14   100句

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
丸ビルの玻璃より秋の来りけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200908
設営は簡単にして秋らしく 稲畑汀子 ホトトギス 200908
健康を取戻したる人の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200908
源流にスメタナ憶ほゆ秋一日 神原徳茂 遠嶺 200908
人に運草にも運や秋が立つ 丸山佳子 京鹿子 200909
秋の香をあらはに庭の金水引 伊藤敬子 200909
奈良の秋今は思ひ出日吉館 木村茂登子 あを 200909
加齢てふことの息災夫の秋 東亜未 あを 200909
賜ばりたるますほの小貝秋啾啾 大橋敦子 雨月 200909
丹の鉄橋渡れば秋の待ちをらむ 千田敬 200909
この国の変はる兆しや星の秋 須賀敏子 あを 200910
標識のたしかある筈稲の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200910
細滝の細さに秋のひびきあり 阿部ひろし 酸漿 200910
何かある尾長騒がし森の秋 吉成美代子 あを 200910
加齢てふことの息災夫の秋 東亜未 あを 200910
刈りし田もこれよりの田も稲の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200910
丸ビルの縁を肥後に繋ぐ秋 稲畑廣太郎 ホトトギス 200910
食欲の秋を楽しむ仲間あり 稲畑汀子 ホトトギス 200910
石畳変はることなき木曽の秋 伊藤敬子 200910
千年の絵巻をたどる古都の秋 梶井和呼 酸漿 200910
段丘のかなたも黄いろ稲の秋 伊藤敬子 200910
潮に濡れ小貝を拾ふ浜の秋 伊藤敬子 200910
どの木から秋早きかと宇治に来し 丸山佳子 京鹿子 200911
触媒のやうに今日まで生きて秋 田辺博充 200911
さらさらと竹の葉擦れや秋たちて 山本節子 200911
頬杖にしばらく過ぐる秋の午後 安藤久美子 やぶれ傘 200911
次々と不快指数の竝ぶ秋 森山のりこ あを 200911
子等乗りて馬のやさしき木曽の秋 室伏みどり 雨月 200911
山坂を上り下りて秋の来る 石脇みはる 200911
白波や秋を行き交ふもののこゑ 加藤みき 200911
一村に長寿ふえゆき芋の秋 水谷靖 雨月 200911
栄養師の秋や真白のいでたちに 大橋敦子 雨月 200911
伊賀の秋首落とされし地蔵かな 米田正弘 200911
雑草にゆかしき名あり野路の秋 村上洋子 200911
仮縫や秋の表彰気恥かし 長崎桂子 あを 200911
オムライス喰ふとき秋は悲しからず 常田創 200911
さても秋身の箍しかと締め直す 松本幹雄 馬醉木 200911
秋たつや飛鳥美人の小さき口 本多俊子 200911
秋の翳仏足石に謎めく絵 小林共代 風土 200911
秋闌けて狐の茶袋煙を噴く 太田實 ぐろっけ 200911
離れてはまた近づいて秋手入れ 布川直幸 200911
初の秋淡海にいくつ津のあると 水谷洋子 200911
艦橋へ秋の北斗の柄の触れぬ 松本三千夫 末黒野 200911
いまだ来ぬ句稿を待ちて秋さびし 布川直幸 200911
虚子年尾汀子句碑訪ふ高野の秋 大橋晄 雨月 200911
強さうな男も急に死んで秋 泉田秋硯 200911
桐一葉天下の秋は変るのか 赤座典子 あを 200911
千億の朝新しき秋ひとつ 柳川晋 200911
総選挙終りし国の秋俄か 滝沢幸助 春燈 200911
どことなく秋の気配や小気味よき 鷲見多依子 200911
交錯すクレーの架線窓の秋 浅井青二 雨月 200911
向合へる東京タワー秋の綺羅 赤座典子 あを 200911
登頂の青春仰ぐ富士は秋 和田政子 200911
銀翼の紙ヒコーキのやうな秋 すずき巴里 ろんど 200912
水干の匠の袖に秋ぼろり 川井秀夫 ろんど 200912
秋闌板の間狭しと新聞店 藤野寿子 あを 200912
一家にて奈良へ墓参や秋ひと日 濱田カノエ 酸漿 200912
雲は秋みじかく病みて友逝けり 吉澤恵美子 春燈 200912
ぷーんと秋醤の郷の小豆島 大西よしき ろんど 200912
レジ待ちの列にごろごろ秋のもの 田中まや 炎環 200912
陶器の火おとろへし町秋暗し 瀬戸雄二 風土 200912
道の駅秋をひろげて売りにけり 五ケ瀬川流一 六花 200912
二尺ほど書斎に日さすもはや秋 鵜野達二 200912
彩づきて大きな秋となりにけり 松井のぶ 200912
黄金の秋に染まりて一輌車 高根照子 200912
波音を妙法と聴く須磨の秋 高橋和女 春燈 200912
燦然の大極殿や平城の秋 笠井清佑 200912
尾を立てて去る描くがね秋の翳 上野昌子 春燈 200912
媛宮の秋や寂びゆく丹の柱 水田壽子 雨月 200912
病葉として美しく秋迎ふ 大坪景章 万象 200912
武蔵野の秋玲瓏と富士の嶺 酒井湧甫 200912
頬杖にしばらく過ぐる秋の午後 安藤久美子 やぶれ傘 200912
摩周湖は沈みてをりぬ秋の底 松本周二 200912
あつあつのコロッケ食す美瑛は秋 須賀敏子 あを 200912
拾ふ骨まろきばかりの残る秋 石寒太 炎環 200912
秋の逢魔が時門出でし猫刎ねしは吾か 上野昌子 春燈 200912
秋の江へ翼傾げる鷹一羽 河崎尚子 火星 200912
秋はものみなはればれとミントの香 高橋将夫 200912
絵硝子に映ゆる神将秋ふけて 小林成子 200912
俯きて去りゆくものを秋と言ふ 有働亨 馬醉木 200912
躓きし砂地に秋のぬくみあり 黒澤登美枝 200912
すいと秋自適といへばそうかとも 北川孝子 京鹿子 200912
かたちなき空と詠ひし人も秋 井上信子 200912
城山の緑泥片岩秋の青 坪内稔典 船団 200912
深呼吸両掌に秋を押し上げて 前川ユキ子 200912
深夜ラジオ少年膝を抱きて秋 船越和香 馬醉木 200912
人間を離れひととなりたる秋の底 島青櫻 炎環 200912
宮跡の町騒鎭む四方の秋 奥村鷹尾 京鹿子 200912
石ひとつ秋の余光を抱きをり 安立公彦 春燈 200912
金星に月の近づく秋一夜 早崎泰江 あを 200912
タンバリン叩いて喉の奥に秋 中谷仁美 船団 200912
くぐりけり秋の霊気の浄心門 大内恵 酸漿 200912
大和は秋幼なじみといふはよき 辰巳あした 雨月 200912
潮引いて干潟は秋の真顔かな 中島讃良 ろんど 200912
降りつづく雨足秋を急ぎをり 岡田房子 酸漿 200912
墓碑銘をなぞるや軋む秋ひとつ 西村純太 201001
伊勢湾の沖待船に空の秋 宮木忠夫 201001
鍵盤を指跳ねまはる白き秋 泉田秋硯 201001
清水の舞台かなめや京の秋 北岸邸子 春燈 201001
触れて見る大黒柱里の秋 藤本秀機 201001
秋 →15

 

2022年10月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。


2022年10月11日