17   100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
額替へて秋の気配を先取りす 山田をがたま 京鹿子 201111
書架の秋厚手辞典はもう持てぬ 小林清之介 風土 201111
城址の森にひそめる小さき秋 小野寺節子 風土 201111
新聞を切り抜く癖や地震の秋 小林清之介 風土 201111
真つ先に秋のきてゐる御堂筋 野澤あき 火星 201111
薪を積む秋に染みゆく丸太小屋 遠山みち子 201111
空に海海に空あり秋半ば 田尻勝子 六花 201111
「ばってん」のことば飛び交ふ阿蘇の秋 山崎里美 201111
竹林に日を導きて秋の行く 神蔵器 風土 201111
抽き出しの整理なぞせむ雲は秋 田原陽子 201111
牛乳瓶の底にうつすら白い秋 河野美千代 201112
障子貼る秋をやさしく迎へむと ことり 六花 201112
乗換の駅いくつ経て島は秋 谷山友夫 春燈 201112
秋翳や一郭残る煉瓦塀 井上信子 201112
秋仕舞納屋ごと藁のにほひかな 谷渡末枝 万象 201112
秋温し手話の会話の前にゐて 松嶋一洋 201112
奥まりし入江や秋の光ゲ名残り 豊田都峰 京鹿子 201112
同齢の君逝き秋も深むかな 水原春郎 馬醉木 201112
朝の影伸びたり歩きやすき秋 大坪景章 万象 201112
ことごとく秋の行くらし立石寺 藤原冬人 火星 201112
二年坂旨し楽しと食の秋 寺田光香 201112
鷺の佇つ向う岸より秋の行く 布施まさ子 風土 201112
疲れ鵜のやうに鵜の島去りて秋 千田百里 201112
米寿なほ凛々の秋めでたけれ 出口貴美子 雨月 201112
木曽路秋若者たちの大き靴 田中藤穂 あを 201112
秋きざむ秒針の音ひとり刻 藤見佳楠子 201112
華甲超えし雨月詩齢を祝ふ秋 味村志津子 雨月 201112
秋は蜷見えず道のみ八方に 神蔵器 風土 201112
秋もはや八十五才ハーモニカ 堀内一郎 あを 201112
秋閑か無人の家に戻りけり 若江千萱 雨月 201112
お誘ひの電話に秋が通りすぎ 芝宮須磨子 あを 201112
海山にはきしジーンズ干して秋 鷹崎由未子 花野 201112
瑠璃玉にテグス通して中の秋 中島陽華 201112
瓦斯燈に明治を灯す浜の秋 大越義雄 201112
干菓子型秋を詰め込むたなごころ 丸井巴水 京鹿子 201112
あかときの一ト降りに秋忍び寄る  三村純也 ホトトギス 201112
親指のぬくもり骨を徹す秋 吉村摂護 201112
仁清の遺愛の甕や月の秋 大石喜美子 雨月 201112
空を褒め風を褒め合ふ秋半ば 大村峰子 万象 201112
船泊りさざなみの溜む秋名残り 豊田都峰 京鹿子 201112
相槌を打つだけで良し秋なれば 濱上こういち 201112
古里や秋を炊き込む自在鍋 稲垣佳子 末黒野 201112
地上地下東京の街縫うて秋 七田文子 201112
呉の秋国民服の父なりし 長谷川としゑ ぐろっけ 201112
欅道一直線に秋闌る 鎌倉喜久恵 あを 201201
秋讃へ車椅子にて投票す 山口天木 雨月 201201
夫になき余生を生きて寧楽の秋 村上美智子 雨月 201201
柵へだて角突き合はす鹿の秋 藤岡紫水 京鹿子 201201
奈良の秋地図に見入りて異邦人 四葉允子 ぐろっけ 201201
憧れの矢をもて放つ秋ごころ 松田都青 京鹿子 201201
一周忌修すはらから蘭の秋 岡淑子 雨月 201201
京劇のひとつ棒芸ハマの秋 松本周二 かさね 201201
一片の雲もゆるさず塔の秋 尾崎みつ子 雨月 201201
