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緋縮緬噛み出す箪笥とはの秋   三橋敏雄   眞神

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雲水は茶禅一途に秋を掃く 岩崎憲二 京鹿子 200402
爽秋やきらめき白き堰の水 大山妙子 酸漿 200402
秋探し佐々成政殉死墓 角直指 京鹿子 200402
いつのまにやら背を向けて鹿の秋 小野麻利 200402
少年になつて見てゐる山車の秋 永田哲心 遠嶺 200402
漂泊といふこと胸に伊賀の秋 稲岡長 ホトトギス 200403
草活けて郵便局に秋がある 森津三郎 京鹿子 200403
京盆地盆のふちより秋がくる 岩崎憲二 京鹿子 200403
友個展古里の秋目のあたり 藤原りくを 八千草 200404
ペンションにピアノぽつりと島の秋 中里カヨ 酸漿 200406
田も納屋も黄金一色秋豊か 栢森定男 「風よ」 200407
行人の小さくなりし野路の秋 栢森定男 「風よ」 200407
銅鐸を鳴らし彌生期の秋へ 若泉真樹 「瑠璃」 200407
蝦夷の秋ここにも深き祈りあり 稲畑汀子 ホトトギス 200408
丙種われ日々恪勤に秋となる 岸風三樓 200408
秋冥き奧壁よじのぼり攀づる影仰ぐ 橘澄男 「山景」 200408
城守の秋の短さつぶやける 黒田咲子 200408
春はあけぼの秋は日ぐれの落し紙 八田木枯 「夜さり」 200409
ん!そうだ 秋になったらはじめよう 松山律子 六花 200409
包み洗ふ病後小さき顔や秋 岡本眸 200409
荘の秋窓辺にランプ灯しけり 水田清子 200410
山深く褒めごろし言ふ鵬の秋 鈴鹿仁 京鹿子 200410
葦の根の一線黝し沼の秋 岡本眸 200410
名刹に子規虚子の句碑萩の秋 福盛悦子 雨月 200410
森の秋去年のままに錫杖草 吉成美代子 あを 200410
星出でて夜々新しき沼の秋 岡本眸 200410
佳き椅子に伴侶のごとく凭りて秋 鈴木榮子 春燈 200410
古寺新塔風鐸からんと秋奏づ 奥村鷹尾 京鹿子 200410
あらかじめ絶句作りや芋の秋 堀内一郎 あを 200411
沼の秋飼はれ家鴨と烏骨鶏 伊藤白潮 200411
詩に飢ゑて秋シリウスに叫びけり 小澤克己 遠嶺 200411
はればれと天下の秋を渡しけり 山田六甲 六花 200411
運河秋連ねて青き灯なりけり 岡本眸 200411
わが一生妻にも一生なりしよ秋 冨岡夜詩彦 200411
阿波踊四連にして秋賑ふ 堀内一郎 あを 200411
方円の水のいよいよ澄める秋 村越化石 200411
亡ぶもの亡びて秋のはじめかな 植村よし子 雨月 200411
手入れして狭庭の秋を早めけり 久永淳子 春燈 200411
黙々と農夫の背中雲の秋 加茂志津子 帆船 200411
来ぬ秋の玉川上水通りかな 平田紀美子 風土 200411
病床のひと透明となりて秋 内藤ゑつ ゑつ 200411
秋なかば庭整ひし留守の家 篠崎荘市 酸漿 200411
書きおきのメモ詩片めく雲の秋 鷹羽狩行 200411
水脈とどく小島々々の秋のいろ 内藤ゑつ ゑつ 200411
矯声と水音秋の妻籠宿 篠崎荘市 酸漿 200411
赤松の中の白樺すでに秋 村越化石 200411
赤帯の立ち上がりたる秋の口 大東由美子 火星 200411
測量士秋の行く手へ眼をほそめ 山尾玉藻 火星 200411
大観の波のしぶきや空は秋 小嶋洋子 200411
癒ゆる日を誰よりも待つ妻に秋 冨岡夜詩彦 200411
