25   100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
お薬は秋が一番利くといふ 大坪景章 万象 201712
秋なのにきらら暑さのやりなほし 大坪景章 万象 201712
手鏡に目尻捉へる妻の秋 谷口一献 六花 201712
秋ふかしきつぱりと言ふ老神父 河前隆三 馬醉木 201712
老杜氏の片頬の笑みや水の秋 藤原若菜 春燈 201801
芸術の秋や作家の友ありと 山田夏子 雨月 201801
汀女句碑ありて江津湖の水の秋 栗山恵子 雨月 201801
せみ塚や尾花沢遥か秋清涼 竹村淳 201801
秋めきて埴輪大きく息を吸ふ 西村白杼 京鹿子 201801
秋淋しジュラ紀の化石撫づるとき 竪山道助 風土 201801
駄菓子屋に売る遊漁券鯊の秋 中根美保 風土 201801
結び目をほどけば傾る葛の秋 井尻妙子 京鹿子 201801
着陸か離陸か摩天楼の秋 竪山道助 風土 201801
七色に染め極まりし山は秋 大内マキ子 万象 201801
平家琵琶ぽろんと秋を深めけり 岩月優美子 201801
蜂の子を食みて信州秋と思ふ 小木曽文明 雨月 201801
鰤漁の近し静もる氷見の秋 辻由紀 雨月 201801
瞬きのまに蝶消ゆる路地の秋 中里よし子 春燈 201801
秋ひと日結城をまとひ独り旅 大湊栄子 春燈 201801
秋初めうすく透きたる護符の文字 吉田葎 201802
壁占めて競ふ魚拓や鯛の秋 久保東海司 201802
亡き夫と約束の旅京の秋 加藤タミ 末黒野 201802
空間に凭れてバルーン黄色い秋 奥田筆子 京鹿子 201802
月の秋虚子の面影再びす 大橋晄 雨月 201802
仮宿の二階より見る村の秋 森山暁湖 万象 201802
天皇杯うつろな秋を置いてゆく 奥田筆子 京鹿子 201802
木曽は秋蹄の音の谺して 隅田惠子 雨月 201802
携帯に踊る指先虫の秋 飯田マサ江 末黒野 201802
弦音の城址の秋を深めけり 森清堯 末黒野 201802
苦も楽も波がさらひて秋ふかむ 久保夢女 201802
みづうみの風も葉擦れの音も秋 木暮陶句郎 ホトトギス 201802
金継の大皿に秋行きにけり 笹村政子 六花 201803
うす雲のなびく男体山の秋 島野ひさ 万象 201803
朝の日を離さぬ芝生露の秋 本郷桂子 ホトトギス 201803
秋さびし園のキリンの長睫毛 窪みち子 201804
命みな色を持ちをり山の秋 木暮陶句郎 ホトトギス 201804
行き合ひの切れぎれの雲風は秋 山口郁子 末黒野 201804
異人客殖えし寿司屋や京の秋 神田惣介 京鹿子 201804
水の秋眺めてとほきものばかり 戸栗末廣 201804
空は秋一度で通る針の穴 陽山道子 船団 201806
妻の膝に秋が来ているという会話 東英幸 船団 201806
静雲の縁の寺を訪ふも秋 稲畑汀子 ホトトギス 201808
三秋や気管支弱きわが生れ 沼田巴字 京鹿子 201808
宿失せて句碑の所在を訪ふも秋 稲畑汀子 ホトトギス 201808
フェラーリのエンジン音も秋めける 稲畑廣太郎 ホトトギス 201808
越前の風に靡きて稲の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
ホ句の秋小川芋銭といふ縁 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
列島の秋引つ張つてゆく嵐 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
ほんたうに河童出さうな沼の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
誰も居ぬ子規の墓前に供ふ秋 稲畑汀子 ホトトギス 201809
傘合羽リュックの肥やし旅の秋 井上石動 あを 201810
比叡の秋訪ひしその後を合流す 稲畑汀子 ホトトギス 201810
秋といふ豊かな心加はりて 稲畑汀子 ホトトギス 201810
齟齬ありてこその縁を給ふ秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
小さき帆の一列秋へ進むかな 宮崎洋 春燈 201810
魚影に魚がおどろく嵯峨素秋 塩貝朱千 京鹿子 201810
煮豆買ふ昭和の暮らし残る秋 大日向幸江 あを 201811
舟唄の通船堀や水の秋 鈴木鳳来 春燈 201811
震度七静かな秋を裏返す 山田暢子 風土 201811
窓開けて窓の幅なる風は秋 岡本秀子 201811
小さき秋探しに日田の下駄履いて 千田百里 201811
うろくづの雲の流るる水の秋 夏生一暁 馬醉木 201811
秋めきて命の息吹どこそこに 柴田靖子 201811
夕映に波光綾なす瀬戸は秋 佐藤保子 馬醉木 201811
この土偶飢饉の秋を幾度見し 有松洋子 201811
大仰な帽子の箱や秋行けり 能村研三 201811
秋来ると大樹の下に深息す 本多俊子 201811
秋終る地球の廻る音しづか 水野恒彦 201811
そして秋身内の軽くなりしやう 足立典子 雨月 201811
戸を放ち隈無く秋を招き入る 仁上博恵 201811
平成も終る秋なるチンドン屋 田中藤穂 あを 201812
地下足袋で松の養生水の秋 篠田純子 あを 201812
秋に逝く一つ違ひの樹木希林 須賀敏子 あを 201812
さはさはと秋を急ぐや梓川 小嶋恵美 春燈 201812
悪霊もバッタも跛扈雲は秋 坪内稔典 船団 201812
逝く秋や絵地図を辿る指の先 近藤牧男 春燈 201812
リズム良き象の足踏み風は秋 菊地光子 201812
山の端の日暮近づく水の秋 笹村政子 六花 201812
うぐひすの糞なぞ売りて秋過ぐる 辻水音 201812
水差に秋が来てゐる写経の間 井尻妙子 京鹿子 201812
病む妹の文の待たるる宵の秋 早川八重子 末黒野 201812
山よ谷よ祖母の住ひし里や秋 渡辺富士子 末黒野 201812
風は秋芝原の日の燦々と 岡野里子 末黒野 201812
諏訪大社の太き柱や水の秋 沼崎千枝 末黒野 201812
石鎚山拝み秋を惜みけり コ田千鶴子 馬醉木 201812
平清盛九百歳の秋 柳川晋 201812
秋はもう厨の隅に足元に 中島昌子 201812
身にそひし夢はぐくみて歩む秋 北川孝子 京鹿子 201812
おにぎりがたあんと積まれわっ秋だ たかはしすなお 201812
韋駄天の雲のおもはく深む秋 鈴鹿仁 京鹿子 201812
空は秋ふっと気になる靴の底 つじあきこ 201812
夕べ来し池の松影秋めきぬ 善野行 六花 201812
大男空渡りゆく夏は秋に 田尻勝子 六花 201812
獣声に大地の鼓動風は秋 西村渾 201812
雲は秋蛸は沈んで水槽に 坪内稔典 船団 201812
雲は秋膝を抱えて木のベンチ 坪内稔典 船団 201812
雲は秋座礁の船を見に行こう 坪内稔典 船団 201812
どこまでも青き空かな水の秋 中里よし子 春燈 201812
手習ひの墨色冴ゆる秋となり 手島伸子 雨月 201901
日を載せて朽ちゆく田舟水路秋 足立典子 雨月 201901
秋 →26

 

2023年9月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。


2023年9月23日