今日を生き「王山墳墓」の秋を知る 小野寺節子 風土 201201
日本海の喜怒哀楽を学ぶ秋 小野寺節子 風土 201201
年貢米収めし蔵の荒れて秋 柴田志津子 201201
こもごもに誌齢を祝ぎてホ句の秋 磯野しをり 雨月 201201
師と別れ十とせの秋の行かんとす 大坪景章 万象 201201
復興は遅々立枯れしままの秋 佐藤玲子 春燈 201201
誌齢祝ぎ師の初句集称ふる秋 磯野しをり 雨月 201201
誌齢祝ぐ宴へまかる菊の秋 山本漾子 雨月 201201
時計台に雲影おとし秋は行く 久保田雪枝 雨月 201201
盆栽は考の真似ごと小さき秋 笹井康夫 201201
妹を叱り叱られ雨後の秋 池田久恵 ぐろっけ 201201
枕辺に「花の歳時記」秋病めり 和田政子 201201
秋かもす五十四基の古墳帯 小野寺節子 風土 201201
秋一献「まあいいでしょ」と医者は言ひ 中尾廣美 ぐろっけ 201201
海光の歌碑へ直行バスの秋 遠藤真砂明 201201
蘆の秋手提袋に辞書重し 小林輝子 風土 201201
新しき農具大きく稲の秋 高倉恵美子 201201
幾百の鳥居くぐりて秋清し 桂敦子 201201
古都二つ繋ぐ平城山稲の秋 久保田雪枝 雨月 201201
釘無堂の古佛と対話秋ひと日 川崎利子 201201
晩学の読書の秋をボランティア 小野寺節斤 風土 201202
ぼろぼろの机に秋の詩は生まる 栗原京子 201202
湖の群青深み秋ぞ行く 中野久雄 末黒野 201202
浄瑠璃の部活の出来や島は秋 荒木稔 ぐろっけ 201202
感動を詩にと誓子の句碑の秋 中尾廣美 ぐろっけ 201202
肺深きまでこの清秋の大気吸ふ 池田倶子 雨月 201202
残り火の温もりのことけふの秋 松村光典 やぶれ傘 201202
子に遺す揮身の文字館の秋 中原吟子 雨月 201202
北京語の語尾弾むなり古都の秋 田中信行 201202
菖蒲田は名札ばかりや残る秋 外山生子 末黒野 201202
館の秋母子像多く遺し逝き 中原吟子 雨月 201202
かもめ睡るドナウの秋の岸辺かな 松村光典 やぶれ傘 201202
きらきらと雨あがりゆく森の秋 長山あや ホトトギス 201202
五線紙に想ひ出つづる秋の午後 伊吹之博 京鹿子 201202
一夜さに父母の夢二度秋の果 滝川あい子 雨月 201203
一秋花阿闍梨の道を飾りけり 豊田都峰 水の唄 201203
渚歩すなんといふ人かな秋ぞ 山西商平 ホトトギス 201203
東尋坊野菊にはこぶ風も秋 赤川誓城 ホトトギス 201204
人はまた沖を指差し海の秋 木暮陶句郎 ホトトギス 201204
古里や秋を炊き込む自在鍋 稲垣佳子 末黒野 201204
立山の秋に腰掛けかりんとう 鶴濱節子 始祖鳥 201206
雲は秋へと移りゆく流れゆく 稲畑汀子 ホトトギス 201208
一雨に引き寄せし秋ありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201208
見えぬ子に空に青さを言うて秋 頓所友枝 冬の金魚 201209
父の後四十年の我が秋よ 大橋敦子 雨月 201209
而して米寿の秋の老哀れ 大橋敦子 雨月 201209
地割れせしままのふくしま二度の秋 中島玉五郎 201209
秋 →18

 

2022年10月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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2022年10月21日