アルバムに秋の一日を閉じ込める 瀬下るか 200411
故郷を一周秋のクラス会 木村幸子 帆船 200411
杜の木の葉擦れに秋を知りにけり 野澤あき 火星 200411
行合の雲流るるや羽後の秋 宮崎裕子 春燈 200411
甲斐の秋俳画スケツチだけの旅 大貫鬼灯 帆船 200412
北向きの厨の窓に秋の訪ふ 中谷喜美子 六花 200412
一刷きの巻雲秋を告げにけり 石神洋行 河鹿 200412
雨降つてたちまち秋の真中なる 土屋酔月 火星 200412
ふるさとの川清冽に山は秋 村瀬八千代 遠嶺 200412
ふるさとの秋を支へる突つかい棒 宇都宮滴水 京鹿子 200412
稲の秋文字太ぶとと寄進帖 辰巳陽子 春耕 200412
高原の椅子のつぶやき風は秋 戸村よねこ 遠嶺 200412
年よりも老けて見られる月の秋 八田木枯 晩紅 200412
名のみ秋百日先を鴉知る 丸山佳子 京鹿子 200412
秋も早や終近きに風水禍 奥村鷹尾 京鹿子 200412
秋どつと来てゐる水をのみにけり 羽原青吟 草の花 200412
開け放つ家の暗さや木曾の秋 杉江美枝 百鳥 200412
八方の秋の彩り濃く淡き 長崎桂子 あを 200412
「かはらけ」投ぐ恰好構へて秋遊ぶ 奥村鷹尾 京鹿子 200412
神鶏の尾のふつくらと菊の秋 鷹羽狩行 200412
鬼束ちひろに中毒したる秋 よこたまさみち 帆船 200412
菊の秋語らひ尽きぬ師なりける 細井紫幸 草の花 200412
秋雀夜明け前より鳴きにけり 霜嵜恵美子 六花 200412
秋霖のよべより猫のをさなごゑ 細井紫幸 草の花 200412
早秋や八百屋がひさぐ供華の束 岡本眸 200412
桂秋やただ漆黒の微笑仏 阿部ひろし 酸漿 200412
芸術の秋玻璃越しの顔歪む 渡辺美代 対岸 200412
月山は霧につつまる稲の秋 須永トシ 200412
ありがとう云ふて逝きけり婆の秋 木内美保子 六花 200412
見上げたるところに鳥居坂の秋 岡本眸 200412
呼吸困難秋硯露と消えゆくか 泉田秋硯 200412
潮は秋浮桟橋を発つ漁船 神田一瓢 雨月 200412
秋卓図余白に風を聞くごとし 白井剛夫 200412
ソリストの束ねし髪や秋ライブ 窪田米子 遠嶺 200501
願ふほど飛ばぬ土器秋の行く 池田加代子 風土 200501
藍の泡ぽかんと弾け秋静か 岡崎桂子 対岸 200501
秋どしやぶり句碑より大き案内板 戸田和子 200501
サハリンを指呼の間とし秋岬 木暮剛平 万象 200501
駅の名は夕やけこやけ里の秋 松本十三女 帆船 200501
泳ぎゆくすつぽん秋は過ぎつつあり 市場基巳 200501
髪揺るる長さに秋の来りけり 苑実耶 200501
さざなみの逆さ男体山鳶の秋 玉川悠 遠嶺 200501
実る秋父なる大地ふみしめて 窪田米子 遠嶺 200501
秋すでに食卓に吹く山の風 高倉恵美子 200501
秋を病みいつしか癖の手櫛かな 相沢有理子 風土 200501
秋机辺紙よりほかに棄つるもの 戸田和子 200501
遊行僧の声清秋でありにけり 池田倶子 雨月 200501
秋霖の葉音のひびき目覚めけり 田代ヨシ 河鹿 200501
シスターが自転車で行く奈良の秋 武田ともこ ぐろっけ 200501
鐘撞くや松籟起こる秋岬 上薗櫨夫 河鹿 200501
秋→ 8

 

2022年8月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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