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緋縮緬噛み出す箪笥とはの秋   三橋敏雄   眞神

作品
作者
掲載誌
掲載年月
アフリカの青年浅蜊洗ふ秋 大坪景章 万象 200501
水郷の秋を深めてゆく櫓音 中村章乃 雨月 200501
ダイコクの芝てふ土壇野路の秋 河合佳代子 栴檀 200501
たけなはの秋踏み締むる皮の靴 伊藤早苗 200501
言ひ訳を聞き余しをり雲は秋 北川孝子 京鹿子 200501
朝夕の伊吹を見詰め秋を病む 鵜飼紫生 雨月 200501
湯の町の端より暮るる素秋かな 竪ヤエ子 雲の峰 200501
叩かれて首曲げる釘秋さびし 木内美保子 六花 200502
邂逅の旅の平戸も月の秋 安原葉 ホトトギス 200502
黙考の秋柊の香に包まれ 松林順子 雨月 200502
一笛にて秋の調べの幕上がる 高安勝三 遠嶺 200502
最初の待ち合せは確か秋のこと 玉川梨恵 200502
白鷺の胸まで水漬く沼の秋 古川京子 万象 200502
子の名前書家にたくすや里の秋 高安勝三 遠嶺 200502
熟考の秋の睡蓮開きけり 木内憲子 200502
歩みつつもの考ふる人の秋 大橋麻沙子 雨月 200502
窓の秋墨絵の街に風生ず 高安勝三 遠嶺 200502
中庭に秋の残りし博物館 土岐明子 遠嶺 200502
五匹五音庭より秋を発信す 伊藤希眸 京鹿子 200502
通販の頁めくるや秋衣 佐原正子 六花 200502
真直ぐな径まつすぐに暮れて秋 木内憲子 200503
しんがりの秋の赤さや烏瓜 川越静子 200503
白紙など数へて秋を送りけり 木内憲子 200503
ばら園のばら一色に秋ぐもり 西村慧子 200503
磯鵯の胸のいろ濃し秋の果 永田二三子 酸漿 200503
ふたり連れ湖の風着て秋を着て 松井和恵 八千草 200503
遠き山バスケットに盛る紅の秋 都築繁子 200503
俳磚に歴史刻みし人の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 200503
帆柱のワイヤー風に鳴つて秋 清水裕子 200503
覺造に嗣治を見たり美術の秋 佐藤淑子 雨月 200503
漁夫の作る刺身ぶっきら棒に秋 若泉真樹 200503
蝶蝶のいのちまだあり秋の駅 市場基巳 200503
等身の鏡を置いてゆきし秋 服部早苗 200504
さびしさや男はイチローだけの秋 岡本久一 200504
秋の坂青鞜のひとかけあがる 岡田芳べえ 200504
目の端に秋がひょっこり来て笑ふ 八木蝉息 200504
鉄を鍛つ火花に秋の詩ごころ 泉田秋硯 黄色い風 200505
人ちがい軽い会釈や暮るる秋 山田桃子 200505
菓子横丁子は大口に秋を食う 浦野里山 200505
赤レンガと白漆喰の蔵の秋 杉山涼風 200505
栗二つ茶碗の中に秋運ぶ 石山佳仙 200505
どうするイラク同じ地球の空秋に 馬場龍雨 200505
故郷の山の湯に溶け秋心 清水さだひこ 200505
熱中も夢中のときも過ぎて秋 鷹羽狩行 200508
俯瞰して平家滅びし島の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 200508
皆朝の日を受け秋の富士を見る 稲畑汀子 ホトトギス 200508
秋且閑雀下りたる朽葉いろ 瀧春一 菜園 200509
月の秋關羽まつりの煙火鳴る 瀧春一 菜園 200509
計画の通り改装成りし秋 稲畑汀子 ホトトギス 200509
わが前を馬過ぐ秋の逝くごとく 奥坂まや 百鳥 200509
木石と共に秋待つこころかな 太田具隆 春燈 200509
俳磚に歴史刻みし人の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509
海といふ静かに見えてをりし秋 稲畑汀子 ホトトギス 200509
蝦夷は秋訪ふ旅衣心して 稲畑汀子 ホトトギス 200509
秋何処や秋何処や秋何処なんや 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509
秋となる手業の一つ船洗ふ 浜明史 風土 200509
巖群は天ゆなだれて野の秋へ 瀧春一 菜園 200509
省線に秋は見おぼえの木槿垣 瀧春一 菜園 200509
寝てゐても見ゆる松島旅の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200509
柩車はしる秋の巷の灼けゐたる 瀧春一 菜園 200509
川端に秋を求めて来たけれど 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509
君が遺詠多く故國の秋の詩なり 瀧春一 菜園 200509
降り立ちて釧路の秋に紛れけり 稲畑汀子 ホトトギス 200509
温かきてのひらの罠秋ほたる 尾堂Y 河鹿 200510
フライパン青き煙を立てて秋 林昭太郎 200510
一泊を増やす旅程や島の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200510
猫の眼の爛々として秋の土間 滝沢伊代次 万象 200510
八ヶ岳秋は直角三角形 東亜未 あを 200510
カーナビが秋巡礼の寺探す 能村研三 200510
木洩れ日のゆらぎに秋のひそみゐて 豊田都峰 京鹿子 200510
滝音を飛沫を秋の楽と見る 阿部ひろし 酸漿 200510
蹄鉄のうづたかく錆び牧の秋 淵脇護 河鹿 200510
登四郎在らば九十四歳菊の秋 林翔 200510
倒木を乗り越え潜り秋に染む 森理和 あを 200510
白内障老と秋とが綯交ぜに 鎌倉喜久恵 あを 200511
全身に素秋のひかり貰ふ朝 出来由子 200511
聞き覚えある声も又美術の秋 宮地れい子 春燈 200511
みのりの秋もつたいないが世界語に 木村茂登子 あを 200511
また一つ齢奢りぬ菊の秋 鷹羽狩行 200511
灯を消せば手の残像の見えて秋 福嶋千代子 200511
灯台を二つ訪ねて秋ひと日 宮津昭彦 200511
撫然たる日差しを秋の杜の亀 小澤克己 遠嶺 200511
蘭の秋書見の心顕てにけむ 大橋敦子 雨月 200511
棒杭の芯まで乾く瀞の秋 大澤幸子 春燈 200511
秋たてり鷺の抜き足水こぼす 大村美知子 京鹿子 200511
秋の果の届きて知己の沙汰を知る 安田とし子 ぐろっけ 200511
秋の砂に駱駝の糞も混ざるらむ 伊藤白潮 200511
野の色も山の色にも秋きざす 西野良治 築港 200511
秋のダム雲一つだに浮かべざる 長沼紫紅 200511
流木にとどまる鳥も秋の景 瀬戸悠 風土 200511
確かな秋に襟首つかまれてゐます 河西志帆 京鹿子 200511
傷秋や己が名忘れ入院す 谷寿枝 酸漿 200511
石に木に仏に秩父の秋を聴く 大澤幸子 春燈 200511
喪帰りの口の重たし月の秋 伊藤百江 春燈 200511
存問や源流の秋とまどひし 宇都宮滴水 京鹿子 200511
鳥小屋の上に雀が来て秋か 冨田正吉 200511
秋を待つ心に風を見てをりぬ 浅利恵子 ホトトギス 200512
褪せるもの色付くものや秋の径 藤井久仁子 ぐろっけ 200512
どの木からともなく風の立ちて秋 田中春生 200512
境内に花嫁が居て蘭の秋 南原正子 酸漿 200512
秋 →9

 

2022年9月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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2022年9月3日