2   100句

どふ寐ても慥かな秋の寐覺かな  其角

作品
作者
掲載誌
掲載年月
足跡が浮き彫りとなる浜に秋 日吉わたる 船団 199912
絵の中も賛肉多しハマは秋 三池泉 船団 199912
シチリアのワインは渋き街は秋 信崎和葉 六花 199912
絵筆を銃に持ち替ふ無念偲ぶ秋 折原あきの 船団 199912
浴後ふと無口になりてとみに秋 大牧広 199912
秋見せて風湿原を過ぎてゆく 屋代孤月 遠嶺 199912
玉入れの幼き抛物線の秋 上谷昌憲 199912
五十年昔のわれ等山の秋 今井千鶴子 ホトトギス 200001
お互ひに淋しい秋とぽつり言ふ 今井千鶴子 ホトトギス 200001
寺領どこも秋飲食のもの置かず 谷川季誌子 200001
老いの秋いつものところ菓子ありて 北原志満子 海程 200001
切株にくさびら生ひて宮の秋 中村七三郎 七三郎句集 200001
隣にも秋取り立てにくる風や 峯尾文世 銀化 200001
山中湖しづかな秋となつてゐし 嶋田一歩 ホトトギス 200001
湖は女神におはし秋を抱く 渡辺純 京鹿子 200001
電話する少年の秋発光す 鈴鹿百合子 京鹿子 200001
秋の人追ひかけてゆく人の秋 湯川雅 円虹 200001
秋あはれ入水崩御の渦のいろ 長谷川翠 馬醉木 200001
露天湯に秋たしかむることも旅 山本潤子 いろり 200001
ちんまりと婆が秋意の仏守る 今井妙子 雨月 200001
野神とは槻の樹のこと里の秋 大橋敦子 雨月 200001
供物ならむや秋翳をうしなへば 青山茂根 銀化 200001
菊五郎一座が来ると島の秋 星野椿 ホトトギス 200001
病む母の仕ぐさに亡夫の見ゆる秋 西村滋子 京鹿子 200001
さよならの握手小さく人の秋 田畑美穂女 ホトトギス 200001
爪切つて秋も半ばの旅終る 松尾龍之介 200001
秋ですね胸の振子が鳴り出しぬ 鈴鹿百合子 京鹿子 200001
逝かれしは六月も未いまは秋 今井千鶴子 ホトトギス 200001
秋の旅先づ日の出るを眺めけり 富田志げ子 酸漿 200002
鵲の巣よわたしこわれそうな秋 野田田美子 海程 200002
四十路の秋の名簿に逝去の字 松井洋子 ぐろっけ 200002
山門へ折れては登りぬ秋の翳 島崎晃 遠嶺 200002
もろもろの恩の果てなる秋果かな 渡辺純 京鹿子 200002
逸翁の文字流麗に句碑の秋 大橋敦子 雨月 200002
どの島の返すこだまか鐘の秋 八染藍子 200002
飛鳥川秋来てみれば穂草の実 田中藤穂 水瓶座 200002
秋侘し一人居もまた二人居も 田中藤穂 「水瓶座」 200002
逝く秋の越後は背山低くして 小澤克己 遠嶺 200002
古都の秋わが詩に翼賜ひたり 柳生千枝子 火星 200002
海を見る君の横顔君の秋 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
秋が手を置く晩婚のうすき肩 本橋怜加 「冬牡丹」 200003
飛ぶ予定なき軽飛行機露の秋 鶴目鯛遊子 六花 200003
後味はティーソーダほどの秋の午後 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
波一線沖も渚も秋の瑠璃 永田二三子 酸漿 200006
そして秋コントラバスからオクトバス 松山律子 六花 200007
予定には積み込まれゐし船の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200008
研鑽も怠け心も人の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200008
吾にもありし学生時代窓の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 200008
秋から冬黒猫の目に青火がぽっ 延原ユキエ 船団 200008
