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緋縮緬噛み出す箪笥とはの秋   三橋敏雄   眞神

作品
作者
掲載誌
掲載年月
フルボトルワインに秋の降臨す 田村はじめ 銀化 200210
山は秋こだま遊びに入山料 丸山佳子 京鹿子 200210
奥深き石段ありぬ秋の翳 早崎泰江 あを 200210
遠すぎる日の恋おもふ唄の秋 林翔 200210
プラタナス木立の月日秋兆す 大橋敦子 雨月 200210
餌投げて鴎を寄する伊根の秋 梅谷昌弘 雲の峰 200210
句仲間に虚子の小諸を訪ひし秋 浅利恵子 円虹 200210
寒天に当つる包丁秋浅し 小田悦子 雲の峰 200210
お茶会の正座の時間星の秋 木野本加寿江 火星 200210
山積みの仕事端より崩す秋 稲畑汀子 ホトトギス 200210
秋きぬと鈍りしナイフ研ぎ並べ 田中藤穂 あを 200210
道なほも極めつくせと嶺の秋 小澤克己 遠嶺 200210
山越えの雲はきらりと秋すでに 豊田都峰 京鹿子 200210
木の股にコアラちんまり秋を待つ 三村武子 酸漿 200210
芋の葉に雨の一粒秋きざす 大東由美子 火星 200211
一行に遅れて峡の秋探る 岡本直子 雨月 200211
小涌谷大涌谷も雲の秋 鷹羽狩行 200211
吾輩は犬にて秋を嗅ぎつけり 瀬川公馨 200211
わが余生主治医に委ね秋を病む 高橋キヌヱ 帆船 200211
画眉鳥の朝よ秋よと鳴きはじむ 阿部ひろし 酸漿 200211
恙なく終りし秋よショパン聴く 滝川あい子 雨月 200211
夏殿風わずかな秋を残し去る 鈴木喜三郎 ぐろっけ 200211
秋浅し旅のプランを思ひ立ち 芝宮須磨子 あを 200211
筥崎の秋をともせる露店かな 長山野菊 雲の峰 200211
長江の船音秋の気配かな 上野孝行 百鳥 200211
みんみんのテンポずれたる鳴きは秋 小林清之介 風土 200211
一の滝小滝ながらも秋の音 阿部ひろし 酸漿 200211
関ヶ原車窓に流れそして秋 永田延治 帆船 200211
湖の秋おきてのごとく富士を置き 鷹羽狩行 200211
暁闇に目ざめてひとり秋をきく 磯野至子 あを 200211
飯櫃を開くるすなはち秋の韻 佐藤みほ 200211
たましひを運ぶ母国の秋騒がし 堀内一郎 あを 200211
草々の水漬き縁どる池の秋 鷹羽狩行 200211
池の辺や秋といふのに指焼草 吉弘恭子 あを 200211
天守跡のぼれば雲の秋に遇ふ 白石峰子 円虹 200211
声かけて秋も配るか郵便夫 上田繁 遠嶺 200212
澄む秋のきれいな声に呼ばれけり 吉村一郎 百鳥 200212
手足荒る早々と秋去りにけり 須賀敏子 あを 200212
あぶくま洞秋万年を秘めてをり 斉藤静枝 あを 200212
痛み止めのむに抵抗秋あはれ 青垣和子 雨月 200212
小さい秋園児指折る五・七・五 瀬尾幸代 200212
少年の目をせし人や秋の午後 山荘慶子 あを 200212
円空仏見えない秋を凝視せり 直江裕子 京鹿子 200212
夕張の秋を詰め込むサイロかな 吉村河鹿 ぐろっけ 200212
一班と二班径変へ山の秋 永野由美子 円虹 200212
秋さればことばあふるる仏たち 藤原たかを 馬醉木 200212
貝殻を踏み秋の音たしかむる 堤京子 馬醉木 200212
涙拭ふ背広の袖や故郷の秋 林翔 200212
良弁の杉に秋翳濃かりけり 深川知子 雲の峰 200212
銀閣や極みの秋に洗心す 西岡残照 京鹿子 200212
