 あを 200611
音の無い川を見下ろし名のみ秋 丸山佳子 京鹿子 200611
山の夜は秋づきし星煌めけり 田中喜久子 酸漿 200611
碑のしりへに秋の来てをりぬ 吉田明子 200611
彦根城堀端秋の闇深し 芝尚子 あを 200611
浮雲に秋を見つめてゐたりけり 鈴木多枝子 あを 200611
淵明の秋の大地に化しにけり 松崎鉄之介 200611
望郷の捕虜の鎮魂参る秋 室井津与志 春燈 200611
十王の白き歯並び秋迎ふ 万城希代子 200611
闌秋のくろがねの肌海女若し 塩由造 万象 200611
蕭々と秋「松風」の舞囃子 小澤克己 遠嶺 200611
常念をとざす雲あり稲の秋 竹内志げ子 酸漿 200611
人魚姫鱗を残し海は秋 森理和 あを 200611
狂言に主客転倒ありて秋 小澤克己 遠嶺 200611
句筵に君の在さぬホ句の秋 山田夏子 雨月 200611
太鼓橋に躓き渡り終へし秋 吉弘恭子 あを 200611
地の野菜地のソーセージ牧の秋 宮内とし子 200611
中ン茶屋鬼ガ茶屋へと色の秋 浜福恵 風土 200611
五能線水平線に沈む秋 須賀敏子 あを 200611
ジグソーパズルの一片失せて秋 稲嶺法子 遠嶺 200611
江戸川乱歩膝猫にきかす秋 平子公一 馬醉木 200611
天体を招くレンズを磨き秋 北川英子 200611
すぐそこに峠を置きて栗の秋 村越化石 200612
容易く小銭の溜る財布の秋 藤井佐和子 200612
移民船発ちしは昔波止の秋 和田一 雨月 200612
一川の眦上げてゆく素秋 ほんだゆき 馬醉木 200612
マンドリン屈背に秋をかき鳴らす 佐々木よし子 200612
一房の葡萄を描く秋の午后 安部里子 あをかき 200612
灯は人を悼む慰む励ます秋 宮津昭彦 200612
頭脳澄む秋を恃める仕事かな 長山あや ホトトギス 200612
日の本の寿ぎの秋忘れめや 加藤君子 火星 200612
この秋の美味を尋ねむあべの道 加藤君子 火星 200612
ころころと眠りゆく子ら稲の秋 祐森彌香 遠嶺 200612
子の喧嘩見て見ぬふりも椎の秋 赤木真理 ぐろっけ 200612
噴煙を素秋の白とおもふかな 辻直美 200612
母逝きて十は歳とる秋の果 大橋麻沙子 雨月 200612
豊秋や農に生きたる父のこと 西村しげ子 雨月 200612
いちはやく秋の来てをり膝関節 内山芳子 ぐろっけ 200612
手に足に痛きもの触れ野路の秋 伊藤宇太子 200612
秋モード自動扉に誘はれて 泉田秋硯 200612
水音やしきしまの秋疑はず 高橋澄子 200612
桂秋や朝の日課に香を知りつ 井上幸子 酸漿 200612
県境の川見下せる寺の秋 赤座典子 あを 200612
朝の間の風の軽さは秋のもの 長山あや ホトトギス 200612
五百羅漢顔それぞれに秋を待ち 島田山流 春燈 200612
朝夕の天魚料理の荘の秋 石垣幸子 雨月 200612
気がつけば真只中の秋に在り 増田善昭 ホトトギス 200701
秋闌くる石積み上げて番屋閉づ 佐藤哲 万象 200701
秋不順見へぬ目先の空景気 奥村鷹尾 京鹿子 200701
指竹箆する子される子野路の秋 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200701
雲丹刺しの舟沈むほど傾けて秋 江草礼 春燈 200701
読み返す功名が辻秋闌くる 佐々木新 春燈 200701
下座舟のお囃子秋のたもとより 木下もと子 200701
秋のゆくひと日は逢坂関越えん 豊田都峰 京鹿子 200701
秋急に人声急に森の径 増田善昭 ホトトギス 200701
初めての補聴器秋の姦しき 大坪景章 万象 200701
食欲の秋や孫来てケーキ焼く 山崎泰世 200701
京の秋匂袋の赤選ぶ 森山のりこ あを 200701
九秋の老母の元気目減りせず 椿和枝 200701
川すぢを秋半日の居どことす 豊田都峰 京鹿子 200701
中吊り広告満載の秋揺らしをり 後藤眞由美 春燈 200701
朝粥の息をしづかに秋となる 中山純子 万象 200701
木洩れ日を抜けては秋の遠歩き 坪井洋子 200702
帆柱のワイヤー風に鳴つて秋 清水裕子 200702
横丁は軍鶏の羽にて京の秋 瀬川公馨 200702
清秋や唐松にほふ音楽堂 那須亮子 万象 200702
阿蘇の秋一心窯に煙立つ 伊藤靖彦 200702
曳山の一つ異人が湖の秋 森津三郎 京鹿子 200702
二次会はさらに高階月の秋 安原葉 ホトトギス 200702
琵琶湖秋周航デッキ派キャビン組 鈴木榮子 春燈 200702
七人の小人ゐさうな森の秋 岡垣佳子 遠嶺 200702
無人駅出てからの秋一人旅 中村星児 八千草 200702
秋あはれ喜寿相応の笑ひ皺 廖運藩 春燈 200702
楷楓秋の名残りの波立たす 井上信子 200702
盧舎那仏に大和の秋を尚びぬ 味村志津子 雨月 200702
鏡池秋をたっぷり映しけり 今中道子 200702
銀座にて秋を見上ぐるデッサン画 津田礼乃 遠嶺 200702
秋 →11

 

2022年9月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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2022年9月13日