27   100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
絵本めく高原列車秋は行く 大石よし子 雨月 202001
表札はありし日のまま秋は逝く 大石よし子 雨月 202001
突きあたり右に右にと曲がり秋 太田沙良 202001
地球儀をくるりと回し秋憂う いろは 202001
白壁を背にして秋に溺れけり 田尻勝子 六花 202001
深酒に呂律回らぬ秋浅し 谷口一献 六花 202001
それぞれの時を刻むや木々の秋 布施由岐子 末黒野 202001
本棚の縦横斜め正す秋 布施由岐子 末黒野 202001
柿の秋土蔵分厚き扉開け 松本三千夫 末黒野 202001
送葬と生誕とひとつの秋に 坂下成紘 202001
御座船の白き舳先の素秋かな 野口宗久 京鹿子 202001
透き徹るといふも色なり水の秋 菊池和子 京鹿子 202001
いつしかに初心遠のく水の秋 岡井マスミ 末黒野 202001
瞑つむれば猫科の眼に婆の秋 奥田筆子 京鹿子 202001
三塔のみつむる未来街は秋 宮沢久子 末黒野 202001
雁木より跨ぐ渡船や島の秋 和田照海 京鹿子 202001
つれづれを娘と杯かはす秋愉し 山本泰人 春燈 202001
両岸の暮しをつなぐ橋や秋 三上程子 春燈 202001
デフォルメの思ひ出語る母の秋 田中信行 202001
秋浅し私は山に恋をする 中西厚子 202001
思ひ出す事にのみある過去の秋 中西厚子 202001
赤飯の艶よく炊けり月の秋 田中美恵子 202001
ことのはの潤ぶる秋となりにけり 中島陽華 202001
誕生日の師を祝ぎ合へる菊の秋 西村しげ子 雨月 202001
眠るとは命短くさせて秋 嶋田一歩 ホトトギス 202001
井戸一つ残る古刹や柿の秋 池谷鹿次 末黒野 202002
風の音は衣摺に似て三保の秋 亀井福恵 京鹿子 202002
歓声のウイニングラン駒の秋 松浦哲夫 末黒野 202002
靴音を風にのこして尾瀬の秋 北郷和顔 末黒野 202002
一円の切手十枚買つて秋 宮澤靖子 末黒野 202002
澄む秋や流れに稚魚の群れの影 大川暉美 末黒野 202002
駆け下りる秋と麓ですれ違ふ 松本胡桃 風土 202002
坪庭に来たる夕暮れ京の秋 貫井照子 やぶれ傘 202002
起き上がりこぼしだあれもゐない秋 三代川朋子 202002
佐渡見えず朱鷺をよく見て旅の秋 大久保白村 ホトトギス 202002
農耕車優先道路越の秋 大久保白村 ホトトギス 202002
時代絵巻いざ出陣や令和秋 馬場節子 京鹿子 202002
どれどれと栗の実拾ふ秋拾ふ 平野多聞 202002
濁流の果てて影濃き水の秋 阿部さちよ 202002
秋さびし昨日は物を言えた父 廣畑育子 六花 202002
能登の秋黄金に染まる千枚田 荻野周子 雨月 202002
暁の光透きくる庭の秋 堺昌子 末黒野 202002
陣鐘の渡る淡海や水の秋 和田照海 京鹿子 202002
天災の多かりし秋見送りぬ 今井千鶴子 ホトトギス 202003
ご即位や新しき秋君笑う 采野久美子 202003
秋一ト日水族館の客となる 河野昭彦 ホトトギス 202003
ビスケット一つ食べたら秋が来た 山岡和子 船団 202003
秋期澄む天平美人のおちょぼぐち 中井保江 船団 202003
沈黙の匂い光のなかの秋 火箱ひろ 船団 202003
オカリナの音さえざえと城の秋 赤川誓城 ホトトギス 202003
畦道でつながる隣家柿の秋 今橋眞理子 ホトトギス 202003
川底の石の斑しかと水の秋 野村重子 末黒野 202004