ポケットにひそます山の風は秋 吉弘恭子 あを 200212
秋のほかなにものもなき演習場 長岡新一 200212
星空に伸びる棚田や島の秋 加藤あけみ 円虹 200212
畠の薙叱つて追つて秋きざす 桑原弘二 200212
祝ぎごとの重なり秋の深まりぬ 二村蘭秋 雨月 200212
遠き山近き山みて秋了る 平田安生 風土 200212
密会の男女をる辺は避けて秋 小林清之介 風土 200212
「宵火氏に聞く」を遺されホ句の秋 安陪青人 雨月 200212
人に添ひ馬にも添ひて阿蘇は秋 雲所誠子 帆船 200212
一燈に一つの世界秋しづか 川端実 遠嶺 200212
雲は秋車検の三日籠城す 青垣和子 雨月 200212
いそいそと秋入り口の混ぜ御飯 中山純子 万象 200212
期することありてこの秋過ぎゆけり 山荘慶子 あを 200212
星の秋すべてを忘れたく黙す 長志げを 遠嶺 200212
蓑虫庵の木立歳月見する秋 大橋敦子 雨月 200212
母と子のすこし離れて坐れば秋 戸田喜久子 200212
月齢をかぞふる秋となりにけり 長岡新一 200212
繋船の舳先の揃ふ浜の秋 大槻久美 円虹 200301
鰡とんで難波津の秋動きけり 隅田恵子 雨月 200301
しまはれぬ風鈴秋の音を奏ず 石川元子 酸漿 200301
湿原に水わたりゆき雲の秋 太田寛郎 200301
秋急ぐもの水の音風の音 下平しづ子 雨月 200301
ホ句の秋とふに籠り居かこちゐる 青垣和子 雨月 200301
香煙の染みし木目に触れて秋 鳴海清美 六花 200301
長生きも芸のうちなり美術の秋 稲木款冬子 築港 200301
胡麻を刈る輪中桃源郷の秋 駒井でる太 200301
海のものあれこれ干して磯の秋 重松早由未 200301
古井戸も築地も斎宮寮の秋 密門令子 雨月 200301
春日山遠く望めり稲の秋 夏目満子 酸漿 200301
よく食べてまた食べて秋旅さ中 黒川悦子 円虹 200301
メルヘンの秋や空気が乳色に 泉田秋硯 200301
ひたすらに枕木として秋に沿ふ 槻木珠美 銀化 200301
図書館の本の紛失読書秋 鈴木てるみ ぐろっけ 200301
綿雲の綿雲を生む椎の秋 志方章子 六花 200301
秋に染むルビー色なる帚草 坂口三保子 ぐろっけ 200301
胡麻を刈る輪中桃源郷の秋 駒井でる太 200301
秋一夜瀬音に加ふ風の音 土屋酔月 火星 200302
原人の渚の秋のコーラ瓶 深澤鱶 火星 200302
沖透きて砂丘の秋となりにけり 小西明彦 200302
南普陀なむだ寺の僧坊の秋パパイヤ熟れ 松崎鉄之介 200302
秋いくたび神社の亀の細りゐき 市場基己 200302
観光に踏み切りし寺嵯峨の秋 丹生をだまき 京鹿子 200302
天領の名残の平野稲の秋 是永素江 ホトトギス 200302
山や秋手枕癖の雲羅漢 丸山冬鳳 京鹿子 200302
秋を思ふこのひと時を忘れゐし 高橋としを 酸漿 200302
町騒を抜けて五分の稲の秋 尾田美智子 ホトトギス 200302
山川の深き静けさ伊賀の秋 稲岡長 ホトトギス 200303
定まらぬ秋に心も定まらず 滝青佳 ホトトギス 200303
比叡の秋明治生れはお座主のみ 安原葉 ホトトギス 200303
水音のひろがつて野は秋半ば 中村田人 ホトトギス 200305
秋→ 6      

 

2021年11月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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