百万遍は秋です中原中也展 白倉ボラン ヒッポ千番地 200008
ビル建ちて又ビル建ちて島の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 200008
遠きより女の声の秋意かな 中川二毫子 夏木立 200008
浪速人住み古り佃島の秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 200008
研修や山湖の秋に踏み入りて 稲畑汀子 ホトトギス 200008
雪の来るまでの短き秋を問ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200009
秋を待つこころ育てむ鼓楼にて 水内慶太 銀化 200009
蝦夷の秋身軽に訪ふも旅心 稲畑汀子 ホトトギス 200009
お互ひに旅の消息聞くも秋 稲畑汀子 ホトトギス 200009
風音やきのふは秋を思はざる 川名将義 銀化 200010
帆船の綱の造形素秋なり 能村研三 200010
引き潮の勢ひや秋と思ひけり 能村登四郎 200010
秋の味旅にして食ぶ朝の粥 能村登四郎 200010
二基の句碑訪はん江津湖の秋訪はん 松尾緑富 ホトトギス 200010
新しき会場に秋活けしもの 稲畑汀子 ホトトギス 200010
カルストの山削られて秋白し 三嶋隆英 馬醉木 200010
その後の句碑訪ふ秋の江津湖畔 松尾緑富 ホトトギス 200010
お茶の味より始まりぬ母の秋 中原幸子 遠くの山 200010
さはあれど踊場といふ秋のある 川名将義 銀化 200010
秋口のいくどもさする母の足 大和田鏡子 俳句通信 200010
藤村の遺稿に出合ふ嶺の秋 遠藤和彦 遠嶺 200011
古書肆秋百円といふ旧師の書 藤田宏 200011
かしこからさよならになる秋便り 桑原敏枝 いろり 200011
片手間に秋は育たぬものなるや 松本康司 銀化 200011
秋白し谺に帰るところあり 大東二三枝 200011
名物の餅の長さも秋意かな 鶴田武子 俳句通信 200011
二度と手をひくこともなき秋の旅 桑原敏枝 いろり 200011
陶芸は闘芸秋の火を育て 山田六甲 六花 200011
秋光の海に空港ちひさかり 有本恵美子 200011
折鶴にひそかな秋を吹き入れる 宇都宮滴水 京鹿子 200011
充實を珠形にせるものの秋 亀丸公俊 銀化 200011
金秋のまんまん中の鯨塚 小形さとる 200011
水車嵯峨野の秋を刻みつつ 中川濱子 ぐろっけ 200011
身の痛みをそつと心に蔵ふ秋 林翔 200011
モネの絵に後ずさりして秋意満つ 湯橋喜美 200011
もつ焼の匂ふ風なり路地の秋 木内美保子 六花 200011
ろくでなしポケットの秋小出しする 宇都宮滴水 京鹿子 200011
掃除機で秋の光を吸ひ取るか 松山律子 六花 200011
噛み殺す欠伸のままに秋意かな 能村研三 200011
木のそよぎ池のさざなみ宮の秋 鷹羽狩行 200011
横貌の秋意がひとり歩きして 宇都宮滴水 京鹿子 200011
脇息に凭れることを秋意とふ 華明日香 銀化 200011
家々の石段川へ垂れて秋 鷹羽狩行 200011
そこは秋厚底靴で行かないで 松山律子 六花 200011
秋は駆け足冷凍食品解凍中 松山律子 六花 200011
百薬の長をほどよく酌みて秋 石井則明 200011
少女に秋地より伸びたるごとく佇ち 若菜純子 200011
犬の尾は西向く秋の逝く方へ 中原道夫 銀化 200012
絹の雲秋を創つて消えにけり 岩垣子鹿 円虹 200012
秋翳を知遇と反古の積もりをり 峯尾文世 銀化 200012
四阿に夫と二人の秋の影 矢嶋英子 遠嶺 200012
秋→3      

 

2021年10月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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