秋口や熱気を凌ふ流れ雲 宮元陽子 末黒野 202004
汽水湖の水の松江よ水の秋 太田良一 末黒野 202004
太陽の輪郭仄と秋めける 稲畑廣太郎 ホトトギス 202008
みちのくの秋もゆつくり来てをりし 稲畑汀子 ホトトギス 202008
せめて秋心に栞り来たりけり 稲畑汀子 ホトトギス 202008
失せものの出で来し秋でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 202008
秋といふ言葉に添はぬ日差なほ 稲畑汀子 ホトトギス 202008
消息を聞きて安堵の秋となる 稲畑汀子 ホトトギス 202008
一歩づつ秋も深まり初めにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202008
観覧車大きな秋とふれにける 阪倉孝子 202008
夜は商都眠り眠らぬ人の秋 稲畑汀子 ホトトギス 202009
会場の熱気に秋を惜みけり 稲畑汀子 ホトトギス 202009
又会へて又又会へて月の秋 稲畑汀子 ホトトギス 202009
大阪で会ひ東京で遇ふも秋 稲畑汀子 ホトトギス 202009
町抜けてこれより山路寺の秋 稲畑汀子 ホトトギス 202009
秋めいて壜をも泣かす漢かな 山田六甲 六花 202009
一つづつ卵割る朝秋浅し 諸岡孝子 春燈 202009
集ふことすなはち秋を惜みつつ 稲畑汀子 ホトトギス 202010
ゆつくりと進んでをりし山の秋 稲畑汀子 ホトトギス 202010
十六日終の炎に父の秋 鈴鹿呂仁 京鹿子 202010
高塔の点灯五彩秋めきぬ 能村研三 202010
カンバス白し絵の具は秋を所有する 篠田大佳 あを 202010
詩ごころ絵心十色虫の秋 植村蘇星 京鹿子 202010
草叢に賑はひ楽し秋めきて 長崎桂子 あを 202010
竹林は秋一景を結びをり 鈴鹿呂仁 京鹿子 202010
外は秋茶器を愛でつつレモンティー 安藤久美子 やぶれ傘 202010
樹々の奥大師の像も秋めける 田中藤穂 あを 202010
摩耶の秋には会へる人会へぬ人 稲畑廣太郎 ホトトギス 202010
オーダーにホットが増えてそれが秋 森なほ子 あを 202010
次亜塩素酸ソーダ滅菌水の秋 岩下芳子 202011
秋兆すWの星のまはりから 竹中一花 202011
吊革を掴まず秋が立つてゐる 三木亨 202011
パッキンを換へし蛇口の水は秋 甲州千草 202011
透き通るボーイソプラノ秋初め 鈴木石花 風土 202011
風は秋まだ濡れてゐる草木染 栗原公子 202011
銀翼を吸ひ込む空の秋めける 里村梨邨 202011
流鏑馬や鎌倉宮の風は秋 河合公八郎 202011
すめろぎと渋茶の夢やうたの秋 小林文良 春燈 202011
夕刊を取りに数歩や庭の秋 後藤大 春燈 202011
人磨の姿うつせし井戸の秋 延川五十昭 六花 202011
月山の胎内抜けて秋生まる 延川笙子 六花 202011
夕ざるる一息仕事風は秋 植村蘇星 京鹿子 202011
妣の歳一つ越したる素秋かな 伊藤希眸 京鹿子 202011
耳にせし家路これより虫の秋 遠城健司 202011
化粧せぬ月日いつしか秋となり 山田暢子 風土 202011
名を知らぬ小花を愛でて野路の秋 高橋あさの 201911
いせ辰の小物に藍の深む秋 千田百里 201911
師の露払ひ勤めし頃の秋旅恋ふ 渕上千津 201911
秋→ 28

 

2023年9月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。


2023年9月29日